[過去ログ] 宇宙世紀の小説書いてみてるんだけど (1002レス)
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223: ◆tyrQWQQxgU 2019/08/08(木)00:58 ID:U9I/WL1y0(1/36) AAS
>>222
クゥエルって確か元々腕がムーバブルフレームでしたよね?
成果がみられたら脚も変えるんじゃ?と思ってやってみました!疑似Mk-2って感じですね!
ヘイズルみたいなのも好きですが、あそこまでいくともう別物なので…w
あ…確かに…w
勝手にザクマシンガン改をビームにしてましたw
マラサイがゲームだと連射式のビームライフルだったりするんで、あんな感じで多少のブレがあるということにしましょう!w
224: ◆tyrQWQQxgU 2019/08/08(木)01:12 ID:U9I/WL1y0(2/36) AAS
シェクター少尉の報告に唖然とした。まさか中尉が。
我々がベトナム基地に到着して程なく、ボロボロのド・ダイ改が着艦許可を求めてきた。
ゲタを乗り捨てるどころか、ゲタだけで帰ってきたのか。そんな事を思いつつ出迎えに行くと、そこに居たのは少尉1人だけだった。
「僕も…残るべきでした…」
事の顛末をどうにか喋り終えた少尉は、顔を涙でグシャグシャにしながら声を絞り出す。
そんな少尉を責めることなど、誰にも出来はしなかった。
「わかった。敵の部隊が迫って来ているんだな。よくぞ戻ってきてくれた。少し休め」
震える声で答えると、バッカス少佐はシェクター少尉を強く抱きしめた。それを見届けた私は、乗機の元へ駆けた。コックピットに乗り込むと少佐から通信が入る。
『ワーウィック大尉。私は今から艦長達にこの事を伝えてくる。サドウスキー大尉と2人で斥候に出てくれるか?』
「はい。少尉の言うとおりならあまり猶予はなさそうですね」
省2
225: ◆tyrQWQQxgU 2019/08/08(木)01:13 ID:U9I/WL1y0(3/36) AAS
アトリエ中尉を独りで行かせたのがまずかった。食い下がってでも共に行くべきだった。
しかし私はまだ信じられないでいる。憎まれ口を叩きながら通信を入れてくるんじゃないかと思ってしまう自分がいた。
『…大丈夫かい?大尉。今は目の前の敵の動きを探るのが先決だ。行こう』
「はい。時間を無駄には出来ませんね」
私のマラサイとサドウスキー大尉のネモは、周辺の敵機を探る為出撃した。
226: ◆tyrQWQQxgU 2019/08/08(木)01:13 ID:U9I/WL1y0(4/36) AAS
少しずつ空が明るくなってきた。敵影はない。サドウスキー大尉と時折通信を行いつつ探索を続行しているが、一向に敵の部隊は見えなかった。
『少尉の言うような部隊がいるのなら、流石にそろそろ索敵に引っ掛かる筈だが…ん?』
大尉が何か見つけた様だ。
「どうしました」
『これは…酷いもんだ』
大尉の元へ行くと、そこにはティターンズの機体の残骸が多数漂流していた。ハイザックやSFSの残骸があちこちに漂っている。
呆然と眺めていると、その中に見覚えのあるものを見つけた。
「これは…マラサイのものです」
損傷が激しかったが、それは紛れもなく中尉のマラサイの右腕だった。その手にはサーベルが固く握られていた。
227: ◆tyrQWQQxgU 2019/08/08(木)01:14 ID:U9I/WL1y0(5/36) AAS
『恐らく、少尉が離脱する迄の間は勿論だが、その後も中尉が奮戦したのだろうな…たった独りで…』
サドウスキー大尉が低い声で言った。
「この状況からするに、敵も相当の痛手を負ったはずです。今頃態勢を整え直しているのかもしれません」
アトリエ中尉は並の事で落とされる様な腕ではない。独りだとしてもかなりの激戦になった筈だ。とはいえ時間を考えると、かなりの間単機で持ち堪えていた事になる。
