八幡「俺の居場所」【俺ガイルSS】 (132レス)
上下前次1-新
1(3): ZAKI◆1sN2SBRQUQ [saga] 2017/10/28(土) 21:51:02.71 ID:wbdBcasA0(1/59) AAS
俺ガイルSS書きました!長編です!
SSWiki : 外部リンク:ss.vip2ch.com
2: ZAKI◆1sN2SBRQUQ [saga] 2017/10/28(土) 21:52:02.32 ID:wbdBcasA0(2/59) AAS
立ちましたか?初めてなのでいまいちやり方が・・・
3: [] 2017/10/28(土) 21:52:44.72 ID:C31n6I2M0(1) AAS
[ココナッツベガ・チームハウス]
ハヅキ「突然なんだけどエロなぞなぞでもしようと思ってねぇ」
リョウコ「はい、解散ー!」
アコ「お疲れ様なのだー」
イミナ「おう、お疲れー」
マリ「じゃ、帰るとするかね」
ハヅキ「話ぐらい聞いてくれたっていいじゃないか」
アコ「話を聞いたぐらいで状況が好転すると思うのだ?」
ハヅキ「なかなか手厳しいねぇ」
ハヅキ「まぁ聞いてもらえればわかるさ」
省5
4: [saga] 2017/10/28(土) 21:52:53.13 ID:iUiIWEXU0(1) AAS
立ってるよ。自分のペースで頑張ってな
5: ZAKI◆1sN2SBRQUQ [saga] 2017/10/28(土) 21:54:27.90 ID:wbdBcasA0(3/59) AAS
ありがとうございます!完結してるので、ゆっくり投下していきますね
6: ZAKI◆1sN2SBRQUQ [saga] 2017/10/28(土) 21:56:05.06 ID:wbdBcasA0(4/59) AAS
八幡「俺の居場所」
―比企谷家―
小町「お兄ちゃん、ご飯置いとくね・・・」
八幡「・・・」
お兄ちゃんが部屋に引きこもってから1週間が過ぎた。トイレやお風呂以外は部屋を出ない。それも誰にも気づかれないように。小町と会話もしてくれない。ご飯は小町が扉の前から離れたら、部屋に持って入って食べてる。でも、ほとんど食べていなくて、また扉の前に置いてある。
お兄ちゃんがこんなことになった原因は、周りの人たちからの情報で知っている。でも、部屋から出なくなってしまったのは、小町のせいだ。小町があんなこと言わなければ。
小町「小町リビングに降りるから、ご飯食べてね」
八幡「・・・」
ごめんね、お兄ちゃん。小町のこと嫌いだよね。でも、嫌われたままでもいいから、返事をしてほしいよ。
7: ZAKI◆1sN2SBRQUQ [saga] 2017/10/28(土) 21:57:46.50 ID:wbdBcasA0(5/59) AAS
〜♪♪
小町「はい!小町ですよー」
結衣「やっはろー、小町ちゃん!ヒッキーどう?」
小町「兄のために、毎日ありがとうございます。兄もきっと感謝してると思います」
結衣「それはどうかな?今のヒッキーにとっては邪魔なだけかも。メールも電話も無視だし」
小町「小町も声はかけるんですけど、返事してくれなくて。ご飯は食べてくれるんですけど」
結衣「やっぱり今日も小町ちゃんでも、だめだったんだね。あのシスコンのヒッキーが小町ちゃんを無視するなら、あたしなんかじゃ無理だよねー・・・」
小町「そんなことありませんよ!今の兄は小町に対してとても怒っていると思いますし・・・。それに誰が相手とか関係なく、人と関わりたくないみたいですから」
結衣「それならあたしのほうが・・・。あ、小町ちゃん、今日は行けなかったけど、明日の放課後も家に行ってもいいかな?」
小町「もちろんです!よかったら晩御飯も食べていってください!両親は仕事で遅くなるので、ひとりで食べるのも寂しいですから」
省17
8: ZAKI◆1sN2SBRQUQ [saga] 2017/10/28(土) 21:58:50.80 ID:wbdBcasA0(6/59) AAS
―結衣の部屋―
小町ちゃんとの電話を終えたあたしは、携帯のメールボックスを確認する。いくつかメールは来てたけど、ヒッキーからのはない。分かってはいたけど、残念な気持ちで携帯の画面を閉じた。
結衣「ヒッキー、ごめんなさい」
これまで何度も口にしてきた言葉を、また呟く。明日は顔を見て言えたらいいな。そんなことを考えながら、もう一人の、ヒッキーを大事に思っている人に電話する。
