[過去ログ] 宇宙世紀の小説書いてみてるんだけど (1002レス)
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317: ◆tyrQWQQxgU 2019/08/22(木)01:19 ID:g6coTu8F0(5/7) AAS
『よし、すぐに各地点へ向かうぞ。前線が膠着しつつある今、敵はいつ来てもおかしくない』
 少佐の言うとおり今は時間が惜しい。様々な思いを振り切り、サドウスキー大尉はアトリエ中尉と共にB地点へと急行した。

『しっかし、俺達だけで大丈夫なんですかねー』
 ぶっきらぼうに中尉がいう。
「当りを付けたってのも、例のスパイの情報ありきだったりするんだろ?まあ当てには出来んよなあ」
『そういってやらんでくださいよ、あれであいつなりに頑張ってるんでしょうから』
 中尉が連れてきた女だ、肩を持つのも仕方ない。作戦に従うとはいえ、サドウスキー大尉はあの女をまだ信用していなかった。
「それもこれも、今回の作戦如何で大体わかるだろうぜ」
 今回サドウスキー大尉達が向かうポイントは、ベトナム基地とガルダ級とを繋ぐ空路の中程の場所だ。この辺りは完全にエゥーゴの戦力圏だが、敵のMSが入り込むのは不可能では無かった。
 大きく迂回するなどすればベトナム基地を直接叩くことも出来る。そうした動きの牽制も含め、サドウスキー大尉達がポイントを抑えねばならない。
318: ◆tyrQWQQxgU 2019/08/22(木)01:19 ID:g6coTu8F0(6/7) AAS
『…そろそろポイントですかね。…ありゃミデアか』
 ポイントの前方に数機のミデア輸送機が見えた。旧式とはいえ、輸送機としての機能は十分持ち合わせている為重宝されている。
 見送ろうとしたその時だった。突如目の前のミデア輸送機から爆炎が立ち上る。
 バランスを崩し墜落していく輸送機から数機のジム2が出てこようとするが、何処からか狙撃されコックピットを尽く潰される。
「何事だあ!」
『敵襲っぽいですねこりゃ!しかも狙撃手が何処かに居る!』
 中尉が声を張る。女の目利きが正しかった様だ。まさか早々に出くわすとは。
「何処からだ!海のど真ん中だぞ!」
『周囲に敵の気配もない!どうなってんだ…』
 幸い無事だった残りのミデア輸送機が進路を変えずに進んでいく。そのミデア輸送機の背後を守るべくミデアに続こうとした。
省3
319: ◆tyrQWQQxgU 2019/08/22(木)01:22 ID:g6coTu8F0(7/7) AAS
31話 劣情

pixivも更新!
https://www.pixiv.net/novel/series/1155468
320: ◆tyrQWQQxgU 2019/08/23(金)21:15 ID:kqdJT4nq0(1/8) AAS
「大したことはないな、エゥーゴ」
 ストランドバーグ中尉は撃ち尽くしたカートリッジを排莢し、次のカートリッジを装填する。乗機はジムクゥエルをベースにジムスナイパー2の仕様を引き継いだ機体だ。老眼で近くのものはめっきり見辛くなったが、遠くのものは相変わらずよく視えた。
 今回の作戦は2機のミデアで敵の輸送隊に紛れ込むというものだった。輸送隊の者の一部を予め抱き込んでおくなど、アイバニーズ少佐は相変わらず切れ者だ。驚くほど簡単に潜り込めた。
 そのアイバニーズ少佐達を載せたミデア1号機はそのままガルダ級を目指す。我々2号機も続く予定だったが今は目の前の敵を殲滅しなければならない。何故こんな場所で敵部隊と遭遇したのか。読まれていたというより他になさそうだ。
321: ◆tyrQWQQxgU 2019/08/23(金)21:15 ID:kqdJT4nq0(2/8) AAS
「まずは1機。後は…あれか」
 スコープ越しに見えたのは奪われたと聞いたガンダムだった。うまく行くならば奪還、やむを得なければ撃墜の許可は出ている。
「全く運が良いやら悪いやら…。わしはこのままここから狙撃する。お前は打って出ろ」
 指示を受けて同乗していた部下が出撃する。名前は忘れた。部隊創設時から残るメンバーはアイバニーズ少佐とストランドバーグ中尉しか居ない。
 年のせいもあってか、補充される連中の事はなかなか覚えられなかった。この部隊に配属された時点で、遅かれ早かれどうせまた死ぬのだ。いちいち覚えるのも面倒だった。

