【剣と魔法】ファンタジークエスト【TRPG】 (325レス)
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抽出解除 必死チェッカー(本家) (べ) レス栞 あぼーん

161: キャトラ 2018/10/08(月)18:30 ID:RpcXjbyH(1/2) AAS
>「キャトラってばもう……そんな冗談言ってる場合じゃないよっ」
>「ほう、面白い珍説だ。ではこの鉄王冠を奪ったあかつきには君達の力を認めてやるとしよう」

「言ったな!? 取り消しは無しだぜ!?」

結果オーライというか、言ってみるものである――
じゃなくてロードスライムは見事にオレの深遠なる策略に乗っかってきた!

>「任せて!」
>「これでも食らえ、ショック!」

ここにきてシリルってもしやショックしか使えない?という疑惑が発生。魔法使いレベル1的な。
まあ蹴散らせればなんでもいいや、と思ったのだが。

>「なんで!?」
>「私は水の魔物。電気がこのジェルボディを通ることはないのだ」

「もしかしてあれか!?
水系だから電気が弱点と見せかけて”純度100%の水は電気を通さないッ”的な属性能力バトルでありがちなやつ!?」

そうこうしている間にシリルはスライムで団子になっていた。

>「あっははははは……くすぐったい、くすぐったい、やめてくれまえ、ははは!」

>「これで一人脱落だ。その魔法使いは足りないものが多すぎる」
>「そろそろ全力でいかせてもらおう……!」
>「剣に生き、剣に死ぬ!お手並み拝見だ!」

どこかノリノリなロードスライムはレイピアのようなものを右手に生成し、
騎士同士の一騎打ちのような雰囲気となった。

「こっちは騎士じゃなくてトレジャーハンターなんだけどな……仕方ない、受けて立とう!
エンチャント”ファイア”」

糠に釘ならぬジェルに刃物では話にならないので、短剣に炎の魔力を付与する。
とはいってもオレの魔力では牽制程度にしかならない。飽くまでも狙いは王冠。
王冠を奪いさえすればこちらの勝ちというのは大きなアドバンテージだ。
奴は寸分たがわぬ狙いで心臓目掛けて突きを放ってきた。
162: キャトラ 2018/10/08(月)18:32 ID:RpcXjbyH(2/2) AAS
「おおーっと、滑った!」

わざと地面のスライムの欠片を踏んづけてスライディング。
やべえぞこりゃ! 今の一撃で分かる、かなりの手練れだ!
間髪入れずに追撃が叩き込まれ、目にも止まらぬ打ち合いが始まった。
傍から見れば互角に見えるかもしれないが、次第に押されていくのが分かる。
ついに壁際まで追い詰められた。

「やっば、マジ勘弁! 許して! ――スモークスクリーン!」

追い詰められた風を演出してから使ったのは、煙幕の魔法。
あたりに煙がもくもくと立ち込め何も見えなくなる。
トンズラする時によく使われる、魔法をかじったスカウト系クラスの定番魔法だ。

「貴様……仲間を見捨てて逃げるというのか、見損なった……な!?」

「かかったなァ!!」

煙幕が立ち込めた瞬間に大きくジャンプ。
相手が逃亡したと思って油断しきっていた隙に、天上から魔力のロープでぶら下がり
ターザンロープの要領で王冠を掠め取ったのだ。
煌びやかな王冠を指先で回しながら見せつける。

「最初に言ったろ? 騎士じゃなくてトレジャーハンターだって。
お宝をみすみす諦めるものか。さ、さっさとシリルを解放するんだ」

これだけ見ると一見一人で勝ったようだが、それは違う。
奴はシリルを封じるために肉体のかなりの部分を割いていた。
そのため本体の能力値は本来よりも大幅に下がっており、もし100%の力の奴と戦っていたら即死していただろう。
おそらくロードスライム自身もそれは分かっていて、
そうまでしてでもシリルを先に封じておかないと危険と判断したからそうしたのだろう。
シリル――闇黒魔法を扱う無垢なる少女とは一体……。
いや、今はルイージの呪いの謎を解き明かすのが先だ。

「あ、言っとくけど戦いに負けたから殺せとかそういう意味分かんないの無しな。
ほら、騎士ってやたらそういうノリが好きだから念のため」

こうして、ついに真相へと至る扉が開かれる。
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