【剣と魔法】ファンタジークエスト【TRPG】 (325レス)
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185: シリル ◆X4hrf3EOqI 2018/10/23(火)21:18 ID:PclpP39v(1) AAS
リッチは呪術の発動に必要なまじないの詠唱を始めた。
いかに死後魔力を高めたリッチといえど呪いには相応の準備が伴う。
念話でぶつぶつと文言を唱えていたそのとき、キャトラが果敢に距離を詰めた。

喉元を狙った一撃を咄嗟に飛び退いて躱すも、それはフェイントに過ぎなかった。
キャトラは隠し持っていたベルを振りかぶると脳天に一撃見舞う。
涼やかな音を響かせながら、衝撃でリッチの首が千切れ飛び、地面へ転がり落ちる。

「……おのれ……おのれ……ただではおかぬぞ!貴様らを永劫呪ってくれるわ!」

「いいや、年貢の納め時だ。君が誰かを呪い殺す時は永遠に来ない」

懐から取り出した聖水をリッチに浴びせると、彼は苦痛に悶え苦しんだ。
聖水が調味料で出来ているという事は言わないでおいてやろう。
苦痛の上に屈辱まで与える気はない。

「うぼあぁぁ……ま、魔王よ……どうかこの世を闇に包んでくださいますよう……
 それが我が唯一の望み……私を排斥した世界など滅べ……ば……い……い……」

冒険者達を苦しめた死者の魔術師が聖水によって昇天していく。
何とも後味の悪い最期(調味料だけに)だったが、これでリッチは倒した。
すなわちルイージの墓場は忌まわしい呪いから解き放たれたのだ。

「やった……やったんだ。これで亡くなった冒険者達も浮かばれる!」

そう言ってはしゃいだのも束の間、体中を異常な疲れが襲った。
ドーピングしていたとはいえ、無理に上級魔法を使ったせいに違いない。
僕の本来のレベルでは中級魔法を扱うのが関の山だ。
慣れない水魔法だった事も相まって反動も大きいのだろう。

「疲れた……キャトラ、信じられない話は……また後でするとして、そこの道を見て。
 その先にきっと勇者が使っていたという伝説の武器が眠っているはず……!」

死の淵に立った時、法衣の人物が助けてくれて水魔法を教えてくれたこと。
今すぐ話したい気もしたけど、それは探索しながら話せばいい。
勇者の墓が荒らされていないかも気掛かりだし、あの道を探索しない手はない。
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