[過去ログ] 【艦これ】赤城「……さて、と」提督「昔話を、しようか」 (1002レス)
前次1-
抽出解除 必死チェッカー(簡易版) レス栞 あぼーん

このスレッドは過去ログ倉庫に格納されています。
次スレ検索 歴削→次スレ 栞削→次スレ 過去ログメニュー
212: ◆hsyiOEw8Kw [saga] 2015/05/05(火)22:44 ID:m9laGpqPO携(1/8) AAS
ある日


雷「あっつー……」

昼、訓練上がりの雷は艤装を収納し、訓練所から艦娘寮へと向かっていた。
太陽の光を遮る物は何もなく、げんなりするような暑さが辺りを支配している。

雷「はぁぁ……訓練用の魚雷は撃ったら回収しないといけないし……
疲れたわ……」

汗で服が肌に張り付き、不快だ。
早くお風呂に入りたい。
もうすぐ寮だ。

雷「……あ」

しかし、艦娘寮まであと一歩のところで仕事を思い出した。

雷「……艤装の整備しないと……私としたことが、忘れてたわ……提督にまた艤装装備の許可、貰わなきゃ……」

何故ここまで戻ってきてしまったの……と自分に苛立ちを覚えつつも、雷は重い足を執務室へと向けた。

213: ◆hsyiOEw8Kw [saga] 2015/05/05(火)22:45 ID:m9laGpqPO携(2/8) AAS
執務室


提督「ふむふむ……」

提督は執務室で『ある書類』をペラペラとめくっていた。

提督「……中々だな……ふぅ」

提督は少し満足そうだ。
そのまま椅子の背もたれに全体重を掛ける。
椅子が少し傾き、ミシ、と音がした。

提督「(……しっかし、こんな所を艦娘たちに見られたら……失望されるだろうな、間違いなく)」

ほ、と溜息。
もう一度、目だけ動かしてチラリと『書類』を眺める。

提督「(……これは彼女達の為だ……俺のーー)」

214: ◆hsyiOEw8Kw [saga] 2015/05/05(火)22:46 ID:m9laGpqPO携(3/8) AAS
提督が悶々としていると、いきなり執務室のドアがバァン!と開いた。
そしてノックも無しに入ってくる雷。

提督「……おぉっ?!」

提督は度肝を抜かれ、そのまま椅子ごと後ろにひっくり返った。

雷「司令官?!ごめんなさい!」

雷が驚いて駆け寄ろうとする。

提督「ま、待て!動くな!」

提督は慌てて起き上がり、机の上の『書類』を隠した。

雷「え、ええ?!」

提督「い、今近寄られると……困る……」

雷「……!」

雷から見ると。
提督は前屈みになって、両手で机の上の何かを隠している。
その下半身は机の影にあって見えない。
そして転けたからか、はぁはぁと荒い息。

215: ◆hsyiOEw8Kw [saga] 2015/05/05(火)22:46 ID:m9laGpqPO携(4/8) AAS
ポクポクポク。

雷はしばらく思考し、何かに思い当たった。

提督「わ、わかってくれたか……?」

提督は雷の様子に気付かない。

雷はぎこちない様子で首を動かして。
提督と目が合った瞬間、その顔は真っ赤になった。

雷「ご、ごめんなさい!今度からちゃんとノックするわ!司令官も男の子だもんね!」

提督「?!……待て!……ご、極秘資料なんだ……!」

雷「極秘資料?!」

雷の頬がさらに赤くなる。
正常な思考をするには、少し島は暑過ぎたのだ。

提督「落ち着け!」

雷「大丈夫大丈夫よ大丈夫私は落ち着いてるわ!」

提督「?!」

216: ◆hsyiOEw8Kw [saga] 2015/05/05(火)22:47 ID:m9laGpqPO携(5/8) AAS
雷「……男の子なんだから極秘資料の一つや二つ、持ってて当たり前よ!
恥ずかしがることなんてないわ!」

提督「扉開いてるんだぞ?!大声を出さないでくれ……!」

雷「そりゃ、こんなに女の子に囲まれてたら……うう、気付いてあげられなくてごめんなさい!」

提督「そこは一生気付かないで欲しい……!」

雷「あ、足柄さんに注意してくるわ!あの人よく夜一緒にお酒飲んでるものね?!
司令官も大変よね!」

提督「?!……やめてくれ!足柄には言うんじゃない!えらいことになる……!」

雷「で、でも万が一の事があったら……!」

提督「無い。大丈夫だ、無い。俺は大人だぞ」

217: ◆hsyiOEw8Kw [saga] 2015/05/05(火)22:48 ID:m9laGpqPO携(6/8) AAS
雷「そ、そうよね!その為の極秘資料よね!……もし無理そうだったら……い、言うのよ?」

提督「言う?!……ま、待て、その理屈はおかしい」

雷「……?……!タイプの話?!」

提督「何が?!」

雷「ショ、ショートとロング、どっちが好きなの?!」

提督「なんの話だ?!」

雷「こ、答えて!」

提督「……(これは……ショートってうちの艦隊だと雷だけじゃないか……
いやそれはマズいだろ……しかし、ロングと言って大丈夫なのか……?)」

雷「……」

提督「……(……いや、この状況で本人を目の前にしてショートとはいえん。……くっ……)」

提督「……ロ、ロング」

雷「っ……」

提督「……(どう動く……?)」ゴクリ

雷「……皆に言わなきゃ」ダッ

218: ◆hsyiOEw8Kw [saga] 2015/05/05(火)22:49 ID:m9laGpqPO携(7/8) AAS
提督「(どっちも地雷だったじゃないか……!)
ま、待て!雷!待ってくれ!」

執務室から駆け出した雷を追って、提督も執務室を出ようとした。
と。
頬を紅潮させて、ドアの影で俯く榛名を発見してしまった。

提督「……」

榛名「……」

提督「……」

榛名「……あの」

提督「……」

榛名「……榛名は、大丈夫ですよ?」

長い髪の毛をいじいじしながら、上目遣いで言われて。

提督「……聞いてたのか」

提督は目眩を感じた。

榛名「うう……榛名はなんてはしたないことを……!は、恥ずかしいです……!」

榛名は真っ赤になって、パタパタと逃げていく。

提督「これは……大変な事になったぞ……」

提督の噂は一瞬で基地中を駆け巡った。

219: ◆hsyiOEw8Kw [saga] 2015/05/05(火)22:53 ID:m9laGpqPO携(8/8) AAS
ここまで


戦闘シーンをうまく描きたい……!

前次1-
スレ情報 赤レス抽出 画像レス抽出 歴の未読スレ AAサムネイル

ぬこの手 ぬこTOP 0.035s