[過去ログ] 【もしも】種・種死の世界に○○が来たら13【統合】 (545レス)
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15: 923 ◆cehD7uPtpU 2013/12/28(土)17:19 ID:??? AAS
「…ふん…じゃあ、向こうに行ってみれば私の欲求不満が解消されるってのかい?」
ライラは悪びれる様子もなくそう言うと、チャン・ヤーは諦め顔で
「おそらくな。一応ティターンズにも報告はしたが
あそこには間違いなくエゥーゴかザフトがいるはずだ。」
とライラに言うと、彼女は「楽しみにしてるよ。」と言ってブリッジを後にした。

《ボスニア》より2時間ほど離れた距離の宙域を突き進む4隻の艦隊。
ティターンズの旗艦アレキサンドリア級重巡洋艦、
《アレキサンドリア》の司令室に座るティターンズ艦隊司令バスク・オム大佐に
哨戒任務にあたっていた《ボスニア》の掴んだ情報が入った。

「ヘリオポリスだと?」
省15
16: 923 ◆cehD7uPtpU 2013/12/28(土)17:22 ID:??? AAS
ドッキングベイからコロニー内部へと誘導されて来た《アーガマ》と
《アークエンジェル》がようやく合流した。
《アーガマ》から降りたブライト・ノア大佐は
ブレックスやクワトロらに手厚く迎えられていた。
特に、彼を見た周りの反応は凄まじい者があった。
もっとも一番目を輝かせていたのは
ナタル・バジルール中尉だったようだがーーー。
コロニーの外では合流した僚艦、
サラミス改級モンブランが警戒任務にあたっていた。

《アーガマ》のブリーフィングルームに集められたブライト・ノア大佐、
省8
17: 923 ◆cehD7uPtpU 2013/12/28(土)17:26 ID:??? AAS
「大佐が《アーガマ》を指揮してくれれば、
私は落ち着いてブレックス准将の側にいられます。」
ヘンケンがそう言うとブライトと固い握手を交わした。
その横でクワトロがブライトに対して
「ブライト艦長の存在は我々エゥーゴにとって大きな存在になります。」と言った。
クワトロの言うようにブライト・ノアという存在は
プロパガンダ的な存在にもなり得るような人だ。
彼を盲信的に尊敬するものは多く存在する。
それでも連邦軍内では『ニュータイプ部隊の指揮官』
と危険視され窓際に追いやられた格好ではあった。
省5
18: 923 ◆cehD7uPtpU 2013/12/28(土)17:29 ID:??? AAS
ブレックスはその後、
ニューホンコンにいるというブライトの家族の身の安全の保証などを約束すると
ブライトも少し喜んだようだった。
そしてエゥーゴへの参加を承諾したムゥとも話を進めブレックスは
「フラガ大尉、君の家族は大丈夫なのか?」と聞くと、
ムゥは少しぎこちない笑顔で応えた。
「自分の家族は、みな火事で死にました。
人質に取るような者は一人もおりません。ご安心下さい。」
彼はさらりと衝撃的な事を言っていた。
おそらく彼の態度からするにその事実は受け止めていて、
省12
19: 923 ◆cehD7uPtpU 2013/12/28(土)17:32 ID:??? AAS
《モンブラン》や《アーガマ》の人員を回せば
なんとかなるという状態でもない深刻な状況だった。

もう一つは機動部隊。
民間人のキラ・ヤマトを戦闘に参加させるには早急に過ぎると判断すると、
新しい隊の編成が必要だった。

「なんとか隊の編成をせねばならんな…。
艦隊の指揮官はブライト大佐で良いとして…」
ブレックスがそう言うとクワトロは即座に応える。
「私の提案とすればフラガ大尉とロベルト中尉には
《アークエンジェル》へ配属が良いかと思いますが?」
省8
20: 923 ◆cehD7uPtpU 2013/12/28(土)17:36 ID:??? AAS
「後は艦長を誰が務めるか…ですな。」
ヘンケンがそう言うと、ナタルが手をあげて立ち上がる。
「僭越ではありますが、自分はラミアス大尉がその任にあると思われます。」
「なぜそう思うのかね?バジルール中尉。」

ナタルの意見に対してブレックスはその理由を求める。
するとナタルは理路整然とした口調でブレックス達に説明する。
「ラミアス大尉は、技術仕官としてこの艦をよくご存知ですし
階級もアークエンジェル隊の生き残りで一番上です。」

