イヤラしいスレだな (246レス)
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(1): ツール・ド・名無しさん [] 06/09(月)18:48 ID:Jxr8uC3q(1/9)
前回までのあらすじ
 こすりつけ最高は伊勢湾の某桟橋でishibashiを待っていた。
 ishibashiは念願のイマーションスーツを手に入れた。新しいものは試さずにいられない性格。プールで満足する男ではない。海を漂流しなければ。そこで漁船を持っているこすりつけ最高が呼びつけられ、曳航させられることになった。
 約束から遅れること20分、ishibashiがフォーサイドで現れた。キャンプ装備で紀伊半島めぐりの最中で、気まぐれでルート変更したせいで遅れたと(人を待たせておきながら自分はサイクリング楽しんどんのかい!!)。
 荷台のイマーションスーツを取り出す。ここで30分におよぶ自慢話が始まる。内容は安く買えた理由がほとんど。しびれを切らしたこすりつけが話を遮り「はよ乗れや」とうながす。
 沖合に出たところでishibashiはイマーションスーツを着こみ命綱を船尾に結びつけて海に飛び込んだ。こすりつけ最高は言われた通りノロノロ進み続け、一時間あまりの漂流は終わった。晴れやかな顔で船に上がるishibashiを見て、こすりつけ最高の悪い癖が出た。

 「わいもやらせろ」
 「操縦は誰がやるのきゃ?」
 「教えちゃる」
2: ツール・ド・名無しさん [] 06/09(月)18:49 ID:Jxr8uC3q(2/9)
 「わいもやらせろ」
 「操縦は誰がやるのきゃ?」
 「教えちゃる」

 不安持ちつつもいざとなれば度胸の据わるishibashiは引き受けた。こすりつけ最高はishibashiを操縦席に座らせ、基本動作を教えた。ishibashiは重機免許や工場設備の免許を多数持っているのでスラスラと覚えた。大型クレーンより簡単そうだと。
 最初こそ言われたとおりソロソロと動かしていたが、次第に操縦の楽しさを覚え、慣れてくるに従い加速減速、旋回などを加えた。
 ishibashiは機械メーカーの検査技師で限界性能を試さなければ気が済まない。こすりつけ最高がバタバタ手を上げてアピールするが、まったく見ていない。船を急旋回させることに熱中している。こすりつけ最高はというと、波が来るたび顔に水しぶきがかかる。船が小刻みに前進と後退を繰り返したときはスクリューに巻き込まれる恐怖を覚えた。
 ishibashiは入社当初、工場の設備を勝手に動かして叱られまくってた話をしていた。反省文書かされたり工場立ち入り禁止になったりしたが、当人は悪いことやった自覚がなく「うまくやったのに何で叱られるかわけわからんぎゃ」と言っていた。こんなヤツとわかっているのに任せたことを、こすりつけ最高は激しく後悔した。
 そうこうしていると潜水艦が姿を現した。珍しいものを見るとishibashiは必ず撮影する。その間、船が蛇行し減速し、こすりつけ最高は頭を船尾にぶつけた。
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(1): ツール・ド・名無しさん [sage] 06/09(月)18:49 ID:Jxr8uC3q(3/9)
 さて、いよいよ着岸だ。着岸は難しいから港に入る前に停止して引き上げろとの約束をすっかり忘れ、操縦法をスマホ動画で探す。こりゃ簡単とばかり、さっそく試す。一発でぴたり着岸させたところで、高揚感から覚め、こうすりつけ最高を曳航していたのを思い出した。
 船尾にまわって仁王立ちになり、得意気に「どや、わいの操縦は?」と。こすりつけ最高はフラフラになりながらも操縦技術に感服するしかなく、船に上がりながら「うまかったぎゃ。すぐ免許取れだぎゃ。おりが釣りするとき操縦たのむぎゃ。」 ishibashiは「期待してええでぇ」と快諾。
 ishibashiは良いことをしたと思ったのだろう、イマーションスーツを荷台に括り付けると、「今日は楽しかったぎゃ、感謝しちょる」と笑顔で手を振り、走り去った。宿営地は潮岬と言い残して。
 その後ishibashiが操縦桿を握ることは二度となかった。船の操縦は満足してしまったようである。そりゃそうだろう。あんな無茶な操縦は船舶法知ってしまうと不可能だ。
4: ツール・ド・名無しさん [sage] 06/09(月)18:50 ID:Jxr8uC3q(4/9)
以上、前回までのあらすじ
5: ツール・ド・名無しさん [sage] 06/09(月)18:51 ID:Jxr8uC3q(5/9)
 こすりつけ最高は船を操縦し紀伊水道の某桟橋に向かっていた。ishibashiは、船舶免許を取ったはいいがこすりつけ最高からの操縦依頼を断ってきた。忙しいからと言うが本当の理由は普通の操縦やっても退屈だからだろう。しかし年に一度のこの日だけは外させない。
 どうせ遅れるんだとあきらめていたが、珍しくishibashiが先に来ていた。串本からノンストップで来たと。いつもながらフォーサイドのガッチリ装備。荷台にイマーションスーツらしき包があったが、こすりつけ最高は気にしなかった。
 開口一番「zinさんからの伝言やけど、いわもとさんが舞踊団の再結成やるからブリーフダンスの練習しとけ言うとったでぇ。還暦記念公演だぎゃ。こす兄はセンターサイドやでぇ。」「わかった、練習しちょく」(ブリーフダンスなんて10年ぶりだぎゃ、熱中してた時代があったのぅ)

