サイコの図書館【2】 (142ﾚｽ)
上下前次1-新
134: 2011/06/10(金)11:11 ID:yg61uX120(2/5) AAS
「悪魔の思惑４」２
「鳴瀬さん！」
事務所の近くまで戻ったところで隈田に呼び止められた。
「どうしたんですか？こんな時間に」
「いえ、あなたに急に逢いたくなって、ここで会えて良かった」
「大変な事になっているようですね」
「先生のことですね。夕べ十時ころホテルの部屋に帰宅されて、その後何者かに殺害されました。
今朝クリーンスタッフが先生の遺体を発見して通報したそうです」
「顔見知りの犯行でしょうか」
「たぶん、先生はああ見えて中々に用心深い方ですからね。
かなり親しい人間でなければ自室に招き入れるはずがありません」
「あなたは、招かれたことはあるのですか？」
「いいえ、俺もそれは有りません。しかし、あの刑事さんに色々聞かれましたよ。
アリバイとか、その他色々と・・・」
「アリバイ・・・ですか」
「まあ、法律事務所の人間全員への型通りの確認作業だとは思いますが、今各方面への後処理で大騒ぎです」
「それは、そうでしょうね」
「鳴瀬さんは、夕べは・・・」
「今日の公判の準備が残っていましたから、事務所に居残りでしたね」
「偶然だとは思いますが、俺の親父がハヤシに刺されてから丁度３年目の夏です」
「・・・・・・」
「多田先生は執拗にあなたの事を俺に聞いてきました。あなたに強迫されたとも言っていました」
「私が多田先生を強迫？」
「俺の親父のようになってもいいのか、と・・・」
「あれは、先生が執拗に絡んでこられたので、・・・適切な表現ではなかった」
「あの刑事さんには先生が鳴瀬さんをとても気に入っていて
何とか俺に取り持ってほしがっていたことを知られてしまいましたよ」
「何のためにそんな事を・・・」
「さあ・・・、彼が嫉妬する顔が見たいから、かな・・・」
「私と迫沢刑事とは、もう何の関係もありません」
「そうかも知れませんが、あちらはその様ではなかったですね。
勿論先生の事件にあなたが関係しているなどとは思ってもいないでしょうけどね」
隈田は迫沢と鳴瀬の心が今も燻ぶり続けていることを敏感に感じ取っていた。
上下前次1-新書関写板覧索設栞歴
あと 8 ﾚｽあります
ｽﾚ情報 赤ﾚｽ抽出 画像ﾚｽ抽出 歴の未読ｽﾚ AAｻﾑﾈｲﾙ
ぬこの手 ぬこTOP 0.002s