[過去ログ] ガロア第一論文と乗数イデアル他関連資料スレ17 (1002レス)
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794
(1): 132人目の素数さん [] 2025/05/25(日) 18:07:21.53 ID:WEnhjuaS(22/27) AAS
>>793の続き

(引用始)
定理 9.3
K は C の部分体であり,
ガロア拡大 L ⊃ K のガロア群 G := Gal(L/K) が位数 n の巡回群であり,
1 の原始 n 乗根は K に含まれると仮定する.
このとき,ある a ∈ Kが存在して,L は x^n − a の分解体と一致する.
さらに x^n − a は K 上既約である.
(引用終)
796
(2): 132人目の素数さん [] 2025/05/25(日) 18:49:24.69 ID:WEnhjuaS(23/27) AAS
>>794
定理9.3の証明:
σ を G の生成元(の1つ)とすると
仮定より G = ⟨σ⟩ = {idL, σ, . . . , σ^(n−1)} となる.

1 の原始 n 乗根 ζ を1つ固定して,写像 h : L → L を
h(α) = α + ζσ(α) + · · · + ζ^(n−1)σ^(n−1)(α) (∀α ∈ L)
で定義する(h は体準同型とは限らない).
h(α) はラグランジュの分解式 (Lagrange resolvent) と呼ばれる.

idL, σ, . . . , σ^(n−1) は相異なる L の自己同型だから,
命題 9.1 により hは 0 写像ではない.
すなわち,ある γ ∈ L が存在して h(γ) ≠ 0 となる.

ζ ∈ K, ζ^n = 1,σ^n = idL を用いて
ζσ(h(γ))
= ζσ(γ) + ζ^2σ^2(γ) + · · · + ζ^nσ^n(γ)
= γ + ζσ(γ) + · · · + ζ^(n−1)σ^n−1(γ)
= h(γ)
すなわち σ(h(γ)) = ζ^(−1)h(γ) を得る.

従って,α = h(γ)^(−1) ∈ L とおけば,
σ(α)
= σ(h(γ)^−1) = σ(h(γ))^−1 = (ζ^−1h(γ))^−1 = ζh(γ)^−1
= ζα
が成立する.

従って a = α^n ∈ L とおけば
σ(a)
= σ(α^n) = σ(α)^n = (ζα)^n = ζ^nα^n
= a
を得る.

よって σ^j(a) = a も成立し G = {idL, σ, · · · , σn−1} であるから,
a は G の任意の元で固定される.
定理 7.1 により L ⊃ K の中間体と G の部分群とのガロア対応において
K と G が対応する (G = Gal(L/K) = Φ(K) より)から,
K = LG = Ψ(G) であり,a ∈ LG = K 従って x^n − a ∈ K[x] となる.

σ(α) = ζα と σ(ζ) = ζ (ζ ∈ K だから)より
j = 0, 1, . . . , n − 1 に対して帰納的に
σ^j(α)
= σ^(j−1)(σ(α)) = σ^(j−1)(ζα) = ζσ^(j−1)(α) = ζζ^( j−1)α
= ζ^jα
が成立することがわかるので,
G は x^n − a の根の集合 A = {α, ζα, . . . , ζn−1α} に推移的に作用している.
従って定理 9.2 により x^n − a は K 上既約である.
よって x^n − a の K上の分解体 F := K(α) は [F : K] = n を満たす.
一方,[L : K] = n かつ L ⊃ F だから,L = F = K(α) である.□
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