[過去ログ] 宇宙世紀の小説書いてみてるんだけど (1002レス)
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962: ◆tyrQWQQxgU 2020/07/28(火)00:27 ID:m1HvhbmY0(4/7) AAS
 艦長との一件の後、少しの時間が経った。スクワイヤ少尉達はコンペイトウでの休息を終え、アイリッシュもまたコンペイトウを後にすることとなった。アンマンに戻り、グラナダのアナハイムチームによるガンダム改修や新型機の受領を行う為だった。
 小さくなっていた月も随分大きくなり、長い戦いがひとまず終わったのだという実感も少し感じられる。そんな月をしばらく眺めた後、少尉は自室を出た。
 ワーウィック大尉の容態もすっかり快方に向かい、そろそろ彼も自室での待機を許される頃合いだ。スクワイヤ少尉は大尉を手伝う為、医務室へと向かった。

「ああ、済まないな少尉」
 大尉は丁度身支度を始めているところだった。
「言っても病み上がりですもん。手伝いますよ」
「少尉こそ…ここのところ、あまり元気がないみたいだが。…大丈夫か?」
 あの一件以来、艦長ともギクシャクしたままだった。ワーウィック大尉にもどう接すればいいのか測りかねているところがある。
「別に…。さ、行きましょ」
 大尉についていく形で医務室を後にする。2人で廊下を歩きながら、何か話題がないか探した。
「…そういえば、月に戻ったら新型を受領するとかなんとか。大尉が乗るんでしょ?」
「そうなるのかな。グラナダの工廠で作ったらしいが…ジオン系の機体なら扱いも楽だ」
 大尉はいつもと変わりない。それはそうだ。考えてみれば、変わってしまったのは自分自身の心の持ちようだけだった。
「少尉のマンドラゴラも改修するんだろ?」
「らしいです。私は元通り直してくれればそれだけで全然良いんですけど、アナハイム的にはもっとデータが取れるから改良させてくれって」
「ま、少尉とガンダムはもうワンセットみたいなものだからな。少尉の活躍を考えれば、彼らが張り切るのも無理はないさ」
 これまでの少尉なら素直に喜んだ。しかし今の少尉には、大尉の何気ない言葉すら何処まで信じられるのか確証がなかった。
「…大尉」
 思わず立ち止まる。やはり、もう今までと同じでは居られない。
「どうした?やっぱり何か変だぞ」
 大尉が覗き込むようにして心配する。その彼の気遣いすら痛かった。
「…聞きたいことがあるんです。その…色々」
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