[過去ログ] 宇宙世紀の小説書いてみてるんだけど (1002レス)
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100: ◆tyrQWQQxgU 2019/07/29(月)19:03 ID:Qf4aJzAq0(1/10) AAS
仕事が早めに終わったので、今日も投下します!
101: ◆tyrQWQQxgU 2019/07/29(月)19:05 ID:Qf4aJzAq0(2/10) AAS
 敵機の撤退を確認しガルダ級へと帰還した我々は、整備班に機体を預け、今回の交戦について意見を述べ合う為ブリーフィングルームで皆と合流した。
 到着した者からばらばらと席につく。先程の戦闘で共に戦った部隊が集められているが、1機は離脱して1機は撃墜。私と中尉を含めて5人でのミーティングとなった。

「まず本題に入る前に…」
 部隊長と思しき40代くらいの女性が皆を前にして口を開いた。
「まともな挨拶をする前に先程の襲撃だったからな…簡単に自己紹介しておく。
 私がMS部隊を任されているライン・W・バッカス少佐だ。地球で生まれ、地球で育ち、今は似非地球至上主義者どもからこの星を奪い返す為にここに居る。」
 褐色の肌にドレッドヘアの彼女は、カツカツとブーツを鳴らしながらモニターの前を歩いた。
102: ◆tyrQWQQxgU 2019/07/29(月)19:05 ID:Qf4aJzAq0(3/10) AAS
「先程の防衛戦、皆よくやってくれた。帰還出来なかった者も居る。彼の為我々がまた戦うことが出来るなら、また死力を尽くそう。
 絶えず戦わねばならないというのは酷な事だが、諸君なら互いに背中を預けられると信じている」
 そう話しながら彼女は、椅子にふんぞり返ったアトリエ中尉の前で足を止めた。
「ベイト・アトリエ中尉。エゥーゴ所属だったな。戦闘配備の指示があった時貴官は何を?途中まで姿が見えなかったが」
「…頭痛が酷かったんですよ。こんなバカでかい艦だとそんな状態で格納庫まで辿り着くのはひと苦労でしたからなぁ」
103: ◆tyrQWQQxgU 2019/07/29(月)19:06 ID:Qf4aJzAq0(4/10) AAS
「アトリエ中尉」
「ん…?」
 小生意気な態度で少佐を上目に見据えたアトリエ中尉の顔に、彼女の鉄拳が飛んだ。
 派手に椅子ごと吹っ飛ばされた彼は、何が起きたかよくわからない様子でひっくり返っている。
「理由はわかった。しかし、その態度でそれを口にする貴様の為に同志が犠牲になったと思うと私はやるせない。
 貴様の様な男にいい機体をやって、運び届ける為に戦うのが我々の仕事だ。だが次また足を引っ張る様な真似をすれば、この程度の修正では済まさん」
 憐れむように中尉を見下ろし、そう言い捨ててまた少佐は歩き出した。中尉は呻きながら切れた口を拭っている。
「サム・ワーウィック大尉。貴官もこの男の上官ならば然るべき指導をしろ。
 先程の戦いでも感じたが、貴官自身にしても度胸はあるが同時に迂闊だ。肝に銘じておけ」
「申し訳ありません」
省1
104: ◆tyrQWQQxgU 2019/07/29(月)19:07 ID:Qf4aJzAq0(5/10) AAS
 色んな意見が出たものの、結局先程のティターンズの動きについては単にこちらの移送を狙っての事だったと結論づけた。
 ガルダ級自体数が限られる為、恐らくマークはされていただろう。マラサイの偽装が裏目に出て、敵からすれば未知の新型を輸送しているとしか見えなかったのかもしれない。
「問題の黒いMAだが、まだ詳しい情報は入っていない」
 少佐は、先程交戦した際の不鮮明な画像をモニターに映した。
 その姿を見るなり、ノーマルスーツを着たままの口髭を蓄えたオールバックの男が口惜しそうに膝を叩いた。
「ティターンズの考えそうな事だな。性懲りもなくガンダムとは!…おう、俺はトキオ・サドウスキー大尉だ。よろしく」
 大きな手でがっしりと握手された。豪快に笑うが、屈託のない笑顔だ。
