[過去ログ] 【小説】スナック眞緒物語【けやき坂応援】 (1002レス)
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192: (庭) 2019/03/10(日)18:03 ID:YQ2JV6xFa(3/4) AAS
>>191
まさにそれですね😃
193: (庭) 2019/03/10(日)18:03 ID:YQ2JV6xFa(4/4) AAS
Twitterの癖で絵文字つけたなゃったw
194: (東京都) 2019/03/10(日)23:31 ID:/5usc8Vu0(1/25) AAS
そのカラーの絵文字ってコピペできるんですか?
試してみるか。😃
195: (東京都) 2019/03/10(日)23:31 ID:/5usc8Vu0(2/25) AAS
ああ、できるんだ。
196: (東京都) 2019/03/10(日)23:32 ID:/5usc8Vu0(3/25) AAS
では、板違いになるけど、乃木坂との決別のため、今日、一日中、書いていたものを投稿。
197: (東京都) 2019/03/10(日)23:33 ID:/5usc8Vu0(4/25) AAS
深夜航路(その1)
やっと高知県宿毛港のフェリー待合所についた。
待合所は小さなプレハブ。もうちょっとで日付が変わる。
「0時30分発でしたよね」と言いながら、切符売り場で2等室の運賃2,750円を支払う。
桟橋の先端まで行って、船の到着を待つ。俺以外に人はいない。
真っ暗な沖合から一隻の船が音もなく近づいてくる。
大分県佐伯港行きのフェリー「ニューあしずり」はゆっくりと接岸する。
船首にあるドアが大きく口を開け、搭乗橋が岸壁に渡される。
車両甲板からは徒歩客3名が降りてきた。
続いて、トラックや乗用車の計6台が船から吐き出される。
省5
198: (東京都) 2019/03/10(日)23:33 ID:/5usc8Vu0(5/25) AAS
深夜航路(その2)
雑魚寝仕様の二等室は広く、その中はがらーんとしている。
扉が透明なボックスがコインロッカーのように壁には並んでいる。
その中にはロール状になった毛布が入っている。
「料金100円」とあるが、コインの投入口が見当たらない。
と、思ったら、そのボックスの一つがベニヤ板で封じ込められて投入口がある。
自主的に入れる仕様だ。
この広い空間を一人で占有する罪悪感もあって、せめてもと思い、500円玉を入れて、毛布を取り出す。
この船に客は俺一人か、だったら奇跡が起こるかもしれないなと妄想しながら、部屋の真ん中に毛布を敷く。
手足を思い切り伸ばして大の字で仰向けになる。
省4
199: (東京都) 2019/03/10(日)23:34 ID:/5usc8Vu0(6/25) AAS
深夜航路(その3)
係員の予測通り、海面から湯気のような白い煙が立ち上り、船の甲板は深い霧に包まれている。
船の進行方向と逆側を見ると、宿毛のまばらな街灯が霧の中にぼーっと浮かぶ。
その灯もゆっくりと遠ざかると、やがて船の上は闇に包まれる。
真っ暗な上に霧がまとわりついていて、何も見えない。
自分の心の深部を覗くこと以外には。
首が切断された鴨の死体の光景がフラッシュバックし、思わず俺は嗚咽した。
崩れ落ちた両膝は甲板に着き、体の震えが止まらない。
そういう状態が1時間以上は続いただろうか?
闇の中から、「大丈夫ですか?」という声が聞こえる。
省6
200: (東京都) 2019/03/10(日)23:35 ID:/5usc8Vu0(7/25) AAS
深夜航路(その4)
警戒しているのか?しばし何の言葉も返ってこない。
1分ほど経って、「いいえ、乗組員さんではなく私も乗客ですよ」という声が暗闇の霧の中から聞こえる。
「あれ?たしか客は一人だけだと言われたんだけど」
「ええ、その後に私は乗ったんですね。予約も入れてなかったから、あなたが乗り込んだときにはきっとそう思われたんですね」
「あなたの客室は一等室ですか?だから、顔を合わせることはなかったのか」
「あら、急に霧がなくなりましたね。どうしてかしら?」
その言葉に促され周りを見渡すと、いつの間にか霧はだいぶ薄くなっていて、月が甲板を照らしている。
「海面と大気の温度差があると、暖かい海面から蒸発した水蒸気が冷気に冷やされて霧になります。
おそらく寒流が入り込んで、海が冷えたのでしょう」
省1
201: (東京都) 2019/03/10(日)23:35 ID:/5usc8Vu0(8/25) AAS
深夜航路(その5)
月明かりに煌々と照らされて衛藤美彩が立っている。
いったいこれは現実なのか幻なのか?
現実だとすれば、どういう対応をすればいいのか?
俺は途方に暮れる。
ただ、奇跡が起こったのは確かである。
「幸せのきっぷ」という絵本がある。
回送列車のような誰もいない列車に一人で乗ったら、奇跡が起こるという物語である。
誰もいない船でもそれは起こった!
