【電波的な彼女】片山憲太郎作品【紅】 5冊目 (775レス)
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685: [sage saga] 2016/11/24(木)23:12 ID:V3Gh3kBt(5/34) AAS
「夕乃さん。銀子には手を出さないでね」 

「真九郎さん...でも...」

 通話ボタンを切った真九郎は、恐ろしい威圧感を撒き散らす夕乃に

怯えることなく普通に釘を刺した。

「ちゃんとお別れは自分の口で伝えなきゃ意味が無い。そうでしょ」

「これが俺の一応最後の仕事だからさ。ちゃんとしたいんだ」 

「分かりました。真九郎さんがそう言うなら、従います」

 渋々ではなく、笑顔で真九郎を信じる夕乃に真九郎は危うさを感じた。

『浮気したら、その女を半殺しにしますからね』

『私、相手の女が真九郎さんの子供を孕んだら殺しますからね』

 あの日に夕乃が自分に打ち明けた事が、現実問題として絶対に、

必ず起るという懸念がまさに的中するところだった。
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