[過去ログ] 【PBW】Lost Arcadia -Last Code Daybreak-【ロスアカ】 (1002レス)
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910: ショーケースの裏側で (ワッチョイ 83c3-8HZ0) 05/14(火)10:52 ID:apHWnw+I0(15/103) AAS
「ミィ…?」

社長の手からポトリと妹ンネが落とされると、兄ンネは「何が起こったのか分からない」といった表情で妹ンネへ駆け寄る
野次馬の子タブンネも数匹寄ってきた
首が180°後ろに向いた異様な姿でピクピク痙攣する妹ンネ、兄ンネは不思議に思って触角をくっつけで妹ンネの体の音を聞いてみる
そこから聞こえるのは急速に小さくなっていく心臓の音、血の流れがだんだん緩やかになり、やがて止まる音、止まってしまった呼吸の音…
これらが「死の音」だということは幼い兄ンネにも分かることだった

「ミギュッヒ… ミビェェ〜〜ン!!」
「ありゃ、兄弟だったのね」

兄ンネは死体となった妹ンネにすがり付いて泣いた。それは狂気を含む泣きかただった
死んだはずの母親が生き返って大好きな妹ンネを殺した… 幼いタブンネの心に致命的なダメージを与えるには十分な出来事だろう
省13
911: ショーケースの裏側で (ワッチョイ 83c3-8HZ0) 05/14(火)10:53 ID:apHWnw+I0(16/103) AAS
『ミミーッ! ヂーッ!ヂーッ! ミッヒミッヒ! ミーッ!ミーッ!』

女社長が部屋に入ってくると部屋中の子タブンネたちが一斉に鳴き出した
歓喜、渇望、不満、悲哀、様々なな感情が籠った声が混じりあって部屋中に響く
そのあまりの騒音に衣装ケースの新入り子タブンネの達は思わずたじろいだ

ここのタブンネには十分な食べ物と水、そして温かい空気が与えられてはいるが足りない物が二つある
それは楽しみ、そして母の愛。この子供にとって必要不可欠な二つにここの子タブンネたちは非常に飢えている

「はいはーい、みんな、新しいお友だちだよ〜」

部屋の隅にある折り畳み式のケージをいくつも組み立て、そこに子タブンネをホイホイと首を掴んで放り込んでいく社長
基本的に1檻に1匹、兄弟の子タブンネがいたら一緒のケージに入れるのだ
ケージの大きさは70?四方、身長40〜50?の子タブンネにとってはだいぶ狭いが、食うか寝るか糞するかしかする事は無いので問題はない
省15
912: ショーケースの裏側で (ワッチョイ 83c3-8HZ0) 05/14(火)10:54 ID:apHWnw+I0(17/103) AAS
しかしその答えは単純、この社長がここの子タブンネたちにとっての母親だからだ
確かに子タブンネに毎日餌をあげているのは社長であるが、ただそれだけではない
社長がここの子タブンネ達の母親足り得てるのは、一種の「魔性」のような物があるからだ
独特の高くて柔らかい声はママンネの声にどことなく似ていて子タブンネ達に安らぎを与え
童顔で目が大きく、優しげな円みを帯びた顔も子タブンネ受けがいい
あの、妹ンネを抱っこした時のような穏やかで優しく見える振る舞いもまた魅力的だ
事実、兄ンネもこの魔性に一度騙されかけているのだ

ただ、社長が第一飼育室に来るのは日に1、2回、数十分の間だけ。子タブンネたちはあまり一緒に居ることができないのだ
まだ甘えたい盛りの子タブンネにとって一日の大半を子供だけで過ごすのがどんなに心細い事か
母性というものに飢えきっている子タブンネたちにとっては社長と顔を合わせるたった数秒が砂漠に下りる朝露のような尊い物になるのだ
省11
913: ショーケースの裏側で (ワッチョイ 83c3-8HZ0) 05/14(火)10:56 ID:apHWnw+I0(18/103) AAS
ここの子タブンネたちにとって楽しみはこの吹けば飛ぶような切れ端しかないと言っても過言ではない
それ故、味がなくなるまで、いや、味が無くなってもなお実の繊維の一本に至るまで味わい尽くす
「無くならないで」「いつまでも口の中に居て」そんな事を願いながら子タブンネたちは数滴もないであろう果汁を唾液で口一杯に満たすのだ