『少尉が不時着した島はもう少し先だったな。その辺りに敵が潜んでいる可能性もあるが…どうする?』
「いや、もしそうだとしたら2人だけでは危険過ぎる。1度戻りましょう」
後ろ髪を引かれる思いで、我々はまた基地へと引き返した。
中尉は一体どれだけの時間、どれだけの相手と切り結んだのだろうか。その間、何を思ったのだろうか。私は彼に何をしてやれたのだろうか。
私は、下唇の震えを止めるように噛み締めた。
18話 震え
228: ◆tyrQWQQxgU 2019/08/08(木)01:15 ID:U9I/WL1y0(6/36) AAS
ベトナム基地。地上においてはカラバへの依存度も高いエゥーゴだが、それを懸念してか拠点を少しずつ増やしていた。
この基地もその1つで、ニューギニア基地のティターンズに睨みを効かせつつ、アジア圏での戦いを有利に進めるべく拡張を続けてきた。
そのベトナム基地の本営で、エゥーゴとカラバの各将校達が軍議の為集まっている。もう日は昇り、外では飛び回る鳥たちの声が聞こえていた。
索敵から戻った私はサドウスキー大尉を部隊へ戻し、独り本営へ赴くとすぐに報告に入った。
229: ◆tyrQWQQxgU 2019/08/08(木)01:16 ID:U9I/WL1y0(7/36) AAS
「報告致します。昨夜シェクター少尉の報告にあった区域を索敵して参りましたが、敵影は認められませんでした」
それを聞いて、モニターの向こう側にいる頬のこけた細身のスーツの男が不服そうに肘をついた。
「ワーウィック大尉だったか。ご苦労。ティターンズの部隊がこちらへ向かっているというのは事実ではないのか?」
「残ったアトリエ中尉と敵部隊の戦闘の痕跡が見受けられました。かなりの損害を与えていると思われます。
ハイザックやベースジャバーの残骸が相当量見つかっています」
「態勢を立て直している最中といったところか…ふむ」
スーツの男は椅子にもたれかかって思考を巡らせている様だった。
「追跡されていたのは承知の上でしたが、攻略するつもりでくるとは思っておりませんでしたな」
スギ艦長が頬を掻きながら言う。
230: ◆tyrQWQQxgU 2019/08/08(木)01:17 ID:U9I/WL1y0(8/36) AAS
「まだムラサメ研究所の動向も掴めんというのに、火種がまた増えた」
エゥーゴの将校と思われる恰幅の良い男が腕を組んだ。
陣営を見渡しながら、将校達にあまり緊迫感を感じられない私がいた。
中尉が戦わなければ今頃ここは火の海だった。それをわかっているのか?思わず拳を握りしめる。それを横目に見たバッカス少佐が口を開く。
「私の部隊にいかせてください。敵の諜報員の脱走時にもMSを喪失しておりますが、補充さえしていただければすぐにでもこちらから打って出ます」
231: ◆tyrQWQQxgU 2019/08/08(木)01:17 ID:U9I/WL1y0(9/36) AAS
スーツの男が身を乗り出す。
「よし。エゥーゴから機体を出そう。丁度テストを終えた機体もあるしな。人員はこれ以上増やしてやれんが、ワーウィック大尉も暫く預けたままにする。
アトリエ中尉とマラサイ1機を欠いたのは痛いが、引き続き部隊の指揮を執ってくれ。
まだ完成していないベトナム基地を本格的に叩かれるのは避けたい。敵の全容が見えないうちは迂闊に戦力を割けんのだ…。せめて君たちには最大限のサポートを約束しよう」
バッカス少佐が一礼する。スギ艦長が陣営を見渡しながら話をまとめに入る。
「急を要しますのでな。早速私の艦の補給を始めていただきたい。迎撃態勢のエゥーゴ部隊はそのまま待機、我々は速やかに補給と機体受領を済ませます。それで良いですかな?」
異論はなかった。
「では私はこれにて。よろしく頼んだぞ」
そういうと、スーツの男は通信を切った。
232: ◆tyrQWQQxgU 2019/08/08(木)01:18 ID:U9I/WL1y0(10/36) AAS
