[過去ログ] 現代数学の系譜 工学物理雑談 古典ガロア理論も読む79 (1002レス)
前次1-
抽出解除 レス栞

このスレッドは過去ログ倉庫に格納されています。
次スレ検索 歴削→次スレ 栞削→次スレ 過去ログメニュー
370
(4): 現代数学の系譜 雑談 古典ガロア理論も読む ◆e.a0E5TtKE [] 2019/12/12(木) 10:27:45.95 ID:iZa2yRQu(4/23) AAS
>>369 追加

(参考)
https://mathsoc.jp/publication/tushin/index14-2.html
「数学通信」第14巻第2号目次
https://mathsoc.jp/publication/tushin/1402/1402kasuga.pdf
数学を伝えるという“難問”〜ポアンカレ予想取材記〜 NHK名古屋放送局制作部ディレクター 春日 真人 「数学通信」第14巻第2号 2009
(抜粋)
私がまず頼ったのは,インターネットで見つけた東京工業大学の小島定吉教授でした.
翌日,京都行きの新幹線の中.初対面の小島教授に声をかけたときの緊張を思い出します.

私が最も鮮明に覚えているのは,数学とは関係のない話なのです.
「数学者の集まりは『見た目』ですぐ分かりますよ.例えば機械工学の学会だと参加者は
スーツにネクタイ姿です.物理の学会だと参加者の服装はもう少しラフで,ネクタイはし
なくてもジャケットくらいは着ています.でも数学の学会ではネクタイをほとんど見かけ
ません.教官でも,学生と変わらずジーンズ姿が珍しくありません.」

その直後に京大でお会いした深谷賢治教授は,まさにジーンズ姿.小島さんの解説を地
でゆく人物でした.深谷さんはペレリマンのこんなエピソードを教えて下さいました.
「ペレリマンはとにかく難解な論文を書きます.しかも誰もが読めるように丁寧に噛み
砕いて書こうなんて考えていない.『宇宙人みたいだ』という人もいます.」
数学者は自分を飾らない.回り道をせず,すぐに本質の話が出来る.そんな楽しい思い
をした一日が,長い長い番組作りのスタートでした.

つづく
371: 現代数学の系譜 雑談 古典ガロア理論も読む ◆e.a0E5TtKE [] 2019/12/12(木) 10:28:12.09 ID:iZa2yRQu(5/23) AAS
>>370

つづき

新たな「難問」の登場
その後,筑波大の山口孝男教授と東北大の塩谷隆教授にペレリマンの仕事や人柄につい
てうかがいましたが,数学の内容に関してはどうしても理解出来ません.ならば「トポロ
ジー」を大ざっぱに理解することが出来ないか?と安易な考えを抱き,ブルーバックス等
の一般書やトポロジーの入門書を執筆されている東工大の本間龍雄名誉教授を訪ねました.
日本のトポロジー研究の草分けの一人としてポアンカレ予想解決の手がかりを長らく模
索してこられた本間さん.そのノートを拝見して驚きました.およそ「数学」のイメージ
とはかけ離れた意味不明な曲線が,ところ狭しと這い回っているではありませんか.
好奇心をかき立てられた私は,ご自宅の居間に額縁
に入れて大切そうに飾ってある一枚の絵(写真2)を
発見し「これは何ですか?」.すると奥様が「主人の走
り書きなんですけど,何だかキレイだなあと思って取
っておいて飾ったんです.ね,キレイだと思いません
か?」私は,ぐにゃぐにゃ数学とでもいうべきトポロ
ジーにすっかり心惹かれました.

