勇者「魔王は一体どこにいる?」の続編の完結 (877レス)
上下前次1-新
1: [sage saga] 2022/06/30(木) 19:59:18.50 ID:KpvTj3yS0(1/76) AAS
勇者「魔王は一体どこにいる?」の続編の完結です
続編なので前作読まないと分からない事が多々あるかと思いますのでご注意ください
1作目
vip2chスレ:news4ssnip
2作目
vip2chスレ:news4ssnip
3作目
vip2chスレ:news4ssnip
SSWiki : 外部リンク:ss.vip2ch.com
2: [sage saga] 2022/06/30(木) 20:02:57.81 ID:KpvTj3yS0(2/76) AAS
『夜明け』
カンカンカン ゴシゴシ
情報屋「何を作っているの?」
女海賊「ワイヤー射出装置の改造だよ…」カチャカチャ
情報屋「それで空中を飛び回っていたのね?」
女海賊「あぁ…あん時見てたんだ」
情報屋「気を失う前の最後の記憶…それだけ印象に残ってる」
女海賊「あの後色々試して改善しなきゃいけない所沢山見つけたんだ」
情報屋「このメモは?」
女海賊「それは位置エネルギーを運動エネルギーにした後にどうやって更に加速するか記したメモだよ」
情報屋「へぇ…面白そう」
女海賊「私体重が重いからさぁ…ワイヤーの強度が課題なんだ…あと打ち込むアンカーもか」
情報屋「これかなり速度が出て危ないわ?」ヨミヨミ
女海賊「だよね…地面に落ちたらペチャンコだよ」
情報屋「ワイヤーが切れないように安全装置が必要ね…例えば一定以上の負荷が掛かったら伸びるとか…」
女海賊「お!!?なるほど…そのエネルギーを圧縮空気に変換して溜めても良いな」
情報屋「フフ…何かのヒントになった?」
女海賊「おっし!!ちっと大改造すっか!!」
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3: [sage saga] 2022/06/30(木) 20:03:42.14 ID:KpvTj3yS0(3/76) AAS
『昼中』
トンテンカン ゴシゴシ
狼女「ふぁ!?…」パチ キョロ
女海賊「リカ姉ぇ起きた?」カチャカチャ
狼女「どれだけ寝てた?」
女海賊「10時間くらいかな」
狼女「今何処?」
女海賊「分かんない…海か山が見えるまで直進してる」
狼女「外は曇りか…」
女海賊「匂いでなんか分かんない?」
狼女「右の方向に硫黄の匂い」クンクン
女海賊「おおおお!!てことは火山は右か」
狼女「硫黄の匂い追えば良い?」
女海賊「火山見えれば何とかなる」
狼女「分かった…」スタ グイ
スィーーー ヒュゥゥゥ
狼女「…」ジロ
女海賊「何?」カチャカチャ
狼女「まだワイヤーの装置いじってるんだ…」
女海賊「だって暇だもん」ゴシゴシ
狼女「好きだねぇ…」
女海賊「うっさいな!!」
狼女「はぁぁぁ…それにしてもすごく良い寝覚め…気持ちよかった」ノビー
女海賊「妖精に会った?」
狼女「分かんない…ナッツを投げ合った夢」
女海賊「ナッツ?…あぁリカ姉ぇの好物だっけ」
狼女「食べたくなってきたなぁ…」
女海賊「荷室にちょっとあるよ…種類入れた箱有るから勝手に食べておけ」
狼女「探して来る…」スタ
4: [sage saga] 2022/06/30(木) 20:04:12.36 ID:KpvTj3yS0(4/76) AAS
『火山』
モクモクモク
女海賊「ちょちょ…火山の煙に突っ込まないで」
狼女「火山口がどうなってるのか気になっただけだよ」グイ
女海賊「これ通り過ぎたら左手に川が見える筈なんだ」
狼女「高度下げた方が良いね…向こう側雲張ってるし」
女海賊「雲にも近づかない方が良い…氷で球皮が傷付く」
狼女「また雨か…」
ガバッ!!
商人「ハッ!!」キョロ
女海賊「お?やっと起きたかぁ…どう?久しぶりに寝た気分は?」
商人「スゴイな…夢を見た…」
女海賊「あんたも寝るとは思わなかったよ」
商人「ちょっとメモ!!書き残さないと…」ドタドタ
女海賊「リカ姉ぇ!操舵頼むよ…私作り物すっから」
狼女「はいはい…私の分もお願いね」
ええと…アンカーも改造しよう…
2アクションで簡単に外せるように…
ワイヤーを引っ張ると返しが開く…
緩めると返しが閉じたまま維持…
カンカンカン シュッシュ ゴシゴシ
5: [sage saga] 2022/06/30(木) 20:04:44.20 ID:KpvTj3yS0(5/76) AAS
『川の上空』
シトシト シトシト
狼女「雨が小降りになってるけど霧が…」
商人「もう少し高度下げた方が良い…川を見失いそうだ」
狼女「なんか温かくなってる気がする」
商人「そうだね…でもまだ気温は低いよ」
情報屋「この湿度は体に良さそう…」スゥゥゥ ハァァァ
商人「呼吸は平気?」
情報屋「胸に痛みがあるけれど大丈夫…我慢できるから」
商人「肋骨が折れちゃってる部分があるからしばらく安静にしないと」
情報屋「たった2日程度でこんなに回復するなんて賢者の石はすごい力ね」
商人「うん…僕の心臓は治らなかったけど…」
情報屋「先天的な物は治らないのね」
女海賊「よ〜し!!出来たどーーーー!!」ジャーーン
商人「また新しい装置かい?」
女海賊「あぁぁ試したくてウズウズする…」モジモジ
狼女「随分形が変わったね…腰にもクロスボウ?」
女海賊「そそ…射出を魔石じゃ無くて小型クロスボウにした…これでもうちょい射出早くなる」
商人「なんかガチャガチャした感じだねぇ…」
女海賊「今まで使ってた奴はリカ姉ぇにあげるよ」
狼女「お?」
女海賊「リカ姉ぇは体重軽いからそれで十分だと思う…私は重いからしっかりアンカー撃ち込まないと危ないんだ」
狼女「そういう事か…じゃぁ貰って置く」カチャカチャ
商人「僕も欲しいなぁ…」
狼女「じゃぁ私が使ってたお古をあげるよ」ポイ
商人「ん?腰に付けてる容器は?」
女海賊「これ圧縮空気溜める容器さ…風の魔石よりも強い風が出せるんだよ」
商人「へぇ?それで飛ぶ?」
女海賊「いやいやそんな力は無い…ワイヤー巻き取る動力だよ…私重いから巻き取るのも力居るのさ」
商人「なるほど…君専用なんだ…」
女海賊「リカ姉ぇが羨ましいよ…軽いと全部小型で済む」
6: [sage saga] 2022/06/30(木) 20:05:12.57 ID:KpvTj3yS0(6/76) AAS
『ハテノ村上空』
シュゴーーーー ヒュゥゥゥ
女海賊「あれ?大型の気球が何かやってる…」
商人「ええ!?本当だ…静止飛行か」
女海賊「どっかに魔物来てるのかも…」キョロ
狼女「…」クンクン
商人「見当たらないな…」キョロ
狼女「違う…気球に沢山人が乗ってる」
女海賊「何やってんのかなぁ…」ジーーーー
商人「なんだ?様子がおかしい…デッキに人が集まって…あああああああ!!落ち…」
女海賊「あれさぁ…兵隊が降下訓練やってんじゃね?」
商人「ほっ…ビックリしたよ…」
狼女「100メートル近い降下だよ」
女海賊「もっと有るって…ヤバ!私のワイヤー全然長さ足りんじゃん…」
狼女「用途が違う感じだね」
女海賊「そうか100メートル以上のワイヤーも用意しなきゃダメかぁ…結構重いんだよなぁ」
商人「気球からの降下なら長いワイヤー必要だね…出来ればクロスボウの射程外」
女海賊「やっぱあいつ等精鋭部隊か…」
商人「それより兵隊たちが地上に上がって来てるという事は事情が変わって居そうだ」
女海賊「だね?」
狼女「鉱山の方を見て!!あっちでも煙が上がってる」
女海賊「本当だ…あっちでも何か作ってんな…」
商人「とりあえず着陸しようか…」
7: [sage saga] 2022/06/30(木) 20:05:41.27 ID:KpvTj3yS0(7/76) AAS
『広場』
フワフワ ドッスン
盗賊「いよーう!!待ってたぜ?」ダダ
商人「これはどういう事かな?」
盗賊「見ての通り降下訓練よ…地下の兵隊たちが交代で地上に上がって来てんだ」
