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【世界一初恋】小野寺律にハァハァするスレ

30迷惑な隣人 6/6:2011/06/12(日) 13:45:05
「──部屋、今日は片付いてるんだな」
コーヒーを持ってくると、広げたネームを片付けていた高野さんが部屋を見回して言った。
「だからこの前言ったじゃないですか。普段は綺麗にしてるって!」
「へー、俺がいつ来てもいいように片付けたのかと思った」
「は!?なんで俺がそんなことするんですか!」
「なんでって……俺のことが好きだから、だろ」
事も無げに言われた一言に、俺は手にしたマグカップをテーブルに叩き付けるように置いた。
「与太もいい加減にしてください。俺の部屋は誰がいつ来ようと、365日完璧なんですよ!」
「じゃ、今度は修羅場中に来てやる。その時は3日間煮込んだビーフシチューで頼むな」
「断固拒否します。迷惑です!」
…そうか。もう今更なのかもしれない。
好きになったあの日から、離れている間もずっと、先輩は俺の胸の奥に住み着いていたのだから。
俺の心の隣に──。
………ってなんじゃそりゃーーーっ!少女漫画読みすぎだろ!
「…と、とにかくとっとと帰ってくださいよ」
「帰れって言いながらコーヒー出すお前の行動は矛盾してねーの?」
「だからそれ飲んだら帰ってください!」
自分のコーヒーを飲みながら、また流されてしまったことへの後悔が頭の中でぐるぐる渦巻く。
一応仕事の話だったはずなのに…。
「……あ、あの。そのネーム、高野さんはどう思うんですか」
「ん?ああ、俺もお前と同じ。描きたいように描かせるつもりだ」
「いいんですか?」
「作品は作家の中から生まれてくる。作家が自信持って描いた方がいい物が出来るのは当然だろ。
 俺達の仕事は客観的に見ること、それを正しく伝えること、迷いがある時には背中を押してやること」
「…はい」
客観的に感情を交えず冷静に……、俺にもいつかできるだろうか。
「…ま、実のところこれはただの口実。お前、仕事でもなきゃ俺を素直に部屋に入れねーだろ」
「………はい?こ…こうじつ…?」
「忙しくなる前にお前と飯くらい食いたいなと思って」
それが何か?と言わんばかりの憎たらしい顔。
頭に血が上っていく。握り締めたマグカップがかたかた揺れる。人が真剣に考えたのに口実だって!?
ああ…俺には今、この顔にコーヒーをぶちまける権利があるんじゃないか?
それをやらないのはここが俺の部屋だから。零れたコーヒーを掃除するのが大変だからだ!
「あーもう帰んのめんどくせ。今日泊まっていい?」
「いいわけあるか!隣でしょう!5秒で帰れます!」
「俺シャワー浴びてくるわ。タオル貸して。あと着替えも」
「ちょっと高野さん!話聞いてるんですか!」
──最終的に折れたのがどっちだったかは、まあ言うまでもないかもしれない。

END

アニメ終わる前に書けてよかったー。またこの板が賑わいますように!


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