[過去ログ] 宇宙世紀の小説書いてみてるんだけど (1002レス)
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865: ◆tyrQWQQxgU 2020/07/01(水)14:48 ID:GwywEkd60(1/11) AAS
>>864
彼女の父については重要な部分になるので、今後掘り下げていきます!
艦長や一部の人間は知っている様ですが、ほとんどの人間が知らないことです。
設定としては最初期の構想からの決定事項なので、是非読み進めてもらえればと!
グレッチ艦長は完全にお父さんですね…笑

コロニーレーザーみたいなでかいものを作るともなれば、工廠をもつ拠点の助力は居るかなと。
因みに個人的にはコロニーレーザー(ソーラ・レイ、グリプス2)だと思ってるので、文章ではそう表記してます!括弧内が個別名称という認識です!

ジャミトフの真の目的は地上から人を上げることなので、戦線が宇宙に移行するのは納得です。とはいえそれを前線の末端まで理解しているはずもなく…っていうのがティターンズが負ける敗因のひとつだと思ってます。

ステムは髪型が違うリディルくらいのイメージです笑
カミーユ2Pは想定外でした笑笑
省4
866: ◆tyrQWQQxgU 2020/07/01(水)14:54 ID:GwywEkd60(2/11) AAS
 マンドラゴラの修理が終わったのは、攻略戦から少し時間が経過してだった。
 出撃出来なかったこともありスクワイヤ少尉自身も手伝ってはいたものの、他部隊の補給も急がねばならず、ドックは相変わらず慌ただしく人と機材が行き交っていた。
「あ、中尉!」
 格納庫から退出しようとしているフジ中尉に声を掛けた。
「少尉か。ガンダムはどうだ?」
「おかげさまで取り敢えずは。…参戦できなかったのが心残りですけどね」
「そういうな。まだ始まったばかりだろう」
 腕組みしたフジ中尉の横で、手すりに寄りかかりながら辺りを見渡す。サラミスが落ちたことで母艦を失い、アイリッシュに帰投した者も多い。心なしか普段見ない顔が多いように思えた。
「おいお前ら!暇してるんならこっち手伝え!」
 少尉達に気付いたメカニックのひとりが怒鳴った。どこも人手が足りていないのだ。
省11
867: ◆tyrQWQQxgU 2020/07/01(水)14:55 ID:GwywEkd60(3/11) AAS
「しかし、こちらももうボロボロではないですか…」
 合流したパイロット達のうちのひとりが声を上げた。
「案ずるな。月からの増援を予定より急がせている。彼らと入れ代わり立ち代わり攻め立てることで、我々は補給も行えるようになる。苦しいのは今だけだ」
 大佐の説明に皆黙った。
「…わかるぜ。今ここにいる面子は仲間を失ったやつも多いだろう。
 でもな…ここで戦わねぇと、その犠牲も無駄になっちまう。そんで、もっと多くの仲間がやられるかもしれねぇ。今は俺達が先鋒だ。頼まれてくれ」
 グレッチ艦長が言葉を添えた。少尉は艦長のこういうところは好きだった。いらない一言を添えることもあるが。