俺はもう胸が一杯だった。
省1
202: (東京都) 2019/03/10(日)23:36 ID:/5usc8Vu0(9/25) AAS
深夜航路(その6)
「若い女性が一人でこんな深夜の船旅をするというのは何か事情がおありなんですね。
安心してください。女性が一人であることに付けこむようなことはしませんから。じゃあ、俺は客室に戻ります」
冷静を装ったつもりだったが、かなりの早口になっていた。
「うふふふ。いい人そうで安心しました。実は、私、知られてもらえてないでしょうけど、一応は芸能人なんですよ。
私のファンの方っていい人が多いのですが、一人だけ困った人がいて、今日、ストーカーされたんです。
四国でお仕事があって、飛行機で東京に戻るときストーカー被害を恐れて、
この航路のことを思い出し、いったん私の生まれ故郷の大分に戻り、そこから東京に戻ろうと考えたんですよ」
「かなりの遠回りですよね。そのストーカーを巻くにしてももっと楽な経路もあったんじゃないですか?」
「ええ、仰る通りです。でも、もう一つ目的があって・・・。あ!あれですよ、あれ」(続く)
203: (東京都) 2019/03/10(日)23:37 ID:/5usc8Vu0(10/25) AAS
深夜航路(その7)
美彩が指さした方向を見ると遠くの灯台の光が暗闇に浮かび上がる。右舷の方向だ。
その光を美彩は凝視する。
美彩の目から涙がこぼれる。灯台の光に照らされて頬を伝って落ちる涙はまるで流れ星のようだ。
涙の理由を尋ねるかどうかをためらっていると、美彩のほうから口を開く。
「なぜ何も訊いてくれないのよ。訳もなく突然に泣き出した私は馬鹿みたいじゃないですか」
「訊きたくてうずうずしていました。ただ、あの灯台がある岩礁近くでの事故で身内の方がお亡くなりになったのかとも思って・・。
でも、そういうわけではないみたいですね。だったら、ぜひ教えてください」(続く)
204: (東京都) 2019/03/10(日)23:37 ID:/5usc8Vu0(11/25) AAS
深夜航路(その8)
「あの灯台のある岩礁は『水ノ子島』という名前なんですね。
子供のころ、父や兄と一緒に漁船をチャーターして上陸したことがあるの。
島とも呼べないほどとても小さくて半径が50メートルほどしかなく、しかもごつごつしていて平らなところは殆どなかった。
そのときには何とも思わなかったですけど、その後で、水ノ子島についての新聞の記事をたまたま読みました。
読んだそのときにはすでに太陽光発電で全システムが自動化されてはいたんですけど、
私が生まれる7年前くらいまでは灯台守の人が一週間交代で勤務していたそうなんです。
無限の時間が流れていたまだ幼い私にとって一週間もあんな何もない場所で一人でいることの侘しさというのは想像を絶するものでした。
座礁しないように船のほうもあの光を頼りに安全を確保していたんでしょうけど、
灯台守の人にとっても時おり通る船の灯は寂しさを紛らしてくれていたんじゃないかと想像しました。
省2
205: (東京都) 2019/03/10(日)23:38 ID:/5usc8Vu0(12/25) AAS
深夜航路(その9)
息を大きく吸い込んだかと思うと、夜の空気を切り裂くような大声で美彩は叫んだ。
「ありがとうございます。あなたのおかげで事故が起きることがなく今日も安全に運行しています!」
その様子に心の底から感動し、俺の体は小刻みに震えた。
「あなたが一緒にいてくれてよかった。一人じゃ恥ずかしくてとてもこんな大声は出せなかった」と恥ずかし気に言う。
美彩の叫びの余韻を噛みしめるように俺は黙ってしまった。
「でも、届くわけもないのに馬鹿みたいですよね」
「その優しい思いやりが時空を歪めて、時間を遡って、灯台守の人にきっと聞こえましたよ」
「うふふふ、やっぱりあなたはいい人ね。じゃあ、今度はあなたが話す番よ」
「え?」
省6
206: (東京都) 2019/03/10(日)23:39 ID:/5usc8Vu0(13/25) AAS
深夜航路(その10)
「10年ほど勤めていた会社に嫌気がさして辞めました」
「どうしてなんですか?」
「はっきりとした形で実績を積み重ねているのに会社の側が評価を全くしてくれなかったんです」
何も言わずに、美彩は凝視する。
「こちらの勝手な思い込みかもしれませんが、美彩さんのファンになったのもそのことが関係していました。
大量の銀貨の中に一枚の金貨があれば目立つように、美女ぞろいの乃木坂の中でも美彩さんのビジュアルとオーラは目立っていました。
ただし、それ以上でも以下でもありませんでした。
でも、8目シングルでアンダーに落とされたときに激しく憤りました。
握手人気では完全に選抜圏なのに、なぜ?と。
省5
207: (東京都) 2019/03/10(日)23:40 ID:/5usc8Vu0(14/25) AAS
深夜航路(その11)
眉ひとつ動かさず、真っ直ぐにその眼差しを美彩はこちらに向けている。静かに口を開く。
「私が干されていたというのを判断なされたのは8thシングルでのアンダー落ち以外でも何かありますか?」
「選抜常連となった後でもフロントの回数が極端に少ないですね、その人気と実力に比べると。
それに公式ブログが美彩さんの仕事は徹底的に告知しませんでしたよね」
「どういう理由であれ、そこまで私のことを思ってもらえるなんてありがたいです。
でも、私は干されていたとは思っていません。というか、干されていたかなんて考える余裕もなかった。とにかく必死でした。
6thのアンダーの頃でしたか、初めて乃木坂が神宮球場でツアーをしたとき、
橋本奈々未チャンが急にツアーに出れないというときに、直前に代わりをマネージャーから頼まれました。
『ガルル』と『世界で一番孤独なラバー』しかやったことはなかったのだけど、『出れます』と大見えを切ったんですよ。
省1
208: (東京都) 2019/03/10(日)23:41 ID:/5usc8Vu0(15/25) AAS
深夜航路(その12)
「そうだったんですか。じゃあ、乃木坂の卒業も運営に愛想をつかして、というわけではないんですね」
「ええ、そうですよ。う〜ん、決意した理由を話そうかな、でも、己惚れていると思われたくないしなあ。まあ、いいか、話します!