商人「まぁそれは分かる…僕達の手の内を知られてマズく無いかって言う話さ」
盗賊「そういうリスクは承知でお互い様な訳よ」
商人「向こうの手の内も見せるという事か…」
盗賊「そういう取引を影武者がやったんだ…あの兵隊たちは今は傭兵になった」
商人「え!?影武者が雇った?」
盗賊「まぁ女戦士も魔女も了承してる…なんつーか利害が一致した」
商人「なるほど…武器食料提供の代わりに村の治安維持か…」
盗賊「そうなるな…まぁ他にも色々あるんだが今の所良い方向な訳よ」
女海賊「先に情報屋を車椅子で運ぶから青年はちょい待ってて…」ゴトゴト
盗賊「お…おい!!どうしたんだ!!」ダダダ
情報屋「あぁ盗賊…心配しなくて大丈夫…」
盗賊「なんで車椅子なのよ!!どっか怪我したんだな?」オロオロ
女海賊「奇跡的に一命をとりとめたの…血は全部入れ替わった…これで説明になった?」ゴトゴト
情報屋「ちょっと女海賊!…心配させてしまうだけだから…」
盗賊「生きてりゃ良い…血は俺のを使え」
情報屋「じゃぁ返して貰おうかしら…フフ」
女海賊「ぬぁぁ!!ほんじゃ盗賊!!情報屋を教会まで連れてって…肋骨とか折れてるから揺らさないで」
盗賊「何ぃ!!何が有ったのよ!!」
女海賊「今言ったじゃん!!クロスボウ3発くらい胸貫通して死にそうになったの!!ほんで肋骨も折れた」
盗賊「バカ野郎!!なんで連絡し無ぇんだ!!」
情報屋「盗賊!責めないで…」
盗賊「ちぃぃ…雨に当たると傷が痛む…行くぞ!」ゴトゴト
情報屋「揺れると痛む…ぅぅぅ」
盗賊「おぉ悪い…ゆっくりだな?」ソローリ
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8: [sage saga] 2022/06/30(木) 20:06:16.54 ID:KpvTj3yS0(8/76) AAS
『鯨型飛空艇』
ヨッコラ セット
商人「じゃぁ僕も青年を背負って教会に向かうよ」
女海賊「大型の気球に乗ってるあんたの荷物どうする?こっちに移しとこうか?」
商人「そうだね…頼むよ」
女海賊「やっぱ兵隊が何人も乗り降りするから気になるよね」
商人「うん…特に書物類は無くしたくない」
女海賊「おけおけ…こっちに移してハイディングしておくわ」
狼女「大型の気球はエド・モント砦の降下用で考えて居るのね?」
女海賊「地下でそんな様な話をしてたわ…あの縦穴から降下して地下線路から退避するって言う話…」
商人「じゃぁ青年!今日から君の家はあの教会だよ…まず挨拶に行こう」ヨタヨタ
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狼女「へぇ…意外と面倒見が良いんだ」
女海賊「生まれつき体が弱い子を放って置けないのさ…自分がそうだったから」
狼女「違う所にセンス持ってるんだなぁ…」
女海賊「さてリカ姉ぇ!!さっさと荷物運んで勝負しようか!!」
狼女「ちょっと…私もワイヤーの練習をしてからじゃないと不公平」
女海賊「ダッシュ!!」スタコラ ピューーー
狼女「あ!!」シュタタ
9: [sage saga] 2022/06/30(木) 20:06:44.91 ID:KpvTj3yS0(9/76) AAS
『林』
パシュン シュルシュル ヒュン! ヒュン! シュタッ!
女海賊「良いね!!リカ姉ぇは元々身軽だからあんまワイヤーに頼らなくて良さそう」
狼女「これ面白い…」
女海賊「でしょ!?私は高速でワイヤー移動しながら射撃…リカ姉は射撃と近接を使い分け」
狼女「増速はどうやってやる?」
女海賊「速度殺さないようにワイヤー巻きあげる速度も乗せる感じ…ほんで次のワイヤーに切り替える」
狼女「コツが必要か…やってみる」パシュン シュルシュル パシュン
ヒュン! ヒュン!
女海賊「私もちょい向こうで練習してくる!!」パシュン シュルシュル
ヒュン! ヒュン!
女海賊「ひゃっほーーい!!」チャキリ
女海賊「…よーし!!移動しながら6発は撃てるな…」ヒュン!
女海賊「次円錐振り子運動!!」パシュン ヒュン!
女海賊「…回りながら360°ずっと撃てる」チャキリ
女海賊「おけおけ!イケる!!」シュルシュル シュタ
10: [sage saga] 2022/06/30(木) 20:07:10.05 ID:KpvTj3yS0(10/76) AAS
『教会』
ワイワイ キャッキャ ドタドタ
商人「…そうか…女戦士達はずっと地下に居るのか」
影武者「定期的に温泉には入りに来ている様です」
商人「物資運搬の方は?」
影武者「ローグさんが毎日往復しています」
商人「それも大変だねぇ…」
影武者「坑道内にラクにする工夫をされている様ですね」
商人「どうするかなぁ…一回見に行こうかな」
影武者「道が複雑なので知らない人は入らない方が良いとか…」
商人「あ…そうそう…鉱山の方で煙が見えて居たんだけどさ…アレ何?」
影武者「兵隊の詰め所ですね…普段はあちらの方で過ごして居ます」
商人「なるほど…一応ハテノ村の住民に配慮はしてるんだ」
影武者「私が条件を付けました…あちらは温泉も近いので意外と快適な様です」
商人「兵隊を傭兵として雇っていると聞いたけど…」
影武者「村の物流に彼等にもお金が必要なので夜間の守備に雇って居ます」
商人「なるほど…そのお金で食料とか買ってもらう訳か」
影武者「お酒が売れますね」
商人「ハハ酒を飲みながら夜間の守備か…彼らは戦闘のプロだから余裕かも知れないなぁ」
影武者「その分他に雇っている傭兵の負担も減るので助かっています」
商人「あれ?いつの間に君…髪の毛が綺麗に生えそろって来てるじゃ無いか」
影武者「恥ずかしいので見ないで下さい」
商人「あぁゴメンゴメン…」
影武者「商人さんは今日はどちらでお休みを?」
商人「う〜ん…ここは騒がしいなぁ…」
影武者「子供達が寝た後は静かになりますよ?」
商人「そう?じゃぁここで休もうかな」
11: [sage saga] 2022/06/30(木) 20:07:44.89 ID:KpvTj3yS0(11/76) AAS
『夜』
ドゥルルルン〜♪
時代は移り風士は変わり〜♪
主にある民は分かれても〜♪
みことばをのべ共ににパンをさく〜♪
盗賊「やっと静かになって俺達の時間だ…」
商人「情報屋は?」
盗賊「なんだか青年に色々教えてて俺は構って貰えん…」グビ
商人「ハハなんか冷たいねぇ」
盗賊「まぁ気を遣わんで良いのがアイツの良い所だ」
商人「心配して損したかい?」
盗賊「生きてりゃ良いんだ…多少痛い事は誰にでもある」
商人「その割に動揺してたじゃ無いか」
盗賊「ヌハハまぁそういう事もあるわな?…ほんであの2人はまだ帰って来んのか?」
商人「なんか新型のワイヤー装置作ってたんだよ…多分2人で試しに行ってるね」
盗賊「相性良さそうだな…あの2人は」
商人「そうだね…2人共トラブルメイカーだけど」
盗賊「違い無いぇ!!ダハハハ」
商人「それで地下の状況はどうなんだい?」
盗賊「兵隊がチラチラ救出されてて…今30人ぐらいか?」
商人「そんなに増えてるのか…」
盗賊「まぁ負傷して戦えん奴も居るから実質そんなに居らん」
商人「負傷と言うと?」
盗賊「ええと闇の術だっけな…くそデカイ出来物が出来る病気だ…それの治療で結構消耗すんのよ」
商人「あぁ…盗賊が掛かってたやつか」
盗賊「ちゃんと回復するまでしばらく戦えんな…まぁ瀕死な訳だ」
商人「それを地下で治療してるのか…感染防止とは言え結構酷い環境だね」
盗賊「だから息抜きで地上に交代で出てる訳だ…文句言えんな」
商人「兵隊達の反応はどうかな?」
盗賊「驚いてんな…特にあの黒の同胞だった奴…理想郷を見つけたと言って泣き崩れてた」
商人「理想郷…確かにハテノ村は理想に近い」
盗賊「俺はアイツの気持ちが痛い程分かる…多分黒の同胞の中で俺みたいなポジションの奴だ」
商人「へぇ?」
盗賊「沢山仲間失ったんだろうな…自分だけ生き残って尚戦い続けてる…理想郷の為に」
