創発版・ダークファンタジーTRPGスレ [無断転載禁止]©2ch.net (47レス)
1-

1
(3): ヴェイイ ◆IvAQexSXcw [sage] 2017/06/23(金)02:25 ID:uzaDkJai(1/3)
――ジャングルに覆われた水と緑の豊かな熱帯の国ミアミ。
そしてその王都マルモスタイン。

のどかな生活は長くは続かなかった。
南から迫る「未知の領域」の存在。

さらに北には侵略を続ける複数の国家が現れる。
世界は救いようのない闇で満たされていた。
本当の敵は何か、それを探し出す主人公たちの物語――。
28: 創る名無しに見る名無し [sage] 2017/07/22(土)05:57 ID:HcamDsFM(1/3)
ミアミ王国は、足立区竹ノ塚の駅前から都道255号線方面に向かって進むと、
足立区総合スポーツセンターへ向かう道すがらに存在するのがわかる。

周辺の王国臣民は皆、中世ダークファンタジーという暗黒の世界観を体現するかの如く、
皆一様に表情を失ったやつれた顔と、光を失った目を持ち、
何ら希望も持てないまま、あてどなくスラム化した町をうろついているだけだ。

元淵江公園には、スラム化して行き場を失った難民たちがいつの間にか集い、
そこで行われる教会の炊き出しに並んでいる。
誰もが夢を失い、希望も持てず、未来を信じない国。
それが足立区竹ノ塚ことミアミ王国なのだ。

スラム化し、完全に治安が失われた竹ノ塚駅前の広場には、
ブラジル系のマフィアと在日韓国系のマフィア、
最近台頭してきたチャイニーズドラゴンの戦闘員たちが、日々抗争を続けている。

今日もまた、頭を撃ち抜かれて斃れた若者の死体が、
東駅前ビルの交差点のど真ん中にされされている。
もちろんこれは見せしめだ。
若者の死体はおそらく日本愚民のものであろう。
ブラジリアンやコリアン、チャイニーズに見られるような、ギラギラした凄みなどない、
まるで飼いならされた仔羊のようなあどけない面立ちのその死体は、
今は無残にその表情をゆがめている。

戦いに勝てないどころか、そもそも戦いそのものから逃げている、
今の日本人の哀れな末路のようなその死体は、
この竹ノ塚ことミアミ王国が、もはや日本人の生きてゆく国ではないことを見せつけているようだ。

駅に向かうサラリーマン奴隷たちも、その死体の脇を無言のまま通り過ぎる。
同胞である日本人の死を目の前にしても、
ただ目線を逸らせて歩み去ることしかできない彼らは、もはや奴隷といっていい。
もはや戦い抗らうことすらできなくなった彼らは、滅びの運命を受け入れるしかないのだ。

複数のギャング団が、互いににらみ合いながらギリギリの均衡を保っている。
それが今の竹ノ塚東口駅前の現状なのだ。

そんな時だった。
ジリジリと照り付ける、張り詰めた空気が支配するその竹ノ塚駅前に、謎の男が現れた。

その男は、ドン・キホーテ竹ノ塚店とマツモトキヨシの店舗のあたりで、
まるで踊るような足取りでこちらへと向かってきたのだ。

駅前に集うそれぞれのギャングのソルジャーたちは驚愕した。
誰もその男の接近に気づかなかったのだ。

浅黒い肌をしたブラジリアンたちが、その目を獰猛に輝かせた。
頬骨の高いコリアンたちが、平べったいその顔を奇妙に歪ませた。
入れ墨だらけのチャイニーズのソルジャーたちは、懐の拳銃に手を忍ばせた。

竹ノ塚駅前は、すさまじい緊張感に包まれた。
駅前のバラックや露天商の連中は、物陰にそっと身をひそめる。
彼らのような社会的弱者は、こうした危機感を素早く察知する能力がなければ生きてゆけないのだ。
街から通勤のために駅へと向かう奴隷化した日本人たちもまた、
足早に駅舎へと逃げ込んだ。
ミアミ王国では最底辺と言っていい日本人たも、
弱者ゆえの生存本能により、危機を察知したのだろう。

いつの間にか、駅前には誰もがいなくなった。
しかしながら周辺のビルや店舗に身をひそめたギャング団のソルジャーたちの殺気が、
その空虚な空間に凄まじい緊張を漲らせていた。
29: 創る名無しに見る名無し [sage] 2017/07/22(土)05:58 ID:HcamDsFM(2/3)
もはや辺りは無音だった。
遠くから微かに東武伊勢崎線の車両の走る音が響くばかりだ。
もしここで、ほんの僅かな物音でも立てようものなら、
おそらく周辺に潜むギャング団の狙撃手の集中砲火を浴びることだう。