乃木坂の中で心を震わせたり、期待に胸がはずむようなことがなくなったの。
すでに色あせた当たり前のことにしか見えなくなった。試さなければならないものは乃木坂の中にはもう見当たらない。
まだ見ぬ私の新たなる姿を求めて、まだ私の力の試されていない外の世界を見てみたいと思ったの」
「かっこいいですね」
「やめてくださいよお。暗くてよく見えないかもしれないけど、私、今、顔、真っ赤。言ったそばから、もう後悔してる」
美彩のポジティブな姿勢に俺は恥ずかしくなった。
「理不尽に干されているという状況を自分に重ね合わせて切実に受け取っていた」とお仕着せがましく語ってしたことに対して。
省1
209: (東京都) 2019/03/10(日)23:42 ID:/5usc8Vu0(16/25) AAS
深夜航路(その13)
「じゃあ、今度こそ客室に戻りますね」と俺は切り出した。
恥ずかしさで美彩と顔を合わせられなくなったからだ。
「ちょっと待ってくださいよ。あなたのお話は全部聞いていませんよ。
二つほど訊きたいことがあります。それを聞き終えたら、んがしてあげますからね。
一つは我慢して会社に残り続けるという選択肢はなかったのですか?もう一つは、なぜ、あなたがその会社で干されたのですか?」
「その会社は窓際族になっても待遇はいいんですよね。我慢しようと努力はしました。
でも、会社で受けた恨みを他で鬱憤晴らしするようになりました。
量販店なんかで対応が気に食わないと怒鳴りつけたり、駅とかでささいなことが原因で殴り合いの喧嘩になったり。
このままじゃ、人間としてダメになると思って、辞めるのを決意したというわけです」(続く)
210: (東京都) 2019/03/10(日)23:42 ID:/5usc8Vu0(17/25) AAS
深夜航路(その14)
「辞めた訳はわかりました。では、会社で干されたのはなぜですか?」
「はっきりとした裏付けはとっていないのですが・・・」
「でも、あなたは確信なさっている。それでいいので話してください」
「勤めていたのは商社で、そこのグループ企業には銀行もあります。
ある宗教団体のメインバンクがその銀行となっています。
人事部や上層部にその宗教団体の信者がいるのは世間一般にも知られている話です。
また、トラブルを起こした人に対し、その宗教団体はストーカーや嫌がらせ行為をしていることもよく知られている話です。
その商社全体がその宗教団体の手に落ちているというわけではありませんが、信者が暗躍していましたね。
俺のことを『仏敵』と呼び、根も葉もない悪い噂やネガティブな評価の出どころがそういう信者によるものだというのは調べ上げました」(続く)
211: (東京都) 2019/03/10(日)23:43 ID:/5usc8Vu0(18/25) AAS
深夜航路(その15)
「なぜ、あなたはその宗教団体から恨みを買っていたのですか?」
「大学生のときでした。その宗教団体を脱会しようとしていた知人を助けるためにそこの集会所に一人で潜入したことがあります。
全員で題目を唱えるのが終わったら、俺以外の全員は部屋の壁を背にするように周囲にさっと移動しました。
俺だけが部屋の真ん中に取り残され、全員から取り囲まれました。
幹部らしき男が大得意で底の浅い話をし始めましたが、様子見だけが目的だったので、反論はしないように努めていました。
勧誘数やお布施の額が鈍っていることを信者全員に対し文句を垂れた後に、
障害者の子供があることで悩んでいるという女性信者を指さして、とんでもないことを言い始めました。
『輪廻転生した悪人が生まれ変わって因果応報を受けたのが障害者だ。だが、功徳を積むことでその悪縁を断ち切ることができる』
そして、その功徳というのが勧誘活動を熱心にやることやお布施をなるべく多くするということであると主張し始めました」
省1
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