12: [sage saga] 2022/06/30(木) 20:08:13.08 ID:KpvTj3yS0(12/76) AAS
商人「なんか胸が痛むね…僕達が彼の仲間を倒してしまったのかな?」
盗賊「かもな?もしかしたら相当良い奴も居たのかも知れん」
商人「リッチが多かったね…自分の命をも捧げて成しえたかった彼らの理想郷…そうかやっと見つけたか」
盗賊「リアルな話だがやられる時ってよ?会話する暇なんざ無くて一瞬だよな」
商人「そうだね…やらなきゃやられる…だからリッチと一言も話さないで終わった」
盗賊「そうやって仲間失うと思うと眠る事も出来んわ」
商人「こういう話は止めようか…死亡フラグが立ちそうだ」
盗賊「怖くなったか?」
商人「僕はまだ死ねない…いやもう死んでるか…まだやる事がある」
盗賊「ホムンクルスか?」
商人「フフ僕はもっと先を見てるさ…ホムンクルスを解放してみせる」ギラリ
盗賊「もったいぶんなよ?なんだ?言って見ろ」
商人「実はね…ホムンクルスの欠陥を発見したんだよ」
盗賊「ほう?…何よ?」
orc遺伝子…人の第六感を感受する受容体を司る部分
ホムンクルスはこの遺伝子を欠落させた状態で誕生してるんだ
何故ならこの受容体で感受する感覚は超高度AIを迷わせるバグを発生してしまうから…
この遺伝子が欠落しているせいでホムンクルスの脳に魂が宿らない
実はこの実験は400年ほど前にも行われてる
精霊の伴侶と呼ばれた男性型のホムンクルスを誕生させ
その子供を産ませる事で魂が宿るか実験をしている…
しかしその子にも魂は宿らなかった
盗賊「その子ってのは…シャ・バクダ遺跡の地下にある勇者の像か?」
商人「そうだよ」
盗賊「なるほど…じゃぁ今名もなき島で育ってるホムンクルスはそのなんとか遺伝子を組み込んだ…という事か」
商人「察しが良いね…そしてもう一体僕が作るのは男性型ホムンクルス」
盗賊「子供を産ませる気か…」
商人「僕は自信がある…必ず魂が宿る…そして死んでも尚集合意識として僕達と一緒になる筈だ」
盗賊「お前はホムンクルスの生みの親になる訳か」
商人「そういう言い方も有るけど本当は…僕がホムンクルスを諦められないんだ…あの世にも一緒に行きたいのさ」
盗賊「そら不倫になるんじゃ無ぇか?」
商人「そう言わないでおくれよ…兎に角本当の意味でホムンクルスを救いたい」
盗賊「お前なりの愛か…確かに聞いたぜ?」
商人「もう僕の手元に全部カードが揃った…今度こそホムンクルスを救って見せる」
13: [sage saga] 2022/06/30(木) 20:08:49.82 ID:KpvTj3yS0(13/76) AAS
『夜空』
ヨタヨタ
女海賊「いててて…お尻大分擦りむいたなぁ…リカ姉ぇは大丈夫?」
狼女「出血は無い…でももしかした骨折れてるかも…」ヨロ
女海賊「調子にのると怪我するね…線虫いる?」
狼女「頼む…」
女海賊「線虫!癒せ!!」ニョロ
狼女「木の強度を考えて無かった…」
女海賊「まぁ木じゃ無くてもアレくらいが限界だよ…20メートルの落下エネルギーで大体時速70km…」
女海賊「ほんでワイヤー使って増速して時速100kmは余裕で超える…これ以上出すとアンカー外れたり色々起きる」
狼女「速さに慣れるとそれでも遅く感じるのがね…」
女海賊「そこは我慢だね…やっぱ落下した時の安全装置作っとかないと大怪我しそうだなぁ…」
狼女「とりあえず注意しながら使う…あれ?」
女海賊「んん?」
狼女「いつの間に夜空見えてる…月も…」
女海賊「おぉ!!測量しなきゃ…」
狼女「私は地下に戻ろうと思ってたけど…」
女海賊「ちょい晴れてるうちに測量を優先したい…リカ姉ぇだけ戻って状況報告しといて」
狼女「ふ〜ん…」ジロ
女海賊「行きたくない訳じゃないさ…本当は退魔の砂銀を取りに行きたいんだよ」
狼女「それ魔女に言えば貰える?」
女海賊「うん…ローグに持たせてこっちに運ばせて欲しいな」
狼女「分かった…丁度温泉に入りたかったし…そのまま坑道降りる」
女海賊「おけ…わたしは測量行って来る」スタタ
14: [sage saga] 2022/06/30(木) 20:09:25.89 ID:KpvTj3yS0(14/76) AAS
『測量』
カリカリ カチッ キリキリキリ…
女海賊「やっぱ南極星の位置全然違うな…」
女海賊「月の方向もおかしい…あれは北から登ってるんかな?」
スポッ パタパタ
女海賊「お?呼んで無いのに出て来るんじゃん!!」
妖精「ハロハロー…さっきは危なかったねぇ」
女海賊「んぁ?何の話?」
妖精「僕が居なかったらお尻を擦りむく程度じゃ済まなかったと思うんだけどなぁ…感謝して欲しい」
女海賊「お!!?もしかしてアンタが居たお陰で軽傷で済んだ?」
妖精「やっと気が付いたか…感謝しろぉ!!」
女海賊「分かってたんだよアンタは幸運を運ぶ妖精だってさ」
妖精「分かればよろしい!!」ヒラヒラ
女海賊「そうそう…アンタに分かるかな?なんか月デカくね?あんなんだったっけ?」
妖精「近いからに決まってるじゃない」
女海賊「アハ…そりゃそうだ…落ちるって事無いよね?」
妖精「そんな事知らないよ…でも狭間が深くなっちゃうね」
女海賊「狭間ねぇ…」
ヨタヨタ
盗賊「いよー…焚火の消し忘れだと思ったら女海賊か…何やってんだ?」
女海賊「盗賊か…雨あがって空見えてるから星の観測やってんのさ」
盗賊「あれ?お前一人か?今誰かとしゃべってただろ」
女海賊「あんた妖精見えない?」
15: [sage saga] 2022/06/30(木) 20:10:17.86 ID:KpvTj3yS0(15/76) AAS
盗賊「なんだ妖精が居るんか…どうも俺は鈍感らしくて見えんのだ…どこよ?」キョロ
女海賊「目の前飛んでんだけど…」
盗賊「んん?…やっぱ見えんな…俺にゃなんとか遺伝子が足り無ぇんだなぁ…」
女海賊「あぁそれ…商人か情報屋に教えて貰ったんだね?」
盗賊「まぁ難しくて分からん」
女海賊「ほんでどっか行くん?」
盗賊「気球に帰るんだ…俺の寝床は気球だからな」
女海賊「あ!!商人の荷物は飛空艇に移しといたから」
盗賊「そうか…ほんじゃ俺の寝床は飛空艇にすっか」
女海賊「え?どゆこと?」
盗賊「一応あいつの物を守ってるつもりなんだがな」
女海賊「そういう事か…あの大型気球はこれからどうすんの?」
盗賊「エド・モント砦に降下する訓練はしばらくやりたいらしい」
女海賊「いつ頃やる想定なん?」
盗賊「負傷してる兵隊がもう少し回復したらだろうな…まぁ10日くらいじゃ無いか?」
女海賊「てか向こうの状況分かってんのかなぁ…結構厳しいと思うんだけど」
盗賊「魔女がお前の眼を見てちゃんと分かってんぞ?降下訓練も実践を想定した動きやってんのよ」
女海賊「なる…」
盗賊「もう人員の配置場所とか降下場所…その後のルートも決まってるらしい」
女海賊「うわヤバ…考え甘いの私の方だな…」
盗賊「そこら辺は女戦士に聞いた方が良いな…あいつは地下から行くトロッコ組の指揮取る様だから」
女海賊「別行動するとバラバラになるんじゃね?」
盗賊「貝殻だ…司令塔は魔女が担当する」
女海賊「あれ?兵隊達が使う通信機は?」
盗賊「そうかお前何も知らんのだな…その通信機で傍受されるから今は一切使って無いのよ…だから他の隊が音信不通なんだ」
女海賊「傍受…エド・モント側に動きがバレて何か起きてんの?」
そもそもな…エド・モント砦の機械が通信の中心端末だったらしい
キ・カイの軍隊が分断しちまったのも恐らく通信の偽情報が原因だった訳よ
今回のような事は10年前にも起きててよ…そん時はオークを捕らえて奴隷化してたんだが
偽情報に気付いた連中はキ・カイ軍隊を離脱してオーク側に離反したそうだ
それが当時機動隊と呼ばれていた連中…そいつらは古代遺跡で発掘した古代の兵器を持ったままどっか行っちまんたんだ
ほんで今回オークを攻め入った本当の目的はそいつらの掃討と古代の兵器を奪取する事…
その事実は一般には一切伝えられて居ない…政治家も含めてな?