雪乃「はい、もしもし」
結衣「ゆきのん、やっはろー」
雪乃「こんばんは、由比ヶ浜さん。元気がないわね。また、あの引きこもり谷くんのことを心配してるのかしら?」
結衣「そうだよ。ヒッキーのことが心配だよ。ゆきのん、明日暇かな?一緒にヒッキーに会いに行かない?会ってくれるか分からないけど・・・」
雪乃「ごめんなさい、残念ながら忙しいくて。だから彼のところにも行けないわ」
結衣「ゆきのん。それ本当なの?」
雪乃「ほ、本当のことよ!それに、学校でも言ったけど今の比企谷くんとは会えないわ。というより、どんな顔して会えっていうのよ」
省9
9: ZAKI◆1sN2SBRQUQ [saga] 2017/10/28(土) 22:06:18.08 ID:wbdBcasA0(7/59) AAS
―雪乃の部屋―
由比ヶ浜さんからの誘いに嘘をついてまで断ってしまった。本当なら私が一番に会いに行って謝らなければいけないというのに。私は弱い。本当に嫌になる。由比ヶ浜さんは前に進もうというのに。
雪乃「比企谷くん。ごめんなさい」
誰もいない自分の部屋でそう呟いてみる。けれど、何も変わらないことは当然よね。こんなことで自分が救われるなんて思ってない。でも、弱い私にはどうすることもできない。
私は自分を責めながら、悔いながら、そして彼への謝罪を感じながら眠りについた。
10: ZAKI◆1sN2SBRQUQ [saga] 2017/10/28(土) 22:07:03.33 ID:wbdBcasA0(8/59) AAS
行間狭すぎて最初めっちゃ見にくいですね・・・
11: ZAKI◆1sN2SBRQUQ [saga] 2017/10/28(土) 22:11:04.58 ID:wbdBcasA0(9/59) AAS
―学校―
朝。あたしは通学路や廊下でヒッキーに会わないかキョロキョロしながら歩く。でも、残念ながら会えなかった。
教室の扉の前で心配そうな顔を直してから、扉を開ける。
結衣「やっはろー、みんな!」
三浦「おはよー、結衣」
海老名「はろはろー、結衣!」
葉山「やあ、結衣。残念だけど、彼は今日も来てないよ」
結衣「そっか。ありがと」
戸部「ヒキタニくんのこと探しすぎっしょ!」
三浦「ていうか、結衣は心配しすぎ。あいつの妹からご飯食べてるとか聞いてるんでしょ?」
省20
12: ZAKI◆1sN2SBRQUQ [saga] 2017/10/28(土) 22:15:07.72 ID:wbdBcasA0(10/59) AAS
―奉仕部―
平塚「やあ、雪ノ下。1人か?」
そんなことをいいながら、私たちの顧問である平塚先生は部室へ入ってきた。私は本から目線をあげ、応対する。
雪乃「先生。ノックしてくださいといつも言ってるじゃないですか」
平塚「すまんすまん。由比ヶ浜はどうした?」
雪乃「由比ヶ浜さんは比企谷君の様子を見に行きました」
平塚「そうか。君は行かなくてもいいのか?」
雪乃「部室に誰もいないのは避けなければいけませんから。依頼人が来るかもしれませんので」
平塚「良い心がけではあるがな。それが君の本心ならばな」
雪乃「嘘をついているとでも言いたげですね」
省12
13: ZAKI◆1sN2SBRQUQ [saga] 2017/10/28(土) 22:15:36.67 ID:wbdBcasA0(11/59) AAS
平塚「なぁ雪ノ下。私は君たちを見ていて、仲もよくなってきていたし安心をしていたんだ。君と比企谷の共に捻くれた部分が、由比ヶ浜を通して上手く相乗効果を生み出しているとな」
雪乃「私の捻くれた部分というのは同意しかねますが、言いたいことは分かります」
平塚「今まで数々あった比企谷のやり方は称賛できるものでないにしろ、一定の実績を残してきた」
雪乃「はい。そうだと思います。それで?」
平塚「比企谷は自分が傷つきながらも、みんなを良い方向へと動かしてきた。それも大きく変化させて。自分はどうなってもいい、とか思いながらな」
雪乃「そうですね。確かに彼の周りは変わりました」
平塚「そのおかげで、本人が気づかない内に居場所ができた。家以外の場所にな。だが、それに本人が気づかなければ意味がない。大切なものは認識しないと守れない」
雪乃「先生は何が言いたいのですか」
