【恋と魔法と】魔法検定試験【ちょっとのげじげじ】 (1000レス)
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8: フロー◆JFlow1FLow 2014/09/10(水)04:16 ID:NJzjgVRQ0(1/10) AAS
今、一体何が起こっているのか。
男の脳は、たったそれだけのことを理解するためだけに、信じられないほどの時間を要した。

血相を変えた仲間が一人、たまり場になっている酒場に飛び込んできたのが、つい1時間ほど前。
酒場に飛び込んでくるなり、「あのガキを繁華街で見つけたんだ」とまくし立て、「仕返ししてやろう」という口車にのったのも、つい一時間ほど前。

仲間を集め、少年を裏路地の袋小路に追い込んだのは、つい30分程前。
指を鳴らしながら一歩前に出た男の鼻を、少年の袖から飛び出した鎖付きの鉄球が砕いたのもつい30分程前の話。

鼻を押さえ、それでも抑えきれない血を指の間からだらだらと血を流しながら膝をついて。
自分がやられたことに激高した仲間たちが、あのガキにとびかかるのが見えた、呆然と見ていることしか出来なかった。

自分の鼻を砕いた鉄球は一体何なのか。
省3
9: フロー◆JFlow1FLow 2014/09/10(水)04:17 ID:NJzjgVRQ0(2/10) AAS
男の考えがそこにまで到達し、硬直していた男の時間が再び動き始めた時。
男の仲間は、全員無残な格好で路地裏に転がっていた。

腕が妙な方向に曲がっているもの。胃の中身をすべてぶちまけて白目を向いているもの。顎を砕かれ、蹲って呻いている者。

「はっきりさせておかないといけないって思ったんだ。」

そういって、男に一歩ずつ近づく少年。

「人の目があるところでお前たちに絡まれるよりも、先に。」
省8
10: フロー◆JFlow1FLow 2014/09/10(水)04:19 ID:NJzjgVRQ0(3/10) AAS
少年は『にぃ』と笑って。自分の喉に突き立ったナイフに手をかけると。
針山殻を針を抜き取るような気軽さで、ナイフを抜き取った。

男の目の前、少年の喉。ナイフの刃に合わせてぱっくりと開いた傷跡がみるみるうちに塞がり。
数瞬の後、少年がつるりと喉を撫でた時には、初めから傷跡なんてなかったかのように、傷跡が無くなっていた。

「ひっ、ひいぃぃぃっ!」

自分が突き立てたナイフを右手に携えた少年が近寄ってくる。
男には、引きつったような、悲鳴にならない声を上げる以外の行動は出来なかった。

・・・・
省8
13
(1): フロー◆JFlow1FLow 2014/09/18(木)22:01 ID:NJzjgVRQ0(4/10) AAS
【繁華街:食堂のテラス】
店内の席も開いているだろうこの時間に、テラス席に一人座る少年の姿。
傍の席に鞄を、目の前には分厚い本を。

途中までしか手がつけられていない食事が冷めてしまっている居るところをみると、混み合っている時間帯に入店し、
そのままこの時間まで陣取って居たものと思われる。

彼の興味は食事よりは専ら手に持った本のほうに向かっているようで。
店内では店の常連同士に、店主を交えた歓談の話の種になっていた。
15
(1): フロー◆JFlow1FLow 2014/09/18(木)22:27 ID:NJzjgVRQ0(5/10) AAS
>>14
ふう、と溜息を一つついて少年は本を閉じた。
すっかり浸りきっていた本の世界から抜け出すかのように大きく伸びをし、咳払いをひとつ。
そうして、目の前の、すっかり冷め切った料理を憎々しげに睨むと、おおきなため息をもう一つつき、しょうがないと言わんばかりに食事に手をつけはじめ。

「…はぁ・・・またやっちゃった。
 冷めた料理を食べるたびに惨めな気分になるっていうのに、どうしてまた本なんか呼んじゃったんだろう・・・。」

誰にともなく呟いた。
17
(1): フロー◆JFlow1FLow 2014/09/18(木)22:46 ID:NJzjgVRQ0(6/10) AAS
>>16
「うぇっ!?」
予期しない事態に驚く少年。まさか話しかけられるとは思っていなかったからしょうがない。

「ほ、保温食器・・・ですか。僕は別にいいですけど・・・。」
「…外にご飯食べに来て、出された食器からわざわざ別の食器に替えて食べるってどうなんだろう・・・。」
と言いつつ少女の手から食器を受け取ると、自分の料理を食器に移し始める。

「これって、どれ位であたたまるものなんです?
 料理全体に熱が回らないと焦げちゃいそうなもんですけど・・・。」
19
(16): フロー◆JFlow1FLow 2014/09/18(木)23:07 ID:NJzjgVRQ0(7/10) AAS
>>19
「そもそも、融通が効くなら普通に温めなおすでしょうしねえ。」
机に置かれた、目の前の少女いわく”暖かくなるらしい”箸を手に取り、お皿に写した炒めものをかき混ぜながら言う。
「ところでこれって、温めるためのエネルギーっとか温め開始のトリガーとかってどういなってるんですか?」
「持ってる人とか、周囲の魔力とかなんですかね?」
「使った後、重ねて置いておいたら器に物が乗っているから温め開始、周囲の魔力食いっぱなしとかだと、ちょっと都合が・・・」
21
(1): フロー◆JFlow1FLow 2014/09/18(木)23:29 ID:NJzjgVRQ0(8/10) AAS
>>20
「うん、もう十分温まったみたいですね。」
と、十分にかき混ぜた炒めものに指を突っ込んで、温まったことを確認してから言う。
多少アレな気はするが、どうせ食べるのは自分なのだから問題はなかろう。
「そこがスイッチになっているんですか・・・。よく出来たものですね。」
「・・・けれど、お高いんでしょう?」
23
(1): フロー◆JFlow1FLow 2014/09/18(木)23:42 ID:NJzjgVRQ0(9/10) AAS
>>22
「へー、そりゃあ店主さんにはいい話ですね。」
ねえ、と。店主に向かって同意を求めるように頷くと。
「ごちそうさまでした。」
教えてもらった、スイッチのルーンを捻り、お皿の電源をオフにした。

「あ、ところで・・・このお皿、どうしましょう。洗い物が増えちゃいましたね。」
25
(1): フロー◆JFlow1FLow 2014/09/19(金)00:16 ID:NJzjgVRQ0(10/10) AAS
>>24
「はあ、それじゃあ、頂いておきます・・・。」
僕、お店とかもってないんですけど。という言葉を飲み込んで少女からメモ書きを受け取り。鞄にしまうと。
「んー・・・。必要無いとは思うんですけれど、一応。どうぞ。」
といって、少女に名刺を手渡し。鞄を肩にかけると、店を後にした。

少女が手渡された名刺には【ハヴォック 臨時研究補佐員 フロー・ライト】と書かれている。

ちなみにハヴォックは重力魔法を使い、物の運動をコントロールする「物理エンジン」と呼ばれる技術を研究している魔導研究施設であり。
知名度、物理エンジンの質共に一、二を争う。
この街に大きな研究施設があるので、おそらく彼はそこで研究の手伝いをしているのだろう。
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