そんな中、その奇妙な男は、呑気にこちらへと向かっていた。
薄くなりかけた頭髪に、張り出た布袋腹。
上半身にはなにも身に着けておらず、謎のリュックサックを背負っている。
下半身は真っ白なブリーフパンツを履き、
長めの黒いソックスと穴の開いたスニーカーを履いている。

竹ノ塚駅前に潜む全ての人間の目線が、
このわけのわからない男に注がれた。
もちろんその視線は、最大級の警戒に満ち溢れている。

男は駅前にたどり着き、ふと振り返った。
そこにはマクドナルドがあった、
いつもはにぎわう駅前のマクドナルドであったが、今は客が誰もいない。
暇を持て余した店員たちも、流石に駅前のこの張り詰めた緊張感を察していた。
男が目線を向けた瞬間、店員たちは一斉にレジの下へと隠れたのだ。

あの男のせいで店舗内に銃弾なんか飛んできたらたまらない。
そんなことしたらエリアマネージャーに解雇通告が出され、無職になってしまう。
せっかくマックのクルーになり、順調の階級をアップしていたというのに。
店員たちはみんなそう考えつつ身をひそめ、
謎の男をまるで疫病神であるかのように恨めしく思った。

男は駅前に立ち止まり、マックの店舗から流れ出る美味しそうな匂いに魅かれた。
だが、男はすぐにまた踊りだし、そのまま竹ノ塚駅前広場へと侵入する。

誰もが皆、固唾を呑んで男の様子を見守った。
もちろん銃を持つものはセーフティレバーを解除し、引き金に指を乗せる。
いつでもあの男を射殺できるように、物陰からそっと銃口を男に向ける。
誰もが思った。このまま無事には済まない、と。

だが男は気付かない。
自分が原因で今ここで、均衡が崩壊しかねないということに、全く気付いていないのだ。
男は呑気に、駅前に転がっている無残な死体へと歩み寄った。

もはや戦えなくなった、甘ったれた日本人の死体。
その死体に歩み寄った男は、死体の顔を覗き込む。
額を撃ち抜かれ、顔の右側が大きくゆがんだ日本人奴隷。
その哀れな末路は、今や移民ギャング団たちの見世物でしかない。
元々その程度の勝しかないのが、日本人だといえる。

その悔しさ、哀れさ、情けなさの全てが、
額を撃ち抜かれて転がる若い日本人の死体にあった。
死体の、殆ど飛び出たその目からは、涙が流れていた。

謎の男は、その死体の顔を覗き込む。
子供のような無邪気な目で。
まるで、壊れた玩具を見るかのように、その目は死体の歪んだ顔に注がれていた。
30: 創る名無しに見る名無し [sage] 2017/07/22(土)05:58 ID:HcamDsFM(3/3)
そして男は、突然、笑い出した。
竹ノ塚駅前に響き渡るような大声で、笑い転げたのだ。
その瞬間、駅前にはかつてない緊張感が走った。
誰もが、戦闘の火ぶたが切られると、そう確信した。
それほど、この男の笑い声は奇妙だった。

転がっている日本人の若者の死体を、
この世で最もバカげたものと言わんばかりの笑いだった。
なにせその死体を指さして笑っているのだから。
この姿に、普段は日本人をバカにしているブラジリアンもコリアンもチャイニーズも、
皆等しく苛立ちを覚えた。まるで自分たちを侮辱しているかのように思えたからだ。

謎の男に注がれる視線は、殺意と言ってよいほどの憎悪に代わった。
だが男は気づいていない。気づかぬまま、死体を指差して笑い転げていたのだ。
それは狂った光景だった。
普段はスラムの住人が行き交っているはずの、無人の竹ノ塚駅前で、
その男と日本人の哀れな死体だけが、
まるで周辺の世界から切り離されたかのように存在した。

そんな無意味な時間が、およそ数分ほど続いた。

突然、謎の男は自分のブリーフパンツを引き下ろした。
すると、その男の小さめなペニスが、勢いよく弾け出た。
それは小さめながら隆々と勃起した男の包茎ペニスだった。

男は、それを周辺の物陰に潜む者たちに見せつけるように、立ち上がった。
あっけにとられるギャング団やスラム住人たちの目の前で、
男に小さな勃起ペニスが悠然と揺れる。
もはや何が起きているのか、誰にも分らなかった。
ただひたすら、頭のおかしい謎の男が、自分の一物をさらして悠然と仁王立ちしてるのだ。

こんなバカな光景はあってよいのだろうか?
バカげているどころではない、狂っている。
普段は抗争で殺し合う移民ギャングの連中も、この時ばかりはみんな思いが一致した。
もう、こんなバカを撃ってしまっていいんじゃないか?と誰もが思った。