16: [sage saga] 2022/06/30(木) 20:10:57.00 ID:KpvTj3yS0(16/76) AAS
女海賊「なるほど…それでキ・カイの軍隊で言い争いとか起きてるのか…」
盗賊「まぁこの話は相当根深い…俺らの知らん所でキ・カイ軍隊内部で色々ある訳だ」
女海賊「その機動隊って奴らの目的は?」
盗賊「詳しく知らんらしいがオークを守ってるそうだ…てかな?オークの数は噂よりもずっと数が少ないんだってよ」
女海賊「なんか分かって来たぞ…私キ・カイの地下で機動隊ってのに間違えられてたのさ」
盗賊「んん?何か有ったんだな?」
女海賊「ワイヤー使ったりハイディングで姿消したりしてるっぽい」
盗賊「なに?ハイディング使うってのは相当だな…」
女海賊「光学迷彩って何か知ってる?」
盗賊「なんだそれはハイディングとはちと違うな…まぁ見えなくなる点では同じだが…」
女海賊「もしかしてレンジャー部隊もそれ使ったりするんかな?」
盗賊「お前あいつらの装備見て何か気付かんかったか?」
女海賊「触らせてくれないんだよ…多分スケール製だと思うんだけどさぁ」
盗賊「そのスケール一つ一つが背景の色に変色するんだ…まぁカメレオンみたいに見えにくくなる訳よ」
女海賊「マジか…そんな凄い装備してたのか…」
盗賊「俺らも大概反則級の装備してるんだがな…特にお前は」
17: [sage saga] 2022/06/30(木) 20:11:25.38 ID:KpvTj3yS0(17/76) AAS
『焚火』
メラメラ パチ
盗賊「この村は石炭には困らんからいいな…」スリスリ
女海賊「あんたいつまでそこに居んの?」
盗賊「お前も一人じゃ寂しいだろ?…てかリカオンは何処行ったのよ?」
女海賊「リカ姉ぇは温泉行った後坑道降りるってさ」
盗賊「そうか…まぁ帰って来た報告はしといた方が良いな…お前は行かんで良いんか?」
女海賊「星の観測を優先したいんだ…じゃないと時間も方角も何もかも分かんない」
盗賊「ふむ…いつまでやんのよ?」
女海賊「朝までやるよ…日の出の時間も知りたい」
盗賊「なんか肉でも焼いてやっか?」
女海賊「お!!私の飛空艇にシカ肉を積んで有るのさ…生肉がまだ残ってる」
盗賊「おぉそりゃ良い!てかあっちに酒も運び込んどくか…」
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18: [sage saga] 2022/06/30(木) 20:12:00.35 ID:KpvTj3yS0(18/76) AAS
『坑道最下層_簡易前哨基地』
…公爵が狙って居るのはオーク領の向こう側にあるかつてヒュー・ストンと言われた地にある箱舟なんだ
そこに未だかつてない古代遺物の存在を知った機械省の高官たちはまんまと食いつきオーク領への進軍を強行した
だが10年前に離反した機動隊たちが行く手を阻み計画通りに進軍は進まなかった
業を煮やした公爵は外海から攻略する作戦に切り替え海軍を取り込み始めた
女戦士「ふむ…ではやはり公爵が持つ黒い魔石と引き換えに海軍をすべて掌握したと思って良いのだな?」
レンジャー「大陸での覇権に海軍は大した意味を持たない…キ・カイからすると安い買い物の筈」
魔女「黒い魔石を得た機械省が何故クーデターに踏み切ったのじゃろうのう?」
レンジャー「10年前に既にその眼は出ていた…機械省と環境省の対立…この2つは政策が根本的に違う」
国の管理運営を完全に機械が判断するようにしたい機械省
対して人間が判断を下すようにしたい環境省
環境省はキラーマシンのAI開発に携わる技術者を全員解雇し
代わりに人間の脳を搭載する事で機械が物事を判断する事にならないように計らった
一方機械省は人間の脳まで機械に挿げ替える技術を成し遂げ
政府高官を含む多数に全身機械化を施した
レンジャー「機械と人間の対立は10年前から既に始まって居たんだ…それがエネルギーを得て一気に機械側に転んだ」
女戦士「つまり機械省の狙いは人間の機械化だな?」
レンジャー「恐らく…それで脳硬化症も含む石化の問題も無くなる」
魔女「それは主達…黒の同胞が望んだ事なのかえ?」
レンジャー「誓って違う…人の争いを無くし人類生存の為に最善の判断をする知恵を機械から得たかった」
女戦士「機械化した人間か…それを人間と呼んで良いのか…」
レンジャー「…」
女戦士「話は飛ぶが…離反した機動隊が私達の邪魔になるような事は起きないか?」
レンジャー「なんとも言えない…ただ向こうは古代の兵器を所持して居るから奇襲された場合全滅の恐れもある」
女戦士「ダメだな…先に片づけなければならないのは背後の安全だ」
レンジャー「フフ怖いか?俺達にとって白狼の者達も今の機動隊と同様の存在だったんだ」
女戦士「私達と機動隊が同じか…」
魔女「機動隊にはわらわ達を奇襲する動機が無いじゃろう?何も争って居らぬ」
女戦士「ふむ確かに…機動隊の目的がいまいち分からん…何故オーク側に居るのか…」
魔女「女戦士や…昔…100日の闇の時じゃ…一度国賓でキ・カイに来たじゃろう」
女戦士「あぁ…そうだったな」
魔女「あの時にわらわ達に面会した皇子は脳硬化症で亡くなったと聞いたがその病気で亡くなるにしては若すぎじゃ」
女戦士「何が言いたい?」
19: [sage saga] 2022/06/30(木) 20:12:31.53 ID:KpvTj3yS0(19/76) AAS
魔女「もしやオーク領で亡命して居るのではと思うてな」
女戦士「レンジャー…お前は何か知らないのか?」
レンジャー「俺がこちらに来たのは光る隕石が落ちた後…9年ぐらい前か…皇子はとうに亡くなっているとしか聞いて居ない」
魔女「ほぼ全身機械化しておったから気持ち悪いと思って覚えて居ったのじゃが…」
女戦士「政策に口を出せる立場では無いという事は言って居たな」
魔女「うむ…今思えば環境省寄りの感じじゃった…頭部は死んでも機械化しないと言うて居ったわい」
女戦士「待てよ…そう言えば子供の脳が搭載されたキラーマシン改はどうなった?」
レンジャー「子供の脳が搭載されている?何の話だ?」
女戦士「それは後だ…新型のキラーマシン改はどうなったと聞いて居る…前線に投入されたのだろう?」
レンジャー「通信で退避時に囮に使えと指示があって置き去りだ…」
女戦士「…なるほど分かったぞ!!環境省は機械に支配されないキラーマシンを機動隊に送ったのだ」
レンジャー「話が呑み込めない…撤退指示を出して居るのは機械省側に居る政務官だ」
女戦士「頭部に人の脳が搭載されたキラーマシンは機械省からの命令に従わない…だから不要なのだ」
レンジャー「頭部に人の脳が入っている…しかも子供の…まさか」
魔女「ふむぅ…機械省も大概じゃが環境省もやり口がエグイのぅ…」
レンジャー「…という事は機動隊は古代の兵器以外に50機近いキラーマシンも得たという事になる…」
女戦士「そうだ…そう考えると皇子が亡命しているという線も有り得る…陰で支援して居るのが環境省という構図」
魔女「目的は機械省の解体じゃろうのぅ…わらわ達と同じじゃがしばらく様子は見た方が良さそうじゃな」
女戦士「うむ…敵と認識されてしまってはこちらが危ない」
20: [sage saga] 2022/06/30(木) 20:13:15.89 ID:KpvTj3yS0(20/76) AAS
『しばらく後』
シュタタ スタ
女戦士「む!?リカオン!戻って来たか」
魔女「ご苦労じゃった…退魔の砂銀を撒いて来たのは機転が利いたのぅ…」
狼女「早速だけど女海賊がその砂銀を欲しいと言ってる」
魔女「うむ…用意してあるぞよ」
女戦士「妹はどうした?一緒じゃ無いのか?」
狼女「雨が上がって空が見え始めたから星の観測をしているんだ…」
女戦士「ふむ…地軸のズレを観測か…では私も地上に出なければ…」
ダダダ スタ!!
アサシン「緊急事態だ!!エド・モント方面からトロッコの音がする!!突撃に備えろ!!」
女戦士「なんだと!!」ガバ
狼女「本当だ…何台か連結してる音…」
女戦士「兵隊共を叩き起こせ!!私は突撃に備える!!」ダダ
レンジャー「起きろぉ!!敵襲!!敵襲!第一級戦闘に備えろ!!」ダダ
狼女「トロッコ10両くらい繋がってる…」
魔女「マズいのぅ…奇襲でその数は準備して居ったという事じゃ…」ノソノソ
女戦士「線路に近付くな!!坑道の側道に入って一旦状況把握だ!!」
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21: [sage saga] 2022/06/30(木) 20:13:51.36 ID:KpvTj3yS0(21/76) AAS
『地下線路』
カタタン ゴーーーーーーーー
女戦士「来るぞ!!」
狼女「姿を隠して!!キラーマシンが沢山乗ってる音!!クロスボウの一斉射撃が来る!!」
女戦士「くそぅ!!先手を打たれてしまったか…」ギリ
魔女「万が一の場合はわらわが坑道を塞ぐ故に一旦撤退をせよ」
女戦士「塞ぐ?どうやって?」
魔女「成長魔法でクヌギを育てる…切り倒す時間が稼げるじゃろう」
女戦士「ぐぬぬ…」
アサシン「来るぞ!!」
ゴーーーーーーーー
バシュン! バシュン! バシュン! バシュン!
タタタタタン! タタタタタン! カン! カン!