ところが,肝心の数学の内容はやはり理解できませ
ん.例えば本間さんの話には「良い写像」という言葉
が頻繁に出てくるのですが,何が「良くて」何が「悪い」のかが分からない.私が低レベ
ルな質問を何度も繰り返すうち,本間さんがしびれを切らして「もう良いだろう.」と話を
打ち切る.まるで我慢くらべのような,困難な取材が続きました.
こんなに難解な数学の魅力を,いったいどうやってテレビの前の一般の人たちに伝えれ
ば良いのか?私たち制作スタッフは,「難問」がポアンカレ予想だけではないことにようや
く気がつき始めました.
(引用終り)
以上
372
(1): 現代数学の系譜 雑談 古典ガロア理論も読む ◆e.a0E5TtKE [] 2019/12/12(木) 10:31:51.38 ID:iZa2yRQu(6/23) AAS
>>370 追加

ペレリマンの証明中に、確か証明なしで使われている定理があって、それが、塩谷隆−山口孝男の共著論文で証明されていたという
それで、塩谷隆先生は、2006年度の日本数学会「幾何学賞」を受賞されました
http://www.sci.tohoku.ac.jp/koho/html/interview-8.html
塩谷隆教授インタビュー - 東北大学理学研究科 - Tohoku University 2006
「アレクサンドロフ空間に関する一連の研究業績」により、2006年度の日本数学会「幾何学賞」を受賞されました数学専攻の塩谷 隆教授にお話を伺いました。
この賞は、幾何学の分野において顕著な業績をあげ、その発展に著しく貢献した数学者に贈られる賞です。

「多様体の崩壊とアレクサンドロフ空間」というものを研究しています。多様体とは、曲面を一般化したもので、幾何学ではもっとも中心的な研究対象です。「多様体の崩壊」では、曲率が下に有界な多様体の集まった「社会」を研究します。そのために、多様体が潰れてしまった、もはや多様体ではない「アレクサンドロフ空間」という、特異点をもった空間を研究しています。

アレクサンドロフ空間がコンピュータや動物にあたります。幾何学ではしばしば極端な多様体を調べることが重要となります。私の研究している分野では、このような方法がとても有効です。
最近、ペレリマンがポアンカレ予想と幾何化予想の証明の論文を発表したことが、数学の世界で大きなニュースになっています。実は、私と筑波大学の山口孝男教授との共同研究が、ペレリマンの証明で使われて脚光を浴びたのですが、これが授賞の大きな理由だろうと思います。

つづく
379
(1): 132人目の素数さん [sage] 2019/12/12(木) 10:54:55.02 ID:57G1zcAW(3/5) AAS
>>370
ポアンカレ予想の証明にも熱の流れに似たリッチ・フローの流れとか、
そういった非線形放物型 PDE 絡みのことが使われてはいる。
381
(3): 現代数学の系譜 雑談 古典ガロア理論も読む ◆e.a0E5TtKE [] 2019/12/12(木) 11:03:44.69 ID:iZa2yRQu(10/23) AAS
>>369
>ペレルマンの論文はarXivで公開されたのであって
>しかも誰も理解できないような摩訶不思議な呪文を唱えたわけではない
>トポロジストにはなじみがなくても微分幾何の研究者なら読める

多分、普通には、微分幾何の研究者でも、読めなかったろう
最低でも、アレクサンドロフ空間の知識が必要だった

理由:
(>>370より)
京大でお会いした深谷賢治教授は,まさにジーンズ姿.小島さんの解説を地
でゆく人物でした.深谷さんはペレリマンのこんなエピソードを教えて下さいました.
「ペレリマンはとにかく難解な論文を書きます.しかも誰もが読めるように丁寧に噛み
砕いて書こうなんて考えていない.『宇宙人みたいだ』という人もいます.」

>>373
2006年度幾何学賞受賞者
塩谷 隆(東北大学大学院理学研究科・教授):
「アレクサンドロフ空間に関する一連の研究業績」
塩谷氏は,曲面の全曲率の幾何学や,曲面や 3 次元多様体の崩壊理論などにおいても
顕著な業績を挙げてきました.とくに,山口孝男氏との共同研究である 3 次元多様体の崩壊
の研究は,最近の G. Perelman による 3 次元多様体の幾何化予想の証明(ポアンカレ予想の
解決を含む)においても重要な役割を果たしています.
塩谷隆氏のこれら一連の研究は,アレクサンドロフ空間の幾何解析および崩壊理論の可能
性を大きく広げるものであり,幾何学賞に相応しい業績であります.
前次1-
スレ情報 赤レス抽出 画像レス抽出 歴の未読スレ AAサムネイル

ぬこの手 ぬこTOP 3.976s*