もしも加賀楓と横山玲奈がふたり旅をしたらありがちなこと (105レス)
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1: 名無し募集中。。。 [] 2017/08/20(日)09:39
動物は現れ、やがて絶滅する。
植物は絨毯のように地表を覆っては枯れ、また豊かに茂る。
生命は広がり、縮み、ときどき生き残りのサイクルから落っこちる。
だが地球は残っていた。
動植物がその上にあふれても、洪水や地震や疫病や地殻変動、大災害の犠牲になっても、惑星はまわり続ける。
ひどい雨だ。
加賀楓と横山玲奈は競技場にいた。
誰かが――さもなければ何かが――ウイニングランをしてから、ずいぶん長い時間が経っているのは明白だ。
生き延びることだけが優先されるこの時代に、たくさんの時間と努力を馬鹿げた競技に打ちこむ人間はいない。
この競技場を走ったのが意味もなくぐるぐる走る馬か、愚かな犬か、それとも車の体裁を整えたエンジンか、
そんなことは楓と玲奈にはどうでもよかった。
問題なのは、この場所が悪天候をしのぐ仮の宿になってくれることだ。
ふたりが見つけた屋根はとりたてて大きくはなかったが、まだちゃんと雨を防いでくれた。
建物が許すかぎり悪天候から離れて中に入ると玲奈は満足して周囲を見まわした。
「ひと晩キャンプするのにもってこいの場所みたいだよ」
ちらっと磁石を見てぱちんと蓋を閉めた。
楓は油断せず周囲を警戒していた。
仮の宿には好都合な建物だった。
ふたりが雨をしのいでいる場所の前方は広々としている。
何かが近づいてくれば、かなり遠くからでも分かる。
玲奈はジャンプスーツの前を開けて、内側に手を入れた。
おもむろに脇の下を掻きはじめた。「さっき蚊に刺されたみたい」
玲奈がスーツから手を出して指の臭いを嗅ぐと、楓は不快感をあらわにした。
「よしなさいよ。行儀が悪い」
ふんと鼻を鳴らして玲奈が言った。
「“料理”するから燃やせるものを探してよ」
楓は土砂降りの雨を示した。「どうせならステーキも注文したら?」
「観客席の下ならほとんど壊れてないみたいだもの。乾いてるところもあるはずだよ」玲奈が答えた。
楓が皮肉っぽく笑った。
顔面の左側にぎざぎざした傷痕があるため、剣呑で威圧的に見えはするものの楓は玲奈には優しい。
雨はやみはじめていた。楓は目を上げた。
夜空に星がきらめきはじめている。
76: 名無し募集中。。。 [] 2017/10/26(木)21:17
確かにあのラジオは泣いた…ってまりでぃースレになるのかw
77: 名無し募集中。。。 [sage] 2017/10/29(日)02:43
れなでぃ!
78: 名無し募集中。。。 [] 2017/11/09(木)07:37
期待
79: 名無し募集中。。。 [] 2017/12/06(水)21:37
2カ月ぶりくらいに来たら更新が途絶えてて悲しい
構想中なことを願ってる
80: 名無し募集中。。。 [] 2017/12/30(土)21:52
かえでぃーは人知れず悪を裁くダーク・ヒロインへと変貌するんだけど
そのためには大切な人を失う必要があるんだよね
そう「ダークナイト・ライジング」みたいに
そこが書けない…情けない…
81: 名無し募集中。。。 [] 2018/01/05(金)07:40
気長に待ってます
82: 名無し募集中。。。 [] 2018/02/23(金)15:25
まりあが隻眼になった外伝が思い浮かんでいるんだけどなかなかムズイ
83: 名無し募集中。。。 [] 2018/02/24(土)12:44
楓は真莉愛の病室の前に立って、耳を澄ました。
声は聞こえてこない。
しばらく迷っていると、廊下の奥から声をかけられた。
「かえでぃー!」真莉愛が車椅子を自分で動かして近づいてくる。
真莉愛の病院着は脚の上部までずり上がっていたが、真莉愛は膝を閉じようともしていない。
「いつ来たの?」
「ついさっき」楓はわっと泣き出したい衝動に襲われた。
真莉愛は座っている。話をしている。
以前の真莉愛と変わらないように聞こえる。
ふたりは病室に入った。
真莉愛は窓辺まで車椅子を動かした。水差しに冷たい水を入れて楓に渡す。
「毎日、変な検査するの。変な機械にも入れられたよ。早く回復させて追い出したいみたい」
残ったほうの目で楓を見つめた。
「まりあはもっとひどい目にも遭ってるんだから。こんなこと慣れっこ」
楓の表情を見て真莉愛は大笑いした。
次第に笑いが止まらなくなり、足を蹴り上げた。
あまりに激しく笑っているので車椅子がガタガタ鳴った。
身体をふたつ折りにしないため、真莉愛は天井を見上げた。「ふう…」
人の顔を見て爆笑するなんて失礼な話だが、よほど間抜けな顔をしていたのだろう。
楓は微笑む。
おもしろかったからではなく、真莉愛が今もまだ物事を笑い飛ばせることに安堵した。
「あ…」真莉愛はいいほうの目を拭った。
「おしっこ、ちびっちゃいまりあ…」
真莉愛が下着を替えるのを手伝う。
真莉愛は楓を引っ張り上げて、唇に噛みついた。
「こしょこしょして…かえでぃー…」
楓はゆっくりと真莉愛の肌に爪を立てた。
84: 名無し募集中。。。 [] 2018/02/24(土)14:40
おぉっう!!
