気になる英文を張り付け、気ままに語るスレ・2 (557レス)
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493: 名無しさん@英語勉強中 (ワッチョイ 6513-M2FD) [sage] 2024/04/05(金)12:27 ID:0stKULRZ0(1/5)
>>487に関する[訳についての補足説明]

・I met a nineteen-year-old American girl who 〜
(私は19歳のアメリカ生まれの女性に出会った)

ここは最初は「私は19歳のヤンキー娘に出会った」にしようかと思った。
「ヤンキー」はもちろん「アメリカ人」の俗称で、本をよく読んでいる人間にとっては
誤解の余地はないけれど、現代日本では「暴走族に属している金髪ネーチャン」と
いうようなイメージが強い。そういう万が一の誤解を避けたかったのである。ちょっと
考えすぎかもしれない。
494: 名無しさん@英語勉強中 (ワッチョイ 6513-M2FD) [] 2024/04/05(金)12:30 ID:0stKULRZ0(2/5)
>>487に関する[英文解釈上の補足説明]

・From being a deadweight on society I had become a romantic.
(社会のお荷物になっていたので、私は突拍子もないことを考える人間になっていたのだ。)

まず、romantic という単語について。

ここの romantic は「現実離れした、普通の人ならまず考えないようなことを考える
人間」ぐらいの意と解される。
「ロマンチック」や「ロマンチスト」などの言葉から連想するような恋愛の要素は
ここには含まれていないであろう。

短く言えば「空想家」・「夢想家」ということになるが、この文章を「社会のお荷物に
なっていたので、私は空想家になっていたのだ」とするのは、やや違和感がある。というか、
ほとんど意味不明である。

Oxford Learner's Dictionaries の定義では、
a person who is emotional and has a lot of imagination, and who has ideas and
hopes that may not be realistic
と出ている。

(続く)
495: 名無しさん@英語勉強中 (ワッチョイ 6513-M2FD) [sage] 2024/04/05(金)12:33 ID:0stKULRZ0(3/5)
(続き)

・上の文章では、〜 I had become a romantic. と、過去完了形が使われていることを
無視してはならない。
過去完了形が使われているのは、前の文章で 〜 we decided 〜 という過去形が出ていた
からである。この decide した過去を基準として、それよりももっと前のことを表すのに
過去完了形が使われているわけである。
叙述展開は I had become a romantic が後になっているが、時間的にはこちらが前である。

すなわち、
「私は突拍子もないことを考える人間になっていた」→ 『それで、イギリスを離れ、
異国の土地で暮すという思い切った考えに魅了された』
という展開である。

本文に沿って言えば、
『イギリスを離れ、異国の土地で暮すという思い切った考えに魅了された』。というのも、
(既に)「私は突拍子もないことを考える人間になっていた」からである。

という風に、 I had become a romantic が、前の文章の原因・理由を説明する形になって
いる。であるから、別の言い方としては because などの接続詞を用いて表現してもよい
ところである。しかし、英語は、日本語では普通接続詞を使うところでそれを使わず、
論旨展開に沿うことで原因・理由を表すことが珍しくない。ここでは、過去完了形を
使うことによって自然にそれが表されている。

英文を読む際に、このように過去完了形が現れた場合、その時間的順序をきちんと
把握すること、それが因果関係を表している場合があることなどに留意しなければならない。

(続く)
496: 名無しさん@英語勉強中 (ワッチョイ 6513-M2FD) [sage] 2024/04/05(金)12:44 ID:0stKULRZ0(4/5)
(続き)

・From being a deadweight on society I had become a romantic.
(社会のお荷物になっていたので、私は突拍子もないことを考える人間になっていたのだ。)

この文章はひょっとするとピンとこない人もいるかもしれない。
日本語の訳文を読めば、それほどわかりにくくはないと思うが、最初にこの英文の
〜 I had become a romantic を読んだ時にすぐにわかるかどうか。

結局、言っていることは難しくはない。
社会から自分が役に立たない存在と思われている、無用の存在・余計な存在である、
そういう意識から人はやがてとんでもない考えを抱くようになる。極端な場合は、
無差別殺人を犯すに至ったりするのである。

また、別の形として、「社会が俺を必要としていないのであれば、逆にこちらの方から
社会と縁を切ってやる」というような、自暴自棄的、自虐的な考えに至ったりもする。

(続く)
497
(1): 名無しさん@英語勉強中 (ワッチョイ 6513-M2FD) [sage] 2024/04/05(金)12:50 ID:0stKULRZ0(5/5)
(続き)

上のような感情は特別なものではない。普遍的なものと言っていいであろう。
日本文学にもずっと昔にその先蹤を見出すことができる。
日本文学の源流と言われる『伊勢物語』のあの有名な一節を思い出していただきたい。
すなわち、

--------------------------------------------------
(第九段)

昔、男ありけり。その男、身をえうなきものに思ひなして、京にはあらじ、東の方に
住むべき国求めにとて行きけり。〜
--------------------------------------------------
(昔、男がいました。その男は、わが身を必要のない者と思い込んで、京にはおるまい、
東の方で住むのに適した国を探すためにと思って出かけました。)(「マナペディア」
から引用)

この他にも、自分が「無用者」、「余計者」という意識を抱いていた文学者は数多い。
唐木順三氏には『無用者の系譜』という著作がある。

シリトー氏は肺結核を患っていたので気候温暖な南国を選ぶことになったのであるが、
伊勢の主人公(在原業平がモデルと言われている)は特に健康上の支障はなかったので、
格別なあてもなく、単に京都から僻遠の地である東(あづま)の国、武蔵、すなわち、
現在の東京首都圏に至ったのであった。

それにしても、シリトー氏のエッセイを読んでいて『伊勢物語』に出会うとは思っても
みなかった(笑)。
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