◆三島由紀夫の遺訓◆ (514レス)
前次1-
抽出解除 レス栞

181: 名無しさん@お腹いっぱい。 [] 2011/02/20(日)20:40:37.72 ID:O0Ate/um(5/7)
(中略)
防衛とちよつと話がはづれますが、ある機動隊へ私は話しに行つたことがある。(中略)私は、この機動隊へ行つて、
機動隊諸君の熱情に非常に打たれた。私は実はおまはりさんてあまり好きぢやないんですけれども、機動隊員は
実に好きだ。といふのは、機動隊員は真つ直ぐに自分の行動に挺身するために身体を張つてゐる。さういふ
行動集団である。かういふ連中は実に気持ちがいい。私は彼等と話して非常にいい気持ちになつた。
ところが、その最後にそこのキャプテンみたいな、ちよつと年輩の人でした、私ぐらゐでせう、それが、私が
あまり話が合ふんで心配になつたんでせう。最後にかういふことを言つた。「えー、ミスマ先生、今のおハナス、
大変結構でしたけれども、どうかこの国民ソクンに誤解されないやうにお願ひしたいと思つてをります」
「誤解されないつて、あなた何を言ひたいんですか」「我々は、ミンススギを、デモクラスィを守るためにやつて
ゐるんで、デモクラスィ、守るのが機動隊だつつうことを忘れないやうにお願ひしたい」
私はその話を聞いて、非常に情けなかつた。

三島由紀夫「我が国の自主防衛について」より
191: 名無しさん@お腹いっぱい。 [] 2011/02/21(月)17:32:20.72 ID:iJLgyZEX(8/12)
(中略)しかしながら、限定戦争に対する抵抗する体質としては、自由諸国と共産諸国とではおのづから違ひます。
共産諸国は、閉鎖国家でその中で言論統制が自由であり、相互の監視が徹底してゐますから、国論の統一のためには、
どんな陰鬱な暗澹たる手段を弄することも辞さない。(中略)
そしてアメリカでは御承知のとほり反戦運動が収拾つかないやうな形になつてをり、しかもそれがブラック・パワーの
やうな一種の民族主義的なものと結びついて、ますます国論統一を妨げていく状況です。
(中略)共産圏の有利な事は、人民戦争理論といふものがありますから、自由諸国の正規軍に対して、自分らの方は
不正規軍をもつて不正規戦を戦ふことが出来る。この不正規戦はあくまで人民が主体で、女、子供もこの戦争に
参加します。そして彼等は、いはゆる工作員になつて、全くなにも知らない子供が手紙の走り使ひにつかはれても、
その手紙が重要な秘密文書である場合もある。

三島由紀夫「武士道と軍国主義」より
272: 名無しさん@お腹いっぱい。 [] 2011/03/09(水)12:06:07.72 ID:IiXacfSS(3/6)
韓国でも北朝鮮でも国家意志といふものがあつたでせう。いまの日本には、国家意志などといふものはない。
石原君なんか、国家意志を持たうとするために政治家になつたのぢやないか。さういふ日本から脱却して――。
ぼくは、そのために彼を応援したのぢやないのか。だから石原君が私益優先みたいな社会の中で「私」と「公」を
混同するやうなものの考へ方だつたら、初めから矛盾ぢやないのか。あくまで公的なものだけを大切にするのが
彼の政治行為ではないのかと思ふのです。ぼくはむりやりにでも「公」と「私」を分けなきや政治行為なんて
できるものではないと思つてゐる。いまの若いもの、若い政治家が持つてゐる満たされないもやもやしたものを、
公的なものにすりかへてゐる。これは卑怯です。石原君だけでなく、日本人の多くが、いまさうですね。会社の
帰りに、いつぱい飲みながらやる上役の悪口が、いま日本中の世論といふものの原型になつちやつた。昔は、
あんなもの私的なもので、上役とのいさかひはその場で終はつた。翌日はケロッとしてゐたものだ。