私と少佐は本営を後にすると、ガルダ級の格納庫へ向かう。補給と併せて破壊されたハッチの修繕が始まっているが、艦の大きさも相まって整備班も大仕事になりそうだった。
サドウスキー大尉に連れられ、メアリーがやってきた。私の脚に抱きつく。
「メアリー…。」
「大丈夫よ。わかってるから」
こんな幼い子が現実に向き合おうとしている。それに対して私はどうだ。ただ将校達に苛立っていただけではないのか。
本当に中尉の事を思うなら、今やるべき事を確実に遂行すべきだ。
「少しまた寂しい思いをさせるかもしれないが、私も戦ってくる。中尉もそうする筈だ」
「うん。ベイトにはまた会えるわ」
まだ彼に会いに行くには早すぎる。メアリーをひとしきり抱きしめると、サドウスキー大尉が口を開いた。
「新しく2機ほど受領しにいくぞ。どっちも高性能な機体らしいな!」
省4
233: ◆tyrQWQQxgU 2019/08/08(木)01:19 ID:U9I/WL1y0(11/36) AAS
「でっかい飛行機ね!」
メアリーが目を丸くして驚いていた。
「Gディフェンサーだ!この機体は、エゥーゴが奪取したガンダムMk-2のサポートの為に開発を進めていた戦闘機でな。
単体での戦闘力もかなり高いぞ。ロングレンジライフルがあれば大体の機体は簡単にぶち抜ける」
ヴィジョンが興奮気味に話す。相変わらずボサボサの頭に無精髭だ。
「でも飛行機でロボットに勝てるの?」
「お嬢さん馬鹿言っちゃいけねぇよ!こいつはなぁ…ロボットと合体するんだぜ!!」
「すごい!!」
2人で随分と盛り上がっている。メアリーが塞ぎ込んでいないのは私にも救いだった。
「合体って…。いや男の浪漫的なやつはわからんでも無いですけど…」
省5
234: ◆tyrQWQQxgU 2019/08/08(木)01:20 ID:U9I/WL1y0(12/36) AAS
「もう1機がこいつだ。リックディアス!正直こいつのデザインは気に入らねえんだけどな…ジオンのドムからインスピレーションを受けて製作…?
その割にはカクカクしてやがる!おい!曲線美は!?何処行っちまったんだよおーい!!」
「いや、ヴィジョンの頭のネジこそ何処行ったんだ」
「すまんすまん、取り乱した。こいつは別名γガンダム。装甲材に因んで付けられたらしいが、どう見てもガンダムじゃねぇよな。それでリックディアスって名前になった。
その装甲材は言わずもがな、重装甲に見えて機動性、運動性も申し分ないってのはドムに似てるな。こいつはサドウスキー大尉が乗る」
「いい機体みたいだな」
大尉が嬉しそうに見上げている。
235: ◆tyrQWQQxgU 2019/08/08(木)01:21 ID:U9I/WL1y0(13/36) AAS
「受領するにあたってこれから整備チェックに入る。お前らもシミュレーションはしっかりやっとけよー」
ヴィジョンは手を振りながら去っていった。
「私以外はみんな新型か。少佐もバックパックを換装するし」
「いやいや、大尉は初めから新型だったでしょ」
シェクター少尉が笑う。
「ま、ここからは誰もあんたに遅れはとらんさ」
サドウスキー大尉が胸を張る。
「各自出撃に備えて準備に入れよ。機体の準備が出来次第すぐに声を掛ける。食うなり寝るなり、今のうちにしておけ。私も機体が楽しみだが、とりあえず食事にいってくる」
そういうと、少佐も笑った。
皆それぞれに散っていく。私とメアリーだけがその場に残った。
省4
237: ◆tyrQWQQxgU 2019/08/08(木)11:01 ID:U9I/WL1y0(14/36) AAS
>>236
すみません、よくわかってませんでした…
これからsage進行にします!
239: ◆tyrQWQQxgU 2019/08/08(木)15:37 ID:U9I/WL1y0(15/36) AAS
>>238
全部が全部上げちゃうと邪魔になるってことですよね、仰るとおり話の頭だけ上げるくらいにしようかと思います!
勉強不足ですみません、こういった事も教えていただけると非常にたすかります!
