◆三島由紀夫の遺訓◆ (514レス)
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227: 名無しさん@お腹いっぱい。 [] 2011/02/27(日)20:04:36.78 ID:Kgf6Y2Ae(5/6)
(中略)
最近私は一人の学生にこんな質問をした。
「君がもし、米軍基地闘争で日本人学生が米兵に殺される現場に居合はせたらどうするか?」
青年はしばらく考へたのち答へたが、それは透徹した答へであつた。
「ただちに米兵を殺し、自分はその場で自決します」
これはきはめて比喩的な問答であるから、そのつもりできいてもらひたい。
この簡潔な答へは、複雑な論理の組合せから成立つてゐる。すなはち、第一に、彼が米兵を殺すのは、日本人としての
ナショナルな衝動からである。第二に、しかし、彼は、いかにナショナルな衝動による殺人といへども、殺人の責任は
直ちに自ら引受けて、自刃すべきだ、と考へる。これは法と秩序を重んずる人間的倫理による決断である。
第三に、この自刃は、拒否による自己証明の意味を持つてゐる。
三島由紀夫「『国を守る』とは何か」より
340: 名無しさん@お腹いっぱい。 [] 2011/04/26(火)15:02:46.78 ID:RO7IWUD6(3/4)
僕は最近、神風連を興味をもって調べたんだけど、あれは絶対に勝つ見込みがない戦争を仕掛けたんだね。
しかも日本刀だけしか使わない。鉄砲は外国からきたものだから、汚れているといって使わない。熊本の鎮台に
対して戦うんだ。初めは奇襲で少し勝つけど、相手は鉄砲をもって攻めてくるから、所詮、勝負は決まってるわけだ。
なぜ日本刀だけで、負けると解ってる戦争をやったか。僕はね、それはやっぱり彼らがインテリゲンチャだった
からだと思う。インテリゲンチャというものは、そういうものなんだね。つまり計算して、こうだからやると
いうのは生活者の考え方なんだね。生活者の考えと、インテリゲンチャの考えはいつも違うんだ。あなたが
どっちの立場に徹するかということは大問題だと思う。
三島由紀夫
野坂昭如との対談「エロチシズムと国家権力」より
409: 名無しさん@お腹いっぱい。 [] 2011/07/01(金)11:15:59.78 ID:QUGdbLGg(3/5)
三島:僕は理論なんか根底的に必要じゃないと思うんです。根底的には誠だけでいいんですよ。誠以外になにが
いりますか。
林:その意見に賛成です。右翼にはユーモアはなくとも、誠がある。いちばん安心してつき合える。左翼のやつは
つき合えない。油断ができない。
三島:いちばん根底には誠だと思います。誠があるかないかですよ。
私もいま誠だなんて、きれいなことを言いましたけれども、実態の人間にぶつかってみると、そうもいえないな。
いまの青年でも右だから誠だ、左だから誠でないと思っていると、つい間違えることがある。自分で苦い目に
会ってみなければわからない。これは原則論であって、右翼は最終的には誠だけだ。それをはずしたら右翼じゃない。
左翼は誠がなくてもいいんだというところで左翼だと思うんですが、それだけの建前、もし建前をはずしたら
いろんな人間がいます。左翼もいっぱいいるし、右翼もうじゃうじゃいる。実態に触れると、いまの青年だからと
いっていちがいに純真だといえないでしょう。
三島由紀夫
林房雄との対談「現代における右翼と左翼」より
422: 名無しさん@お腹いっぱい。 [] 2011/07/05(火)00:20:45.78 ID:RSknjyih(1)
石原:ぼくはときどき言うんだけれども、行きすがるときにいきなりつばをはきかけられて、とがめて顔をふいて
もらってもどうにもならんでしょう。やはりなぐるか、切るかしなければいけない。(中略)
三島:そりゃそうですよ。そのときはやる。
石原:現代の社会には名誉というものがないと思うな。
三島:それを守らなくちゃ名誉はないわけだが、しかしそれは自分を守るということと別じゃないかな。つまり
男を守るんだろう。
石原:結局、自分を守ることじゃないですか。
三島:それは、ある原則を守ることだろう。
石原:男の原理。現代では通用しなくなった男の原理。
三島:男というのは動物ではない、原理ですよ。普通男というと動物だと思っているんだ。女から言うと、男って
ぺニスですからね。あの人、大きいとか、小さいとか、それは女から見た男で、女から見た男を、いまの世間は
大体男だと思っているんだろうがね。
三島由紀夫
石原慎太郎との対談「守るべきものの価値」より
457: 名無しさん@お腹いっぱい。 [] 2011/07/22(金)14:27:59.78 ID:tV/xyM7C(3/3)
古林:今後の日本文学についてどう考えておられるか、締めくくりの意味で感想を聞かせてください。
三島:ぼくは自分をもうペトロニウス(ローマ皇帝ネロの側近で、「サチュリコン」の作者)みたいなものだと
思っているんです。そして、大げさな話ですが、日本語を知っている人間は、おれのジェネレーションでおしまい
だろうと思うんです。日本の古典のことばが体に入っている人間というのは、もうこれからは出てこないでしょうね。
未来にあるのは、まあ国際主義か、一種の抽象主義ですかね。安部公房なんか、そっちへ行ってるわけですが、
ぼくは行けないんです。それで世界中が、すくなくとも資本主義国では全部が同じ問題をかかえ、言語こそ違え、
まったく同じ精神、同じ生活感情の中でやっていくことになるんでしょうね。そういう時代が来たって、それは
よいですよ。こっちは、もう最後の人間なんだから、どうしようもない。
(中略)ぼくの言いたいことは、「わが友ヒットラー」と「癩王のテラス」でぜんぶ言いつくしましたよ。
三島由紀夫
古林尚との対談「三島由紀夫 最後の言葉」より
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