[過去ログ] 【艦これ】赤城「……さて、と」提督「昔話を、しようか」 (1002レス)
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580: ◆hsyiOEw8Kw [saga] 2015/05/30(土)00:12 ID:9/vbkoCzO携(1/8) AAS
提督『概ね計画通りだな。
さて、榛名。お前にはこれから更に南下してもらう』

そう言って、提督は作戦を切り出した。

提督『敵は減速している。海域南端に到達後、回頭して敵の南東から接近、側面を叩け』

榛名『榛名、了解です!』

敵艦隊は海域の南端付近を真西へと航行している。
故に、北と西を最も警戒すると考え。
南東からの接近ならば、発見が遅れる可能性が高い。

提督『足柄。南東から榛名が敵を狩り出す。
敵は北西に逃れようとするだろう。
北北西に居るお前は、現在地で待ち伏せし、これを叩け』

足柄「足柄了解」

提督『鳳翔、雷はこのまま南下を続けろ。島群の真西に陣取り、艦載機の拠点となって貰う』

空母が敵に近い程、短い間隔で艦載機の補給を行え、攻撃できる回数が増える。
しかし、その分接近される危険性も高くなるのだが。

今回は榛名が南から攻め上がる為、提督は敢えて南下させる事で敵を遠ざけようとした。

鳳翔『鳳翔了解』

雷『雷了解よ』

提督『彩雲排除が接近開始の合図だ。各員、抜かるなよ。臨機応変にな』
581: ◆hsyiOEw8Kw [saga] 2015/05/30(土)00:26 ID:9/vbkoCzO携(2/8) AAS
………
……



北上「いやいや、足柄さん目良すぎでしょ。笑えねーよ」

大井「彩雲上げたその瞬間に見つかったわね……
元々その方向に居るのがわかってるし、注視してたんでしょうけれど……それにしても……」

北上「うーん。太郎さんからしたら、敵が退いたタイミングでなんとか偵察をしたかっただろうに……
ヤバイなぁ!」

うがー!と、頭をワシャワシャ掻き毟る北上。

隼鷹「……しっかし、何で提督は榛名に南下させるんだ?
岩陰でじっとしてた方が航跡も無くて、不意打ちには良いんじゃ無いの?」

北上「停止、或いは減速しての待ち伏せは敵にバレづらいけど、確実に敵を葬れる確証がない限りは得策じゃないよぉ。
人間の足と違い、艦娘は急に加速できないからねぇ」

大井「艤装は停止状態から巡航速度になる迄、時間がかかるわ。
つまり、『停止状態の待ち伏せ』を突破された場合ーー」

北上「ーー通り過ぎて行く敵には追い付けないわ、敵からの良い標的になるわ、とエライ事になるワケよ」

大井「特に今回、待ち伏せを仕掛けるのは榛名さん1人。
固定砲台として4隻を相手にするには、火力が全く足りていないわね」

北上「待ち伏せとは、動的な奇襲に他ならないのだぁ!」

隼鷹「成る程なぁ……」


……
………
582: ◆hsyiOEw8Kw [saga] 2015/05/30(土)01:09 ID:9/vbkoCzO携(3/8) AAS



翔鶴「……艦載機通報。
彩雲6機、全て敵艦載機に発見され、撤退。
敵艦隊の位置不明」

そう言って、ため息と共に翔鶴は彩雲を収容する。

太郎『目敏いな……艦戦は去っていったばかりだったが……
まともに補給せずに出て来たか』

こんなに早く敵と鉢合わせると言う事は。
彩雲が上がった事、及びその位置が敵に露見していたという事だ。

太郎(一体どこから……
見落とし?艦隊付近を別の艦載機が飛んでいる?
いや……思考を読まれた?)

