[過去ログ] 【小説】スナック眞緒物語【けやき坂応援】 (1002レス)
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694: (東京都) 2019/10/26(土)22:28 ID:6FZg0QV+0(2/2) AAS
壊されたシャッターから覗くと中は真っ暗だったが、ひよたんを連れ帰るという強い思いが暗闇への恐怖を打ち消した。
自転車の鍵に取り付けていた小さなLEDで照らしながら中に進んだ。
「ひよたん」と大声で呼びかけた。
鉄筋の床と天井で自分の声が反響して重層的に聞こえてくる。
しかし、ひよたんの返事はない。
奥に進んで美穂は探し回る。
屋上の駐車場と三階とをつなぐ階段の踊り場をLEDで照らすと人影が見えた。
そのとき、突然、電気が点いた。(続く)
695: (調整中) 2019/10/27(日)21:46 ID:TEMobyER0(1/2) AAS
ひよひよワールド(その13)
ひよたんだ!
ひよたんを見つけた安堵から突然に電気が点いた不自然さを美穂は気に留めない。
「ひよたん!」
「美穂ちゃん・・・」
踊り場まで駆け寄った美穂はひよたんの手を取り、「帰ろ」と言う。
その直後、美穂は背後に悪寒がした。
「こいつは驚いた。こんなクソみたいな場所で、こういう飛びっきりの上物が二人もいるとは」
「兄ぃ、俺が言ったことはホントだったろ。マブいスケがここに一人で入っていたって」
その声を確認するため、美穂は階段の下を振り向くと、いかにも悪そうな男たちがいる。
省1
696: (東京都) 2019/10/27(日)21:46 ID:TEMobyER0(2/2) AAS
あわてて家から飛び出したために、悪いことにスマホを所持していなくて、美穂は助けを呼べない。
「もう帰るんです、どいてください。父も母も警察の人も入り口で待っているんです」
「ブラフか。このスーパーの入り口で仲間を見張らせている。誰もいないことは分かっている」
「あなたが何をしたかは知りませんが、私たちを通してくれたら、あなたのことは黙っています」(続く)
697: (東京都) 2019/10/28(月)22:41 ID:ws9qe/nM0(1/2) AAS
ひよひよワールド(その14)
「こんな上物二人をみすみす見逃すと思っているのか?」
そう言って先頭の男が嘲笑うと、一斉に嘲笑する声が聞こえる。
美穂が見渡すと総勢8人もいる、どうやらいわゆる半グレ集団のようだ。
「私たちをどうするつもり!」と美穂は強気で睨みつける。
「ぎゃっはっはっは、分からないふりをしているのか。
まあ、いい、はっきり言ってやる。お前ら二人はここにいる全員から輪姦(まわ)されるんだ。この後すぐにな」
怖い!怖い!怖い!どうしよう?
美穂は底なしの恐怖を感じて、全身が震え、膝が笑い、立っているのもやっとだった。
698: (東京都) 2019/10/28(月)22:41 ID:ws9qe/nM0(2/2) AAS
美穂はひよたんを見ると、腰を抜かして、両手で顔を覆って、恐怖で痙攣を起こしている。
いいえ、私の身はどうなってもいい!ひよたんだけは綺麗な体のままで無事に逃がしてあげよう!
そう思うと自分でも信じられないくらいの力が全身に漲った。
「取引しましょう。わたしの体はいくらでも好きにしていい。でもあの子は見逃して。
それを守ってくれるのなら、あなたたちのことは警察には黙ってあげる。約束する」
半グレ集団の首魁と思しき先頭の男に美穂は啖呵を切った。(続く)
699: (東京都) 2019/10/29(火)21:51 ID:WaQgIx0x0NIKU(1/2) AAS
ひよひよワールド(その15)
「兄ぃ、いい話じゃないか!捕まる心配なしにこんないい女とヤレるんだぜ」と半グレの一人が言う。
「馬鹿か。そんな約束が守られると思ってんのか!」と半グレ首魁は一喝する。
「私は約束は必ず守る!たとえ相手があなたたちのような人であっても!」と美穂は真剣な目で訴える。
「なるほどマジのようだな」と首魁は少し驚く。
「じゃあ、この子は見逃すのよね!」
700: (東京都) 2019/10/29(火)21:51 ID:WaQgIx0x0NIKU(2/2) AAS
「いや、ダメだ。お前もその子も両方とも犯す。
この状況で俺らを前にしてこれだけ堂々としている女は初めてだ。しかもそれが飛びっきりマブいときている。
まず、こいつらにお前を押さえつけさせて、その子を先に俺が犯す。
その子が泣き叫ぶ姿を見た上で、さらにお前は俺から犯されるというわけだ。
さっきまで強気だったお前は底なしの絶望のままに心が折れる。
お前の体と心がどう変わっていくかを味わいつくす。
想像するだけで、俺のコックはいまにもイキそうだ」(続く)
701: (東京都) 2019/10/30(水)23:40 ID:TVVl6DRh0(1/2) AAS
ひよひよワールド(その16)
なんて下衆な奴なの。でも怖い。誰か助けて!お父さん、お母さん、怖いよ。
美穂はひよたんに再び目をやると、失神している。
いいえ、私のことよりもひよたんの身の安全を優先しなきゃ!
