◆三島由紀夫の遺訓◆ (514レス)
◆三島由紀夫の遺訓◆ http://egg.5ch.net/test/read.cgi/rongo/1296353789/
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319: 名無しさん@お腹いっぱい。 [] 2011/04/02(土) 12:32:34.44 ID:nzoObMbZ われわれ楯の会は自衛隊によつて育てられ、いはば自衛隊はわれわれの父でもあり、兄でもある。その恩義に 報いるに、このやうな忘恩的行為に出たのは何故であるか。かへりみれば、私は四年、学生は三年、隊内で 準自衛官としての待遇を受け、一片の打算もない教育を受け、またわれわれも心から自衛隊を愛し、もはや隊の 柵外の日本にはない「真の日本」をここに夢み、ここでこそ終戦後つひに知らなかつた男の涙を知った。ここで 流したわれわれの汗は純一であり、憂国の精神を相共にする同志として共に富士の原野を馳駆した。このことには 一点の疑ひもない。われわれにとつて自衛隊は故郷であり、生ぬるい現代日本で凛烈の気を呼吸できる唯一の 場所であつた。教官、助教諸氏から受けた愛情は測り知れない。しかもなほ、敢てこの挙に出たのは何故であるか。 たとへ強弁と言はれようとも自衛隊を愛するが故であると私は断言する。 三島由紀夫「檄」より http://egg.5ch.net/test/read.cgi/rongo/1296353789/319
320: 名無しさん@お腹いっぱい。 [] 2011/04/02(土) 12:34:36.83 ID:nzoObMbZ われわれは戦後の日本が経済的繁栄にうつつを抜かし、国の大本を忘れ、国民精神を失ひ、本を正さずして 末に走り、その場しのぎと偽善に陥り、自ら魂の空白状態へ落ち込んでゆくのを見た。政治は矛盾の糊塗、 自己の保身、権力欲、偽善にのみ捧げられ、国家百年の大計は外国に委ね、敗戦の汚辱は払拭されずにただ ごまかされ、日本人自ら日本の歴史と伝統を涜してゆくのを、歯噛みしながら見てゐなければならなかつた。 われわれは今や自衛隊にのみ、真の日本、真の日本人、真の武士の魂が残されてゐるを夢見た。しかも法理論的には 自衛隊は違憲であることは明白であり、国の根本問題である防衛が、御都合主義の法的解釈によつてごまかされ、 軍の名を用ひない軍として、日本人の魂の腐敗、道義の頽廃の根本原因をなして来ているのを見た。もつとも 名誉を重んずべき軍が、もつとも悪質の欺瞞の下に放置されて来たのである。 三島由紀夫「檄」より http://egg.5ch.net/test/read.cgi/rongo/1296353789/320
321: 名無しさん@お腹いっぱい。 [] 2011/04/02(土) 12:37:49.88 ID:nzoObMbZ 自衛隊は敗戦後の国家の不名誉な十字架を負ひつづけてきた。自衛隊は国軍たりえず、建軍の本義を与へられず、 警察の物理的に巨大なものとしての地位しか与へられず、その忠誠の対象も明確にされなかつた。われわれは 戦後のあまりに永い日本の眠りに憤つた。自衛隊が目覚める時こそ日本が目覚める時だと信じた。自衛隊が自ら 目覚めることなしに、この眠れる日本が目覚めることはないのを信じた。憲法改正によつて、自衛隊が建軍の 本義に立ち、真の国軍となる日のために、国民として微力の限りを尽くすこと以上に大いなる責務はない、 と信じた。 四年前、私はひとり志を抱いて自衛隊に入り、その翌年には楯の会を結成した。楯の会の根本理念はひとへに 自衛隊が目覚める時、自衛隊を国軍、名誉ある国軍とするために、命を捨てようといふ決心にあつた。憲法改正が もはや議会制度下ではむづかしければ、治安出動こそその唯一の好機であり、われわれは治安出動の前衛となつて 命を捨て、国軍の礎石たらんとした。 三島由紀夫「檄」より http://egg.5ch.net/test/read.cgi/rongo/1296353789/321
322: 名無しさん@お腹いっぱい。 [] 2011/04/02(土) 12:47:02.58 ID:nzoObMbZ 国体を守るのは軍隊であり、政体を守るのは警察である。政体を警察力を以て守りきれない段階に来て、はじめて 軍隊の出動によつて国体が明らかになり、軍は建軍の本義を回復するであらう。日本の軍隊の建軍の本義とは 「天皇を中心とする日本の歴史・文化・伝統を守る」ことにしか存在しないのである。国のねぢ曲がつた大本を 正すといふ使命のため、われわれは少数乍(なが)ら訓練を受け、挺身しようとしてゐたのである。 しかるに昨昭和四十四年十月二十一日に何が起こつたか。総理訪米前の大詰ともいふべきこのデモは、圧倒的な 警察力の下に不発に終わつた。その状況を新宿で見て、私は「これで憲法は変らない」と痛恨した。その日に 何が起こつたか。政府は極左勢力の限界を見極め、戒厳令にも等しい警察の規制に対する一般民衆の反応を見極め、 敢て「憲法改正」といふ火中の栗を拾はずとも、事態を収拾しうる自信を得たのである。治安出動は不要になつた。 三島由紀夫「檄」より http://egg.5ch.net/test/read.cgi/rongo/1296353789/322