85: 名無し募集中。。。 [] 2018/02/24(土)17:04
けしからん
86: 名無し募集中。。。 [] 2018/02/24(土)19:00
玲奈は寝床に寝そべった。部屋の明かりはまだ消していない。
真夜中を過ぎているはずだが、部屋に時計はなく、正確な時刻は分からなかった。
動揺し、疲労困憊で、これまでの人生で最高に柔らかい毛布に包まれているのに、目を閉じられそうにない。
深く息を吸って、股間に右手を据えた。もう堪えられない。
左手で自分の唇をなぞった。膝がぴくりと震える。
楓にキスされた唇、楓の口に愛された乳房は敏感になっていた。
玲奈の身体を上下にさまよった楓の舌の感触がよみがえってくる。
「あ…」あの気持ちのいいことを何度もしてほしい。
玲奈は目を閉じた。
楓の指の動きはなめらかだった――ハチミツにスプーンを差しこむような優しさ。
あちこちがうずき、玲奈の身体は弓なりに反った。
こんなことは不快でたまらない――そう思いたいのに、思えなかった。
あり得ないほどの激しい快感だった。
それは唐突にやってきて、玲奈は驚く。
心臓の鼓動がおさまるのを待つ。同時にオーガズムのあとの恥辱に襲われた。
玲奈は横向きに寝そべり、その頬を涙が伝う。顔はまだ赤かった。
重いものに押し潰されるような気分だ。
冷静に人生を見つめれば、鬱々としなければならないようなことは何もない。
自分の父親はこの国の最高権力者であり、ハイクラスの暮らしをしていた。
だが、玲奈は放っておいてほしかった。
頑固な汚れも落とすと宣伝している強力な洗剤でどれほど洗っても、きれいになりようがないほど血にまみれた世界…。
果てしない疑念と悲嘆、そんな世界から。
きちんと服を整え、すべての明かりを消すと、楓のことを考えた。
助けにきてよ、かえでー…。眠気に襲われる。
次に目を覚ましたときには、隣に楓がいてくれるよう願った。
玲奈は指で唇を撫でた。自分自身の匂いを嗅ぎながら罪の意識に苛まれた。
87: 名無し募集中。。。 [] 2018/02/24(土)20:24
けしからん
88: 名無し募集中。。。 [] 2018/02/24(土)20:37
真莉愛は2度くしゃみをし、ずるずると鼻をすすった。
袖で鼻を拭う音が聞こえる。真莉愛はまたくしゃみをした。
見かねて楓がちり紙を渡してやると、真莉愛は言った。
「もう!猫でも隠してるの、かえでぃー?」またくしゃみをした。
楓は質問を無視して真莉愛にボウルを渡す。
太った太陽のような果実が中に収まっていた。
「グレープフルーツ。食べて」楓が言う。「風邪に効くらしい」
楓は説明した。仕事でしばらく“大陸”に滞在していたこと。
これはそのお土産だと。
真莉愛はその完熟した、みずみずしい果実を見ながら訊いた。
「どうやって食べるの?先に皮を剥くのこれ?」
「まったく、なんにも知らないだから。貸して」
楓がナイフを手に取り、グレープフルーツを半分に切り、皮と身を丁寧に切り分ける。
「こうやってスプーンで食べるんだよ」
“大陸”での任務の詳細は説明しなかった。真莉愛も尋ねなかった。
ただ、そのおかげで特別な“恩赦”があったことを教えた。
「じゃあ、よこやんのボディーガードに復帰するわけ?」
真莉愛は器からグレープフルーツをすくって口に入れる。
汁が胸に垂れ、包帯を巻いた腹へと流れ落ちた。
「そういうこと」楓が答えると、真莉愛は置いてあったバッグに手を入れた。
「なら、おめかししなきゃ。椅子を寄せて」
楓は真莉愛のすぐ前まで来て座った。
真莉愛はコンパクトの蓋を開ける。「もっと近づいて」
スポンジで楓の頬にファンデーションを塗った。優しい手つきだった。
楓はまぶたを閉じてファンデーションを塗りこんでもらった。
最後に人から世話をされたときのことは思い出せない。
