◆三島由紀夫の遺訓◆ (514レス)
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369: 名無しさん@お腹いっぱい。 [] 2011/06/16(木)12:09:22.60 ID:RYzTl98n(4/6)
初めから妥協を考えるような決意というものは本物の決意ではないのです。例えば戦争をしておっても、誰も
妥協を考えてやるのではないのです。勝つことが目的であって、最終目的に対して、十とれるところが八だとか、
八とれるつもりがまあ五だろうというのが妥協であります。初めから五を考えると、二しかとれません。そして
妥協ということは大人の知恵で、全然妥協しない戦いというものはないわけですが、ものの考え方というものは
私は順序があると思う。
民主主義は妥協が原則だといいますが、相対的な理論の闘争の中で、自分がそれをある程度本当に信じて
邁進する人間がいなければ、いまの自民党と社会党みたいなことになっちゃう。そして国会解散期には、あっちに
流れたり、こっちに流れたりという状態になっちゃう。それが一番妥協の醜い形だと私は思います。
三島由紀夫「国家革新の原理――学生とのティーチ・イン その一」より
375: 名無しさん@お腹いっぱい。 [] 2011/06/17(金)16:32:26.60 ID:26WSd8ie(4/7)
人間の考えは――全部の人間が同じ考えをするということができれば、本来民主主義なんていうものはこの地上に
成立する余地はないのです。そんなものは要らない。したがって戦争も要らないわけだ。ところがどうしても
人間というものは全部同じ考えを持ち得ない。しかも言語を共有しながら同じ言葉を持ち得ないというところで、
バベルの塔のような神話があるわけだ。これは人間観の根本的な問題です。
大体ソヴィエトへ行った人の話を聞きますと、非常にアメリカ人とよく似ているそうです。アメリカ人は別の方法で
あんなコンフォーミティな人間ができちゃった。誰に聞いても、同じような冷凍食品を食べていますから頭の中は
同じになっちゃう。しかし実に親切で、自分の身の周りのことについては気持よく話してくれる。ただ、国家・
社会の問題になると何もわからないという人間達ですね。それは確かにソヴィエトでもできつつあるでしょう。
けれども、人類全部がそうなることが人類の幸福であるかどうかというと問題はまた残りますし、本人が幸福なら
いいじゃないかということになりますと、これは人間観の相違としか思う他にない。
三島由紀夫「国家革新の原理――学生とのティーチ・イン その二」より
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