平塚「勘の鋭い君ならすでに分かっているだろう。居場所というのは簡単には裏切らず、いつでも迎え入れてくれる。そしてその場所というものは元気を与えてくれる。その場所に居たいとな」
雪乃「なんのことだか分かりません」
省4
14: ZAKI◆1sN2SBRQUQ [saga] 2017/10/28(土) 22:17:10.51 ID:wbdBcasA0(12/59) AAS
―川崎家―
大志「姉ちゃん、お兄さんは今日も休みだったんだね。それ捨てるの?」
弟の大志が中身の入ったままのお弁当を指さしながら話す
沙希「さすがに痛むからね。お腹すいたなら、晩御飯もうすぐだから我慢しな」
大志「うん。それは大丈夫だけど。心配だね、姉ちゃん」
沙希「まあね」
大志「お兄さんが登校したら食べてもらおうとお弁当を作り出して3日だけど・・・。家に届けてくれば?」
沙希「いや、今は人に会いたくないみたいだし、押し付けるのも迷惑だからね」
大志「比企谷さんもずっと元気ないし、お兄さんは全く・・・」
沙希「あいつは今まで頑張りすぎたのさ。そして、それを気づいてあげられなかった。そんなときに、あの出来事が起きたから限界を超えたんだよ」
省9
15: ZAKI◆1sN2SBRQUQ [saga] 2017/10/28(土) 22:18:10.86 ID:wbdBcasA0(13/59) AAS
だれか、みていますか?
16: ZAKI◆1sN2SBRQUQ [saga] 2017/10/28(土) 22:22:28.83 ID:wbdBcasA0(14/59) AAS
とりあえず続けますね
17: ZAKI◆1sN2SBRQUQ [saga] 2017/10/28(土) 22:23:42.36 ID:wbdBcasA0(15/59) AAS
―比企谷家―
小町「はーい」
結衣「小町ちゃん。やっはろー!」
小町「やっはろーです!結衣さん」
約束どおり、放課後に結衣さんが来てくれた。小町はとても嬉しいです。
小町「さぁどうぞ!あがってください」
結衣「おじゃまします」
小町「とりあえずお兄ちゃんの部屋の前に行きますか?」
結衣「そうだね」
小町「では、行きましょう」
省1
18: ZAKI◆1sN2SBRQUQ [saga] 2017/10/28(土) 22:25:10.89 ID:wbdBcasA0(16/59) AAS
―八幡の部屋の前―
結衣「ヒッキー、あたしだよ!」
やっぱり返事がない。毎回そうだけど、本当に辛いよ。ううん、あきらめちゃだめだ。
結衣「ヒッキー、今日は学校でね!・・・」
なんでもいい、ヒッキーが返事したくなるかもしれないから、あたしは話し続ける。起きてるかも分からないけど、ヒッキーに届いてることを信じる。そうするしか、方法がないから。
―リビングルームー
あの後、数十分は扉越しに話をしたけど、やっぱり返事はなかった。途中で先生も来たから、あたしは一旦ヒッキーに話すのをやめて、小町ちゃんと先生と話をする。
平塚「今日も君ら二人でもだめだったか」
結衣「はい・・・」
平塚「そんなに落ち込むな、由比ヶ浜。君は自分ができることを精いっぱいやってるじゃないか」
省8
19: ZAKI◆1sN2SBRQUQ [saga] 2017/10/28(土) 22:27:34.49 ID:wbdBcasA0(17/59) AAS
〜回想・教室〜
三浦「体育、超だるかったし。そのあと、すぐ数学とか無理」
葉山「確かにちょっとしんどいね。彼もすでに寝てるみたいだし」
三浦「彼?ああ、ヒキオか。あいつ数学捨てたとはいえ、始まる前から熟睡モードとか」
結衣「あはは・・・。まだ起きてるとは思うけど、ヒッキー本当に数学になるといつも寝るよね。点呼の後からずっと」
三浦「結衣もよく寝てるじゃん?」
結衣「え、そんなことないよ!?たまーにだよ!」
三浦「どうだか」
ヒッキーについて、みんなと話している間にチャイムが鳴り、先生が入ってきた。数学の先生、眼鏡かけたおじいさん先生なんだけど、ちょっと高圧的であたしは苦手。
先生「よし、席につけー。点呼する」
省13
20: ZAKI◆1sN2SBRQUQ [saga] 2017/10/28(土) 22:28:04.34 ID:wbdBcasA0(18/59) AAS
その瞬間慰める声とか、野次みたいなのとか、ええっなんで?とかいろいろ混ざり合ってざわざわする。あたしはびっくりしてヒッキーを見る。え、こんな空気の中、ヒッキー寝てる?