105: ◆tyrQWQQxgU 2019/07/29(月)19:08 ID:Qf4aJzAq0(6/10) AAS
「恐らく、あの姿や戦闘力から考えてもかなり重要な代物なのは間違いあるまい。
 あのMAもアッシマーの部隊と共にこちらを追っていたのか、あるいは急遽参戦したのか…すんなり引いたのも気になる」
 少佐はそう口にしながら考えを巡らせているようだった。
「…わかっていることが少なすぎます。とにかく予定通りの行路を進みましょう。こちらの移送を阻みたいのであれば、また動くはずです」
 そう進言したものの、私自身もまだ敵の出方は予想出来なかった。
「…モグラ叩きみたいなもんですよ…頭を叩きゃいい…」
 アトリエ中尉が頬を擦りながらそういった。
106: ◆tyrQWQQxgU 2019/07/29(月)19:09 ID:Qf4aJzAq0(7/10) AAS
「…シェクター少尉はどう思う」
 サドウスキー大尉にそう言われた華奢な黒髪の青年はそのまま押し黙っている。
「悪いやつじゃないんだが…その…シャイなのさ。4号機に乗ってたスティレット・シェクター少尉だ」
 サドウスキー大尉は苦笑いして頭を掻いきながら続ける。
「まあ…俺もとりあえずひよっこ2人の移送を優先していいと思いますよ、少佐」
 モニターから目を離し、皆を見回しながらひと呼吸置いた少佐は考えをまとめたようだった。
「ふむ、皆の意見はわかった。整理して艦長に話をしてくる。また招集がかかるまで自室で待機しておいてくれ」
「「了解しました」」
 バッカス少佐が退出すると、残る我々もばらばらと席を立った。
107: ◆tyrQWQQxgU 2019/07/29(月)19:10 ID:Qf4aJzAq0(8/10) AAS
「あの女…今どき体育会系かよ…」
 アトリエ中尉が小声で悪態をついている。
「あれは中尉の態度が悪いな」
「誰の為に殴られたのかわかってて言ってんのかよ全く…」
 ヨロヨロと立ち上がるアトリエ中尉に手を貸しながら、サドウスキー大尉とも話をした。
「サドウスキー大尉は何処の出で?」
「俺は地球生まれだよ。少佐とは旧知の仲でな、付いていく形で今はカラバだ。シェクター少尉は…あら、何処行った」
 シェクター少尉は既に退出しているようだった。
「あいつは黒いやつに落とされた子と仲が良かったんだよ。後で話をしておくさ」
 力なく言った大尉は、私達にウインクをして去っていった。
省2
108: ◆tyrQWQQxgU 2019/07/29(月)19:12 ID:Qf4aJzAq0(9/10) AAS
「遅かったじゃない!放ったらかしにして!」
 部屋に戻るなり貨物ちゃんが飛んできて、アトリエ中尉の脛をけたぐっている。
「女性人気1位だな中尉」
 金髪の坊主頭に耳のピアスと腕のタトゥー…控えめに言ってもかなり厳ついアトリエ中尉だが、何故か本当によく人に好かれる。
 ここに来るまでの演習などでも和の中心にいた。今回は痛い目に遭っているが。
「殴られたり蹴られたり散々だぜ」
 尚も暴れる貨物ちゃんの首根っこを掴んでベッドへ放り投げると、私と並ぶようにソファに座った。
109: ◆tyrQWQQxgU 2019/07/29(月)19:13 ID:Qf4aJzAq0(10/10) AAS
「しかし…どうするかな中尉」
「どうするも何も、次に寄港なり拠点入りするなりした時に降ろすしかないだろうよ」
「降りないわよあたし。降りたら大変な事になるんだから」
 ベッドに倒れたまま、思いの外真剣なトーンで彼女はそう言った。
「まぁ確かに、軍艦に密航した上に軍事拠点ではいサヨナラとは行かんだろうな流石に」
 私は席を立ち、3人分のドリンクを手に取る。
「そういうことじゃないのよ!
 うーん、とりあえずひと段落したんでしょ?偉い人に会わせてよ」
 貨物ちゃんは私からドリンクを奪い取ると一気に飲み干した。
「このまま此処に居られても困るしな…ブリッジに連れていこうぜ」
省5
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