【ミ】『その地の記憶』

【ミ】『その地の記憶』 (498ﾚｽ)
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344(2): 『三丁目の落日』 2016/06/24(金)23:43 AA×
>>342 >>343

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344: 『三丁目の落日』 []

>>342
鈴木に駆け寄る道星。
手を延ばせば届くくらいの距離まで接近したが、状況を見てやめ、様子を伺う。
そして少年に指示を出した。

「は、はい！」

少年はちょっと探すのに手間取ったが、リュックから財布を取り出した。
しかし少年は道星と違って駆け寄って来ていないため、手渡すには距離がある。

「ど、どうする？投げるの？」

>>343

シャ────────アアッ

舌が鈴木に迫る……

掴まれている手に噛み返していた牙を離す。
しかし噛んでいたのは鈴木だが、掴んでいたのは『父親』の方なので
牙を解いても、掴まれている腕はそのままだ。

そしてもう一方の腕を構えて身を守ろうとした。
すると舌はそのまま鈴木のその腕に命中した。
……衝撃はない。柔らかく湿ったものが吸い付いたような感触が、一瞬だけあった。
しかしそれはすぐに、巻き戻るように離れていく。
戻る勢いに乗って、何かが……鈴木の身体の中から引きずり出されてきた。

それは一枚の紙……証文や契約書のようなものに見えた。
何かが書かれている。

=============================================

契約書

私は、『金10円』→『無償！』　
　　　　　にて、あらゆる拘束を解いて
　　　　　『白川アキオ』を開放します。

鈴木　怜　【鈴木】

=============================================

それには名乗った覚えのない鈴木の名前が書かれているばかりか、ご丁寧に判子まで捺されている。
契約を守るまでもなくすでに鈴木は相手を解放していたが、それでも鈴木はあることを理解する。
再度噛み付き直したり、スタンド能力を使わない徒手空拳でも、目の前の男を拘束するような行動はもう一切出来ないということを。
そして契約書はそのまま、ものすごい速度で敵スタンドの口の中に吸い込まれていった。

「フー助かったぜ。ずっと捕まりっ放しじゃ動けないもんなァ。
……もう離していいぞ」

鈴木がスタンドを離したのを自分の能力が効いたためと考えたのか、満足そうな声で呟くと
父親に指示を出し、その通りに鈴木を掴んでいた手は離される。

「さて、これから先のことを考えれば、スタンド使いのボディガードを雇っておくべきだよなァ～～
こういうことがまた何度もないとも限らねーしよォ～～～
じゃあ次の商談を始め……」

敵スタンドが次の一手を打とうかという雰囲気を漂わせ始めた、その時……

「かえるさんさようならー」
「またねー」

50メートルほど離れたもう一つの出入り口の方から、子供の声がした。
どうやら風船を配っていたカエルの着ぐるみが引き揚げるところらしい。

http://jbbs.shitaraba.net/bbs/read.cgi/comic/7015/1455890983/344

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