先生「おい、比企谷!起きろ!」
八幡「んっ?あ、本当に寝てた。すんません先生、点呼でしたか?」
先生「それよりも大事なことだ。お前、ひざ掛け持ってるか?」
八幡「何のことですか?持ってませんけど?」
先生「拾ってもないか?」
八幡「ええ、知らないですけど。え、てか、この空気はなんだ?」
ヒッキーは目が覚めたのか、一瞬周りに目をやると、ほとんどの生徒が自分に注目していること。そして女の子が怪訝な表情をしているのを確認したらしい
先生「今、お前のロッカーから女子Aのひざ掛けが出てきてな。お前のじゃないんだろ?」
八幡「え、なんで!?は、違いますけど」
省11
21: ZAKI◆1sN2SBRQUQ [saga] 2017/10/28(土) 22:28:54.53 ID:wbdBcasA0(19/59) AAS
平塚「ふむ。状況証拠と思い込みを利用されたな。かわいそうに。だが、比企谷がそのまま認めるとは思わないが。もちろん、自分の意見を言ったんだろ?」
結衣「おそらくそうだと思いますが・・・。たまたま保健室の帰りに生徒指導室の様子を見た、いろはちゃんの話では、先生が怒鳴り散らした後、追い出すように廊下に出させられていたとか」
平塚「私がその場に居ればなぁ。生活指導は私の役目なのだが、生憎出張でな」
結衣「いろはちゃんは声をかけようとしたらしいですけど、ヒッキー泣いてたみたいで・・・。走ってどこかに行ったって」
平塚「あいつの天敵ともいえる、話を聞かずに決めつける相手・・・か。それで?」
結衣「教室には帰ってきませんでした。授業後もみんなざわざわしてましたが、私は授業が終わった後、すぐヒッキーを探しに行きました。でも、居なかったので、あきらめて奉仕部へ向かいました」
小町「お兄ちゃんはどこにいたのでしょうか?」
結衣「分からないけど、ヒッキーがいつもご飯食べてるところがいくつかあって、そのうちのどれかかな?入れ違ったりしたのかもしれないし・・・」
平塚「その可能性は高いな。でも、そのあと奉仕部には来たんだろう?」
結衣「はい。あたしがヒッキーの荷物を持って部室に行ったので、一度教室を覗いてから来たんだと思います。あたしは先にゆきのんに話してて・・・」
22: ZAKI◆1sN2SBRQUQ [saga] 2017/10/28(土) 22:30:20.00 ID:wbdBcasA0(20/59) AAS
―回想・奉仕部―
結衣「やっはろー・・・。ゆきのん」
雪乃「こんにちは、由比ヶ浜さん。どうしたの?すごく暗いじゃない」
結衣「えっとね。・・・。〜ってことがあって、ヒッキー大丈夫かな?」
雪乃「そんなことがあったのね。でも、彼のことだから、いつも通りの捻くれた理論で逆に言いくるめてるんじゃない?ヘタレの比企谷くんが本当にやったとは思えないし」
結衣「ヘタレって。まぁあたしもヒッキーがやった訳じゃないとは信じてるけどさ」
雪乃「彼がやったというよりも、誰かの策略で加害者にされたという方が現実的だわ。特に文化祭では悪目立ちしてしまったわけだし」
結衣「そうだね。そうなると、やっぱり、さがみんかな?」
雪乃「第一重要参考人としてはそうね。でも、今の話を聞くだけでは根拠がなさすぎるわ」
結衣「確かにね。あっヒッキー来たかな?」
省19
23: ZAKI◆1sN2SBRQUQ [saga] 2017/10/28(土) 22:31:17.12 ID:wbdBcasA0(21/59) AAS
小町「それでいつもより早く帰宅したんですね」
