[過去ログ] 現代数学の系譜11 ガロア理論を読む16 [転載禁止]©2ch.net (683レス)
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65(1): 132人目の素数さん [sage] 2015/10/17(土) 18:57:25.87 ID:a5sAw5TA(1/5) AAS
>おっちゃんが乱入してきて、無茶苦茶になりそうなので、日曜の前に決着させたいと
スレ主からも煙たがられる誤答おじさんワロタwwww
では、予定を繰り上げて、今から解答を書く
66(3): 132人目の素数さん [sage] 2015/10/17(土) 19:01:25.53 ID:a5sAw5TA(2/5) AAS
実数体Rを有理数体Q上のベクトル空間と見たときの基底を1つとってHとする(ハメル基底)。
以降、このHは常に固定する。以下、4個の補題と4個の定理を証明し、そのあとで問題の解答を与える。
連続体仮説を仮定する場合には、「4個の補題」は全く必要ないので、読み飛ばしてよい。
補題1:集合Aは無限集合とする。このとき、任意の正整数nに対して、card(A^n)=card(A)である。
証明:ZFCの範囲で証明できる。基本的な定理だが非常に面倒くさい。集合論もしくは数学基礎論の本に証明が載っている。■
補題2:集合Aは無限集合とする。Nは自然数全体の集合とする。このとき、card(A×N)=card(A)である。
証明:ZFCの範囲で証明できる。基本的な定理であり、集合論もしくは数学基礎論の本に証明が載っている。■
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67(3): 132人目の素数さん [sage] 2015/10/17(土) 19:02:28.36 ID:a5sAw5TA(3/5) AAS
補題3:Aが無限集合なら、Aの空でない「有限」部分集合全体の集合族をBとするとき card(B)=card(A) である。
証明:集合論もしくは数学基礎論の本に証明が載っているが、ここでは補題1と補題2を使って証明する。
Aの一元集合全体を考えれば、明らかに card(A)≦card(B) が成り立つ。あとは card(B)≦card(A) を示せばよい。
まず、Aには全順序が存在することに注意する(たとえば、整列可能定理で得られる整列順序を採用すればよい)。
以下、A上の全順序を1つ取って固定する。さて、写像 f:B → ∪[n=1〜∞]A^n を以下のように作る:まず、
S∈B に対して、Sの元の個数をmと置く。Sの元をAの全順序≦で小さい方から順番に並べて s_1<s_2<…<s_m と
番号づける。そして、f(S):=(s_1,s_2,…,s_m) ∈ ∪[n=1〜∞]A^n と定義する。このように定義した f は
単射であることが証明できる。よって、card(B)≦card(∪[n=1〜∞]A^n)である。次に、補題1から card(A^n)=card(A) なので、
各nに対して、全単射 f_n:A^n → A が取れる。そこで、写像 g:∪[n=1〜∞]A^n → N×A を以下のように作る:まず、
x∈∪[n=1〜∞]A^n に対して、x∈A^n なるnがただ1つ取れる。特に、f_n(x)が定義できて、しかもf_n(x)∈Aである。
そこで、g(x):=(n, f_n(x))∈N×A としてgを定義する。このとき、gは単射であることが示せる。よって、
card(∪[n=1〜∞]A^n)≦card(N×A)となる。補題2からcard(N×A)=card(A)だから、
以上を繋げて、card(B)≦card(A)となる。以上より、card(B)=card(A) である。■
補題4:∪[n=1〜∞]Q^n は可算無限集合である。
証明:ZFCの範囲で証明できる。基本的な定理であるから、証明は省略する。■
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68(3): 132人目の素数さん [sage] 2015/10/17(土) 19:03:40.57 ID:a5sAw5TA(4/5) AAS
定理1:A={ q∈Q^N|有限個のiを除いてq_i=0 } と置くと、Aは可算無限集合である。すなわち、card(A)=card(N)である。
証明:ZFCの範囲で証明できる。基本的な定理であるから、証明は省略する。■
定理2:Hは非可算無限集合である。
証明:Hが高々可算無限集合だとして矛盾を導けばよい。まず、Hが可算無限集合の場合に矛盾を導く。
H={ t_i|i=1,2,… } と番号づけて表示しておく。定理1のAを取り、写像 f:R → A を以下のように作る:
まず、任意の x∈R に対して、