「ミ゙ーッ !ミ゙ーッ !ミ゙ーッ!!」
「はいはい、今あげるからねー」
サクサクとナイフでオボンを削りながらテンポ良く次々と配っていく社長
子タブンネたちは隣の檻の子タブンネがオボンを受け取るとより強く鳴いて自分にもくれと必死でアピールする
そして受け取ると一転して静かになり小さなピチャピチャという音だけがケージの中から聞こえてくる

だが、ある子タブンネのケージの前でオボンを切る手が止まった
そしてケージの上部に貼られている付箋紙をチェックする社長
省15
914: ショーケースの裏側で (ワッチョイ 83c3-8HZ0) 05/14(火)10:57 ID:apHWnw+I0(19/103) AAS
抜けンネは突然ママから与えられた激痛にもう訳がわからなくなったいた

「どうしてママはミィにいたいことするミィ? ミィはわるいことしてないミィ」

鳴いてそう伝えたかったのだが喉に血が上ってきて鳴くことも、いや呼吸することすら出来ない
抜けンネの澄んだ青い瞳から、痛みと悲しみの涙が胸の血にも負けぬほど溢れ出た

「心臓を外しちゃったかなー? でもこれだけ血が出てたらそのうち死ぬよね」

社長は抜けンネの血がついてない尻尾の部分でナイフの血を拭き
死にきれずにピクピク痙攣する抜けンネをまるでゴミのようにスーパーの袋に入れてしまった
そして何事も無かったかのようにオボンの切れ端を子タブンネたちに配る作業に戻っていった
省6
915: ショーケースの裏側で (ワッチョイ 83c3-8HZ0) 05/14(火)10:58 ID:apHWnw+I0(20/103) AAS
『ミイッ!チィチィ!キィィ!ミィッミィッ!!』
「いつもくせぇなーここは」

一方、赤いリボンの子タブンネたち約20匹も特大衣装ケースに入れられ男2人によって第二飼育室に連れていかれた

第二飼育室は物置として使われていた部屋で環境は劣悪だ。
常に糞尿と腐ったフーズと死体の悪臭が籠りエアコンもストーブもなく窓が1つあるだけ
子タブンネを入れるケージも専用の質のいい物ではなく、使い古しの衣装ケースや果物の木箱
力の弱いベビンネのケージには段ボール箱さえ使われている
そんな環境で離乳して間もないベビンネやペットに向かない攻撃的な子タブンネが数十匹も飼われているのだ

もちろんそんな事をしていれば毎日死ぬタブンネが出るのは当たり前
男2人の仕事は死んだタブンネを片付ける事から始まる
省15
916: ショーケースの裏側で (ワッチョイ 83c3-8HZ0) 05/14(火)10:58 ID:apHWnw+I0(21/103) AAS
「兄貴、やっぱり畑の近くで捕まえるのはやめた方がいいんじゃないかい?」
「農家のおっさんには有り難がられるがな、害獣駆除してくれたってよ
 タブンネみてーに見た目が可愛いと農家の連中も中々手が出せねぇんだよ、色々言われるからな」

乾拭きで申し訳程度に綺麗にした衣装ケース、臭いはするがこれで新たな子タブンネが入れられる
最初に入れられるべく選ばれたのは子タブンネのなかでも一際幼い、まだベビンネと言っても良いくらいの小さなタブンネだった

「ヂヂーッ! ヂヂーッ!! ヂャアーーッ」
「おいおい、暴れんなって」

弟分に首根っこを捕まれたベビンネは恐怖して激しく暴れた
喉が枯れるほど叫び、手足を振り回し、体をよじらせ、おしっこを撒き散らし… 小さな身体で出来る抵抗は全てやっだろう
しかしその抵抗も大人の握力にはまるで意味を成さない
省13
917: ショーケースの裏側で (ワッチョイ 83c3-8HZ0) 05/14(火)10:59 ID:apHWnw+I0(22/103) AAS
『ウミィーッ!ミーッ!ミーッ!ミィッ!ミィッ! ミバーッ!』
「兄貴ぃ、なんか他のタブンネも怒り出したんだけど」
「触ったら噛みつかれそうだなこりゃ」