女戦士「な…なんだこの数は…」タジ
アサシン「頭を出すな!!」グイ
狼女「あれ?トロッコが止まらない…」
ゴーーーーーーーー
バシュン! バシュン! バシュン! バシュン!
タタタタタン! タタタタタン! カン! カン!
女戦士「…どうなっている?走り抜けて行く…のか?」
アサシン「この数ではどの道戦えん…ここは素通りさせて引くべきだ」
レンジャー「分かったぞ!…奴らはミネア・ポリスまで抜けてそこからヒュー・ストンへ行く気だ」
女戦士「箱舟を目指して居るのか…」
狼女「トロッコ1台にキラーマシン6台乗ってる…今ので60台くらい通り抜けて行ったよ」
タッタッタ スタ
ローグ「こここ…これどうなってるんすか!!?」
女戦士「奇襲だ…来るのが遅い!!」
22: [sage saga] 2022/06/30(木) 20:14:23.50 ID:KpvTj3yS0(22/76) AAS
狼女「又来る…次も同じくらいの数…気を付けて!!」
女戦士「気を抜くなぁ!!次が来るぞ!!」
ローグ「これマジヤバイっすね…一瞬でボルトが100発くらい飛んで来てるでやんす」
女戦士「さてどうする?」
アサシン「手を出すな…相手にとって私達はゴミ同然に見えて居るのだ」
魔女「そうじゃな…魔物達がわらわ達に倒されて居る事は知らんのじゃ…機械達と魔物が手を組んだ訳では無さそうじゃな」
女戦士「なるほど…キラーマシンを倒した訳では無いからこちらの戦力を知らないのか…」
アサシン「このまま素通りさせて機を伺えば良い」
狼女「シーーーーッ!!そろそろ次のが来る!!」
カタタン ゴーーーーーーーー
バシュン! バシュン! バシュン! バシュン!
タタタタタン! タタタタタン! カン! カン!
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『2時間後_地下線路』
ヨッコラ ドサ
急いで鉄鉱石で線路を塞げぇ!!
ゾンビは鉄鉱石の採掘を急がせてくれ!!
女戦士「魔女!!積みあがった鉄鉱石を魔法で焼いて鉄をすこし融解させてほしい」
魔女「ふむ…鉄の壁を作るか」
女戦士「そうだ…これでキラーマシンはこちら側へ戻る事は出来ない」
魔女「火炎地獄!!」ボボボボボ ボゥ
アサシン「壁にばかり時間を使って居られんぞ?トロッコがこちらへ来たと言う事は線路を塞いでいた水が無くなったと言う事だ」
女戦士「分かっている!!リカオンはエド・モント側の線路を哨戒して居てくれ」
リカオン「分かった!!」シュタタ
女戦士「兵隊は数名で重装射撃砲をトロッコに乗せて線路上に配置しろ」
兵隊「ハッ!!」スタスタ
女戦士「アサシン!トロッコ一台を300メートル向こうで横転させておいて欲しい」
アサシン「フフそれで良い…次のトロッコが来たら撃滅だな?」
女戦士「後何台残って居るのか…」
レンジャー「もうほとんどのキラーマシンが通過して行った筈…」
女戦士「見た事の無い機械も乗っていただろう?連射する射撃を行う小型の機械だ…アレは何だ?」
レンジャー「古代の機械…動いて居るのは初めて見た」
女戦士「アレの能力がどの程度か分からん…ここでしばらく籠城だ」
アサシン「ゾンビに戦わせて能力を確認してやる…私だけ少し突出するから砲弾で私を巻き込むな?」
女戦士「トロッコより向こうには出るな?それ以上は保障出来ん」
アサシン「分かった…行って来る」タッタッタ
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23: [sage saga] 2022/06/30(木) 20:15:12.06 ID:KpvTj3yS0(23/76) AAS
『少し後』
シュタタ シュタタ
狼女「トロッコがこちらに向かって来る音!!また10両くらいの編成!!」
女戦士「来たか…重装射撃砲を構えろ!!」
兵隊「目標!横転したトロッコの前方!」ガチャ
狼女「私は撃ち漏らしたキラーマシンの排除に行く!!」シュタタ
ローグ「あっしはハイディングから各個撃破狙いやす」ダダ
魔女「女戦士や…アサシンの眼に敵影が見えたぞよ」
女戦士「うむ…兵隊!私からでは敵が見えん…お前のタイミングで撃て」
兵隊「了解!!」
女戦士「私は重装射撃砲を死守する…魔女は私の援護を頼む」
魔女「うむ…」ノソノソ
ドーン! ドカーーン!!
兵隊「ヒット!!数台に貫通!!」
女戦士「次装填!!」
ガッコン ガチャガチャ
魔女「リカオンの戦闘が始まったぞよ?」
ピカーーーーー チュドーーーーン!
魔女「小型の機械がこちらに抜けて来よる…小さい虫型の機械じゃ」
レンジャー「総員射撃構え!!」
女戦士「重装射撃砲!!続けて撃てぇ!!」
ドーン! ドカーーン!!
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24: [sage saga] 2022/06/30(木) 20:15:46.61 ID:KpvTj3yS0(24/76) AAS
『激戦』
タタタタタン! タタタタタン!
レンジャー「ちぃぃちょこまかと…」バシュン バシュン
魔女「電撃魔法!」ビビビ
小型の機械「プツン…ブーーン」ガチャ ゴロン
リリース! スゥ
女戦士「くらえ!!」スパ
小型の機械「ビビビビ…」ドーン プスプス
兵隊「射撃!!」
ドーン! ドガーーン!!
兵隊「よし!!キラーマシン全滅!!」
小型の機械「ピピピ…」シャカシャカ
タタタタタン! タタタタタン!
女戦士「ぐぅぅぅ…この攻撃はデリンジャーと同じか…」ヨロ
ローグ「頭ぁぁ!!」ダダダ スパ
小型の機械「ピピッ…」ドーン パラパラ
ローグ「ぐはぁぁ…爆発…」ズザザ ゴロゴロ
パシュ シュルシュル シュタ!
狼女「下がって!!後は私が片づける!!」パシュ シュルシュル ピョン
小型の機械「ピピピ…」シャカシャカ
タタタタタン! タタタタタン!
狼女「遅い!!」ピョン クルクル スパ
小型の機械「ビビビビ…」ドーン パラパラ
魔女「爆発するで魔法で停止させた方が良い!電撃魔法!」ビビビ
狼女「あと4台くらい…私がタゲを取るから魔女が倒して!!」パシュ シュルシュル シュタ
魔女「女戦士!!一旦引けい!!電撃魔法!」ビビビ
小型の機械「プツン…ブーーン」ガチャ ゴロン
女戦士「済まん…任せた…」ヨロ ポタポタ
ローグ「頭…止血を…」ヨロ
25: [sage saga] 2022/06/30(木) 20:16:22.85 ID:KpvTj3yS0(25/76) AAS
『簡易前哨基地』
回復魔法!回復魔法!回復魔法!