 部下のガルバルディβがガンダムを追うが、うまくいなされている。流石にエースと噂されているパイロットだ。動きがいい。
 そのガンダムへ照準を合わせるべくスコープを覗き込む。その時、写り込んだワイヤーの様なものをストランドバーグ中尉は見逃さなかった。
「…インコムというやつか!何処からくる!?」
 ミデア輸送機の側面から熱源。部下を巻きながらこちらに攻撃してくるとはなかなか器用な真似をする。間一髪のところで攻撃を躱す。
 追撃が来る前にSFSで脱すると、背後のミデア輸送機がインコムから滅多撃ちにされて沈むのが見えた。凄まじい火力だ。
322: ◆tyrQWQQxgU 2019/08/23(金)21:16 ID:kqdJT4nq0(3/8) AAS
「いつまで鬼ごっこして遊んでる!さっさと仕掛けんか!」
 激を飛ばしながら再びスコープを覗こうとしたが、背後から敵機。先程落とした筈のリックディアスだった。
 敵がサーベルを大きく振りかぶる。降ろされる前にライフルを敵の肘に差し込む。
「ったく。しつこいやつよのう」
 そのまま敵の肘から先を消し飛ばす。しかし尚も敵は怯むでもなく向かってくる。残る左腕から鉄拳が繰り出される。アッパーの形でコックピットを殴りつけられた。
「ぬおおお!?」
 ストランドバーグ中尉の機体は強い衝撃でバランスを崩す。リックディアスもマニピュレータを破損した様子だが、攻める手を緩めない。更に踏みつける様に蹴りを繰り出す。
 ストランドバーグ中尉は咄嗟にライフルの砲身で受けた。質量に耐えきれずライフルが歪む。

 そうこうしている間に、部下のガルバルディβが両手足を撃ち抜かれ墜ちていった。ガンダムは荷が重かったか。ストランドバーグ中尉もこのままでは分が悪い。
 しかし安易に撤退してミデア1号機を追われてはまずい。もう少し踏ん張らなければならない。
省4
323: ◆tyrQWQQxgU 2019/08/23(金)21:17 ID:kqdJT4nq0(4/8) AAS
 ガンダムがまっすぐこちらへ迫る。冷静にそれを撃つ。しかし当たらない。何発撃とうと全て当たらない。
「なんてやつだ!やるな…若造が…!」
 空いた片方の手でサーベルを抜く。すれ違いざまに斬りかかるが、ガンダムはサーベルを抜く素振りも見せない。
「舐めた真似を!!」
 そのまま斬りつけようとした刹那、両腕が弾ける。インコムだった。
「盗っ人根性もここまでくれば立派と言っておこうか!!」
 何も出来ないままガンダムに背後を抜かれた。追い打ちを掛けるように、ストランドバーグ中尉のいる場所より低空に回ったリックディアスが背面のピストルを乱射してくる。
 SFSが著しく被弾し大破する。丸腰になったストランドバーグ中尉へ再度リックディアスが迫る。