結衣「そうだね。うう、ヒッキー・・・」
平塚「由比ヶ浜泣くな。泣いても変わらんじゃないか。今はこらえるんだ」
結衣「は、はい・・・」
平塚「それで家に帰ってきたんだな。学校でのことは以上か?」
結衣「そうですね。そのあと、いろはちゃんが部室に来たので、それまでの話をして、代わりに生徒指導室の話を聞きました。いろはちゃんは何が何でも追いかけるべきだったって悔やんでました。それがあの日あったことです」
平塚「そうか。比企谷も災難だったな。それで、帰ってきた比企谷とは何があったんだい、小町くん?」
小町「はい。これは偶然でしかないのですが、お兄ちゃんがそんなに傷ついて帰ってきたとは知らず・・・」
24: ZAKI◆1sN2SBRQUQ [saga] 2017/10/28(土) 22:32:10.28 ID:wbdBcasA0(22/59) AAS
―回想・比企谷家―
小町「あっれー、おかしいなぁ、。小町のパンツがない。お気に入りの奴なのにー」
八幡「・・・ただいま」
小町「お兄ちゃん、小町のパンツ知らない?」
八幡「いや・・・」
小町「お兄ちゃん?いくら小町が可愛くて、小町のことが好きでも、妹のパンツを盗んだりしちゃだめだよ?」
八幡「・・・小町は俺が盗んだと思っているのか?」
小町「まあね!小町可愛いからね!なーんて・・・」
八幡「チッそうかよ!結局はみんな、普段から腹の底で疑う相手は俺なのかよ!」
小町「えっ?お兄ちゃん?」
省2
25: ZAKI◆1sN2SBRQUQ [saga] 2017/10/28(土) 22:35:44.65 ID:wbdBcasA0(23/59) AAS
小町「そのまま、自分の部屋に行ってしまって・・・。それから呼びかけても返事もしてくれません」
平塚「なるほど。普段ならともかく、タイミングが悪すぎたな・・・」
小町「知らなかったとはいえ、壊れかけて帰ってきたお兄ちゃんに最低のことをしてしまいました。それさえしなければ、家の中だけは居場所を守れたのに。夜に結衣さんから電話をしてもらって、学校でのことを知りました。結局、猫のカーくんがおもちゃにしているだけでしたし」
平塚「いつものじゃれあいがこんなことになってしまうとはな。比企谷の食事はどうしてる?」
小町「部屋の前に置いています。でも、少ししか食べてくれません」
平塚「そうか。ご両親はどう言っておられるのだ?」
小町「元々、いつも仕事で学校に行っていないことも気づいていませんでした。気付いたのは学校を休んで3日目ですね。学校から母に電話があったようで、その日に小町が両親に言いました。話を聞いたお父さんが始めはドアを壊してでも引っ張り出すって言ってたんですけど、小町がお願いして止めてもらいました」
平塚「お父上の気持ちも分からんではないが・・・」
小町「とりあえず無理やりするのは、1週間待ってもらう約束をしています」
結衣「あと2日しかないんだね」
省18
26: ZAKI◆1sN2SBRQUQ [saga] 2017/10/28(土) 22:37:06.53 ID:wbdBcasA0(24/59) AAS
順番ミスりました。もう一回やりますね
27: ZAKI◆1sN2SBRQUQ [saga] 2017/10/28(土) 22:38:50.38 ID:wbdBcasA0(25/59) AAS
小町「そのまま、自分の部屋に行ってしまって・・・。それから呼びかけても返事もしてくれません」
平塚「なるほど。普段ならともかく、タイミングが悪すぎたな・・・」