そう思うと自分でも信じられないくらい美穂は冷静になり、体の中からエネルギーが沸きだすのだった。
ひよたん、私が守ってあげるからね。
そう思いながら、美穂は踊り場から階段を下りる。
702: (東京都) 2019/10/30(水)23:40 ID:TVVl6DRh0(2/2) AAS
あの男が腰に差している大きなナイフをすばやく奪って、それであいつの腹を刺そう。その後、自分の首を切って自殺しよう。
そうすれば、いくらこういう下衆な連中でもあわてて逃げるはず。
ひよたんの身は守られる!
階段を下りた後、半グレ首魁の顔を見据えながら、ゆっくりと向かう。
「ほお、この期におよんでびびってないのか?」
うまくやれるだろうか?いや、弱気になってはダメ!
バスケで鍛えた私の俊敏さがあれば、こんな無駄に時間を食いつぶしている奴は出し抜けるはず。
それに今の私はゾーンに入っている!(続く)
703: (東京都) 2019/10/31(木)22:20 ID:44k8Rz1X0HLWN(1/3) AAS
ひよひよワールド(その17)
美穂は集中して、この上なくすばやく半グレ首魁の腰に飛びついた。
しかし、それ以上の速さで半グレ首魁は身をひるがえした。
無様に倒れながら、嘘っ!と美穂は思った。
「身の程知らない奴だ。兄ぃはなあ、東日本のボクシングの新人王だったんだ!」と半グレの一人が言う。
「この女には驚かされるばかりだな。この状況で、物おじしないどころかこんな戦略を練っていたとはな。
しかも、これだけの速い動き。お前らだったら、余裕でナイフを奪われていた。おい!しっかり押さえつけておけよ」
704: (東京都) 2019/10/31(木)22:20 ID:44k8Rz1X0HLWN(2/3) AAS
どうしよう?どうしよう?と震えるだけで、美穂にはもうなす術が何もなく、恐怖がぶり返した。
いやだ、いやだ、こんな奴らに穢されたくない。死にたくもない。怖い、怖い、誰か助けて。
そのとき、「心配ないよ、美穂ちゃん」というひよたんの声が体の中から聞こえる。
これは幻聴なの?
705: (東京都) 2019/10/31(木)22:21 ID:44k8Rz1X0HLWN(3/3) AAS
今度は、「もうやめなよ」というひよたんの声が鼓膜を通してはっきり聞こえる。
あの声は、まさか?いや、そんなはずはない、失神していたのに。
倒れた状態で押さえつけられている美穂は声の方向を見ると、ひよたんは立ち上がっている。
「あなたたち、いい加減にしないと痛い目に遭うよ」
ひよたん、ダメ、こんな奴らを挑発しちゃ!と美穂は言おうとするが、恐怖で声が出ない。
「美穂ちゃんを離しなさい」
お願い!私のことよりも自分の身の安全を考えて!(続く)
706: (東京都) 2019/11/01(金)21:40 ID:hCEk436V0(1/2) AAS
ひよひよワールド(その18)
「こいつ、可愛い顔してるけど、頭、弱いのか?どうやって、俺らを痛い目に遭わすというんだ?」
半グレの一人がそう言うと、半グレ集団は一斉に嘲笑う。
上に向かってひよたんは叫ぶ。
「ダイローリー!」
ひよたん、大丈夫なんて言っている場合じゃないよ。
屋上につながっている階段から男一人が踊り場まで降りてくる。
誰なの?敵?味方?
