エネルギー政策 「原発ゼロ」転換が急務だ (226レス)
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43: 2013/01/27(日)23:02 ID:gPmdO4ki0(1) AAS
科学ジャーナリズム
未来託す研究 育む重責
昨年の暮れ、一冊の心躍る本に出違った。表題はぐっと砕けて『ボクらのエネルギーって、どう
なるの!?』。著者は岸田一隆氏、物用学を専門とする本格的な研究者でありながら、憂国の思い
があって、科学ジャーナリズムに真摯に取り組む文事家でもある。
全編ことごとく考えさせられる内容たが、とくに私の目を惹いたのは、巻末に併載された対談、
原子核工学者の大井川宏之氏と著者がADSについて語り合う一章だった。ADSとは「加速器
駆動核変換システム」の略称であり、簡単にいえば、原子炉の核廃棄物に中性子を当て、放射能
の減衰期を現状の10万年単位から数百年規模に短縮する装置だという。
素人論議の喧しい原発問題だが、なかでも話題の焦点になってきたのは、使用済み核燃料の最終
処理の方法だろう。この対策の一つとしてかねて、使用済み核燃料を再処理して再利用する工程
が考えられてきたが、この計画は容易に進展していないうえ、この工程で生まれる高レベル放射
性廃棄物が、やはり1万年単位の問題をひきおこす。
これは原発廃止論者には鬼の首を取ったような論拠であり、原発維持論者にとっても良心の痛み
をもたらす難題であった。フィンランドのように核廃棄物を岩盤の底深く埋蔵するにしても、10
万年はあまりにも長く、人類の未来に想定外の危険を及ぼす恐れがあるからだった。その危険が
ADSによって数百年単位に圧縮されるとすれば、もはや廃棄物の最終処分場は必要なくなり、
中間処理施股を補強するだけで十分になるはずである。
この技術は原発運営の是非にかかわらず、有益な存在であり、現に無数の原発を抱えた全世界に
とって大きな貢献となるだろう。実用化にはまた課題もあるが、ADSが完成すれば、日本の強
力な輸出品となり、その経済効果も計りがたい国益になるにちがいない。こう想像すれば、欣喜
雀躍したくなる話題なのだが、対談を読み進むと、じつは真の問題はその先にあることがわかる。
現在、ADSの研究では日本とベルギーが先進国らしいのだが、ベルギーが2016年に施設着
工を決めているのにたいして、日本には研究段階の実験装置があるばかりだという。京大などで
行っている実験のアイデアは最先端のものだが、なにぶん全体の研究予算が少なく、若手研究者
の多くをベルギーに送り込んでいるのが実情である。
(2013年1月21日03時01分 読売新聞)
外部リンク:premium.yomiuri.co.jp
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