なるほど…合理的な意見だ。
と、ナタルの意見を聞いたブレックスはそう感じていた。
省10
21: 923 ◆cehD7uPtpU 2013/12/28(土)17:40 ID:??? AAS
そんな彼女にブレックスが最初の仕事を任せようと声をかける。
「ではラミアス艦長。さっそくで悪いが、アークエンジェルへ避難民を受け入れてもらえんか?」
「…避難民…でありますか?」
「アーガマは居住ブロックに空きが足りなくてな…アークエンジェルならば空きに余裕はあるだろう?」
最初の仕事とは、ブライトが《テンプテーション》で移送してきた
グリーンノアの住民と、
先の戦闘で家を失った者達の受け入れだった。ヘリオポリスに残すのも手ではあったが
以前の状態にまで復興するにはあと半年を要するという事だった。
彼らは月のグラナダや地球のオーブを移住先として望んでいた。
ブレックスの頼みを断るわけにもいかず、
省15
22: 923 ◆cehD7uPtpU 2013/12/28(土)17:45 ID:??? AAS
《アーガマ》から《アークエンジェル》への避難民受け入れ作業が行われていた。
カミーユはグリーンノアからの避難民もいるという話を聞いてその場に来ていた。

「カミーユ!!」
唐突に避難民の人集りの中から
見知った顔の少女が飛び出して来ると
カミーユは心臓がズキンと脈動した気分になって驚く。
「ファ?ファ・ユイリィじゃないか…!どうしてここに?」
「お父さんもお母さんもティターンズに捕まっちゃったの…!」
カミーユがファに聞くと、彼女の口からはとんでもない言葉が発せられた。
捕まった…?ティターンズにか?
省11
23: 923 ◆cehD7uPtpU 2013/12/28(土)17:49 ID:??? AAS
ブライトの助けたフレイ・アルスターもその一人だった。
「フレイ!?…フレイじゃないか!」
「…サイ…?サイ!?良かった!」
サイの呼び掛けに気付いたフレイは
サイのもとへ一目散に駆け寄っていくとサイへ体を預けた。
その光景を見ていたキラは心臓が妙にズキンとした感覚を覚えた。

「フレイ、どうしてこんな所に?」
「友達とはぐれたの!そしたら小さな女の子をブライトさんと助けて…!
…それでシャトルに行ったらダメでここに…」
フレイは少し興奮気味にサイへ言っていたが、
省3
24: 923 ◆cehD7uPtpU 2013/12/28(土)17:51 ID:??? AAS
《アーガマ》の艦長室にはブレックス、ヘンケンやブライト、
クワトロがコーヒーを飲みながら資料を手に話をしていると
「失礼します。」と、ドアの向こうからカミーユの声がした。
ブレックスが入れと言うと、ドアがプシュっと音を立てて横に開くと
カミーユが部屋に入ってくる。
「カミーユ君、どうした?」
クワトロがそう聞くと、カミーユはブライトの方へ顔を見て
「ブライト艦長。ファ・ユイリィの事、
あの子を助けて頂いてありがとうございます。」
と、律儀に礼を言って来た。
省10
25: 923 ◆cehD7uPtpU 2013/12/28(土)17:54 ID:??? AAS
彼らはカミーユが出て行ったのを見やると、ブライトが口を開く。
「カミーユ・ビダンか…何故だか危うさを感じるのは私だけですかね?」

ブライトは足を組んで、コーヒーを啜るブレックスに問いかける。
ブレックスは手に持ったコーヒーカップを下皿に置くと、
空調の音だけが静かに聞こえる部屋の中にカチャリと陶器のぶつかる音が小さく響く。
ブレックスは腕を組んで「ホワイトベースにいた時にも同じ気持ちだったかな?」
と言って、背もたれに背中を預けるとブライトに質問を返す。
ブライトは「…そうかも知れません。」とだけ言うと、
ブレックスはブライトやクワトロ達の顔を真剣な眼差しで見ながら
ブレックスが呟くように言った。
省4
26: 923 ◆cehD7uPtpU 2013/12/28(土)17:58 ID:??? AAS
少しの沈黙ののちにその沈黙を破ったのはヘンケンだった。
手にしていた資料に再び目を送りながら
「しかし…オーガスタ基地ですか…まさかこんな所にいたとは。」
と言って難しそうな顔をする。
「彼にはその素養があると?」
ブライトの口から唐突に出たその言葉にブレックスらは、クワトロに視線を送る。
クワトロは右手でサングラスを外し、テーブルにそれを置くと
「経歴を見るまでは確証はありませんでしたが…
あの未完成品の絵に書いたような兵器は、
少なくとも相応の適正がなければ動かす事は出来ません。」
省9
27: 923 ◆cehD7uPtpU 2013/12/28(土)18:03 ID:??? AAS
というと、テーブルに置いていた資料を手に取って
「出自を見れば天性のカリスマ性を持っていると考えます。
私の過大評価が間違いなければ天才ですよ彼は。」
クワトロはヘンケンにそう言って応える。
「確かに…オーガスタ基地にいた事を考えれば
一年戦争時に名を上げていなかった理由も頷けるな…」
ブライトも顎に指をやって軽く資料に目を通しながら言った。