小町「知らなかったとはいえ、壊れかけて帰ってきたお兄ちゃんに最低のことをしてしまいました。それさえしなければ、家の中だけは居場所を守れたのに。夜に結衣さんから電話をしてもらって、学校でのことを知りました。結局、猫のカーくんがおもちゃにしているだけでしたし」
平塚「いつものじゃれあいがこんなことになってしまうとはな。比企谷の食事はどうしてる?」
小町「部屋の前に置いています。でも、少ししか食べてくれません」
平塚「そうか。ご両親はどう言っておられるのだ?」
小町「元々、いつも仕事で学校に行っていないことも気づいていませんでした。気付いたのは学校を休んで3日目ですね。学校から母に電話があったようで、その日に小町が両親に言いました。話を聞いたお父さんが始めはドアを壊してでも引っ張り出すって言ってたんですけど、小町がお願いして止めてもらいました」
平塚「お父上の気持ちも分からんではないが・・・」
小町「とりあえず無理やりするのは、1週間待ってもらう約束をしています」
結衣「あと2日しかないんだね」
省10
28: ZAKI◆1sN2SBRQUQ [saga] 2017/10/28(土) 22:39:18.25 ID:wbdBcasA0(26/59) AAS
平塚「おっとすまない。つい感情的になってしまった。だが、こういう事情で学校も動かない。私は比企谷を信じてはいるが、今の状況で迂闊に強引な行動をするのは難しくてな。私の立場などはどうでもいいが、女生徒の傷をという部分は正しいのでな。本当にすまない」
小町「いえ、先生が悪いわけではないですから・・・」
結衣「うーん、あと2日でヒッキーが家の中だけでも出てこれるようにか・・・」
平塚「難題だな。こんな時、比企谷に相談できたらなどと思ってしまう辺り、あいつには本当に助けられていたのだと実感するよ」
結衣「本当にそうですね。ヒッキー・・・」
平塚「おっと、こんな時間だし、そろそろ私は帰らせてもらうよ。二人ともすまないが、よろしく頼む。私にできることがあれば、なんでも言ってくれ」
小町「はい、ありがとうございます」
平塚「私は無力だがな・・・。では、ありがとう。ご両親にも宜しく」
小町「はい、お気をつけて。・・・結衣さん、私たちも食事にしましょうか」
結衣「そ、そうだね。実は楽しみにしてたんだ!」
省2
29: ZAKI◆1sN2SBRQUQ [saga] 2017/10/28(土) 22:40:12.48 ID:wbdBcasA0(27/59) AAS
―台所―
平塚先生が帰った後、小町は結衣さんとご飯を食べるために、台所に来た。今日はお鍋なので、温め始める。先に一人前を別に用意しておく。お兄ちゃんに熱々を届けるために。
結衣「小町ちゃん、何か手伝えることはある?」
小町「そうですね・・・。あ、じゃあお兄ちゃんに届けてもらえますか?声かけて、部屋の前に置いてもらえれば良いので」
結衣「うん、分かった!調理するのはちょっと不安だったんだよね。それなら任せて!」
ああ、そういえば昔、結衣さんのクッキーでお兄ちゃんが・・・。調理手伝ってもらわなくて助かったかも・・・。
結衣「じゃあ、行ってくるね!」
小町「はい!階段に気を付けてくださいね!」
30: ZAKI◆1sN2SBRQUQ [saga] 2017/10/28(土) 22:41:09.38 ID:wbdBcasA0(28/59) AAS
―八幡の部屋の前―
なんとかこぼさずに持ってこれた。今日2回目の挨拶をする。返事してくれるかな?