x=Σ[i=1〜∞] q_i * t_i (q_i∈Q, 有限個のiを除いてq_i=0)
という表示が一意的に取れる。そこで、f(x):=(q_1, q_2, …) ∈ A として f(x) を定義する。
この f は単射であることが簡単に示せる。よって、card(R)≦card(A)=card(N) となり、矛盾する。
以下、Hは有限集合だとしてよいが、この場合も同じような議論で矛盾が出る。以上より、Hは非可算無限集合である。■
定理3:card(H)=card(R)である。
証明:定理2と連続体仮説を使えば即座に従うので、連続体仮説を仮定する場合は証明が終わっている。
以下では、連続体仮説を使わずZFCの範囲で証明する。
Hの空でない有限部分集合全体の集合族を I と置く。定理2により、Hは無限集合であるから、Iも無限集合である。
写像 f:R−{0} → I×∪[n=1〜∞]Q^n を以下のように作る:まず、任意のx∈R−{0}に対して、
有限個のHの元 h_1<h_2<…<h_m と、同じ個数の q_1,q_2,…,q_m∈Q−{0} が存在して
x=Σ[i=1〜m] q_i * h_i と表せる。また、このときの「 m 」と「h_1<h_2<…<h_m」と「q_1,q_2,…,q_m」は
xごとに一意的に決まる。そこで、f(x):=( { h_i|1≦i≦m }, (q_1, q_2, …, q_m) ) ∈ I×∪[n=1〜∞]Q^n と定義する。
こうして定義した f は単射であることが言える。よって、card(R)=card(R−{0})≦card(I×∪[n=1〜∞]Q^n) となる。
ここで、補題4により card(I×∪[n=1〜∞]Q^n)=card(I×N) となる。また、補題2により card(I×N)=card(I) となる。
さらに、補題3により card(I)=card(H) となる。以上を繋げて、card(R)≦card(H) となる。
一方で、H⊂R よりcard(H)≦card(R)である。以上より、card(H)=card(R)である。■
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69(2): 132人目の素数さん [sage] 2015/10/17(土) 19:05:29.50 ID:a5sAw5TA(5/5) AAS
定理4:H_1, H_2⊂H は、どちらも空でないとする。また、span_Q(H_1)=span_Q(H_2) が成り立つとする。このとき、H_1=H_2 である。
証明:まず、H_1⊂H_2 を示す。h∈H_1 を任意に取る。H_1⊂span_Q(H_1)=span_Q(H_2)に注意して、h∈span_Q(H_2) である。
また、ハメル基 H の定義から、h≠0である。よって
h=Σ[i=1〜n] q_i*h_i (q_i∈Q−{0}, h_i∈H_2, h_i は全て異なる)
という形に表せる。特に Σ[i=1〜n] q_i*h_i+(−1)h=0 … (1) である。もし h≠h_i (∀i) が成り立つならば、
h_1,h_2,…,h_n,h は全て異なることになる。また、これらは全てHの元である。Hの定義から、これらはQ上一次独立となるので、
(1)から q_i=0 (∀i) かつ (−1)=0 でなければならない。しかし、(−1)=0 は矛盾である(q_i=0 の方も矛盾だが)。
よって、h=h_i となる i が存在する。h_i∈H_2だったから、h∈H_2となる。以上より、H_1⊂H_2 となる。
H_2⊂H_1 も全く同様にして示せる。よって、H_1=H_2 である。■
問題:複素数体Cの「加法」部分群全体の集合の濃度を求めよ。
解答:その濃度は card(2^R) である。以下でこのことを証明する。
加法群Cの部分群全体の集合を M_+ と置く。card(M_+)=card(2^R) を示せばよい。
J=power(H)−{φ} と置く。写像 f:J → M_+ を f(S):= span_Q(S) (S∈J) で定義する。
定理4により、f は単射である。よって、card(J)≦card(M_+) となる。
card(J)=card(power(H)−{φ})=card(power(H))=card(2^H)=card(2^R)であるから、card(2^R)≦card(M_+) となる。
一方で、M_+ ⊂ power(C) より card(M_+)≦card(power(C))=card(2^C)=card(2^R)である。
以上より、card(M_+)=card(2^R) となる。■
(終了)
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