勇者ンネの蛮勇に触発されてか、衣装ケースの中の新入り子タブンネ達も怒りを爆発させ、声を荒げて叫び暴れだした
ある者は小さな腕を振り上げ、ある者はケースから飛び出そうと短い足で必死に跳ね、
またある者は近くにいるベビンネを抱きしめ男2人を怒りの表情(でも子タブンネだからカワイイだけ)で睨み付けている
このケースの子タブンネたちは攻撃的ゆえに赤リボンを巻かれた個体が多い
それは彼等が勇者ンネと切磋琢磨していた仲間、もしくはライバルたちで
大人タブンネがいなくなった以上へ戦うしかないと覚悟を決めていたのだ

「兄貴、どうしよう、落ち着くまで待とうか?」
省15
918: ショーケースの裏側で (ワッチョイ 83c3-8HZ0) 05/14(火)10:59 ID:apHWnw+I0(23/103) AAS
「シルフィちゃん、この子たちが興奮して暴れちゃって困っているんだ
 シルフィちゃんの力で大人しくさせてくれないかな?」
「フィ〜♪」

シルフィは二つ返事で承諾すると、リボンのような触角をゆらゆらと揺らし、波動を出し始めた
するとどうだろう、衣装ケース内の子タブンネたちがぴたりと騒ぐのをやめた
そしてみんな何が起きたか分からないという感じでキョロキョロと周りを見渡している
心の中に炎のように燃えていた闘争心が突然萎えていってしまい、皆困惑しているのだ
そしてそれは勇者ンネも同じだった
心にぴりりと張り詰めていた緊張の糸が切れ、力んでいた全身からはふわりと力が抜けた

「ミィ… ミィ…?」
省13
919: (ワッチョイ 83c3-8HZ0) 05/14(火)11:00 ID:apHWnw+I0(24/103) AAS
「ヂビーーッ!!!」

前足で頭を押さえつけながら腹を食い破ると、腸が裂け目からプリッと飛び出した
そこに鼻先を突っ込み、ハラワタの中から美味しそうな1つを最初に腹から食い千切る
シルフィが見つけたのは栄養たっぷりの肝臓だ

「兄貴ぃ!シルフィがタブンネ食べちゃってますぜ!」
「えっ、こいつ肉食なの?!」

男たちがそれに気づいた時にはもう手遅れ。ベビンネがもう助からないのは誰の目にも明らかだ

「ミ,ミィィ… 」
省15
920: ショーケースの裏側で (ワッチョイ 83c3-8HZ0) 05/14(火)11:01 ID:apHWnw+I0(25/103) AAS
男2人もまた対処に困って何も出来ないでいる。さすがに泣いてはいないが

『ミィッ!ミィィッ!!ミーッ!ミーッ!ウミーッ!!』

ケースの中の子タブンネたちがまた騒ぎだした、たださっきとは様子が違う
全てのタブンネが同じ方向、勇者ンネに向かって叫んでいる
ある者は小さな拳を天に突き上げ、ある者はケースの壁をバンバン叩きながら

その叫びは、勇者ンネへの応援であった
「負けるな!」「やっつけろ!」「がんばれ!」「ベビの敵を討て!」
かつて仲間だった子タブンネも、ライバルだった子タブンネも皆声を張り上げ勇者ンネを激励した
彼等もまた闘志が消えかけていく自分の心と戦っているのである
人にはミィミィとしか聞こえない、しかし、勇者ンネにはその声に込めた熱い思いが確かに伝わって来た
省13
921: ショーケースの裏側で (ワッチョイ 83c3-8HZ0) 05/14(火)11:01 ID:apHWnw+I0(26/103) AAS
「フィー?」

「何かフワフワして気持ちいいものが足に当たったな」
シルフィはそんな事を思いながら捕食を中断し、何の気無しにひっくり返っている勇者ンネの顔を見下ろすように覗き込んだ