 世間話が終わるとishibashiの操縦で出航させた。
 こすりつけ最高がインカムで指示を出し、ishibashiはその通りに操縦する。ishibashiは釣りをやらないから要領を得ないところあるが、指示したとおり完璧に操縦するからそれは良しとしよう。「わいの見込んだ通りやな」と満足していた。
 操縦は任せ自分は釣りに専念する、これがいいわ、と満足感にひたる。
6: ツール・ド・名無しさん [sage] 06/09(月)18:51 ID:Jxr8uC3q(6/9)
 「そろそろメシにするぎゃ」とishibashiが言ったので釣りは中断。サトウのごはんを温め、釣ったばかりの獲物を塩焼きにする。「いい記念日やな。6月9日はこれが最高」
7: ツール・ド・名無しさん [sage] 06/09(月)18:52 ID:Jxr8uC3q(7/9)
 食事休憩が終わったところでishibashiが「これをやらせろ」とイマーションスーツを取り出す。こすりつけ最高は快諾(これで前回の復讐ができるぎゃ)。イマーションスーツを着込むと命綱をむすびつけishibashiは海に飛び込んだ。こすりつけ最高は最初はそろそろと操縦した。
 「いよいよ復讐だぎゃ」と速度を上げる。最高速度は死の恐怖があったから、少しだけ控えめにした。振り返るとishibashiが手をぐるぐる回し脚をばたばたさせている。「効いているぎゃ」
 急旋回を加えた。(これでishibashiは目を回して吐くでぇ)
 30分ほど曳航して船を止めishibashiを引き上げた。こすりつけ最高は、復讐をやりとげた満足感でいっぱいだった。「どや、わいの操縦は?」「残念だぎゃ。スピード上げろって合図したのにやらなかったぎゃ」
 (なんや、コイツは楽しんどったんかい)満足感が一気に覚めた。 ishibashiが「次はわいが引いちゃる」と言ってきたので「今日は釣りがメインだぎゃ」と断った。
8: ツール・ド・名無しさん [sage] 06/09(月)18:52 ID:Jxr8uC3q(8/9)
 予定の時刻になったので引き上げることになった。釣り果はそこそこありishibashiの操縦もよかったが、心に引っかかるものを抱えつつ岸についた。この日もishibashiのペースだったということか。
 「来年も楽しみにしてるぎゃ」と言い残してishibashiは走り去った。宿営地は高野山周辺。こすりつけ最高は、釣りは楽しかったからこれでいいか、と満足半分で帰路に就いた。

 あとから気づいたが、ishibashiとzinは接点ないはず、何で知ってんだ?????ishibashiはサイクリストで自転車板住人、zinはスキーヤーで煤板住人。どこで知り合ったんだ?疑問が解けないまま帰宅し、ブリーフダンスの準備を始めたのだった。

次回予告「こすりつけ最高、岐阜で接待を受ける」乞うご期待
9: ツール・ド・名無しさん [sage] 06/09(月)19:00 ID:Jxr8uC3q(9/9)
「こすりつけ最高、岐阜で接待を受ける」も執筆したが、「イマーションスーツ・紀伊水道編」が先にできてしまったんでな
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