するとその男は、右手で自分の小さな勃起ペニスをつかんだ。
そして、うおーっ!といううなり声とともに、そのペニスをしごき始める。
そこにいる全ての人が同時に思った。
こんなバカ、とっとと消えてくれ、と。

そしてわずか20秒後、男は華々しく射精した。
たった20秒。だがその20秒は、ミアミ王国全てを冒涜するのに十分な時間だった。
男が思い切り射精し、その汚らわしい精液が死体に降り注いだその瞬間、
周辺の全てのビルや物陰から、一斉射撃が始まった。

もちろんターゲットは、この頭のいかれた謎の男だ。
駅前商業ビルの中で響き渡る、百丁は超えるであろう数の銃の銃声。
それは何分続いたのだろうか?

その全てが止んだ時、そこにあの謎の男は居なくなっていた。
日本人の若者の死体が一つ、銃撃で損壊された状態で転がってるだけだった。

その男は、まるで煙のように消え去っていた。
残っているのは、日本人の若者の死体と、男が放った汚らわしい精液。
それだけが、先ほどのバカげた光景が現実だった、確かな証だった。

男の名は、川島修。
茨城県古河市出身のダークネクロマンサーであり、この物語の真の主人公である。
31: 創る名無しに見る名無し [sage] 2017/07/23(日)00:28 ID:9KrkyRW7(1)
そんなこともあってか、元淵江公園の生物園が要塞化された。
ギャングたちはホームレスたちに無償で武器を供給し、武装させたのだった。
32: 創る名無しに見る名無し [sage] 2017/07/23(日)19:15 ID:slQwWV68(1/7)
元淵江公園生物園はかつて、ミアミ王国こと東京都足立区が建造した生物兵器研究所であった。
初代所長の名前はヴィクター・フランケンシュタイン博士といい、ここで数多くの生物兵器を生み出したことで知られる。
ミアミ王国こと足立区が現在のように滅亡寸前になってしまう前、この研究所付近では幾度かバイオハザードが起こり、
結果としてこの研究所は閉鎖、フランケンシュタイン博士は北千住駅前の王宮広場で火炙りの刑に処されている。
その後、この研究所は東京都の管轄となり(足立区ことミアミ王国の東京都連合国家群への参入と引き換えに研究結果を引き渡した)
一定期間経過後、都民公園として開放されて現在に至る。

だがここはそのころからよからぬ噂が立っている。
この付近に来た者たちが、いわゆる神隠しに合っているとのうわさだった。
そのためこの付近に住む住人たちは相次いで退去し、主に北千住方面へと流れていったという。
今もこの付近の日光街道はそこが国道であることが信じられないくらいに鬱蒼として無人の廃墟が立ち並ぶようになった。
深夜など、この世のものとは思えないような化け物がうろついているという目撃証言が絶えず、生物園は無論のこと、
公園に近づく者たちもまれになっていった。

その後、ミアミ王国こと足立区が現在のように衰退し、外国勢力のマフィアたちが跋扈するようになっても、
噂は消えるどころか、ますます大きくなっていった。
そもそも住民の大半が居住を放棄しているので、マフィアのテリトリーとしてはあまり魅力がないといえた。
そのため移民系ギャングに居場所を追われた日本ヤクザが細々とシノギ(主に社会保障費狙い)を削っていたものの、
徐々にその勢力を弱めてゆき、殆ど立ち枯れていったらしい。

ミアミ王国こと足立区の政情不安が進み、地域経済が事実上崩壊して大量の難民が出現するようになると、
ミアミ王国こと足立区政府は、この元渕江公園のエリアに目を付けた。
国家運営も教会の支援でなんとか維持できている状態であるので、その教会の了承のもとで、
元淵江公園エリアに大規模な難民キャンプを設営し、そこの国内の難民を収容することにしたのだ。

もちろん難民化したミアミ王国臣民こと足立区民は躊躇した。
かつでバイオハザード事故が複数回起きて多数の死者が出た場所であり、
現在もまた謎のモンスターが深夜うろつき、神隠しのようなことが頻発している、
というようないわくつきの場所なのだから仕方がないかもしれない。
だが、教会が大規模な難民キャンプ施設を建造し、大量の支援物資を送り込むことで、
難民たちはようやくそこへ定住するようになった。背に腹は代えられないというところだろう。
一方で教会は教会で、ミアミ王国こと足立区内にいわゆるシマを獲得したともいえる。
支援物資や施設運営についての出費はさほど問題ではなかった。
教会は全国にその信徒が存在し、多額の布施を得ているのだ。
その後の教会の計画、およびそれにより齎される利益を考えれば、初期投資にしては安いもの、と言えた。