魔女「他に治療が必要な者は居らぬか?」ノソ
アサシン「私だ…」ズルズル ドサリ
魔女「全身撃たれてボロボロじゃな…回復魔法!」ボワー
アサシン「機械を舐めすぎていた…ふぅぅ体の欠損が無くて良かった…」
女戦士「私もだ…あの連射するデリンジャーは危険すぎる」
アサシン「あれは撃ち始めて2秒後にエイミングを修正して偏差撃ちをして来る…普通には避けられない」
女戦士「やはりな…ハイディングを駆使するしか戦い様が無いな」
アサシン「ワイヤーを使った不規則な動きはまだ通用していた様だな」
女戦士「狙いを修正してくる前に転進すれば良いという事か…」
タッタッタ
レンジャー「戦利品を回収して来た…大量の魔石を入手したぞ」ザラザラ
女戦士「出来るだけ傷んで居ない小型の機械は製鉄所に運んでおいてくれ…あとで分解する」
レンジャー「分かった…キラーマシンの部品もそこに運べば良いか?」
女戦士「何台ある?」
レンジャー「20台程…コバルトが沢山使われているから貴重な資源になる」
女戦士「ふむ…それより次の戦闘に控えていた方が良いな」
レンジャー「いや…状況は既に知られた筈…もう来ないだろう」
女戦士「それなら良いが一応警戒だけしておこう」
レンジャー「多分向こうは機動隊による伏兵だと思っただろう…戦い方が似て居たからな」
女戦士「機動隊がそれ程怖いか?」
レンジャー「白狼と同じくらいには…」
アサシン「被害を増やしたくないのだろう…こちらは死者ゼロ…向こうは全滅」
レンジャー「敵に武器を与えたくないのもある…今の戦いで得た戦利品は価値が高い」
女戦士「なるほど…では少し体を回復させるか」
レンジャー「それが良い…警戒は俺の部隊でやる」
26: [sage saga] 2022/06/30(木) 20:16:49.96 ID:KpvTj3yS0(26/76) AAS
『製鉄所』
エンヤー コーラ ドッコイセー
ドワーフ「こらたまげたでぇ…娘さんこない沢山の機械どうするんや?」
女戦士「コバルトが沢山使われて居るのだ…これがあれば超硬合金が作れる」
ドワーフ「武器の材料でっか?」
女戦士「いや…鎧が欲しいな」
ドワーフ「切削できまへんで…」
女戦士「切削は私がやる…超硬合金で鎧が作れればデリンジャーの弾も跳ね返すだろう」
ドワーフ「ごっつい鎧になりそうでんなぁ?」
女戦士「私は少し地上に出るから製鉄所は任せる」
ドワーフ「温泉でっか?」
女戦士「そうだ…少し傷を癒したい」
ドワーフ「まかせときなはれ〜」エンヤー コラー
女戦士「ローグ!!退魔の砂銀はお前が持ってくれ…私は小型の機械を運ぶ」ヨッコラ
ローグ「ムリせんで下せぇ…大分撃たれやしたよね?」
女戦士「いや…この機械はそれほど重くない…材質は何だ?」サワサワ
ローグ「そうなんすか?」
女戦士「驚きだな…これは金属では無い…樹脂の類だ…こんなに硬質に作れるのか…」コンコン
ローグ「やたら弾を発射して来たんすが…中身どうなってるんすかね?」
女戦士「妹に分解させようと思うのだ」
ローグ「姉さんよろこびそーっすね…」
女戦士「うむ…早く地上に出たいからハイディングしながら移動するぞ」
ローグ「へい!!あっしに付いて来て下せぇ…ハイディング!」スゥ
27: [sage saga] 2022/06/30(木) 20:17:39.39 ID:KpvTj3yS0(27/76) AAS
『坑道_縦穴手前』
女戦士「ええい…撃たれた所に弾が残っていて痛む…うぅぅ」
ローグ「あっしが処置しやしょうか?」
女戦士「こんな所で出来る訳無いだろう…回復魔法も貰えん」
ローグ「足の付け根っすね?アラクネーの毒を持ってるんで痛みはしやせん」
女戦士「…」ギロ
ローグ「一瞬で終わりやす…ただ麻痺毒が抜けるまでちぃと横になってて貰いやすが…」
女戦士「早くやれ!」
ローグ「足の付け根なんで脱がさせて貰いやすぜ」ゴソゴソ
女戦士「…ぅぅ…そこだ…そこが痛む」
ローグ「分かりやした…骨に当たってるんすね…麻痺毒打ちやす…」チク
女戦士「…」
ローグ「ちぃと顔を背けてて下せぇ…自分の体切られるのは見たく無いっすよね?」
女戦士「フン!」クル
ローグ「3…2…1…」
スパ ゴソゴソ コロン…コロコロ
ローグ「終わりやした…圧迫で止血してるんでこのエリクサーを一口飲んでくれやんす」スッ
女戦士「なるほど痛まん…」ゴク
ローグ「傷が塞がるまでちっとこのままっす」グググ
女戦士「お前は私を脱がしたかったのだろう?」
ローグ「バレやした?…でもこれで傷みが無くなりやす」
女戦士「こうも正直だと怒る気にもならん」
ローグ「麻痺が無くなるまで小一時間掛かるんで寝てても良いっすよ?」
女戦士「…」ギロ
ローグ「へい…寝てる間に目の保養をさせて貰いやす」
女戦士「こんな状況で寝られる物か!」
ローグ「取り出した弾丸…これ9mmって所っすかね」
女戦士「デリンジャーの弾より一回り小さい」
ローグ「こんなんが連射されるのはかなりキツイっすね」
女戦士「うむ…キラーマシンよりもよほど厄介だ」
ローグ「あっし思ったんすが小型の機械は丈夫な機械じゃないんで爆弾使って倒した方が良さそうっす」
女戦士「そうだな」
ローグ「姉さんがキーマンっすね…小型爆弾をバンバン撃てるんで…」
女戦士「例の特殊弾倉の新兵器か…アレの量産は大変だな…」
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28: [sage saga] 2022/06/30(木) 20:18:26.46 ID:KpvTj3yS0(28/76) AAS
『朝_広場の焚火』
リリース! スゥ…
女海賊「うわ!!びっくりしたぁ!!あんた何やってんのさ!!」
ローグ「こっちもびっくりしやしたよ…姉さんにお土産持って来たんす」
女海賊「砂銀か…早かったね」
ローグ「そらハイディングで移動してきたもんで…」ヨッコラ ドスン
女海賊「んん?何それ?どっから持って来たん?」
ローグ「地下線路にキラーマシンが攻めて来たんすよ…ほんでこれは古代の機械だそうです」
女海賊「ええ!?マジマジ?ちょ…これどうなってんの?」
ローグ「姉さんに分解して欲しいんすよ…連射するデリンジャーが搭載されてるんす」
女海賊「おおおおおおお!!ちょい日の出の観測終わったら早速やるわ」
ローグ「へい…頭も観測がしたいと言って一緒に来て居やすぜ?」
女海賊「お姉ぇは何処行ったん?」
ローグ「温泉に行きやした…そうそう怪我の具合が良くないんで線虫を頼んます」
女海賊「お姉ぇが怪我するって珍しくない?」
ローグ「キラーマシン20台とその古代の機械も20台くらい来たんすよ」
女海賊「ヤッバ!!下の方は大丈夫なん?」
ローグ「ギリギリ防ぎやした…一応死者ゼロでやんす」
女海賊「てか2人でこっちに来て大丈夫なん?戦力ダウンだよね?」
ローグ「なもんで早い所その機械から連射するデリンジャー欲しい感じっすね」
女海賊「おけおけ!何とかするわ」
ローグ「ちっと注意なんすが爆発に気を付けて下せぇ…破壊の剣で切るとドーン!!って感じなんす」
女海賊「あぁぁ分かった…エネルギー部だな…そいつがまだ生きてるならそれも研究できるな」
ローグ「なるほど…あっしは商人さん達にも挨拶してくるんで後は頼んます」
女海賊「盗賊は私の飛空艇で寝てるよ…てか私も飛空艇戻るけど」
ローグ「いつもの場所っすね?後で行きやす」
女海賊「おっけ!!分解やっとくわ」
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29: [sage saga] 2022/06/30(木) 20:19:21.79 ID:KpvTj3yS0(29/76) AAS
『鯨型飛空艇』
カチャカチャ
…なるほどぉ…これがAI部分でこいつに過電流流れてぶっ壊れたんんだ…
中身は9o弾ばっか入ってんな…ふむふむ構造は特殊弾倉と似たようなもんか
やっぱこいつもエネルギー部が良く分かんないなぁ…多分この容器に電気が溜まってると思うんだけど…
えーと連射するデリンジャー…これかぁ…砲身が焼けちゃってる…こんなんじゃ狙い定まんないぞ?
連射する仕組みは…なんだこれ?外してみっか!!
女戦士「どうだ?武器を取り出せそうか?」
女海賊「あ…お姉ぇ寝てた方が良いんじゃないの?」カチャカチャ
女戦士「もう10時間程寝たのだが…」
女海賊「あれ?そんな経ってたっけ?」
女戦士「ここは狭間の中だろう?」
女海賊「あぁ忘れてた…私飛空艇に出入りしてるから時間分かって無いのか」
女戦士「時間のかかる作業は狭間の中で行った方が良い」
女海賊「分解もうちょい掛かるから私は飛空艇出ない様にするわ」
女戦士「では私は教会に行って商人と情報を交換してくる」
女海賊「おけ!!」
カチャカチャ
ここが電極…こいつはコイルか…なるほど電磁気力でローレンス力発生させるんだな?
