プログラマひと夏の経験 (23レス)
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6: 仕様書無しさん [sage] 08/06(水)14:52
夏の昼間。空腹を覚えたおれは冷蔵庫を開けた。
扉の向こうには、庫内のライトに照らされた、がらんとした空間が広がっていた。何も無い。
いや唯一、ドアポケットにお醤油が入っていた。
だけれど、お醤油は食べれない。

腹の虫が鳴る。
何か食べなければいけない。

考えあぐねた、おれはアパートの隣の部屋を訪ねた。
ドアを叩いて、こんにちわ、と声をかける。
はーい、と高い声とともに足音が近づいて来きた。
ドアが開く。

このアパートに来てから初めて隣人に会う。
開いたドアの隙間から、整った目鼻立ちに、丸いフレームのメガネを乗せた、25歳くらいの女性が顔を覗かせた。
軽い挨拶を交わし、ちょっとなにか食べさせてくれませんかと、女性の眼鏡越しの目を見つめながら、
おれはそう告げた。
女性は困った感じの微笑みを浮かべながら、左手の人差し指でかるく眼鏡を持ち上げた。
すこしの間、沈黙が流れる。おれは女性が眼鏡にやった腕を見ていた。白く細い腕だった。

室内の窓が開いているのか、時折、風に乗って、後ろで縛ったセミロングの髪からシャンプーのいい匂いが流れてくる。

僅かな時間、間があき女性が口を開いた。

良いですよ、どうぞ。
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