「このままやらせると思ったかい!しゃらくせえ餓鬼ども!!」
 ストランドバーグ中尉は機体の各所に備えていたグレネードを起動すると全てばら撒いた。激しい爆風が双方の機体を襲う。
省4
324: ◆tyrQWQQxgU 2019/08/23(金)21:20 ID:kqdJT4nq0(5/8) AAS
「くそ…完全に後手に回ったな…」
 サドウスキー大尉は肩を負傷しながら息を荒げていた。ギリギリのところで敵機に壊れた拳を叩きつけ、そのまま海面へ打ち付けた。もう上がっては来れまい。
『おっさん!無事か!?』
「どうにかな。だが追撃は出来そうもない。お前だけでも先行して追うんだ。俺は後続に拾ってもらうから気にするな」
『そのプロレスラーみたいな戦い方、どうにかした方がいいんじゃないすかね?サーベルも抜かねぇし』
「うるせえ、泥臭い方が男らしくて良いじゃねぇか。それにサーベル抜く動作分で殴った方が早いだろ」
『ヴィジョンがまた泣きますよー』
 確かに今回はやられ過ぎた。そもそも初撃で落とされていてもおかしくなかったが、そこからは意地でどうにかした様なものだ。
『そんなら先に行きますよ。外から見てる限り機体は相当やられてる。無理せんでくださいよ』
「わかってる」
325: ◆tyrQWQQxgU 2019/08/23(金)21:21 ID:kqdJT4nq0(6/8) AAS
 ガンダムの背を見送り、サドウスキー大尉は進路をベトナム基地へ向けた。結局ガンダムには敵わなかったが、今回はそれなりに暴れてすっきり出来たところもある。
 傷の応急手当をしてシートに深く座り直した時、後続のミデア輸送機が見えた。
「良かったなぁ巻き込まれなくてよ…」
 ため息混じりにミデアへ通信を試みる。返答あり。今度こそ味方の様だ。事態を説明しながら収容してもらう。

 無事腰を落ち着けることが出来たサドウスキー大尉は、機体を降りてミデアの艦長と顔を合わせる。
「敵の奇襲で間違いありません。先に出た輸送隊の一部に敵が混じっておった様です」
「ならば我々が後ろから仕掛けられれば挟撃出来る位置にあるのだな」
 ミデアの艦長が腕を組みながらサドウスキー大尉と向き合う。
「奴らだけとは限りません。警戒しながら進んでください」
「そうしよう。君は少しでも休みたまえ」
省3
326: ◆tyrQWQQxgU 2019/08/23(金)21:21 ID:kqdJT4nq0(7/8) AAS
 まだ敵機の接近を知らないガルダ級の周囲にはミノフスキー粒子はそれほど散布されていないようで、通信はどうにか繋がった。
「こちらはサドウスキー大尉。スギ艦長はおられますか」
『…私だ。その様子だと補給線は守れているのだな。どうかしたか?』
 スギ艦長がモニター越しに顔を見せた。
「敵の奇襲です。ワン中尉の予想が的中したようですな。敵の殿は撃退しましたが、ミデア輸送機をひとつ取り逃がしました。そちらへ向かっています。後を中尉に追わせました」
『ミデア?…そうか、補給に紛れて…。わかった!味方の識別信号を出していても信用出来る将官が応答しないものは近づけさせん』
「よろしく頼みます。私は乗機をかなりやられましたんで、適当な機体を見繕ってから合流します」
『無理は禁物だぞ。こちらで対応できる分はこちらで捌く』
「わかりました」
 ガルダ級との通信が切れた。あまりゆっくりはしていられない。すぐにまた出なければ。
327: ◆tyrQWQQxgU 2019/08/23(金)21:23 ID:kqdJT4nq0(8/8) AAS
 サドウスキー大尉は再びミデアの艦長の元を訪れた。
「申し訳ないのですが、補給物資の機体をひとつお借り出来ませんか。すぐにも戻らねば」
「休まないのか?…そうだな、ここが正念場だものな。出来るだけ良いやつを出してやろう。メカニックに伝えるよ」
「ありがとうございます」

 足早に格納スペースへ急ぐ。アトリエ中尉は無事に追いついただろうか。彼ならひとりでもある程度足止めは出来るだろうが、敵がどう出てくるかは未知数だ。少しでも戦力が要る。
 格納スペースに到着するとメカニックが忙しく走り回っていた。
「また急なご要望だね!すぐに使えるやつがあるからこれに乗ると良い。エゥーゴからもらったデータを元に生産を開始したばかりのやつだ。
 リックディアスに比べると肉弾戦は苦手だろうが、とりあえずはこれで我慢してくれますかね」
 そういってメカニックが指差した先には、歪なフレーム構造の赤い機体が立っていた。
「こいつは…ガンキャノンか?ちょいと華奢だが」
省9
328
(1): 2019/08/25(日)10:54 ID:MAvNOf/t0(1) AAS
ディテクターキターッ!!