しかしその後も、あたりでの神隠し事件は絶えず、難民たちの不安は高まっていった。
教会側も、まさかこの場所でそんなモンスターのようなものがいるなどと、本気で思っていたわけではなかったが
今となっては、そのような認識を改めざるをえなかった。
モンスターが存在することではなく、そういう噂と神隠しのような人攫いの事件が起こる治安について、
もっと根本的に対処しなければならない、と教会幹部は思うに至ったのだ。

教会の足立区、(いや、ミアミ王国こと足立区と言わなければならない)の支部は、竹ノ塚駅前に存在した。
駅前公団団地の五号棟が丸ごと教会所有のものとなり(都が教会に払い下げたもの)
そこにフル武装した教会所属の聖騎士団が常駐し、ミアミ王国こと足立区に一大拠点を築いたのだ。
ブラジリアンマフィアもコリアンマフィアも華僑も滅多矢鱈と手を出せない、宗教施設という名の元の巨大要塞。
むろん、すぐ目の前に存在する警視庁管轄の警察も、ここには手を出せない。

その要塞の、最上階にある支部長室に一人の男が呼ばれた。
そこからこの話は始まる。
33: 創る名無しに見る名無し [sage] 2017/07/23(日)19:16 ID:slQwWV68(2/7)
昼下がりの竹ノ塚駅前に、長身の男が降り立った。
浅草方面から伊勢崎線に乗ってやってきた男は、ゆっくりとした足取りでホームを歩く。
うだるような暑さにもかかわらず、男は黒ずくめの服装であった。
黒く長いコートに、黒のスーツ。黒のサングラスをかけ、黒いアタッシェケース、頭には黒いボルサリーノ。
顔はうっすらと無精髭を生やしているが、このスレに出てきた登場人物には珍しく大変なハンサムだ。
なにせこのスレの登場人物ときたら、みんな奇人変人のブスと不細工だらけでロクなのが出てこないのだ。

男の姿は、すぐに周囲の目を引いた。
同じ列車に乗っていたであろう、仔羊のようにおとなしい日本人労働者(通称:ジャップ奴隷)たちは、
危機をいち早く察した臆病な小動物のように、男から距離を取り、顔も目線も向けずに足早にホームを立ち去る。
駅員たちもまた、緊張した面持ちで男を観察する。
この危険な雰囲気を纏った男に、何かしらのトラブルの臭いを感じ取ったのだろう。
こんなところでトラブルなど起こさないでくれよ、と彼らの表情にそんなメッセージが浮かんでいた。

構内完全禁煙、と書かれた看板のところで、男は懐からマルボロを取り出し、火をつけた。
何気ない仕草であったが、まるでそれは周囲に潜むありとあらゆる連中を挑発するかのようだ。
男はマルボロを口に咥えながらホームを歩き、改札へと続くエスカレーターに乗った。
改札前で集って談笑していた学生らしき若者が数人、男の姿を見るやまるで逃げるように立ち去る。
もはや辺りは無人だった。男は一人、マルボロをゆっくりと吹かしながら、エスカレーターを登り切った。

先日の「ある事件」のせいで、竹ノ塚駅前は殺伐としていた。
元々ここは三つの移民系のマフィアグループによる勢力争いの最前線でもあり、
そして先日の「事件」のせいで、さらに混乱が深まった場所でもある。
あの日以来(というかあの日以前もだが)、ここでは連日のように銃撃戦が絶えなかった。
むろん毎日のように死者が出、その死体は誰にも回収されることなく駅前の広場や道に無残に転がったままでいた。
もはやここには完全な治安など存在しなかった。

男はそんな殺伐とした空気の中で、悠然と歩いてゆく。
周囲の人間から、すさまじい敵意の籠った視線が降り注ぐ中で、
そんなものなど存在しないかのようだ。

周囲の建物の中に潜むギャングスタたちは、誰もが先日の事件を思い出した。
来た方向は真逆だが、同じようにここにフラフラとやってきた、例の醜い男。
今目の前にいる黒ずくめの男は、見た目も態度も全く異なる。
だが、災厄の臭いしかしない、という点では、あの醜い男と何ら変わらない。

ブラジリアンマフィアはサンバを踊るのを止め、今までセックスしていた日本人娼婦を床に放り出すと、
全員が壁に立てかけたライフル銃を手に取り、三号棟ビルの前に集まってきた。
コリアンマフィアは安っぽいKPOPの音楽を止め、今まで犯していた日本人女を蹴り倒すと、
全員が棚に保管していた密造銃を手にしてTスクエアビルの前に集結した。
チャイニーズたちは、毛沢東語録の合唱を止め、今まで食べていた日本人奴隷の肉を放り出すと、
全員が床下に隠していた密輸入の銃器を携え、一号棟ビルの前に集合した。
そして駅前にいた最下層民、つまりひ弱で臆病者のジャップ(日本人の別称で、
移民マフィアたちは皆日本人のことをそう呼びあざ笑っている)たちは、
恐れおののいてションベンちびりながら、駅前のロータリーから蜘蛛の子散らすように逃げ去っていった・