「…では、作戦の説明をフジ中尉に任せたい。良いかね」
「はい」
 ロングホーン大佐の呼びかけで、中尉が前に出た。彼の分析力は大佐にも買われているらしい。
省23
868: ◆tyrQWQQxgU 2020/07/01(水)14:55 ID:GwywEkd60(4/11) AAS
 説明が終わり、それぞれ持ち場へと戻っていく中にワーウィック大尉を見つけた。
「今度こそ私も出れそうですね」
「少尉か。やはり少尉抜きだとなかなか上手くいかんよ」
 頭を掻く大尉と横並びで格納庫へと向かう。
「私がいないんじゃ大尉も実力発揮出来ませんからね」
「まあそんなところだ。ガンダムはもういいのか?」
「あの子だけ一応アナハイムの技師がついてるんで、修理は比較的早いんですよ」
 マンドラゴラは試作機ということで、アナハイムから出向した技師が世話を焼いてくれる。技師の話に依れば、マンドラゴラの元になった機体はデラーズ紛争時にこのコンペイトウで散ったという。
 表沙汰にはなっていない話の様だが、人の記憶・口頭の伝承までは消せはしない。その証人がマンドラゴラとも言える。
「…マンドラゴラの兄弟達がここで戦ったらしいんです。何かの縁かもしれませんよね」
省10
869: ◆tyrQWQQxgU 2020/07/01(水)14:56 ID:GwywEkd60(5/11) AAS
『そろそろ予定のポイントです。案の定…手薄ですね』
『わざわざこっちまで回り込んでくるとは敵も思うまいな』
 ワーウィック大尉とフジ中尉の通信を聞きながら、スクワイヤ少尉は2人と共に先行して敵の動きを探っていた。
「しっかし…殆ど何もありませんね…」
『そういう場所だからな』
『ですが、上陸して簡易的な拠点でも組めれば腰を落ち着かせて作戦を進められます。
 要塞の設計が変わっていなければ古い工廠もここから近い筈です。整備して補給拠点として使えれば都合も良いのですが』
『敵地で補給か。屯田兵みたいなものだな』
「ドンデンへー?」
 この2人と話していると知らない単語がよく出てくる。
省12
870: ◆tyrQWQQxgU 2020/07/01(水)14:57 ID:GwywEkd60(6/11) AAS
 敵に気付かれるのを承知で敵のセンサー範囲へ入る。隠れようのない以上、速攻が有効である。
「マンドラゴラ、先行します」
 機動力に優れる少尉のガンダムを筆頭に、百式とネモが続く。こちらの動きに気付いたハイザック達が迎え撃つが、敵も多少狼狽えているのがわかる。
 小さく固まっているハイザックを中尉のネモが撃つ。それを躱そうと慌てて隊列を崩した直後、ガンダムが襲った。
 袈裟斬りにして1機始末すると、返す刃で振り向きざまにもう1機横凪ぎにする。それをシールドで受けたハイザックだったが、その背後で百式の走査線が赤くチラついた。
 背後から押し当てた薙刀に形成されたビーム刃が的確にコックピットだけを貫く。逃げ出すようにして撤退を試みた残りの1機だったが、こちらはネモのライフルで撃ち抜かれた。

