実は「軍艦」じゃなかった「雪風」 映画鑑賞の前に知っておきたいマメ知識 [きつねうどん★] (9レス)
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1: きつねうどん ★ 08/14(木)12:52 ID:NbFUFmc5(1) AAS
なにを「駆逐」するフネなの?

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映画『雪風 YUKIKAZE』より。駆逐艦は高速、小回りがきく艦種で、実にさまざまな役割を担った (C)2025 Yukikaze Partners.

 2025年は戦後80年という節目の年です。映画『雪風 YUKIKAZE』は、その終戦記念日である8月15日に公開を控えています。

 同作は、実在する旧日本海軍の駆逐艦「雪風」の史実に基づいた物語です。人名、事象、時制などに架空の設定が含まれますが、これまで語り継がれてきた同艦や関係者のエピソードが随所に盛り込まれています。詳しい人は、思っていた以上に史実をなぞっているという印象を受けるかもしれません。

 鑑賞に際し必要な知識はほとんどありませんが、知っておくとより深く味わえるであろうことはいくつかあります。そのひとつが、「そもそも駆逐艦とはなんぞや」という点でしょう。

 駆逐艦とは、その名の通り、もともとは敵の「水雷艇」(魚雷などを主兵装とする小型のフネ)を「駆逐」するために生まれた艦艇です。しかし、戦場の変化や技術の進歩などにより、時代が進むにつれその役割はどんどん広がっていきます。

 太平洋戦争時、旧日本海軍におけるそれは、戦艦や空母といった「主力艦」に比べ小型であり、高速で小回りがきくことから、まさに「何でも屋」と呼ぶにふさわしい、さまざまな役割を担っていました。

 そのひとつは、世界でもトップクラスの能力を誇るといわれた「水雷戦」です。駆逐艦と、これよりひと回り大型の軽巡洋艦とで編成された「水雷戦隊」は、その速度を活かして敵主力艦へ肉薄、高性能な「酸素魚雷」などを駆使してこれを撃破する、といった戦法で戦いました。

 またあるときは、味方主力艦の護衛も務めます。そうしたときの駆逐艦の役割は、おもに敵潜水艦への対処でした。防空能力、すなわち敵航空機への対処能力を強化したタイプの駆逐艦も見られます。主力艦のみならず、貨物船やタンカーなどの輸送船を護衛するのも、駆逐艦の重要な任務でした。

 その高速性能を活かし駆逐艦自らが物資を輸送することもあり、夜陰にまぎれドラム缶をえい航するその姿は「鼠(ねずみ)輸送」とも呼ばれています。そしてそのような輸送が必要となるのは、敵の警戒網を突破する必要のある危険な島しょ部でした。

 このように旧日本海軍の駆逐艦は実にさまざまな役割を担っており、言い換えれば酷使された艦種、ということになるでしょう。休むまもなく危険な海域での任務に投入され、太平洋戦争開戦時に100隻を超えていた駆逐艦は次々と沈んでいきました。

 なお、ひと口に駆逐艦といっても、いくつかの種類があります。旧日本海軍においては、最終的には基準排水量1000トン以上の一等駆逐艦、それ未満の二等駆逐艦が存在しました。さらに「甲型駆逐艦(陽炎型、夕雲型)」「乙型駆逐艦(秋月型)」といった分類もあります。「雪風」は、基準排水量2000トンクラスである陽炎型駆逐艦の8番艦です。

 そして、旧日本海軍において駆逐艦は、狭義の「軍艦」には分類されていません。狭義の軍艦とは(艦種としての)戦艦、巡洋艦、航空母艦などある程度以上の規模や格式を有する船舶とされています。さらにこれら軍艦には、艦首に菊花紋章が付されていました(例外あり)。

 よって駆逐艦は「艦艇」ないし「艦船」などと表現され、菊花紋章もありません。ただこれは卑下するようなものではなく、逆に「駆逐艦乗り」という気概や誇りがあったという、元乗組員の声が残されています。

(マグミクス編集部)

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