「連邦はつくづく利権や保身の為に才能の芽を潰す連中だという事だな。」
ブレックスが呆れた顔でそう言うとその場にいたブライト達はフッと笑っていた。

《アークエンジェル》の居住区用の談話室ではキラを含めた
省15
28: 923 ◆cehD7uPtpU 2013/12/28(土)18:07 ID:??? AAS
「おう、坊主達!ここにいたか。」
「あ、ロベルト中尉。」
「あの…ヘンケン艦長の怪我の具合どうですか?」
ロベルトが全員の顔を見やると、ミリアリアがヘンケンの怪我を気にしており
「…まだ戦闘は無理だな。」とロベルトがすぐに返すと
ミリアリアは少し俯いた。

ロベルトはそれを見て「だが心配いらん!」と大きな声を張ると、
「その代わりにブライト・ノア大佐が
《アーガマ》の艦長に着任したからな。
まさに鬼に金棒というヤツだ。」
省15
29: 923 ◆cehD7uPtpU 2013/12/28(土)18:09 ID:??? AAS
予定の出発時刻があと10分ほどとなっていた。
ヘリオポリスは避難勧告は2時間前に解除されていた。

出港の為《アーガマ》《アークエンジェル》は
ドッキングベイにてその時を待っていた。
《アークエンジェル》のブリッジではクルーが少ない為、
戦闘時以外はムゥはブリッジの手伝いをする事になっていた。
ロベルトもその例外に漏れず、ムゥと持ち回りで手伝う事になった。
ブリッジのモニターには航路図が映し出されている。
事前のブリーフィングでブレックスから知らされた作戦行動に移る事になっていた。
地球への周回軌道まで乗り、
省11
30: 923 ◆cehD7uPtpU 2013/12/28(土)18:11 ID:??? AAS
それを聞いたラミアスとナタルは図星だったと言わんばかりの顔をするが、
それに対して先に応えたのはナタルだった。
「い、いえ…女性だからという訳ではありませんが、
ジャブロー基地への侵入を一人でやるというのはどうかと…」
理路整然と答える事の多いナタルは影をひそめて、
歯切れの悪い言葉だった。
「あの中尉さんは諜報活動も担当なんだろう?
ティターンズから《ガンダムMk-?》を奪うって任務も、
事前に潜入していたレコア中尉の働きがあったからこそらしいしな。
心配する事無いと思うぜ?」
省10
31: 923 ◆cehD7uPtpU 2013/12/28(土)18:17 ID:??? AAS
「俺は一年戦争の時、北米の基地に配属したての新米兵士だった。
だがそこで見たのは悲惨なんて言葉で片付けられるモンじゃなかった。
もちろん俺は関与しちゃいないが上官達や研究者が
えげつない事をしてるってのはもっぱらの噂だった。
捕虜になったジオンの女士官は
検査、研究、尋問、拷問と称して……
味わった苦痛と屈辱は相当なもんだったろうな…。」

その言葉にラミアスやナタルだけでなく、
ノイマンらも固唾を呑んで聞いていた。
「でもな、自分が軍人になったってんなら
省15
32: 923 ◆cehD7uPtpU 2013/12/28(土)18:23 ID:??? AAS
タイトル忘れてましたね。
第9話_「混沌の海へ」

これにて終了でございます。

オーガスタ基地、ニタ研がありますね。
詳しい方は分かると思いますが、伏線です。

つまらん作品で駄文ですが
序盤のクライマックスに回収しますんでお楽しみに。
33: 2013/12/28(土)19:32 ID:??? AAS
投下乙でありまーす
さて……色々候補はいるが、誰だろう?
種とΖだけじゃないって明言されたから当てはまりそうなのはかなりいるぞ
34: 2013/12/28(土)23:22 ID:??? AAS
GJ!
カミーユは初っ端から危うさ全開だったからなw
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