「ほら、できちゃいまりあ」真莉愛は化粧を終えた。
「色合いは肌と合ってないけど、これで我慢して」
楓はコンパクトを受け取って鏡で自分の顔を見た。
色白の楓には少し濃い。それでも傷痕は隠せていた。
「ありがと」
89: 名無し募集中。。。 [] 2018/02/26(月)07:36
かえれな再会できるのか…よかった…
90: 名無し募集中。。。 [] 2018/04/28(土)07:40
かえれなウルトラバイオレンス
91: 名無し募集中。。。 [] 2018/06/23(土)19:05
よこやんのお父さんがラスボス設定でプロット作ってたんだが…
こんなことあるんだなあ…
92: 名無し募集中。。。 [sage] 2018/11/29(木)13:50
うわぁぁあ!!! 横山玲奈
https://ameblo.jp/morningm-13ki/entry-12422351618.html
https://stat.ameba.jp/user_images/20181129/12/morningm-13ki/c0/2e/j/o0720096014311921236.jpg

https://stat.ameba.jp/user_images/20181129/12/morningm-13ki/b5/ac/j/o0771108014311921249.jpg

93: 名無し募集中。。。 [] 2019/01/17(木)14:47
期待
94: 名無し募集中。。。 [] 2019/03/10(日)09:14
Chapter 2
楓は巣を作っている。
枝やら葉っぱやら糞やらを集めている。
というわけで、真莉愛はせっせと炊事に励み、静かな暮らしになじみ、皿を拭くのになじみ…。
人混みや騒音が恋しいこともあるが、それも最初のうちだけだった。
だが、静かな暮らしは、欲求不満と興奮がいたずらに蓄積されていく。
楓が真莉愛の手首をつかみ、自分の部屋に連れていく。
「お風呂に入りたい」
「だめ」
「だめって?」
これまでに聞かされたことのない言葉だ。
「服を脱いで、今すぐ」
「でも――」
楓が平手で真莉愛の頬を打つ。そして部屋の隅に置かれた椅子に座って真莉愛をじっと見つめる。
真莉愛はその視線を感じながら、上着を頭から脱ぎ、手を後ろに回して、ブラをはずす。
ズボンを下げ、白いショーツ姿でその場にたたずむ。
「脱ぐのよ」
真莉愛はショーツを脱ぎ、楓の顔をうかがう。頬を紅潮させて質問する。「次はどうするの?」
「ベッドに上がって。四つん這いで。全部見せて」
身を震わせながら真莉愛はベッドに上がり、頭を低くする。
「痛くするの?」「そうされたいなら」「されたい」「それなら痛くしてやる」
楓はベルトをはずす。真莉愛の両手をつかんで持ち上げると、ベルトを手首に巻きつけて、ベッド頭部の柵につなぐ。
背後に回り、真莉愛の股間に指をもぐりこませる。
そうして片手で真莉愛の黒く豊かな髪をつかみ、手綱よろしくぐっと引く。
すらりとした首が反り返る。
「こんなに濡れてる」楓が真莉愛の尻を叩く。
平手で打たれる鋭い音と痛みを真莉愛は堪能する。
ぴしゃっ。ぴしゃっ。ああ。ああ。
ベッドの上にひざまずき、両手首をくくられ、ベッドの頭部につながれたまま、激しく身をよじる。
楓はその歓喜の声に合わせて、調子をとりながら叩く。
クーデターから1年がすぎた。
楓も真莉愛も、内に鬼を秘めていることは変わらないが、今は身をひそめていなければならない。
殺しによる刺激的で甘美なアドレナリンの高まりを得られるのは、もう少し先になる…。
95: 名無し募集中。。。 [] 2019/03/11(月)12:48
えっちだ・・・
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