いやね、凄く気になってた機体なんですよ。
メタスをベースにしたガンキャノンなんていう肝煎りの割に、やってることがほぼ噛ませ犬未満て(笑)
サドウスキー大尉もやる気になってることですし、健闘を祈ってますね

…しかし貴重な機体がどんどん駄目になっていく作品だなぁ(苦笑)
まぁMK-IIIとか不遇の名機も多い時代ですから、出し惜しみはせんでください、寧ろどんどん使い潰せ(爆)
329: ◆tyrQWQQxgU 2019/08/25(日)22:31 ID:xjRu3I7I0(1) AAS
>>328
ディテクター良いですよね!
プラモがRE/100で出たのは予想外でしたが…笑

1st然り、物語の作り上仕方ないんでしょうが、敵側はバンバン機体乗り潰すのに味方は割とそのまま乗り続けるじゃないですか。
今ならいっぱい機体の選択肢もありますし、何なら色々出てきた方が楽しいまであるんで、様々な形で登場させられればと思います!
330: ◆tyrQWQQxgU 2019/08/26(月)16:30 ID:0STwH1Iv0(1/16) AAS
「定時報告無し…。やられたのか?ストランドバーグ中尉」
 スペクター大尉が通信機器に向き合ったままひとりごちた。
 敵とあんな形で遭遇するとは考えていなかったが、どうにかミデア1号機は戦線を離脱出来た。そろそろ敵にも情報が渡り始めるはずである。
 エゥーゴの胃袋に入り込んだ形だが、突き破れなければそのまま喰われておしまいだ。
「どうだ?音沙汰無しか」
 アイバニーズ少佐が後ろから声を掛けてきた。まるで今日の天気でも聞くかのように、何の感慨も感じられなかった。
「やられたかもしれません。目視しただけですが、例のガンダムMk-?らしき機影も確認しましたし…」
「そうか。だがストランドバーグ中尉が一方的に落とされたとは考えにくいな。ここまで敵の追撃もない辺り、それなりに健闘しているのではないかな」
 やはりこの男の声から感情を読み取るのは困難だった。不気味なほど静かに、淡々と喋る。
「そろそろこちらもガルダ級との接触が近いですな。どうされます?」
省2
331: ◆tyrQWQQxgU 2019/08/26(月)16:30 ID:0STwH1Iv0(2/16) AAS
 それぞれの乗機へ乗り込み、発進準備に取り掛かる。
 ミデアからの通信はスペクター大尉が仕込んだプログラムで自動的に行われるが、せいぜい数回の通信で敵も異変に気付く。
『やっと出撃だぜ。ようやく戦場に出られる』
 ビー少尉が子供の様にはしゃいでいる。長らく待機を命じられてさぞかし退屈していたことだろう。
「撹乱が目的だ。無理に深入りする必要は無いぞ」
『堅いこと言わんでくださいよ。ヤバくなければあのデカいの、そのまま落としちゃって良いんでしょ?』
「我々だけで落とせるものか。戦力を見誤るな」
『へいへい』
 呆れた様にビー少尉が通信を切る。そんな少尉にスペクター大尉もまた、呆れた様に溜息をつく。
「これで大勢が動く。有象無象が寄り合い所帯で抵抗したところで、結果はいつも同じだ」
省1
332: ◆tyrQWQQxgU 2019/08/26(月)16:31 ID:0STwH1Iv0(3/16) AAS
 外が騒がしくなってきた様だ。流石に気付くのが早い。既に情報が回っていたとなると、やはりストランドバーグ中尉は敵を抑えきれなかったと思われる。
「いくぞ。敵が来る」
『あいよ!』
 左右に別れて2機で出撃する。
 スペクター大尉の機体はアイバニーズ少佐やストランドバーグ中尉と同じくジムクゥエルをベースとしている。
 ただし、彼の場合はストライカーカスタムの仕様を流用したワンオフ機である。
 流用といっても精々設計思想程度のもので、各部をアップデートした本機は最新鋭の機体に勝るとも劣らない。搭乗するSFSも高機動戦闘に対応するべくカスタマイズされている。