駅前ロータリーで、黒ずくめの男だけがゆっくりと歩みを進めていた。
そしてその周辺を取り囲むように、ミアミ王国に進入してきた異民族の武装勢力たちが殺気立っている。
誰もが戦争の予感を感じ取っていた。

男はふと、ロータリーのど真ん中で立ち止まった。
その瞬間、空気がはち切れるような緊張が、駅前全体に走った。
だが、男はそんな雰囲気など存在しないかのように、短くなったマルボロを大きく吸った。
全員が男に注目していた。見開いた目でにらみつけ、汗ばんだ手で銃把を握りしめながら。
そんな只中で男はゆっくりと味わうように、マルボロの煙を吐き出していった。
昼下がりの午後、そこが都内であることが信じられないくらいに、完全に静寂が支配していた。
もちろんそれは空虚な静寂などではなかった。爆発しそうな殺意と敵意に満ち溢れた静寂だった。
そんな中で男は煙を全て吐き出した。そして少し名残惜しそうな笑みを口に浮かべ、
すっかり短くなったマルボロを指先でピッと弾き飛ばした。
34: 創る名無しに見る名無し [sage] 2017/07/23(日)19:17 ID:slQwWV68(3/7)
それは思えば不思議だった。
短くなったマルボロは男の指先を離れると、男の身長(190センチほど)を僅かに上回る高さまで達し、
そこからゆっくりと放物線を描きながら、男が立っている位置から3メートルほど先の地面を目指し、
まるでスローモーションのような動きで降下していった。
そして広場に集った武装した連中全てが、なぜかそのマルボロの行く末を目で追ってしまったのだ。
それが彼らの命取りとなってしまった。

マルボロが地面に落ち、小さく跳ね上がったその瞬間、
いつの間にか潜入していた教会の聖騎士団の武装狙撃中隊計20名が、
異民族の虫けらに対して一斉に射撃を開始したのだ。
それはほんの数秒だった。マフィアたちには応戦する暇すらなかった。
マークスマンライフルには消音器でも装備されていたのだろうか?
まるで小さく短いスプレーのような音が僅かに響いただけだった。
たったそれだけで広場にいたマフィアの連中が、そこに倒れていた。

ロータリー広場のど真ん中には、例の黒ずくめの男だけが立っていた。
両手には、いつの間にか銃(デザートイーグル44マグナム二丁、サプレッサー付き)が握られていた。
男はサングラスを外した。サングラスを取った顔は、確かに抜群に整っていた。
全ての女性を虜にし、狂わせてしまうような、端正で甘いマスク。
しかし目だけは違った。一見涼やかに見える目には、凶暴な悪意がうっすらと浮かんでいる。
その目はほんの僅かにギラリと輝いた。目の前の血まみれの光景に喜びを感じているような輝きだった。
そして口元を僅かに歪ませてた笑みを浮かべ、小さく一言「アーメン」とつぶやいた。

黒ずくめの男は二丁のデザートイーグルを懐のホルスターに仕舞い、地面に落ちたアタッシェケースを拾いあげた。
するとロータリー広場に姿を現した聖騎士団の中から、一人の兵士が黒ずくめの男の前に歩み出た。
そして黒ずくめの男の前で両足をそろえて直立不動の姿勢をとり、敬礼をしていった。
「小生は聖クレイジーパンダ教会騎士団第45師団麾下第221大隊所属13中隊隊長、中島耕助大尉であります!
聖クレイジーパンダ教会第三管区足立支部支局長竹中浩平大司教の命により、お迎えに参りました!」
そういって中島大尉はもう一度しっかりと敬礼をし、踵を打ち鳴らし、続けた。
「山田慎一郎殿、地獄へようこそ!」
山田慎一郎と呼ばれた長身黒ずくめの男は、小さく一言「ご苦労」と言い、
新たなマルボロを一本取り出すと、それに火をつけた。

ロータリー制圧のための一小隊を残し、聖騎士団と山田慎一郎は、
教会足立支部のある公団団地五号棟ビルへと向かった。
歩いて二分もかからない距離だが、騎士団は周囲を警戒しながら進む。
山田慎一郎はそんな中で、まるで気楽に散歩でもするような足取りで歩いていた。
もちろんマルボロを咥えながら。