三島由紀夫「『精神的ダンディズムですよ』――現代人のルール『士道』」より
301: 名無しさん@お腹いっぱい。 [] 2011/03/22(火)11:53:19.72 ID:traQknmC(6/8)
現に戦時中も、総力戦体制と称しながら、軍の権力構造を保持するために、知識人や行政上経営上の指導者をも
一兵卒として召集し、無理な一本化を急いで弊害のみを助長させた教訓は近きにあり、むしろ、戦争末期は
市民軍の養成を別途に推進すべきであつたのであります。
正規軍の増強と精鋭を望む議論としては正論でありますが、日本の現状から見るとき、徴兵制度の弊害の記憶が
ありありと残つてゐる国民感情から見ても、又、もし将来徴兵制度復活が実現されても、そのときはもはや
国論統一が成し遂げられた時点であり、国論統一が成就するや否やわからぬ過渡期の危機を収拾するには間に合はず、
前途のとほり、間接侵略の複雑微妙な進行過程において、徴兵制を強行すれば、軍自体の赤化の危険さへ
懸念されるのであります。その点からも、「思想堅固な者にのみ、武器をとらせる」方式を別途に考へなければ、
間接侵略に真に対処することは不可能なのであります。

三島由紀夫「祖国防衛隊はなぜ必要か?」より
426: 名無しさん@お腹いっぱい。 [] 2011/07/05(火)00:45:26.72 ID:BWcuqVwh(4/7)
三島:ぼくはその問題はそういうふうに現代の問題として考えるのだけれども、文学の機能化ということと
文学と行動との問題はいつもからみ合っているというふうに考える。なぜなら、現代技術社会における行動とは
その九九%までが、自分の機能によって縛られているもので、これは戦時中から「職域奉公」という思想で
はじまっていた。文学にしたって同じなので、(中略)文学文学と言っていればいいかというと、それこそ受身で、
しらずしらずのうちに機能化されてしまっているということが現代なんだと思うな。(中略)平和な時代だと、
実に複雑なヴァリエーションに富んでいて、のんびり芋掘りの話を書いていても、文学好きの実業家の消閑の具に
使われているかもしれないから、うかうかしていられぬわけだ。(中略)文学をこういう「しらずしらず」の
機能化から目ざめさせるには、文学外の行動の必要が起ってくるのじゃないか。その弾運びだけが文学だという
状況が来るかもしれないのではないか。

三島由紀夫
中村光夫との対談「対談・人間と文学」より
465: ソニン [ioopp] 2011/09/01(木)16:58:44.72 ID:mdaejtkN(1)
http://sonimcity.web.infoseek.co.jp//adaltn/yuukoadult001.html
514: 名無しさん@お腹いっぱい。 [] 07/25(金)23:42:45.72 ID:CyXgRda9(1)
私が最近、彼のことに興味を持って色々調べてたんだけど、彼の自決からもう何十年も経ってるんだよね。でも、彼の残した言葉っていうか、遺訓として語り継がれてるものって、今でも色褪せてないなって感じたの。

例えば、「人間は、いつでも、どこでも、何事においても、自己を確立しなければならない」とかさ。これって、現代を生きる私たちにもすごく響く言葉だと思うんだ。AIとか技術がどんどん進化して、私たちの生活は便利になったけど、その中で自分を見失わないように、しっかり自分を持つことの大切さを改めて考えさせられる。

あと、「日本を日本たらしめている精神」みたいな話も、彼の遺訓の中では大きい要素だよね。今の日本って、色んな意味で多様化してるし、昔とは違う部分もたくさんある。でも、その中で「日本人らしさ」って何だろうとか、「日本が大切にしてきたもの」って何だろうって、彼の言葉から考えさせられる。特に、最近は海外からの観光客も増えて、日本の文化が再評価されてる部分もあるから、そういう意味でも、彼の遺訓は今の時代にこそ改めて注目されるべきなんじゃないかなって思うんだ。

正直、彼の思想は難解な部分も多いし、賛否両論あるのも事実だと思う。でも、彼の言葉には、時代を超えて考えさせられる普遍的なテーマが詰まってる。私が今20代で、これからの日本をどうしていくかとか、自分の人生をどう生きていくかとか、色々悩んだり考えたりする中で、彼の遺訓が新しい視点を与えてくれることがあるんだ。
前次1-
スレ情報 赤レス抽出 画像レス抽出 歴の未読スレ AAサムネイル

ぬこの手 ぬこTOP 2.249s*