結衣「ヒッキー!やっはろー!今日はお鍋だよ、熱々だよ!」
少し待ったが、返事はない。まあある程度予想はできたことだ。
結衣「お鍋置いたからね!冷めないうちに食べてね!」
そう返事のない扉の向こうに声を掛け、下に降りようとする。
その時、声が聞こえた・・・
八幡「・・・由比ヶ浜か?」
結衣「ヒッキー!!そうだよ!あたしだよ!」
31: ZAKI◆1sN2SBRQUQ [saga] 2017/10/28(土) 22:42:20.16 ID:wbdBcasA0(29/59) AAS
やっと声が聞こえた。やっと。1週間ぐらいとはいえ、とても久しぶりに感じる。でも、次に聞こえたのは聞きたくない言葉だった。
八幡「今までありがとう。だが、もう来なくていい。そっとしていてくれ」
結衣「なんで、なんでそんな悲しいこというの!?あ、私が悪かったから?ヒッキーを助けられなかったから?」
私は涙を堪えながら叫ぶ。
結衣「それは、本当にごめんなさい。あ、あたしが嫌ならもう来ないよ。でも小町ちゃんには話してあげて?心配してるから!今日だって、ヒッキーのためにお鍋作ってくれたんだよ!」
八幡「小町にも伝えてくれ、今までありがとうってな。それから、飯も、もう用意しなくていいって」
結衣「何言ってるの!?人に会いたくないのは分かるよ!でも、食べなきゃ死んじゃうじゃん!」
八幡「ああ。そのつもりだ」
その時あたしは自分が考えていた以上にヒッキーの傷が深かったことを知った。
八幡「前から俺は、居ても居なくてもいい人間だとは思っていたし、そういう人間であろうとした。人間関係を希薄にし、人に頼らず、頼られずな」
省17
32: ZAKI◆1sN2SBRQUQ [saga] 2017/10/28(土) 22:42:56.71 ID:wbdBcasA0(30/59) AAS
―小町の部屋―
結衣さんが気になってお兄ちゃんの部屋の前に行ったら、号泣する結衣さんが居た。そこで何があったのか嗚咽しながら話す結衣さんから聞いた。お兄ちゃんが死のうとしていることを。
どうにかしないとという気持ちより、悲しさを先に感じた。そのまま、お兄ちゃんを呼び続けたけど反応はなく、食欲もなくなったので、申し訳ないけれど結衣さんには帰ってもらった。
結衣さんはなんとか泣くのをやめ、私を心配しながら帰っていった。
小町はお兄ちゃんのことを、昔から最近までのことをずっと考えて、そのうちに泣きつかれて寝てしまった。
33: ZAKI◆1sN2SBRQUQ [saga] 2017/10/28(土) 22:44:04.95 ID:wbdBcasA0(31/59) AAS
―結衣の部屋―
結衣「小町ちゃん、ヒッキー・・・」
さっきまでのことが衝撃過ぎて、頭がぼーっとする。お母さんには心配されたけど、大丈夫とだけ伝えて部屋に入ってきた。
これからどうしよう。ヒッキーが死ぬのは絶対嫌だ。でも、あたしに何ができるのだろうか。1人じゃ何もできない。こんな時はいつもヒッキーに相談してた気がする。
結衣「とりあえず、先生に報告しよう・・・」
あたしは先生に電話する。
平塚「おう、由比ヶ浜か。家に帰ったのか?」
結衣「先生・・・。ヒッキーが死んじゃう・・・」
平塚「どういうことだ、由比ヶ浜」
結衣「さっきヒッキーと話して・・・〜〜」
省18
34: ZAKI◆1sN2SBRQUQ [saga] 2017/10/28(土) 22:44:57.12 ID:wbdBcasA0(32/59) AAS
ちょっと飯食いに行ってきます。コメント等あれば、やる気出ますのでお願いします
35: ZAKI◆1sN2SBRQUQ [saga] 2017/10/28(土) 23:05:56.45 ID:wbdBcasA0(33/59) AAS
ただいまです。でもだれも見ていないですね・・・。まぁ続けますね
36: ZAKI◆1sN2SBRQUQ [saga] 2017/10/28(土) 23:07:34.71 ID:wbdBcasA0(34/59) AAS
―学校―
あたしは誰に声を掛けるべきか、ほとんど寝ずにしっかりと考えた。1人でも取りこぼしてはいけない、全員に声をかける必要があると考えたからだ。
