ゆるキャン△二次創作スレ (788レス)
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抽出解除 必死チェッカー(本家) (べ) 自ID レス栞 あぼーん
781: 05/14(水)10:02 ID:kbQP1QLG(1) AAS
ふわりとした春の陽光が、本栖湖畔を優しく包み込む昼下がり。風に揺れる木々の葉擦れが、微睡みを誘う子守唄のように響いていた。そんな穏やかな空気は、突然、闖入者の言葉によって引き裂かれた。
「りんちゃんさ、お姉ちゃんと付き合ってるの?」
屈託のない笑顔を向けながら、なでしこは核心を突く言葉を放った。その瞬間、クールな湖面のように静謐だった志摩リンの表情が、目に見えて揺らぐ。蜜のように甘美で、同時に禁断の香りを孕んだ問いかけに、彼女の心臓は激しく鼓動を始めた。
「えっ!……あっ」
まるで時が止まったかのような沈黙の後、志摩リンの細い指先から、愛用の小型グリルが滑り落ちた。鈍い金属音を立てて地面に転がるそれは、彼女の平静を象徴するかのようだった。
「な、何言ってるんだっ」
普段はどんな状況でも冷静沈着を崩さないソロキャンパーの女王が、今や完全に狼狽えている。その様子は、長年彼女を観察してきたなでしこにとって、蜜のように甘い一幕だった。
「聞いてみただけだよ」
なでしこは小悪魔のように微笑む。その無邪気な言葉とは裏腹に、彼女の瞳の奥には、確かな探りが見え隠れしていた。
「そ、そうなんだ?」
志摩リンの声は裏返り、普段の凛とした響きを失っている。彼女の脳内は、激しい嵐が吹き荒れた後のように混乱していた。まさか、こんな形でその関係が明るみに出そうになるとは。
思えば、あの雪解けのような微笑みに惹かれたのは、必然だったのかもしれない。姉である桜の、包み込むような優しさと、時折見せる大胆な仕草。二人きりの焚火を囲む夜、交わした熱い吐息。それは、誰にも言えない秘密の蜜の味だった。
キャンプブームの立役者でありながら、恋愛とは無縁のストイックなイメージを保ってきた志摩リンにとって、これは致命的な状況だ。特に、相手が同じキャンプ仲間の姉というのは、倫理的に許されない背徳の行為。ゆるキャン△の純粋な世界観を壊してしまうかもしれない。
(隠さなければ……絶対に)
志摩リンは心の中で強く誓った。
「か、からかうなよ」
精一杯の虚勢を張る彼女の声は、どこか頼りない。視聴者の夢を守るため、彼女はこれまでも私的な感情を押し殺してきた。だが、今、その努力は砂上の楼閣のように崩れ去ろうとしている。
もし、なでしこと桜という二人の間で揺れ動く彼女の姿が露見したら、ファンはどう思うだろうか?清廉潔白なイメージは地に落ち、非難の嵐が吹き荒れるに違いない。
「じゃあ、もうお姉ちゃんと会わないでね?」
だが、なでしこの追及は容赦なかった。その言葉には、独占欲にも似た強い感情が込められている。
「そ、それは……」
言葉に詰まる志摩リン。山梨の景色と共に、多くの人々の心を癒してきた彼女は、今、もう一人の主人公であるなでしこの、底知れない感情の深淵に追い詰められていた。彼女の秘密の恋は、果たしてどのような結末を迎えるのだろうか。湖畔に吹く風だけが、その行く末を知っているようだった。
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