河出書房の奇想/国書刊行会の冒険/晶文社の追悼 7 (783レス)
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(1): 名無しは無慈悲な夜の女王 [sage] 2024/03/24(日) 13:30:56.49 ID:NGiziiG9(3/3) AAS
>>608
> 訳者権利が切れるほど昔の日本語なら改定が必要では

それって、出版業界の洗脳だと思う。
そもそも日本の小説だって、江戸川乱歩や太宰治のような著作権の切れた古い作品を読む人は多い。
また、新訳でもクセの強いものや訳文が小説の文体になっていないものはあるし、旧約の方が読みやすいケースも少なくない。

たとえば下はトウェインの「ハックルベリイ」の新旧訳で、柴田訳(2017年)の(子供ふう)文体は人を選ぶ訳文だろうし、村岡訳(1959年)の方が(優等生すぎる嫌いはあるものの)読みやすいという人も多いと思う。
そういう意味では、古典のように翻訳は複数の中から選べる方が望ましいと思う。

柴田元幸 訳
「トム・ソーヤーの冒けん」 てゆう本をよんでない人はおれのこと知らないわけだけど、それはべつにかまわない。
あれはマーク・トウェインさんてゆう人がつくった本で、まあだいたいはホントのことが書いてある。ところどころこちょう[#「こちょう」に傍点]したとこもあるけど、だいたいはホントのことが書いてある。べつにそれくらいなんでもない。
だれだってどこかで、一どや二どはウソつくものだから。まあポリーおばさんとか未ぼう人とか、それとメアリなんかはべつかもしれないけど。ポリーおばさん、つまりトムのポリーおばさん、あとメアリやダグラス未ぼう人のことも、みんなその本に書いてある。で、その本は、だいたいはホントのことが書いてあるんだ、さっき言ったとおり、ところどころこちょう[#「こちょう」に傍点]もあるんだけど。

村岡花子 訳
諸君が 『トム・ソーヤーの冒険』 という本を読んだことがないなら、僕のことは知らないだろう。だが、そんなことはどうでもいい。その本はマーク・トウェインさんという人が書いたもので、だいたい、ありのままのことを言っている。嘘のところもあるにはあるが、大部分はほんとうのことが書いてあるから、問題にしなくていい。
僕の知っているかぎりではだれだってたまには嘘の一つや二つは吐(つ)くもの。もっとも、ポリー伯母さんと未亡人とメアリは別だけれども。ポリー伯母さんや――ポリー伯母さんというのはトムの伯母さんである――メアリやダグラス未亡人のことはみなその本に書いてあるし、その本は前にも言ったとおり、少しは嘘もまじっているが、あらかたはほんとうを言っている。
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(1): 名無しは無慈悲な夜の女王 [sage] 2024/03/25(月) 01:46:22.98 ID:MQypxE+T(1/2) AAS
>>611
太宰とかが読まれてるといっても、翻訳ファンと日本文学ファンがどの程度被ってるかもわからんし、条件が違いすぎて比べてもあまり意味がないと思う
日本作品ばかり読んでいる人には、海外翻訳を読みにくいと感じて敬遠する人もいるそうだし

>それって、出版業界の洗脳だと思う
普通に古い作品を読んでいての実感だけどなあ
もちろん旧訳の方が読みやすいと感じる作品もあるけど、新訳の方がだいたいは読みやすくなってる

そりゃクセのあるのは新旧どっちも探せば例はあるだろうが、例えば新訳の方がすんなり意味が取れて情景が浮かんだのが『未来のイヴ』
旧訳はこの冒頭の詩以降も、旧漢字旧仮名遣いのオンパレードでストーリー自体を楽しむ邪魔だった

(1977年)
苑生の態はさながらに身を横たへし美女の
逸樂の夢にまどろみ、うつらうつら、
雙の瞼を大空に閉ずる姿を想はしめたり。
光の花を繚亂と飾れる一つの輪の中に、
紺??の天つみそらは、けざやかに閉ぢ込めてあり。

(2018年)
青く開かれた空に向かって、瞼を閉じ
心地よくまどろむ、美しき女
その姿に似て
庭園は 円環に咲く〈光の花〉の輪のなかに
空の青さを閉じ込める

まあ、選べるようにするためにも、新訳はどんどん出していくべきよ
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