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620(2): 132人目の素数さん [sage] 2020/10/27(火) 18:24:50.84 ID:IpxhV6XV(1/2) AAS
楕円曲線=楕円函数では勿論ないよ。
楕円曲線の方が比較的新しい対象なんだよ。
楕円函数でパラメトライズされる曲線が楕円曲線。
ちょうど円がsin, cos でパラメトライズされる
sin^2+cos^2=1 のと類似な関係。
したがって、楕円曲線=楕円函数 と言うのは
円=三角函数(=円函数) と言うようなもの。
しかも、楕円函数でパラメトライズされるのは、複素数体上の楕円曲線。
現在 楕円曲線と呼ばれるものは、有限体上の楕円曲線なども含み
完全に代数的、代数幾何的に定義される対象。
それに対して、通常「楕円函数」と呼ぶものは
1変数複素解析的な2重周期函数のことだからね。
624(1): 現代数学の系譜 雑談 ◆yH25M02vWFhP [] 2020/10/28(水) 16:46:31.63 ID:+YNi1Ynu(1) AAS
>>620-621
レスありがとう
良い説明だ!
だが1点補足するよ
>楕円曲線の方が比較的新しい対象なんだよ。
どの時点を持って新しいとするのか?
下記の足立恒雄先生、読んでたもれ
(文字化けは、原文ご参照)
(参考)
http://www.kurims.kyoto-u.ac.jp/~kyodo/kokyuroku/contents/pdf/0971-4.pdf
数理解析研究所講究録 1996
楕円曲線の数論の歴史 早稲田 足立恒雄
本稿は津田塾大学で開催されたシンポジウム $\text{『}20$ 世紀数学 Jl (95 年垣月) における
講演と京大数理解析研究所における研究集会『代数的整数論とフェルマー問題 における講演をまとめ、加筆修正したものである。
楕円曲線の歴史と ?口に言っても膨大・多岐に亙るから、 ここでは (1) $\Gamma^{l}\mathrm{e}1^{\cdot}1\mathrm{I}1_{\mathrm{C}}’\iota \mathrm{t}$ の先駆
的研究、 (2) 楕円曲線の群構造発見を巡る歴史、 (.3) フェルマー問題の Frey による谷山
予想への還元、 の三つに絞って考察することにする。
(抜粋)
\S 2 楕円曲線論の始祖 Fermat
Fermat が著した有理点に関する著作は、 ギリシャ語原点から Bachet が訳した『算術』
の余白に書き込んだ (欄外書き込み集) $\rangle\rangle([4])$ の他に、心酔者である神
父 Jacques de Billy に書かせた Analyticae Inventum $1\backslash ^{1}0\wedge\backslash \cdot \mathrm{u}\mathrm{n}1\rangle\rangle$ ( $[5]$ ; Inv.Nov. と略記する) がある。
この Inv. Nov. は全繍楕円曲線上の有理点の考察に当てられ
た長大な論文である。 Fermat の扱った例をいくつか挙げてみよう。
例 2-1(Obs. 3) 二つの立方数の和である数を他の二つの立方数の和に表せ :
\S 3 群構造の発見
種数 1 の曲線と楕円関数との関係に初めて気が付いたのは Jacobi $([1_{\overline{\mathrm{J}}}.\cdot])$ であろう。 Eu-
$\mathrm{l}\mathrm{e}\mathrm{r}$ の残した 4 次曲線の有理点問題、 つまり、例えば例 2-5 のような曲線上に、 -つ有理
点が与えられたとき、次々と他の有理点を求める問題を楕円関数を使って (具体的に解
てみせたわけではないが) 一般的に解く原理を説明したのである。
(引用終り)
以上
625(2): 現代数学の系譜 雑談 ◆yH25M02vWFhP [] 2020/10/29(木) 10:46:48.69 ID:cmDP4Gws(1/5) AAS
>>620 補足
もう一点補足しよう
下記、hiroyukikojima ”「同じと見なす」ことの素晴らしさと難しさ”
”数学の専門の言葉では「同一視」という”
下記では、イデアルが例示されているな
(参考)
https://hiroyukikojima.はてなぶろぐ/entry/20140606/1402035822
hiroyukikojima’s blog 20140606
「同じと見なす」ことの素晴らしさと難しさ
(抜粋)
『数学は世界をこう見る 数と空間への現代的なアプローチ』PHP新書
この本には、複数のコンセプトが込められているのだけど、その中で非常に大きいのが、「同じと見なす」という数学固有のテクニックをこれでもか、というぐらいに徹底的に解説することだ。「同じと見なす」ということを、数学の専門の言葉では「同一視」という
高校までとはうって変わって、数学科に進学すると、この「同じと見なす」の嵐になる
19世紀にカントールとデデキントが集合論を打ち立ててから、数は「発見されるもの」ではなく「同一視を駆使して創造されるもの」となった。だから、数を扱う分野は、必ず、「同一視」の洗礼を受けることになるのである
(あとがきにも書いたことだが)、数学者の黒川信重先生と共著を作るのに対談している最中、「数学では、この『同じと見なす』という操作がすごく大事で、本質的だよね」という意見が一致したことにあった。そして、「そんなに大事なことなのに、『同じと見なす』を主軸に据えて、きちんと解説した本ってないよね」ということも同じ見解だった
それで、「同じと見なす」ことの徹底解説にトライしたのが本書であった
具体的には、素数周期で数を同一視することで得られる有限体、中身の詰まった単体の'へり'を0と同一視することで図形を分類するホモロジー群、「2つの多項式の差が特定の多項式の倍数になる場合は同じと見なす」ことで得られる剰余体(例えば、ルート2や虚数単位はこの方法で'創造'される)を解説した
全体を貫いているのは、イデアルというアイテムだ。イデアルは、19世紀のクンマーがフェルマーの最終定理を解こうとして端緒を掴み、それをデデキントが集合論を使って実体化させ、さらに、ヒルベルトが代数幾何に応用してその威力を知らしめた。たぶん、20世紀の数学の中で、最も重要な数学概念の一つであろう
(引用終り)
以上
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