「素敵詩的すくりぷと」の終盤に流れる歌って? (675レス)
上下前次1-新
抽出解除 必死チェッカー(本家) (べ) 自ID レス栞 あぼーん
リロード規制です。10分ほどで解除するので、他のブラウザへ避難してください。
374: Now_loading...774KB [] 2017/04/09(日) 01:28:11.38 ID:GFt6IPPa(1/4) AAS
著名な詩人である、大岡信氏が亡くなられました。
彼の感性が良く表れた詩を墓碑銘としてここに刻みます。
「詩人の死―エリュアールの追憶のために」(『自選 大岡信詩集』岩波文庫)
真昼の井戸の底に輝く星のように
陽を照り返す葉の海のように
深みに生れおもてに浮びひろがりに生き
愛のさなかの悔恨のように
悔恨ののちの愛のように
鋭く痛み
やさしさに哭き
太陽の周囲を旅し
星の岸に最後の女と眠り
ひとり湖底にめざめ
風に乗って夢を運ぶ男となる
皮膚にあまたの季節をとざし
すべての男の父親となる 息子となる……
(風はあまたの死をみとどけて
今日丘の上でうたっている
彼は死んだ 彼は死んだと
雪にうもれて彼は消えた)
375: Now_loading...774KB [sage] 2017/04/09(日) 01:37:06.72 ID:GFt6IPPa(2/4) AAS
夥しい太陽と岩と驟雨と若さと
廃墟を歩む正しい夢が
不幸にしずむ時代を横切る
静かな歩みをとめてしまった
何という異様な重みを伝えることか
手に重い数冊の本
墓に変わった言葉の城よ
彼の宇宙のとまり木のうえに
今もなお歌おうとする者はいるか
彼の閉じた眼のなかに
今もなお太陽と人は輝いているか
彼の爪と彼の愛は
今もなお星を岩に刻んでいるか
街路に緑のしたたる日にも
海が静かに身を洗うたそがれ時にも
愛が不意に発熱する夜のひき明けにも
彼を想え 彼は世界を好きだったから
376: Now_loading...774KB [sage] 2017/04/09(日) 01:37:44.59 ID:GFt6IPPa(3/4) AAS
みよ すべてが過ぎゆくものならば
先立つ者とおくれる者があるばかりだ
彼の死は時を超えたあらたな時への 出発にすぎぬ……
すべてのものが出発する
夥しい出発の群でふるさとはもう見分けがつかぬ
空間だけがぼくらの所有 ぼくらは自由だ
かくてすべてがぼくらの腕に戻るだろう
すべてが過ぎゆくものなるがゆえに
ぼくらの旅はきびしさを増し
あちこちに
焔を運ぶ深夜の雪が見られるあたり
生身は別離と邂逅の湖となり
不思議な調和にひたるだろう
朝にはみたまえ 海に映るぼくらの隣に
彼の顔が映るだろう
見廻したとて彼の姿は
空のどこにもないのだけれど
377: Now_loading...774KB [sage] 2017/04/09(日) 19:28:05.72 ID:GFt6IPPa(4/4) AAS
巨星落つ。
正直、私もそこまで大岡氏に詳しいわけではないのですが、
そういう感覚はやはりあります。
……FLASH紅白が終わったのも、全てが過ぎ行く流れからすれば必然。
懐かしさよりも思い出す苦しさが勝るのならば、
FLASHは時の流れの中で、その役目を終えたのでしょう。
この詩は大岡氏が他の詩人の死を悼んだものですが、
訃報に接して改めて詩集を見返してみると、
この詩は、大岡氏自身を悼むものとしてもふさわしいかもと感じました。
>街路に緑のしたたる日にも
>海が静かに身を洗うたそがれ時にも
>愛が不意に発熱する夜のひき明けにも
彼を想え 彼は世界を好きだったから
特にここら辺。
大岡氏は
?海、湖、川、岸、雨などの「水の詩人」(「水底吹笛」など水底からの視点も印象的)
?街路や生活、地名などの「街の詩人」(「地名論」などが印象的)
?妻の深瀬サキ(相澤かね子)に向けた愛を囁く「愛の詩人」
この三つの側面が主な詩人といえるんですよね。
時は4月。新たな時はまた刻み始めます。
皆さんは何を思い、何を感じていますか?
上下前次1-新書関写板覧索設栞歴
スレ情報 赤レス抽出 画像レス抽出 歴の未読スレ AAサムネイル
ぬこの手 ぬこTOP 0.046s