 共に出撃したビー少尉の機体は部隊唯一のTMA、ジムクゥエルと同じくオーガスタ系に属するギャプランである。
 基本的には強化人間の搭乗を前提として調整されているが、ビー少尉の持つ特異なG耐性によって運用が可能となった。
 とはいえ彼も常時乗り続けるのは困難な為、基本的にはリミッターを掛けて稼働させている。
333: ◆tyrQWQQxgU 2019/08/26(月)16:32 ID:0STwH1Iv0(4/16) AAS
 左翼を担うべく出撃し、ほとんど出会い頭の様な形で敵と接触する。後方とはいえ敵の陣地のど真ん中だ。想定の範疇といっていい。
 スペクター大尉はすれ違った敵機を目視せずにビームスピアーで後ろから貫く。
 正面から近づいてきた機体も、そのまま返す刃で横一文字に凪ぐ。敵機はまばらだが、こちらの襲撃を予知していたかの様な配置だ。

 片や右翼のビー少尉も、敵と敵の間を縫うように飛び回っている。撹乱しつつも確実に敵の数を減らしていく。
『こんなもんか!殆ど的みてぇなもんだなぁ!』
 嬉しそうにビー少尉が叫ぶ。
「油断はするなよ。抵抗はこんなものではあるまい」
『ははっ!どうだかねぇ!』
 大きく旋回しながら、尚も敵を落とし続けるビー少尉。さながらシューティングゲームの様だった。
334: ◆tyrQWQQxgU 2019/08/26(月)16:32 ID:0STwH1Iv0(5/16) AAS
 近辺の敵を掃討し、ミデアの進路を確保する。ここからが本番だ。
「よし、少尉。少しでもミデアへの対空砲火を減らすぞ」
『楽勝だぜ!』
 ガルダ級へ向かうミデアの両翼に付き、共に進路を揃える。
「君らの戦いはこれから始まる。そう、これからだ」
 スペクター大尉は、目の前に航行する巨大な輸送艦の背中を見つめながら口元に笑みを浮かべ、眼鏡を掛け直した。

34話 ゲーム
335: ◆tyrQWQQxgU 2019/08/26(月)16:35 ID:0STwH1Iv0(6/16) AAS
「何!?サドウスキー大尉達が??」
 バッカス少佐が驚きの声を上げる。敵がB地点を突破していた。
 私も正直サドウスキー大尉達のポイントよりこちらが本命だと思っていたのだが。我々の守るA地点が最も攻めやすい補給線の筈だった。
「まさか1番遠いB地点から来るとは…。相当根回しされていた様だな…」
 モニター越しのバッカス少佐の声が怒りで震えていた。
「どうしますか?情報通りならガルダ級のC地点も危険です!そのままガルダ級を警備するのはエゥーゴの部隊だった筈ですが…」
 シェクター少尉の声からも焦りが滲み出ている。
「とはいえ、このA地点を放棄する訳にも行くまい…!戦力を割くにもこれ以上数が減っては…」
 歯ぎしりするバッカス少佐。しかし、こうしている間にも敵の奇襲は成果を上げているはずだ。
「…近辺のエゥーゴの部隊に、この座標へ幾らか戦力を割いてもらうよう要請できませんか?」
省4
336: ◆tyrQWQQxgU 2019/08/26(月)16:35 ID:0STwH1Iv0(7/16) AAS
「…わかった。迷っている猶予は無いな。しかし大尉はどうするつもりだ?」
「私にひとつ考えがあります。我々はここで先手を打つ。そうでしょう?」
 今回当たりが外れた場合や、想定外の動きがあった時自分がどう動くべきか。何度も考えを巡らせていた。
 共通していたのは、とにかく先手を打つということだけだった。きっとこれなら勝てる。

「…。…。…。」
 私は少佐に考えを伝えた。
「それが大尉の秘策ということか。他の面子では行えない作戦だな。確かに事前に全容を明かすわけにはいかなかっただろう」
 バッカス少佐の表情は少し曇っていた。
「本当に良いのか?決行すれば戻れる保証はないぞ。私といえども力添えできるかどうか…」
「その時はその時です。いつか来るだろうこの日の様な時の為に準備してきましたから」
省1
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