「ミ,ミィィ…」

血に塗れたシルフィの顔を見た瞬間、勇者ンネは戦慄した
こいつは可愛いタブンネのお友達などでは断じてない
悪魔だ、赤ん坊を食い殺し、その血を浴びて笑う悪魔だ
人間から見ればチャームポイントである大きくて円らな青い瞳、そして口からチラリと覗く白い牙
それらも恐怖した勇者ンネにとってはおぞましく悪魔的に見えた

「うわわっ、血だらけだぁ、ひでぇ事になってますぜこりゃ」
省13
922: ショーケースの裏側で (ワッチョイ 83c3-8HZ0) 05/14(火)11:02 ID:apHWnw+I0(27/103) AAS
「フィィー!」

「逃げるものを追う」というのは捕食者の誰もが持ち合わせている習性だ
その習性のスイッチが入ったシルフィはピョンとひと飛びで勇者ンネに追い付き、前足でキュッと押さえ込んでしまった

「ビギュリグミバァ!」

押さえつけられた勇者ンネはタブンネの声とは思えない滅茶苦茶な声を出しながら悶絶した
手足を闇雲に振り回し、身体をくねらせて床にバンバンと打ち付ける
余りの恐怖で正気が保てなくなってしまったのだ
その姿は陸に上がったコイキングとかそういうレベルではない見苦しさだった

勇者ンネを押さえつけた後で、シルフィはハッと気づいた
「自分は今お腹空いてない」と
省12
923: ショーケースの裏側で (ワッチョイ 83c3-8HZ0) 05/14(火)11:02 ID:apHWnw+I0(28/103) AAS
「フィッフィ〜w」

リアクション(オナラ付き)を面白がり、シルフィは動きが止まる度に勇者ンネを前足で叩いた
まるで触れば動くオモチャのように
勇者ンネは繰り返される悶絶ダンスの中で色々なリアクションを見せた
小便を漏らす、頭を床に叩きつける、あぶくを吹く、白目を剥いて触覚を自分で引っ張る…
男二人は悩んだ末「シルフィが飽きるまで遊ばせとく」という選択肢を取った
そのため勇者ンネの悶絶ダンスは死ぬまで続くかと思われた。しかし

「チィチィ… チィチィ…」

勇者ンネはうずくまって頭を抱え、震えながら「チィチィ」と繰り返すだけになった
これはタブンネの赤ちゃん、ベビンネの鳴き方、それもママンネを呼ぶときの鳴き方である
省15
924: ショーケースの裏側で (ワッチョイ 83c3-8HZ0) 05/14(火)11:03 ID:apHWnw+I0(29/103) AAS
「ホラ、いつまでも泣いてんじゃねぇよ、これからいっぱい食べて強くなるんだぞ」

兄貴分が震える勇者ンネを優しく抱っこして空いてる飼育ケースに入れた
この期に及んで親のカタキに励まされるとはもう恥も極まれりである

『ウミィィィィィ!!チィィィィィ!!』
「シルフィ!だめだよ、やめなさい!」

勇者ンネでは遊び足りなかったのだろう
シルフィは衣装ケースの縁に乗り掛かり次のオモチャを選ぶべく中の子タブンネ達を覗き込んだ
泣き叫び、一斉に逃げてケースの反対側に押し寄せる子タブンネたち
もはやシルフィと闘おうとなどと思う奴はいなかった
端から見れば衣装ケースを覗きこむ可愛いニンフィアだが
省13
925: ショーケースの裏側で (ワッチョイ 83c3-8HZ0) 05/14(火)11:03 ID:apHWnw+I0(30/103) AAS
「こいつらすっかり大人しくなっちまったな」
「これでフーズが食べれたらもう出荷出来そうですぜ」

男たち2人は反抗しなくなった子タブンネたちを次々に飼育ケースに移し
同時にボール付きの給水器に入った水と一掴みのフーズも一緒に入れていく
ケースに入れられた子タブンネ達、どの子を見ても隅っこで身体を丸くしてプルプル震えている
大勢の仲間がいても何もできなかった自分の弱さと目の前で悪魔に連れ去られたベビンネへの罪悪感
その二つが混じりあって黒くて重い塊となり、子タブンネたちの幼い心にずっしりとのし掛かった
もし、この子タブンネたちがこれからペットショップに売られて行き、そこで優しい飼い主に出会ったとしても
心にこれほど重い物を抱えたままで本当に幸せに暮らせるのだろうか…?