逃げまどい、物陰に身をひそめていたジャップこと日本人たち(もはや猿と罵られても仕方がない情けない連中)は、
今目の前で起きた殺戮を見て、恐怖で震えていた。
今までは移民マフィア勢力とこれといったトラブルを起こさずにシマを維持していた教会が、
今日、敢然とそれらすべてを敵に回して見せたのだ。
「やばくね?これからこのあたり、マジで戦場になるぞ」「逃げたほうがよくね?」
そうコソコソと囁きながら、戦いを忘れたジャップたちはドブネズミのようにチョロチョロと逃げて行った。
35: 創る名無しに見る名無し [sage] 2017/07/23(日)19:17 ID:slQwWV68(4/7)
聖クレイジーパンダ教会の第三管区は、東京都の城東地区をその教宣エリアとしている。
足立支局は正式名称は足立竹ノ塚教会というが、誰もが普通に支局と呼んでいる。
竹ノ塚の駅前に三つのマフィアが抗争を続けている中で、教会はそれらを黙視しているだけだった。
ピンクと紫のカラーリングをしたパンダを救世主とする世界宗教である聖クレイジーパンダ教会としては、
そのような聖なる使命を帯びた神聖なる存在である我らからすれば下賤の者共の下らぬ争いなど眼中になく、
また同時にマフィアたちも教会の権威に対してそれなりの敬意を払ってはいたのだ。
要するに利害の衝突が殆どなかったためであり、先日の「あの事件」の時も教会は完全に無視を決め込んでいた。

山田慎一郎は中島耕助大尉と連れ立ってエレベーターを上がる。
中島大尉は軍属でも騎士団所属でもない山田に対しても礼節を失わず対応してくれた。
もちろん彼はもう、山田がどういう存在であるかは知っているはずだ。
それが彼らの教義と相反する存在であったとしても、中島大尉にとってはさほど問題ではないのだろう。
教会の原理主義的教義を妄信するよりも、実際的な教会の利益のために動く、それが騎士団の在り方なのだろう。

エレベーターは最上階のまで達し、扉が開いた。
長い廊下は、教会らしさはみじんもなく、質素だった。
ある意味最前線というか、戦線ともいうべきこのエリアに、高価な調度品などを揃え置く必要がないためであろう。
支局長の部屋の前には武装した騎士団の兵士が二名、歩哨をしていた。
この厳重な支局の建物の中で、ここまでたどり着ける敵など果たしているのだろうか、と山田はふと思った。

「竹中大司教、山田慎一郎殿をお連れしました」
インターフォン越しに中島大尉がそう告げると、オートロックのキーが解除され、自動ドアが開いた。
山田は中島に促され、支局長室に入る。

自分がここに呼ばれたわけは、殺しだ。
金で雇われ、金で殺す。それが山田慎一郎の仕事なのだ。
支局長室の敷居をまたぎながら、山田慎一郎は自分の中に湧き上がる殺戮の喜びに、一瞬震えた。
36: 創る名無しに見る名無し [sage] 2017/07/23(日)19:48 ID:slQwWV68(5/7)
「というわけで、元淵江公園の生物園付近は、今や武装したホームレスたちによって占拠されてしまっている」
竹中支局長はそこで言葉を切った。

要するにギャングたちがシマ拡張のために、タナボタで都から教会へ払い下げられた
元淵江公園付近に浸透してきたということだった。
当初は化け物がうろつき警察も手を出せないバイオハザードなエリアだったのが、
難民が集い、東京都や日本政府、各種NPO団体などの援助物資が流入し、
今や一大マーケットとなってきた元淵江公園付近は、良い上がりを期待できるスラムに変貌したのだ。
何もしなくても公金や援助資金が天から降ってくる場所。
そんな場所を教会に独占(正確には行き場を失ったジャップヤクザも少し混じっている)手はない、
ブラジリアンやコリアンやチャイニーズがそう思ったとしても不思議ではない。

人権擁護団体を名乗るNPO法人の頭目で社会党系の議員や、
反日的傾向の強い日本のメディアや団体による煽動活動によって、
この地域は意図的に治安が悪化し始めている。
武器の横流しもおそらくその計画の一端であり、
騒乱に乗じて移民系マフィアたちが一気に根城を築こうという算段なのだろう。

ついさっき起きた竹ノ塚駅前での虐殺パーティーは、教会なりの宣戦布告なのだ。
神と桃紫パンダをあがめる聖なる教会さまは、異教徒や夷などに容赦などしない。
ふと、自分はどうなんだ?と山田は思い、小さく笑った。

「竹中さん、要するに俺はその公園あたりの騒乱の原因になるやつを見つけて殺せばいいのか?」
山田は言った。仕事は簡単だ。暗殺は彼の一番の得意分野なのだから。
今回の仕事はそれほど難しいものではないな、と山田が思ったところ、竹中支局長は意外なことを言った。
「いや違う。君のターゲットはそんな雑魚連中じゃあない」
竹中は、そんな手合いなど、我らの聖騎士団だけで十分神罰を与えることができる、と続けた。
むしろ彼らのような神の威光が届かぬ異教徒には、我ら神の代行者自らの手によって浄化をする必要がある、と。

