【軍事立国化】日本学術会議、軍事目的研究否定の原則の見直し検討 [無断転載禁止]©2ch.net (368レス)
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14: 2016/05/26(木)21:14 AAS
 風船爆弾といわれても大部分の読者はご存じないであろう。そこで簡単な説明を加えておく。和紙とコンニャクのノリで直径10m位の
風船を作り、その中に水素ガスをつめ、テルミットという火薬を装備する。その風船を偏西風にのせて直接アメリカ本土を空襲しようとす
るのが風船爆弾の基本的な考えである。偏西風は現在ジェット・ストリームと呼ばれ、冬には時速300km程度に達する。日本を出発し
東向きに進むジェット機はこの風を利用すると、所要時間は短くなり、燃料が節約できる。偏西風の存在は現在ではほとんど常識であるが
、これは戦時中の日本で発見された。自然のもつエネルギーを利用し、省エネでアメリカ本土を狙うというアイディアは、物理のいかにも
日本的な応用である。

 第二次世界大戦中、多くの物理学者が戦時研究に協力した。アインシュタインが原子爆弾の製作をアメリカ政府に勧告したことは有名な
話である。開戦当初アメリカ海軍の魚雷に不発弾が多く、その改善に関してアインシュタインがアイディアを提供したとも伝えられている
。1965年にノーベル物理学賞を受賞した朝永、シュウィンガー、ファインマンのうち、朝永、シュウィンガーの二人は戦時中レーダーに使
うマグネトロンの研究を同じようにしていたということである。この話は何かの講演の際、朝永先生自身から聞いた記憶がある。上述の勤
労動員のとき、著者たち事務係は風船爆弾の球体設計を命じられ、その設計には三角関数を使って計算した。三角関数は中学に入ってすぐ
に学んだが、何度何分かの角に対応する三角関数の具体的な計算には数表を使った。いまでは電卓を使えばそれこそ答えは一発で出る。身
のまわりの風船の典型的な例は紙風船で、舟形に切った8枚の紙を球状になるよう貼り合わせて作られている。極座標でいえば方位角が0
度と45度の間を平面上に展開し、これを8枚貼り合わせて紙風船を作る。風船爆弾では8という数がもっと多数にはなるが、基本的な図
形を貼り合わせて作るという原理には変わりがない。私たちは三角関数の表を用いて基本的な図形を作成した。これは戦時研究のごくささ
やかな寄与であるが、私たちの計算した数値が実際に使われたかどうかは、残念ながら軍事秘密というベールに隠され明らかにされていな
い。
(あべ・りゅうぞう/東京大学名誉教授)
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