「…片付いた感じですね」
 また辺りに静寂が戻った。
『しかし、このまま上陸というのは余りに呆気ないな…』
『或いは、罠かもしれません』
省5
871: ◆tyrQWQQxgU 2020/07/01(水)14:57 ID:GwywEkd60(7/11) AAS
『増援か!?』
『機種不明…こ、これは』
 岩肌から突如茎のようなものが伸び、虫の頭を思わせる形状のユニットがチューリップの様にゆらゆらと揺れ始めた。
「何あれ…気持ち悪い」
 映像が鮮明でないが、極太のワイヤーか何かが先端のユニットを支えているらしい。
『防衛設備のひとつでしょうか?それにしてはあまり見ない形状ですが…』
『フジ中尉は一時退避してアイリッシュに通信を。熱源を見るにこの形は…』
 ワーウィック大尉のいう熱源は大きな菱形に見えた。岩肌の下に感知しているが、異様に大きい。
「うわっ」
 その岩肌がせり上がった。辺りの地表が大きく揺れ始める。宇宙空間では音を発していないが、この振動は尋常ではない。
省10
872: ◆tyrQWQQxgU 2020/07/01(水)14:58 ID:GwywEkd60(8/11) AAS
「…で、どうするんです?これ…」
 思わず少尉は脱力してシートに沈んだ。どう見てもMAである。敵はまだ完全に動ける状態ではない様で、中尉を追う素振りは見せない。
『まさか完成していたとはな…グロムリン』
「知ってるんですか!?」
『ジオンの試作MAだよ。ほぼペーパープランだった筈だが、恐らくはティターンズの連中が組み上げたんだろう…』
 完全にシェルターが開き切り、足元まで確認出来るようになった。全長60mはある。グロムリンと大尉が呼んだその機体は、巨体を支えている一本脚を、ゆっくりと屈めた。
『…来るぞ!』
 大尉の声と殆ど同時に敵はメガ粒子を辺りに撒き散らした。撃つというにはあまりに砲門が多過ぎる。文字通り雨の様に、地表へビームが降り注いだ。
「あはは!笑うしかないでしょこんなの!!」
 少尉はヤケ気味に笑い声を上げた。2人は器用にビームを躱しつつ距離を取る。それを捉えた有線ユニットが少尉目掛けて更にビームを放つ。
省22
873: ◆tyrQWQQxgU 2020/07/01(水)14:59 ID:GwywEkd60(9/11) AAS
「中尉が戻ってくるまで、落とされる訳にはいかないんですよ」
『その通りだな。しかし、このままではまともに近づく事もできん』
 再び突進してきたグロムリンを迎撃する。厄介なことに、突進しながら砲撃も躊躇なく仕掛けてくる。
『ちぃ!』
 その尽くを躱しながら、今度は大尉が仕掛ける。一定の距離まで間が縮まったタイミングで、百式は一気に逆噴射を行った。そのまま敵の勢いを殺すと、数ある爪の1つを切り落とした。
『く…この程度では…!』
 すぐさま離脱を試みた大尉だったが、追いかける様に敵がそのままグルリと回した脚部に蹴飛ばされる。
『ぐぅ…!!しょ、少尉!!』
 僅かに敵の姿勢制御が乱れた一瞬を突き、少尉はライフルを撃ちながら敵へ突っ込んだ。こちらを向いていた砲門をいくつか潰しつつ、更に接近する。
「うッッッ…とおしい!!!」
省18
874: ◆tyrQWQQxgU 2020/07/01(水)15:00 ID:GwywEkd60(10/11) AAS
 威勢よく返事をしたものの、敵MAは高火力・高機動に加えて兵装の全容はまだ見せていない。適度な距離を保ちつつ狙いを定めるのは並大抵の事では無かった。
「調子に乗って…こいつ!」
 流石のガンダムもガタがきているのか、躱しきれない攻撃が掠め始めていた。砲撃を逸らそうと角度をつけたシールドが、そのままビームに持っていかれる。
「まずっ…!」
 シールドに腕を引っ張られる形で機体が大きく傾き、そこへ更なる砲撃が襲った。幾つかを躱し、しかし幾つかをまた掠めた。
『大丈夫か!?』
「どうにか…!」
 そういう大尉の百式もあちこち装甲を失っている。彼は近接武器しか携行していない事を考えれば、更に攻撃は難しいはずだ。
『敵のシルエットは左右対称だ。両面を相手にせず、一面を2人で叩いて敵の砲撃を散らす』
 言うやいなや、息つく間もなく大尉は半ば囮になるような形で飛び出した。上部から攻める大尉に対して、少尉は足元から敵へ接近する。
省6
875: ◆tyrQWQQxgU 2020/07/01(水)15:01 ID:GwywEkd60(11/11) AAS
「離してよッ!」
 脱出しようと粘ったものの、遂にライフルの弾を切らした。背中のポットもうまく動作せず、抜け出す事ができない。
『こんな紐くらいで…!』
 百式は自らの左腕を薙刀で切り離すと、よろめきながらも渾身の一振りでクローのワイヤーを叩き斬る。脚部を切り離された敵機は苦し紛れにビームを乱射し、百式はそれを肩に受けた。背中のバインダーからも火を吹きながら制御を失っている。
『く…。まあ2人にしては…良くやったよな』
 百式は肩から左腕を失い、殆ど墜落する様にして少尉の傍へやってきた。薙刀を地に突き立て、軋む首を持ち上げて敵を見据える。グロムリンは地表に倒れたが、スラスターで再び浮遊しようとしていた。

「大尉…」
 少尉は思わず唇を噛む。出来ることはもう殆ど無かった。
『…少尉は下がれ。恐らくアイリッシュがこちらに合流すべく進路を取っているだろう』
 大尉はガンダムを掴んだままのクローを薙刀で切断し、脱出を促す。
省9
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