絶対全員集める。そんな風にしっかりと心構えをして教室に入った。
結衣「やっはろー、みんな」
三浦「おはよ、結衣。ってあんた目真っ赤だし!寝不足?」
結衣「うんちょっとね」
海老名「結衣、比企谷くん関連でなにかあったの?」
戸部「今日はきょろきょろしてなかったべ?」
葉山「どうしたんだい?僕らができることがあれば、教えてくれるかい?」
結衣「うん。ヒッキーのことなんだけど、大事な話があるの。放課後、奉仕部に来てくれないかな?」
省18
37: ZAKI◆1sN2SBRQUQ [saga] 2017/10/28(土) 23:08:37.99 ID:wbdBcasA0(35/59) AAS
―生徒会室―
結衣「いろはちゃん!お昼にごめんね!今大丈夫?」
いろは「由比ヶ浜先輩?ええ、大丈夫ですけど。珍しいですね、どうされたんですか?」
結衣「えっとね、ヒッキーのことで大事な話が合って、放課後に奉仕部に来てほしいんだ!」
いろは「先輩のことですか?なら、絶対行きますよ!仕事なんか、副会長に任せれば良いですから!」
結衣「それはどうかと思うけど・・・。でも今日はそれでもいいから来て!」
いろは「はい!約束です!」
これで全員集まったかな?誰か一人忘れているような・・・。
38: ZAKI◆1sN2SBRQUQ [saga] 2017/10/28(土) 23:09:31.57 ID:wbdBcasA0(36/59) AAS
―奉仕部―
結衣「みんな来てくれてありがとう!」
放課後になって、奉仕部にみんなが集まってくれた。小町ちゃんにも事前にメールしたので、こっちに来てくれている。
雪乃「この部屋に人がこんなにいるなんて初めてだわ・・・」
戸塚「さすが八幡だね!」
三浦「結衣。早く話すし」
結衣「それじゃあ、聞いてもらいたいんだけど。ん?」
急にドアが開いた。一瞬、平塚先生かなと思ったけど、そうじゃなかった。
材木座「八幡―!原稿みてー!って、この人数はなんじゃあ!?」
沙希「何こいつ・・・」
省6
39: ZAKI◆1sN2SBRQUQ [saga] 2017/10/28(土) 23:11:49.53 ID:wbdBcasA0(37/59) AAS
葉山「そんなことになっていたとは・・・」
戸塚「八幡。死ぬなんて思っちゃだめだよ・・・」
いろは「先輩!なんでそんなの選ぶんですか!」
小町「うっ、ひっく、うわぁぁぁん、お兄ちゃあん!!」
沙希「小町、こっちおいで。よしよし。比企谷のやつ・・・」
雪乃「ごめんなさい、ごめんなさい、ごめんなさい、ごめんなさい、ごめんなさい、ごめんなさい、ごめんなさい、ごめんなさい、ごめんなさい、ごめんなさい、ごめんなさい、ごめんなさい」
三浦「雪ノ下、泣きすぎだし!まだ死んでねえっつの」
戸部「まだ、どうにかできるべ!」
海老名「そ、そうだよ。だから、結衣も泣かないで・・・」
結衣「うん・・・。でも、あたしのせいで・・・」
省14
40: ZAKI◆1sN2SBRQUQ [saga] 2017/10/28(土) 23:12:31.21 ID:wbdBcasA0(38/59) AAS
ただ、一人を除いて。
雪乃「ごめんなさい、ごめんなさい、ごめんなさい、ごめんなさい、ごめんなさい、ごめんなさい、ごめんなさい、ごめんなさい、ごめんなさい、ごめんなさい、ごめんなさい、ごめんなさい」
平塚「雪ノ下!泣いてたって仕方ないんだ!その言葉を本人に直接言わなければ意味ないじゃないか。そうだろう?」
雪乃「ですがっ!私は、今回だけでなく、うぅ、いつも、ひどい言葉を・・・ひっく」
平塚「だったら、なおのことだ。比企谷と面と向かって、それから謝るんだ。そして、それをするために今は泣き止め。」
雪乃「ひっく、・・・はい」
平塚「よし。それじゃあ、どうすれば比企谷が生きる希望を持てるか。死ぬという考えから変われるか、話し合おうじゃないか」
やっとみんな、少しだけ前向きになって話し始めた。さすが平塚先生だなぁ。でも、そんな簡単には誰も解決策なんて見つけられなかった。
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