240: ◆tyrQWQQxgU 2019/08/08(木)15:42 ID:U9I/WL1y0(16/36) AAS
「大体わかった。君は我が隊に編入という事だったが、その部隊自体再編の必要がある。それに今回はMS戦が主だ。
君はそこには混ざらず、私の指揮下で単独で動いてもらいたい」
アイバニーズ少佐は無表情にそう言った。感情の起伏が少ない男だった。メイにはこの男が考えている事が何だろうとどうでも良かったが。
「わかりました。それでは次はどのようにすれば?」
「後続のムラサメ研究所の所属部隊と接触してほしい」
「研究所ですか」
きな臭い連中だった。人の頭をこねくり回して技術開発をしている気味の悪い機関だ。結局NTは連れ帰れなかったが、見たところ普通の女の子だった。
「今回の作戦にも一枚噛んでいる。情報交換を兼ねて出向し、機体の受領を任せたい。奴らが渋っても持ってくるんだ。機体の奪取には君が適任だろう?」
冗談なのか皮肉なのか、表情からは読み取れない。
「いけ。もう失敗は許さん」
省2
241: ◆tyrQWQQxgU 2019/08/08(木)15:43 ID:U9I/WL1y0(17/36) AAS
適当なベースジャバーを見繕い、出撃出来る様メカニックに準備をさせた。それを待つ間、外の空気を吸いに行く。
昨晩ふたりきりで静かだったこの島も、今はティターンズの部隊が到着した為に一時的に騒がしくなっていた。
旧式のU型潜水艦から物資を受け取りつつ、後続の部隊との合流準備に追われている。
何の気無しに、昨日不時着した場所を訪れる。時間があれば機体も接収しておきたいところだが、動きもしないボロボロの機体を回収していられる程の余裕は無かった。
スティレットは無事に帰還できただろうか。メイが脱出して間もなく、エゥーゴだかカラバだかの機体がこの島を訪れていた様だ。
少なくとも、メイが今朝ここに戻ってきた時には既にスティレットは居なかった。
アイバニーズ少佐の部隊と交戦した機体がスティレットを回収したものと同一かはわからないが、無事を祈るより他ない。不時着した2機のネモに近づき、手を触れる。また会えるだろうか。
すると、ネモのコックピットで物音がした。ここには自分以外いない筈。メイは恐る恐る近づく。
「…スティレット?」
その声を聞いてか、コックピットから人が這い出してくる。
省3
242: ◆tyrQWQQxgU 2019/08/08(木)15:44 ID:U9I/WL1y0(18/36) AAS
医務室へ担ぎ込まれた謎の男は、治療の後ベッドに寝かされていた。傍の椅子に座り、医師から話を聞く。
「かなり憔悴してます。怪我自体はそこまで酷くは無いですが…体力の回復が第一といったところですかね」
医師はひと通りの説明すると、席を立つ。
綺麗にしてみると、彼がガルダに乗っていた間抜けな2人組の片割れだとわかった。それを知るのはガルダ級に潜入したメイだけだが。
何故ネモのコックピットに居たのか定かではないが、少なくとも傷ついたまま放っておく訳にもいかない。
運が良かったのか悪かったのか、生き延びた彼は尋問なりを受けて取引にでも使われるだろう。メイの知るところではない。
男は静かに眠っているようで、今すぐ話を聞けるような状態ではなさそうだ。
とにかく命は助かった。目処がついたところでメイも任務へ戻ることにした。ベースジャバーの元へ急ぐ。
243: ◆tyrQWQQxgU 2019/08/08(木)15:46 ID:U9I/WL1y0(19/36) AAS
「それでは、行ってまいります。少佐もご武運を」
簡単に挨拶を済ませ、ベースジャバーに乗り込む。
ムラサメ研究所から派遣されてきた軍艦はここより幾らか北東の位置を巡航している最中だ。それほど時間は掛からずに到着出来るだろう。
エンジンに火を入れ、オペレーターの指示を待つ。
「下手な動きはするなよ」
背後から男の声がした。
「なんなの全く」
「さっきは助けてもらって礼も言えなかったし、挨拶くらいしとかないとってな」
顔を見えないが、察するに先程の男だった。
『こちら管制。いつでもいけます。…どうかされましたか?』
省6
244: ◆tyrQWQQxgU 2019/08/08(木)15:48 ID:U9I/WL1y0(20/36) AAS
「それで?ハイジャックでもする訳?」
作戦を中断する訳にも行かず、メイは男を乗せたまま航行していた。
「いやいや、好きなとこへいけよ。お前だけ単独行動なんだろ?話してるの聞いたぜ」
メイよりも諜報員に向いていそうだった。乗り込んできた男は、図々しくも私の隣の座席へふんぞり返った。
「あなた、よく動けるわね。死にかけてたのに」
「幸いどこも折れたり千切れたりしてなかったしな。顔の傷は残りそうだが…」
頬の傷を触りながら事もなさげに男が言う。致命傷が無かっただけで、総合的にはボロボロもいいところだった筈だ。
「南下しないんだな。別の部隊と合流か?」
「あなたに話す必要はないわ。着艦したあとどうするのよ」
「お前に話す必要はないな。」
省2
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