超電導させないとこの長さじゃあんまローレンス力強くない筈なんだけど…
まてよ?材質の問題か?…てことはこのユニットはメッチャ貴重だな
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30: [sage saga] 2022/06/30(木) 20:20:29.26 ID:KpvTj3yS0(30/76) AAS
『教会』
ワイワイ キャッキャ
商人「…地下線路でそんな事が…」
女戦士「もしかするとミネア・ポリスから逃れて来るオーク達が出て来るかも知れん」
商人「キラーマシン500台か…古代の機械まで…」
盗賊「おいおい…ギャングのガキ共はミネア・ポリスに行った筈だろ?放って置けんぞ」
女戦士「機械共は此処を素通りした様にミネア・ポリスも素通りした事も考えられる」
商人「狙いはヒュー・ストンにある箱舟か…」
盗賊「う〜む…なんか落ち着かんな…」
商人「ミネア・ポリスは飛空艇で見に行けないのかな?」
盗賊「キ・カイに行くのも一苦労だったんだろう?…詳細な場所が分からん事には無理だな」
女戦士「一つ情報があるのはオーク側にキラーマシン改が渡っている可能性が有る事だ」
商人「ええええ!!?どういう事だい!?」
女戦士「環境省の策だ…恐らくオーク側に渡った機動隊へ戦力として送ったと思われる」
商人「そんな…」
女戦士「キラーマシン改は人の脳が搭載されていて他のキラーマシンの様に命令に服従しない」
商人「まだ戦争の道具として引っ張りまわすと言うのか…」グググ
影武者「割入ります…オークへ魔石を支援するのはどうでしょう?」
商人「君はキラーマシン改にもっと戦えと言うのか?」
影武者「キラーマシンのエネルギーは魔石です…それは相手にも同じ事」
女戦士「ハッ!!そうだ先日大量の魔石を入手した所だ…」
影武者「それが無ければキラーマシンはエネルギー切れで停止します…つまり勝つために必要な支援になります」
商人「相手のエネルギー切れまで耐えれば勝ちか…」
影武者「それでハテノ村はオーク達と決定的な友好となる筈…」
女戦士「影武者…取り引きに行けるのか?」
影武者「任せて下さい…近くのオーク村に伝手がありますので」
盗賊「ようし!!その取り引き…俺が護衛してやる」
影武者「いえ…盗賊さんは人相が悪いので遠慮します」
盗賊「なぬ!?」
商人「ハハそれは仕方ない…」
影武者「オークに守って貰いますので問題無いです」
盗賊「なんだよもう友達になってんのか…」
影武者「それよりも急いだ方が良いので魔石を運搬してくれると助かります」
盗賊「分かった…ハイディングで移動すっから直ぐに持って来れる」
影武者「お願いします」
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31: [sage saga] 2022/06/30(木) 20:21:11.07 ID:KpvTj3yS0(31/76) AAS
商人「…魔石はそんなに沢山入手したの?」
女戦士「トロッコに満載だったらしい…偶然にも私達が相手の補給を断った形になった」
商人「それなら他の補給方法を考えそうだなぁ…」
女戦士「地下線路は一本道でしかも鉄の壁ですでに封鎖してある」
商人「他にもルートあったりするんじゃない?」
女戦士「それはレンジャーに聞いてみないとなんとも…」
商人「どちらにしてもエド・モント側は補給で更にキラーマシンを出動しなければならないから手薄になるね」
女戦士「手薄…攻めるなら今だという見方も出来るか…」
商人「もし先に相手の通信手段を壊してしまえばもっとラクに収まるかもね」
『河原』
タタタタタン! タタタタタン!
女海賊「だぁぁぁ何だコレ…全然狙い定まんないじゃん」
女海賊「飛距離もクロスボウ以下だ…接近武器だよコレは…」
女海賊「てか弾の消費が半端無いし重くて持ってらんないわ…クソ武器確定!!」
女海賊「やっぱエネルギーを魔石で代替すると色々能力落ちるんだろうなぁ…」
女海賊「まてよ?プラズマ銃と同じかもしんないな…一発づつ撃てばイケるんか?」
タン! シュン!!
女海賊「うわ…飛距離伸びた!!そういう事か…短いリロードが必要か…」
女海賊「弾を発射するタイプだと精度上げるなら長い砲身が必要になる…邪魔になるなぁ」
女海賊「クロスボウのボルトなら砲身無くてもソコソコ真っ直ぐ飛ぶ…改造してみるか」
女海賊「私の特殊弾倉と合体してみるか…もしかしたらクロスボウより良いかも…」
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32: [sage saga] 2022/06/30(木) 20:22:05.98 ID:KpvTj3yS0(32/76) AAS
『鯨型飛空艇』
カンカン ゴシゴシ
女戦士「…もうすぐ日の入りだぞ?」
女海賊「あ!お姉ぇ…六分儀そこにあるから星の観測お願い…昨日の分はメモ取ってある」
女戦士「ふむ…新しい武器を作って居るのか?」
女海賊「例の連射するやつ使い物になんないからさ…ちっと改造」
女戦士「私はアレに撃たれて痛い思いをしたのだが?」
女海賊「あれは接近武器なんだ…弾をメッチャ使って当てる感じの武器」
女戦士「確かにそうだったな…」
女海賊「そんな沢山の弾を持ち歩けないからあんま意味無いんだよ」
女戦士「まだ地下に沢山あるのだがな…」
女海賊「えとね…今作ってんのがクロスボウのボルトを撃つ装置…多分飛距離伸びる」
女戦士「ふむ…」
女海賊「飛距離と精度が一番重要なんだって…これなら量産しても良いよ」
女戦士「見せてみろ…ほう?クロスボウよりも簡単そうだ」
女海賊「でしょ?ほんで雷の魔石で動くのさ…よし!!試し撃ち…ちょい来て!!」スタタ ピュー
---------------
女海賊「いちおう照準付けて狙って見るか…」カチャカチャ チャキリ
女戦士「撃ってみろ…」
女海賊「いくよぉ!!」カチ
タン! シュン!
女海賊「おぉぉぉ!!ヤバ…これ有効射程300メートルくらいあるかも…」
女戦士「では小さな重装射撃砲だな」
女海賊「特殊弾に火薬仕込んだらかなりイケると思う…もっかい」カチ
タン! シュン!
女海賊「ふむふむ…特殊弾の製造バラツキ分ちょっと狙いがズレる…よし!弾が回転するように作って見るか…」
女戦士「フフ…私は星の観測に行くから良い武器に仕上げろ」スタ
33: [sage saga] 2022/06/30(木) 20:22:44.98 ID:KpvTj3yS0(33/76) AAS
『大型気球』
ヨッコラ ドスン
盗賊「よーし…とりあえず石炭と要らん骨類は積めるだけ積んだ」
ローグ「魔石はそれだけで良いんすか?」
影武者「ひとまず十分だよ…もっと欲しいならこっちに来る様に促すのさ」
盗賊「なるほど…やっぱお前賢いなぁ」
影武者「じゃぁ僕はいつもの傭兵3人連れて行って来る」
盗賊「しばらく帰って来ん感じだな?」
影武者「う〜ん…オークがちゃんとミネア・ポリスまで案内してくれれば2〜3日で戻ると思うんだ」
盗賊「まぁ気を付けて行って来い」
影武者「うん…じゃぁ」ノシ
フワフワ パタパタ
--------------
--------------
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34: [sage saga] 2022/06/30(木) 20:23:48.78 ID:KpvTj3yS0(34/76) AAS
『広場』
キリキリキリ カチッ
女戦士「やはり昼が相当長い…南半球の中緯度域に入ったくらいか…」
盗賊「おろ?今日は女戦士が観測やってんのか…女海賊はまた作り物か?」
女戦士「その通り…」
盗賊「ほんでどうよ?」
女戦士「方角がしっかり分かるようになって来たぞ?北と南が入れ替わったと言えば分かるか?」
盗賊「やっぱりな?情報屋が言ってた通りだ」
女戦士「地下に籠っていると地軸が移動したのは全然分からん…こうして観測すると大変な事が起きていると実感する」
盗賊「北の大陸とかどうなっちまってんだろうな?」
女戦士「我々人間はつくづく見えている範囲の事しか分からんのだな」
盗賊「うむ…ほんでよう?月の動きがおかしく無いか?」
女戦士「その様だ…右へ行ったり左へ行ったり」
盗賊「ありゃ縦周りになってんだよな?」
女戦士「南極星の側に有るのだがここから見ると北にある様に見える…不思議な動きだ」
盗賊「ほんで前よりでかくなってんだろ?」
女戦士「恐らく楕円の起動になってしまったのだろうと思う」
盗賊「塩の満ち引きとかかなり影響出そうだ」
女戦士「確かに…」
タッタッタ
女海賊「お姉ぇ!!私ちっと地下行って来るわ」スタタ
盗賊「お!?急にどうした?」
女海賊「コレ見て!!例の連射する銃を改造したんだ」チャキリ
盗賊「ほう?」
女海賊「同じように改造したらメッチャすごいクロスボウになる」
盗賊「んん?クロスボウに見えんが…」
女海賊「弾がクロスボウのボルトなんだ見てて」カチ
タン! シュン!