山田は再び思った。では自分のような神の威光が届かない存在も浄化されちゃうんじゃないか?
よく考えてみれば自分のようなバカな存在が、こんな場所にいること自体おかしいのだ。
そんな山田の思いをよそに、竹中支局長は言った。
「君の今回のターゲットは、川島修という太った醜い男だ。彼を綺麗に消し去ってほしい」

支局長との面会を終え、山田は中島大尉とともに支局長室を退去した。
中島大尉は作戦行動について具体的な打ち合わせをしたい、と山田に言ったが、
山田はとりあえず投宿先となる部屋に案内してほしいと頼んだ。
あてがわれた部屋は、おそらく気を使ったのだろう、地上27階(上から三番目)の角部屋だった。
足立区東部を一望に見渡せるその部屋の眺めに、さしもの山田も思わず感銘を受ける。
1700時にお迎えに上がります、との言葉を残し、中島大尉は出て行った。

ベッドの上に投げ出したアタッシェケースを開くと、そこには一本のダガーナイフがあった。
さらに拳銃の弾倉が数本ほどと、今回の仕事の依頼についての書類、そして忘れてはならないマルボロ。
それが中身の全てだった。武装は拳銃二丁にナイフ一本、それだけだ。
山田は懐に残ったマルボロを一本取り出し、火をつける。
僅かに差し込む西日が部屋をまぶしく照らす。
癌かに見えるスラム化したミアミ王国こと足立区は、確かに荒み切っている。
かつては城東地区でも指折りの繁栄を誇った北千住も、隅田川の向こうに見える。
そこはミアミ王国お王宮のある町だが、半ば機能不全に陥り、ここはもはや国の体をなしていない。
山田はアタッシェケースの中から依頼書類を手にとり、それを読みだした。
今回の依頼は、どこかうさん臭さがぬぐえなかった。

1700時きっかりに、山田の部屋がノックされた。
ソファーにだらしなく座ってウイスキーを飲んでいた山田は、面倒くさそうに立ち上がる。
ドアを開けると、中島大尉が完璧な笑顔で出迎えに来ていた。
先ほど竹ノ塚駅前であれほどの虐殺をやってのけたのに、
よくまあこれほどの爽やかな笑顔ができるものだと、山田は少し感嘆した。

中島に引き連れられ、支部の中層階にある作戦会議室へと山田は向かった。
37: 創る名無しに見る名無し [sage] 2017/07/23(日)20:34 ID:slQwWV68(6/7)
「おそらく、生物園界隈でのモンスター騒ぎの現況は、この男です」
そういって中島大尉は一枚の写真をモニターに映し出した。
モニターには小太りで頭髪が薄く眼鏡をかけ、
汚れて臭そうなブリーフパンツ一丁で踊ってるバカが写し出されていた。
中島大尉はそのまま続ける。
「名は川島修。茨城県古河市出身、年齢は不詳。ここ数年、元淵江公園界隈に流れ着いた謎の男です」
先ほど支局長が説明していた「あの事件」の原因となった男だった。
「おそらくダークネクロマンサーで、精霊召喚や悪魔召喚をやってのけてるのでしょう、
それがあの界隈でのモンスター騒ぎの元凶だと思われます」

ふと山田は思った。なぜこの男の名前と出身地がわかったのだろうか?と。
すると中島大尉はそれを察知したかのように、モニターに別の写真を映し出す。
「ここに幟を掲げてるんですよ、見てください」
写真の該当部分を拡大すると、川島修は背中に
「ボクは川島修!茨城県古河市出身のダークネクロマンサーだよ!ヨロシクね!」
と派手な文字で書かれた幟があった。こいつはおそらく相当のバカなのだろう。
38: 創る名無しに見る名無し [sage] 2017/07/23(日)20:34 ID:slQwWV68(7/7)
山田は質問した。
「どうして君たちでこいつを消さないんだ?
君たちの戦力からすれば、こんなのを消すのは簡単なはずだろ?」
先ほどの竹ノ塚駅前で見せた見事な手際を思い出した。
竹ノ塚というシマ争いの最前線に送り込まれたマフィアの兵隊は、
どの勢力も腕利きをそろえているはずだ。
それをあんな短い時間であっさりと全滅させているのだ。
彼ら騎士団の兵の戦闘能力は相当なものだろう。