「うぇぇぇぇぇ!!?」
省12
926: ショーケースの裏側で (ワッチョイ 83c3-8HZ0) 05/14(火)11:04 ID:apHWnw+I0(31/103) AAS
子タブンネたちは捕まった当日だというのに輸送用のキャリーケースに次々と入れられていく
輸送用のキャリーは直方体で奥行きき70?、幅と高さが40?しかなく子タブンネ用にしてはかなり狭い
大きさだけ見ればケージというより棺桶である
これを入り口を上にしてそこから子タブンネを入れるのだが
狭くて暗いキャリーを嫌がって足をバタバタさせて入れられまいとしたり
入れられても入り口の縁を小さな手で懸命に掴んで懸垂のように登って脱出しようとするが
子タブンネを押し込めるように出入り口のドアを閉められ、ガチャリとカギをかけられてしまうのだった

「お邪魔するざんす、おー、こちらが当社の今度の企画で扱わせて頂くタブンネ達ざんすね
 差し障りなければ少し見学させてくれないざんすか?」
「あっ、デパートの担当の方で?、どうぞお気になさらずご自由見てってくだせぇ」
省13
927: ショーケースの裏側で (ワッチョイ 83c3-8HZ0) 05/14(火)11:04 ID:apHWnw+I0(32/103) AAS
兄貴分に急かされて、弟分はデパートの社員を第一飼育室に案内する
弟分と知らない男が入ってきたので、ケージの中の子タブンネ達は「ミッミッ、ミッミッ!」と困惑や警戒の声で一斉に鳴き出した
弟分の操るポケモンに親兄弟を殺された子タブンネもいるのだ
そんな子タブンネたちをデパートの社員はケージに顔を近づけて一匹一匹観察していく

「さっきの部屋の子達とそれほど違いは無さそうざんすけど、何が違うんざんしょ?」
「ここに居るのはペレットのポケモンフーズに馴染めない奴等が主だもんで、
 見た目だけはさっきの一級品とそう変わらないんですぜ、少しは毛抜けとかもいますがね」
「へぇー、好き嫌いの問題ざんすね、
 …アー、このタブンネに餌をあげてみてもいいざんすか?」
「少しなら大丈夫ですぜ、あ
省14
928: ショーケースの裏側で (ワッチョイ 83c3-8HZ0) 05/14(火)11:05 ID:apHWnw+I0(33/103) AAS
「ミィッミッミ〜♪」クチャクチャ
「ホッホッホ!ちゃーんとペレットも食べられるざんすねぇ」

見た目のみならず味もいつものペレットとは比べ物にならない
甘くてフルーティで食感もしっとりと柔らかい
これに比べたらいつも食べているフーズの味は土の塊にも等しいだろう
子タブンネもあまりの美味しさにほっぺたに両手を当てて尻尾をフリフリして幸せをアピールしている
そして、飲み込んだ後に最後のフーズを餌箱から取ろうとしたその時、
弟分は格子の隙間からそのフーズをひょいとつまみ上げてしまった

「ンミーッ!!ギィィィ!!」
「はえー、まるでお菓子みたいですな」
省15
929: ショーケースの裏側で (ワッチョイ 83c3-8HZ0) 05/14(火)11:06 ID:apHWnw+I0(34/103) AAS
(こりゃあ酷ぇ、知ってはいたがまさかここまでやってるとは思わなかったぜ)

弟分は知っていた、ペットポケモンショップで売られているフーズにはろくでもないものが入っている事があると
嗜好性を高めるための人工香料、化学調味料、脂肪分、糖分…この新製品のフーズにはその全てが入っている
そして鮮やかな色は人工着色料によるものであることは想像に難くない
こんな物を自分のポケモンに食べさせる奴の気が知れない…
こんなフーズを食べて育てたらタブンネは白砂糖で知能は低下、脂肪分ですぐに太って可愛くなくなるだろう
口の中のフーズの味も手伝って、弟分は気分が悪くなってきた

「おらっ、返すぜ」
「フミィ〜ン!」

弟分はまるで痰を吐くように子タブンネのケージの中にフーズを吐き出した
省15
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