酒の勢いで俺が適当にSS書いてみるスレ (905レス)
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894: 2012/10/25(木)02:53 AAS
放課後の自室。
通常の業務を行なっていると、ノックの音がした。
「ソルさん、お邪魔します!」
ブリジットがやってきた。
「ってあれ?珍しいですね。誰もいないんですか」
お前が来なければな。
「ってことはウチとソルさんの二人っきりってことですね!」
コタツに入り、飲み物を用意し始める。
「お仕事お疲れ様です!今日はミリアさんがお夕飯を作るので、ウチはソルさんのお仕事が終わるまでここで待ってます!」
机に茶を置かれる。
「そういえば、二人っきりというのも最近はあまりなかったんじゃないでしょうか?
なんだか随分と久しぶりな気がします。お茶が入りましたよ」
茶を飲み、仕事に戻る。
「二人だけの時間。いいですねえ。なんだか、この世界にウチとソルさんしかいないなんて錯覚を覚えませんか?」
「いいや」
そろそろ学年末の最後のテストもある。
多少復習に時間を裂くか。
「例えばですよ?世界が滅んで最後に残った二人がウチとソルさんだったら、とてもロマンチックだと思います!」
そんな状況になる前に、滅びを止めてやる。
「想像してください!荒廃した都市、今にも崩れそうなビル、裂けた道路、かろうじて原型を留めている人造物、
人の気配のない静寂、徘徊する野生動物、明日をもしれぬ我が身、そんな中でウチとソルさんはお互いを支えあって生きているんです!」
そろそろテストの範囲を決めなければな。
といってもこれで最後だ。今年の内容全部入れるか。
問題の難易度を設定するのが難しいが、やれるだろう。
「希望を捨てずに明るいウチと、そんな時でも相変わらず無口で無愛想なソルさん!
やがて二人の間に子供ができ、家族が増え、いつしか人類は再生します。
その始まりのウチとソルさんの愛は永遠に語り継がれるんです!」
どこから子供が湧いてきた。
「壮大なラブストーリーだと思いませんか!?」
「思わん」
「ソルさんってば夢がないです」
仕事を続ける。
「だったらソルさんはどんなのがご希望なんですか?」
そんなものはない。
「ベタベタに、ウチが朝にパンをくわえて登校中、曲がり角で転校生のソルさんとぶつかるっていうのはどうでしょう!」
どうもこうもない。
「ハッ!?もしかして数年前にソルさんが初めて登校する時、今のシチュエーションは使えたんじゃないでしょうか?
千載一遇のチャンスを逃してしまいました!!」
家が隣にあるのに、どこの曲がり角でぶつかるというのか。
「ああ、ウチはなんてバカだったんでしょう!もしやり直せるなら、曲がり角でソルさんを待ちぶせて見事にぶつかってみせます!」
明日の授業予定を立て終わる。
仕事は終わりだ。帰るか。
「もうお仕事終わったんですか?」
「ああ」
帰り支度を整える。
「ソルさん!こういう時はわざとスピードを落として、二人の時間を長くするとかそういう気配り必要だと思います!」
「断る。部屋から出ろ」
「ちょ、ちょっと待って下さい。ディズィーさんがまだ生徒会で学校に残っていると思います」
「だからなんだ」
「ディズィーさんの方も終わるまで、ここで待っていませんか?」
「必要ない」
卒業式が近く、生徒会の連中も忙しいらしいが、待つ理由もない。
「いやでもですね・・・ん?ディズィーさんがいると二人で下校というのもできませんね・・・。
待つか、帰るか。それが問題です」
「出ろ。鍵をかける」
「わっ。わかりました!二人で仲良く手をつないで帰りましょう!」
「断る」
ただ帰るだけだ。
「え?腕を組みたいんですか?」
自室に鍵をかけ、学校を出、帰路につく。
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