[過去ログ] 宇宙世紀の小説書いてみてるんだけど (1002レス)
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959: ◆tyrQWQQxgU 2020/07/28(火)00:25 ID:m1HvhbmY0(1/7) AAS
 艦長の言う通り、一年戦争時はパイロットとして戦った様だ。終戦後は残党の拠点を虱潰しにまわり、いつしか特務部隊の隊長として任務をこなす様になったことがわかった。そして、ティターンズからの勧誘。そこから先の資料は、黒塗りや切り抜きが急に増えた。
 読める範囲で目を通す限り、東南アジア地域のエゥーゴ・カラバを追う任務についていた様だ。
「これって…」
 エゥーゴ側の資料と、ティターンズ側のものと思われる資料が入り混じっている。父が追っていた部隊というのは、ガルダ級とその戦力だった。そこにあった名に、ページをめくる手が思わず止まる
「カラバに合流していたエゥーゴの構成員…ワーウィック大尉とアトリエ…中尉」
 彼らは父と交戦していた様だ。偶然とはいえ、その事実に少尉は震えた。嫌な予感がする。しかしここで資料を閉じることはどうしても出来なかった。
 そして、その予感は的中する。ニューギニア基地攻略作戦。ここで父の情報が途切れる。最後まで戦っていたことだけはわかったが、父が戦った最後の相手は…試作機のマラサイとガンダムだった。
「そんなことってあるの…?いや、でも…」
 父を殺したのはワーウィック大尉なのか。或いはアトリエ大尉なのか。しかし、この資料にどれ程の信憑性があるのかもわからない。
「…本人に聞けば」
 それがもし事実なら、あまりにも酷だった。自分の愛する人が、父を殺めたかもしれないのだ。戦争で敵味方に別れている以上、仕方のない事ではある。だとしても、それが事実なら少尉はどうすればいいのか。洗いざらい話すよう問い詰めるべきなのか。或いは後ろから撃てばいいのか。どちらも少尉に出来ることではなかった。
 恐らく、大尉はこの事を知らないのだろう。艦長も話してはいないだろうし、大尉がこの事実を知った上で接してくれていたとは流石に思えない。
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