すると中島大尉は言った。
「我々ではダメなんですよ、山田さん。
まず一つ、この男には、通常の武装が通用しないんです。
我らは異教徒狩りを専門とする武装神父隊であって、相手は飽く迄も人間なんです」
一度中島大尉は言葉を切り、そして付け加えた。
「最も、異教徒を人間だといえるかどうかは別ですが」
爽やかな笑顔で恐ろしいことを言う。
だが面白い冗談だったのだろうか、会議室にいる他の兵士たちはクスリと笑った。

すると中島は先日の「あの事件」の動画映像を映し出した。一連の、ある意味バカげた映像を。
そして今日、竹ノ塚駅前での事件を思い起こした。
なぜあのマフィアの兵隊どもがあれほどまでに気が立っていたのかを、少し理解した。
映像に続き、そこに映った光景こそ、問題だったのだ。
銃撃の集中砲火を浴びたにも関わらず、なんの痕跡も残さず消え去った醜男。
そしてマスターベーションで吐き出した精液の残滓が見る間に巨大化し・・・。

余りのバカバカしさに、山田は苦笑いするしかなかった。
こんなバカな敵にマフィアは何人もの兵隊を食われたのだ。
この辺り一帯で見かけない存在が現れたら排除するようになったのも無理はない。
道理で東武伊勢崎線竹ノ塚駅付近は都による戒厳令隔離措置がなされてるわけだ。

「そしてもう一つ理由があります」中島大尉は続ける。
「厄介なことに、この川島修は聖クレイジーパンダ教会(※聖CP教会と略する)の祝福を受け、
赤パンダの加護を生まれつき受け継いでしまったのです。
生まれついての聖属性の霊格ゆえに通常の兵器は一切通用しないだけでなく、
彼の命を、非常にむかつくことですが、我らの聖人が守っているのです。
これにより我ら教会は彼に手だしすることができないのです」

狂信者の理屈だな、と山田は思った。
この手のバカげたファンタジーやらオカルトやらを山田は毛嫌いしていた。
だがそんな考えなどおくびにも出さず、山田はわざと真顔を作って見せる。
「だから俺にその始末をさせようということなんだな」
なーに、報酬は凄くいいんだ。そう山田は心でつぶやいた。
39: 創る名無しに見る名無し [sage] 2017/07/26(水)00:42 ID:2qgPLJtd(1)
「ミアミ王国の栄光を継承する我ら竹ノ塚こそ、足立区統一の偉業をなすにふさわしいのだ!」
川島修がそう叫ぶと、元渕江公園に集った武装ホームレスたちは大声で答えた。
それと同時に生物園でひそかに召喚された異界のモンスターたちが、一斉に檻から解き放たれた。
さあ、足立区統一戦争の開始だ。
40: 創る名無しに見る名無し [sage] 2017/07/30(日)19:35 ID:GwpPRlUv(1)
ミアミ王国というなの抜きキャバは、南国チックなダークファンタジーのサービスが魅力です
足立区へきたら是非起こしを
41: 創る名無しに見る名無し [sage] 2017/08/08(火)13:30 ID:bylc9p/9(1)
続き早く書けよイチロー
42: 創る名無しに見る名無し [] 2017/12/27(水)10:07 ID:C1Z7QFDy(1)
家で不労所得的に稼げる方法など
参考までに、
⇒ 『武藤のムロイエウレ』 というHPで見ることができるらしいです。

グーグル検索⇒『武藤のムロイエウレ』"

7CQIBPWUFM
43: 創る名無しに見る名無し [] 2018/05/21(月)08:57 ID:tRZnwP6O(1)
知り合いから教えてもらったパソコン一台でお金持ちになれるやり方
参考までに書いておきます
グーグルで検索するといいかも『ネットで稼ぐ方法 モニアレフヌノ』

F5IX7
44: 創る名無しに見る名無し [] 2018/07/03(火)19:01 ID:f1dClnnX(1)
JO4
45: 創る名無しに見る名無し [] 2018/10/17(水)19:20 ID:ZU7x6aHX(1)
中学生でもできるネットで稼げる情報とか
暇な人は見てみるといいかもしれません
いいことありますよーに『金持ちになる方法 羽山のサユレイザ』とはなんですかね

22R
46: 創る名無しに見る名無し [] 2022/05/21(土)02:53 ID:5zcSvvyt(1)
https://i.imgur.com/NOlqo0L.jpg

https://i.imgur.com/pyj5GuL.jpg

https://i.imgur.com/BReMMdP.jpg

https://i.imgur.com/zO2EHmJ.jpg

https://i.imgur.com/38Ft51h.jpg

https://i.imgur.com/E8hTUi8.jpg

47: 創る名無しに見る名無し [sage] 2023/06/19(月)18:19 ID:PfVEvy0H(1)
あヤバイ眠い
1-
スレ情報 赤レス抽出 画像レス抽出 歴の未読スレ AAサムネイル

ぬこの手 ぬこTOP 1.710s*