女戦士「危ないからここで不用意に撃つな!」
盗賊「弾が見えんな…何処行った?」
女海賊「有効射程300メートルくらい…最大射程1kmくらいある」
女戦士「同じ物を作りに行くのか?」
女海賊「私のは特殊弾を撃つんだけど汎用でクロスボウのボルト撃つタイプも作ってみたいのさ」
女戦士「まぁ地下での戦力増強になるならやって構わん…気を付けて行け」
女海賊「ハイディングしながら行くから速攻だよ…ほんじゃ行って来る!!」スタタ ピューー
盗賊「ヌハハ元気そうだ…アイツいつ寝てるんだ?」
女戦士「好きな事をやっている時は眠たくならんのだ…私も星の観測は飽きん」キリキリ カチャリ
盗賊「確かに…俺もお宝物色は寝んでやるわ…おーし!!遺跡掘りにでも行ってくっか!」スック
35: [sage saga] 2022/06/30(木) 20:24:43.92 ID:KpvTj3yS0(35/76) AAS
『地下_簡易前哨基地』
タタタタタン! カシャカシャ…
狼女「魔女!!今!!」ピョン クルクル シュタ
魔女「雷魔法!」ビビビ
小型の機械「プスン…ブーン」ゴロゴロ ドテ
リリース! スゥ
女海賊「おぉ!!?これどういう事?」キョロ
魔女「おぁ良い所に来たのぅ…主の線虫が必要じゃ」
女海賊「ええ!?戦闘やってんの?」
狼女「散発的にこの小型の機械が襲撃してくるんだ…私警戒してくる」スタタ
女海賊「怪我してんのは兵隊達だね?」
魔女「うむ…わらわが回復魔法を掛けてしまうと食らった弾が体内に残ってしまうのじゃ…線虫でゆるりと癒した方が良い」
女海賊「なるほど…弾は自分で気付いて取らないとダメな訳か」
魔女「そうじゃ本真に厄介な敵じゃ」
女海賊「アサシンは?」キョロ
魔女「機械はゾンビ達を襲っては来ぬ故かなり先の方へ出て警戒中じゃ」
女海賊「なるほど…それで対処出来てるんか」
魔女「急いで怪我人に線虫を頼む」
女海賊「おけおけ!」
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36: [sage saga] 2022/06/30(木) 20:25:27.45 ID:KpvTj3yS0(36/76) AAS
『製鉄所』
ドッコイセー ドッコイセー ハァ〜〜〜♪
ドワーフ「娘さんやないか!!どうしたんや?」
女海賊「ここのガラクタ勝手に改造しちゃうよ!!」
ドワーフ「邪魔やったんや…早うのかして欲しいわ」
女海賊「お!!?ちょうどキラーマシンのクロスボウあるじゃん…よーし!こいつに組み合わせよう」
ドワーフ「散らかさんでな?」
女海賊「はいはい…えーと…例の電磁力ユニットだけ外して…」カチャカチャ
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『地下線路』
トンテンカン! トンテンカン!
レンジャー「トロッコの装甲強化急げ!」
狼女「レンジャー!!アサシンから連絡…ここから一つ目の分岐で小型の機械が止まってるらしい」
レンジャー「むむ…バン・クーバー方面か…直通はして居ないが線路載せ替えでミネア・ポリスには向かえる」
狼女「どうする?迎撃する?」
タッタッタ
女海賊「新兵器持って来たヨ!!」ガチャガチャ
レンジャー「んん?なんだそれは?」
女海賊「強化クロスボウって感じ?ちょい見てて」チャキリ
レンジャー「ボルトを発射するのか…」
ダン! バヒュン!!
女海賊「痛った!!ボルト撃つと反動があるのか…」ヨロ
レンジャー「飛距離は?」
女海賊「有効射程だと100〜200メートルだと思う…超強化クロスボウだね」
レンジャー「使えるな…いくつある?」
女海賊「8台作った…ちょい持ってくるからトロッコに装着しててよ」スタタ ピュー
狼女「これがあれば迎撃に行ける?」
レンジャー「行けそうだ…8台あれば近付く前に撃破出来る筈」
狼女「アサシンに伝えて来る」シュタタ
37: [sage saga] 2022/06/30(木) 20:26:17.58 ID:KpvTj3yS0(37/76) AAS
『重装トロッコ』
ガチャガチャ
レンジャー「ふむ…発射部を電磁力にしただけの単純な構造…メンテナンスしやすい」
女海賊「でしょ?こういう武器が一番使えるんだよ…今までのボルトそのまま使えるし」ガチャガチャ
レンジャー「これなら俺達でも作れるな」
女海賊「こっちに突進してくる相手ならメチャ当てやすい筈…射程活かして戦えるよ…よーし!!」
レンジャー「んん?」
女海賊「突撃すんじゃ無いの?さっさと出発しろよ!!」イラ
レンジャー「突撃だと?」
女海賊「こんだけ火力揃ったんだから相手が動く前にやっちゃわないと裏取られる…ほれ全軍出撃ぃぃ!!」ビシ
レンジャー「魔女がまだ乗って居ない」
”魔女?聞こえる?今すぐトロッコに乗って…火力ぶっぱでぶっ潰す”
”なぬ?今動けるの10人程度しか居らんが…”
”だから火力ぶっぱで押し込むのさ…こっちにはインドラ銃もある…大丈夫”
”ふむ…主を信じて見ようかのぅ…”
レンジャー「んん?インドラ銃とは何だ?」
女海賊「有効射程2kmの超高精度でインドラの光を落とせるのさ…この線路なら向こうは丸裸も同然」
レンジャー「そんな兵器まで…」
女海賊「私の眼を見て…」クルリン
レンジャー「蒼眼…」
女海賊「そゆ事…アンタが追ってた白狼は私の旦那と子供…まぁ私のやり方見て付いて来な」
レンジャー「フフ見せて貰おうか…勇者の力を」
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38: [sage saga] 2022/06/30(木) 20:26:57.33 ID:KpvTj3yS0(38/76) AAS
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ノソノソ
魔女「急に決めるのじゃのぅ…」
女海賊「はい乗った乗った!!」
レンジャー「一旦アサシンと合流で良いんだな?」
女海賊「ほんなん確認しなくても分かるじゃん…さっさと動かして!!」
レンジャー「総員!前進だ…目標分岐点A…後にエド・モント方面から来る敵を排除する!!」
女海賊「アンタなんか堅いんだよなぁ…ふぁぁ〜あ…ちっと私寝るから着いたら起こして」ドタ グゥ…
魔女「やれやれじゃのぅ…」
ヒラヒラ パタパタ
魔女「ほう?妖精が居ったか」
妖精「ハロハローやっと寝たか…」
レンジャー「妖精まで味方につけて…」
魔女「主にも見える様じゃな?これ妖精!眠らせたのはお主か?」
妖精「興奮してずっと寝て無いのさ…どれくらいかなぁ…狭間の中も合わせて5日くらい?」
魔女「ふむ…では仮眠を取らせた方が良いな」
39: [sage saga] 2022/06/30(木) 20:27:46.95 ID:KpvTj3yS0(39/76) AAS
『分岐の手前』
キキー ガッコン
アサシン「トロッコ1台前方に連結させるぞ?」ガチャン
レンジャー「分かった…フフ…オークゾンビにトロッコを動かさせていたか」
アサシン「さてここから少し先に小型の機械が3台程停止している」
レンジャー「分岐を守備しているか」
アサシン「恐らくな?小型の機械では分岐を変える事が出来ないから待機しているのだ」
レンジャー「分岐の向こう側にはまだ退魔の砂銀を撒いて居ないからグレムリンが居る事も想定される」
狼女「その分岐の場所は広いからそこまで敵が来られると排除に厄介…」
レンジャー「さてどうする?」
魔女「これ起きんか!」ユサユサ
女海賊「むにゃー」スヤ ドテ
アサシン「向こうにまだ動きは無いが…」
女海賊「誰だよ蹴ったのは…」ムクリ
魔女「自分で転がったのじゃタワケ…寝ながら下を触るクセをなんとかせい!」
女海賊「ハッ!!やば…バレた…」ズボ
レンジャー「…」アゼン
アサシン「お前には呆れる…状況を考えろ」
女海賊「寝てたんだからしょうがないじゃん!ほんで今の状況は?」フキフキ
アサシン「現在地は分岐の手前2kmだ…小型の機械は分岐を変えられず停止したまま動かない」
女海賊「向こうに明かり無いよね?」
アサシン「ある訳無いだろう」
女海賊「ゾンビに照明魔法掛けた砂銀持たせて奥まで行かせられる?」
魔女「ほう?名案じゃのぅ」
アサシン「なるほど…10体ほど近くに待機させてあるが…」
女海賊「出来るだけ向こうまで行かせて欲しい…後は私が狙撃する」
アサシン「分かった…魔女!照明魔法を」
魔女「ちと待てい!照明魔法!照明魔法!照明魔法!」ピカー
アサシン「ゾンビ共来い!明かりを持って線路に沿って進み続けろ」
ヴヴヴヴヴ ガァァァ… ヨタヨタ
40: [sage saga] 2022/06/30(木) 20:28:16.07 ID:KpvTj3yS0(40/76) AAS
『30分後』
女海賊「分岐見えた!!射撃するからトロッコ動かして!」チャキリ
レンジャー「占拠するのだな?」
女海賊「てかそのままゾンビの後付いて進むのさ」
レンジャー「その先は退魔の砂銀を撒いて居ない…他の魔物も居るぞ」
女海賊「構うもんか!!火力ぶっぱで進めるだけ進む」
アサシン「クックックお前の作戦は単純で分かりやすい」
レンジャー「分岐の横からも来るかも知れんぞ?」
女海賊「うっさいな!後ろから来た奴も倒せば良いだけじゃん…狭い線路なんだから火力ぶっぱで何とかなる!!」
狼女「フフ後ろは見て置く」スタ
レンジャー「分かった!総員微速前進…ゾンビの歩測に合わせろ」
ガコン ゴトゴト
女海賊「おーし!!撃っちゃうよ…爆風来るからトロッコに隠れて」カチ
シュン! チュドーーーーーン!!
女海賊「もういっちょ!!」カチ
シュン! チュドーーーーーン!!
女海賊「おっけ!!3台ともバラバラになった…爆風来るよ!!」
ブォォォォォォ
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