「ダイローリー、あいつら、全部、やっつけて」
え?ダイローリーって、その人の名前なの?
707: (東京都) 2019/11/01(金)21:40 ID:hCEk436V0(2/2) AAS
身長は180センチ半ばくらいあり、鋼のような体をした屈強そうな男だ。
でも、凶器を持っている8人を相手にして大丈夫なの?
「なるほど、こいつは強そうだ。こういうボディーガードがいたから強気でいられたのか。
まともにやり合えば俺らの半分はやられそうだ」
「おい、見張りのジョージを連れてこい」と半グレ首魁は命令する。
現れたのは2メートル近くはあり、ゴリラのような筋骨隆々の黒人だ。
「ジョージ、お前の出番だ!」と半グレ首魁は言う。(続く)
708: (東京都) 2019/11/02(土)22:30 ID:FcYerZaL0(1/3) AAS
ひよひよワールド(その19)
その黒人を見て、美穂の心に灯った一縷の希望が絶望に転落する。
半グレ首魁が勝ち誇ったように言う。
「ジョージはな、沖縄の在日米軍兵だった。
そこでレイプ事件を起こしたが、秘密裏に事件は処理されて、軍人は辞めさせられたが、
罪には問われず、今は埼玉まで流れ着いたというわけだ。
軍隊に入る前は、レスリングの重量級で全米学生チャンピオンだった。その男がいくら強かろうが、勝負にはならん」と余裕をかます。
その男は踊り場から三階まで降りてきていた。
709: (東京都) 2019/11/02(土)22:30 ID:FcYerZaL0(2/3) AAS
黒人を一瞥すると、電光石火の早業の片脚タックルで黒人を倒し、あっという間にマウントポジションを取った。
下から突き上げて殴ろうとする黒人の右腕を両手で取り、両脚でその右腕を挟みながら体を1/4回転させ、上半身を後に倒し、折ってしまった。
美穂は瞬きもする間もなかった。
黒人が悲鳴を上げたときには、すでに体を移動させて黒人の右脚を両脚で挟んで足首を取り、またも折り、戦闘不能状態とした。
710: (東京都) 2019/11/02(土)22:31 ID:FcYerZaL0(3/3) AAS
すぐさま立ち上がると、まずは美穂を押さえつけていた半グレの一人の顔面に蹴りを入れた。
顔面の骨が砕ける音を美穂は至近距離で聞く。
残り7人はあわてて凶器を取り出したが、信じられない速さで拳や蹴りを顔面や腹部に正確にヒットさせた。(続く)
711: (東京都) 2019/11/04(月)21:24 ID:1pYm39e90(1/6) AAS
ひよひよワールド(その20)
恐怖の対象だった半グレ集団は叩きのめされて惨めな状態となっている。
なんて強い人なの!こんな人が現実にいるの!
汗一つかかず、その男の端正な顔は何事もなかったように冷ややかだったが、どこか悲しげでもあった。
やだ、私、なぜどきどきしているの?
さっきまで恐怖のあまり蒼ざめていた美穂の顔は火照っている。
ひよたんはバトルからは目を背けていたが、「ダイローリー、ありがとう」と言いながら、踊り場から下に降りてきた。
712: (東京都) 2019/11/04(月)21:25 ID:1pYm39e90(2/6) AAS
ひよたんに駆け寄りながら、「こんなとこからは早く抜け出してお家に帰ろ」と美穂は言う。
「私はダイローリーが捕まらないように、一緒に逃げなきゃ。美穂ちゃんのほうこそはやく避難してね」
「私たちを助けてくれたことによる正当防衛だから、その人は捕まらないよ。私が警察で証言してもいい」
「ううん、ダメなの。美穂ちゃんは1階から早く出て行ってね。私たちは屋上から逃げるから」
「いや、ひよたんが一緒じゃないと帰れない」
「必ず美穂ちゃんの元に戻ってくる。約束する」
713: (東京都) 2019/11/04(月)21:25 ID:1pYm39e90(3/6) AAS
美穂はしぶしぶ引き下がる。
倒れている半グレ集団の間を抜けて、下り階段まで来て、美穂は振り返ると、ひよたんは手を振って見送ってくれていた。(続く)
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