サイバーパンク総合 (359レス)
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355: 07/15(火)09:21 ID:hwNtaeMz(1) AAS
「ああ……もっと……」

薄暗い部屋に、私の喘ぎ声だけが響く。身体中を駆け巡る電流が、私を快楽の淵へと誘う。ネオンの光がちらつく窓の外は、雨に煙るサイバーパンクの街並み。私にとって、この部屋こそが唯一の現実だった。

プラグが差し込まれた首筋から、脳へと直接流れ込むデータ。それはあらゆる快楽をシミュレートし、私を現実から切り離す。痛みも、悲しみも、ここには存在しない。ただ、純粋な、底なしの快楽だけが私を包み込む。

「これじゃ……足りない……」

もっと深く、もっと激しく。私は無意識のうちに、腕のダイヤルを回す。電流の刺激が増し、全身が痺れるような快感に包まれる。意識が遠のき、私は快楽の波に完全に身を委ねた。

もう、何時間こうしているだろう。いや、何日かもしれない。時間の感覚はとっくに失われていた。私を繋ぎ止めるものは何も無い。家族も、友人も、仕事も、全てが過去の幻影。ただ、この快楽だけが、私の存在を証明してくれる。

「くっ……!」

快楽が頂点に達し、私の身体は大きく跳ね上がった。全身の細胞が歓喜に震え、脳髄が痺れる。あまりの快感に、涙が頬を伝う。これは、悲しみからくる涙ではない。純粋な、喜びの涙だ。

しかし、快楽の波が引くと同時に、空虚感が私を襲う。このままではいけない。そう、頭では分かっている。でも、この快楽から抜け出すことなんて、私にはもうできない。

私は再び、ダイヤルに手を伸ばす。ネオンの光が、私の虚ろな瞳を照らしていた。
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