323: 名無しさん@お腹いっぱい。 [] 2011/04/02(土) 12:51:15.56 ID:nzoObMbZ 政府は政体護持のためには、何ら憲法と抵触しない警察力だけで乗り切る自信を得、国の根本問題に対して 頬つかぶりをつづける自信を得た。これで左派勢力には憲法護持のアメ玉をしやぶらせつづけ、名を捨てて 実をとる方策を固め、自ら、護憲を標榜することの利点を得たのである。名を捨てて、実をとる! 政治家に とつてはそれでよからう。しかし自衛隊にとつては、致命傷であることに、政治家は気づかない筈はない。 そこで、ふたたび、前にもまさる偽善と隠蔽、うれしがらせとごまかしがはじまつた。 銘記せよ! 実はこの昭和四十四年十月二十一日といふ日は、自衛隊にとつては悲劇の日だつた。創立以来 二十年に亘つて、憲法改正を待ちこがれてきた自衛隊にとつて、決定的にその希望が裏切られ、憲法改正は 政治的プログラムから除外され、相共に議会主義政党を主張する自民党と共産党が、非議会主義的方法の可能性を 晴れ晴れと払拭した日だつた。論理的に正に、この日を堺にして、それまで憲法の私生児であつた自衛隊は 「護憲の軍隊」として認知されたのである。これ以上のパラドックスがあらうか。 三島由紀夫「檄」より http://egg.5ch.net/test/read.cgi/rongo/1296353789/323
324: 名無しさん@お腹いっぱい。 [] 2011/04/02(土) 12:55:09.10 ID:nzoObMbZ われわれはこの日以後の自衛隊に一刻一刻注視した。われわれが夢みてゐたやうに、もし自衛隊に武士の魂が 残つてゐるならば、どうしてこの事態を黙視しえよう。自らを否定するものを守るとは、何たる論理的矛盾であらう。 男であれば男の矜りがどうしてこれを容認しえよう。我慢に我慢を重ねても、守るべき最後の一線をこえれば、 決然起ち上がるのが男であり武士である。われわれはひたすら耳をすました。しかし自衛隊のどこからも 「自らを否定する憲法を守れ」といふ屈辱的な命令に対する男子の声はきこえては来なかつた。かくなる上は、 自らの力を自覚して、国の論理の歪みを正すほかに道はないことがわかつてゐるのに、自衛隊は声を奪はれた カナリヤのやうに黙つたままだつた。 三島由紀夫「檄」より http://egg.5ch.net/test/read.cgi/rongo/1296353789/324
325: 名無しさん@お腹いっぱい。 [] 2011/04/02(土) 13:00:20.40 ID:nzoObMbZ われわれは悲しみ、怒り、つひには憤激した。諸官は任務を与へられなければ何もできぬといふ。しかし諸官に 与へられる任務は、悲しいかな、最終的には日本からは来ないのだ。シヴィリアン・コントロールが民主的軍隊の 本姿である、といふ。しかし英米のシヴィリアン・コントロールは、軍政に関する財政上のコントロールである。 日本のやうに人事権まで奪はれて去勢され、変節常なき政治家に操られ、党利党略に利用されることではない。 この上、政治家のうれしがらせに乗り、より深い自己欺瞞と自己冒涜の道を歩まうとする自衛隊は魂が腐つたのか。 武士の魂はどこへ行つたのだ。魂の死んだ巨大な武器庫になつて、どこへ行かうとするのか。繊維交渉に当たつては 自民党を売国奴呼ばはりした繊維業者もあつたのに、国家百年の大計にかかはる核停条約は、あたかもかつての 五・五・三の不平等条約の再現であることが明らかであるにもかかはらず、抗議して腹を切るジェネラル一人、 自衛隊からは出なかつた。 三島由紀夫「檄」より http://egg.5ch.net/test/read.cgi/rongo/1296353789/325
326: 名無しさん@お腹いっぱい。 [] 2011/04/02(土) 13:03:12.93 ID:nzoObMbZ 沖縄返還とは何か? 本土の防衛責任とは何か? アメリカは真の日本の自主的軍隊が日本の国土を守ることを 喜ばないのは自明である。あと二年の内に自主性を回復せねば、左派のいふ如く、自衛隊は永遠にアメリカの 傭兵として終るであらう。 われわれは四年待つた。最後の一年は熱烈に待つた。もう待てぬ。自ら冒涜する者を待つわけにはいかぬ。 しかしあと三十分、最後の三十分待たう。共に起つて義のために共に死ぬのだ。日本を日本の真姿に、戻して そこで死ぬのだ。生命尊重のみで、魂は死んでもよいのか。生命以上の価値なくして何の軍隊だ。今こそわれわれは 生命尊重以上の価値の所在を諸君の目に見せてやる。それは自由でも民主主義でもない。日本だ。われわれの 愛する歴史と伝統の国、日本だ。これを骨抜きにしてしまつた憲法に体をぶつけて死ぬ奴はゐないのか。もしゐれば、 今からでも共に起ち、共に死なう。われわれは至純の魂を持つ諸君が、一個の男子、真の武士として蘇へることを 熱望するあまり、この挙に出たのである。 三島由紀夫「檄」より http://egg.5ch.net/test/read.cgi/rongo/1296353789/326
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