太郎は眉間を押さえた。

翔鶴が信じられない程に追い込まれている。
素早い彩雲が、狭い演習海域で敵の影すら見れない状況は、異常だ。

太郎(……いや、そもそも航空機をほぼ全て喪失している状態が……
とにかく、今は艦娘の目視に頼るしかない)
583: ◆hsyiOEw8Kw [saga] 2015/05/30(土)01:10 ID:9/vbkoCzO携(4/8) AAS
海図を見る。

現在の艦隊の位置は、島群の中心部付近。
島群を半分抜けた計算になる。

太郎(……今の所待ち伏せは無し、か。敵も速度が落ちている艦に合わせていて、島群に到達してない……?
……いや、無いな……
どちらにせよ、そろそろ艦載機の二次攻撃隊が来てもおかしくない……)

本来ならば、艦戦もこれくらいのタイミングで来る筈だ。
それを読んでの彩雲だったのだが。

太郎(……空は一先ず置こう。
敵艦隊が速度を落としているとしたら……近くに居る筈だ)

でなければ、早すぎる対応の説明がつかない。

太郎(最後の観測と照らし合わせて、島群の北西に船団が居ると見て良いだろう。
北西に抜ける……そこに敵が居る筈だ……)

太郎『艦隊、針路3-1-5。敵が近い。気を抜くなよ!』

金剛「針路3-1-5, Roger」

輪形陣を維持したまま、方向転換。

翔鶴「……ごめんなさい、皆さん。
私が足を引っ張ってしまって……」

翔鶴が何度目かの謝罪をする。

584: ◆hsyiOEw8Kw [saga] 2015/05/30(土)01:11 ID:9/vbkoCzO携(5/8) AAS
陽炎「クヨクヨしない!」

金剛「……翔鶴はもう仕事をしたヨ。後は任せナサイ!」

ぽんぽん、と肩を叩いて励ます。

金剛「艤装へのダメージ的にはこっちが有利ネ。
後は榛名さえなんとか出来れば、どうにでもなるヨ」

軽くウインク。
本当は言いたい事もある。
が、今それを言っても、状況の改善は見込めない。
ならば黙っていた方が良いと言うものだ。

陽炎「問題はその榛名さんが、どこに居るかなんだけど……」

摩耶「……今の所、見えねえよなぁ」

金剛「気を抜いてはNo!ヨー」

陽炎「きっと敵も固まってるんじゃないかしら?」

陽炎が楽観的な意見を述べる。

金剛「それはあり得ないネ」

陽炎「そう?」

金剛「敵は無思慮では無いヨ。
何故、艤装を犠牲にしてまで此方の航空戦力を削ったかを考えるネ」

摩耶「……この島群で、事を有利に運ぶため、か」

金剛「Exactly. 今から島群を抜けるまでの時間、そこが一番危ないヨ」

絶対に仕掛けて来る。
その確信が金剛にはあった。

陽炎「そうね……索敵、索敵……」

585: ◆hsyiOEw8Kw [saga] 2015/05/30(土)01:13 ID:9/vbkoCzO携(6/8) AAS
一般的に、強いストレス下での索敵中、意識は前のめりになる。

敵がどこに潜んでいるかわからない。
ならば。
自分達が何事も無く通って来た道より、未だ見ぬ前方に敵が潜む。
そう思えるのは必然だ。

翔鶴「……コマンド、翔鶴。強行偵察を提案、オーバー」

太郎『……翔鶴、コマンド。強行偵察をーー』

太郎と翔鶴が通信している時。

現にそれは、前から来た。

前方。
岩と岩の隙間を縫うように飛ぶ何か。

金剛「Flash, flash, flash!
Contact hostile warbirds, 10 o'clock!」

会話中の無線に割り込んで叫ぶ。
10時の方向に、敵艦載機を見たからだ。

岩場での、艦攻の低空飛行。

それは、空母にとって難易度が高いが。
同時に隠匿効果も高く。
故に、接近に気付くのが遅れる。

金剛の声に呼応して、全員が対空兵器を構えた。

太郎『接近を許すな!放て!』

号令と共に発砲。
張られる弾幕。
586: ◆hsyiOEw8Kw [saga] 2015/05/30(土)01:18 ID:9/vbkoCzO携(7/8) AAS
前方からの艦載機に、対処する。
対処は出来ている。
敵は弾幕の前に、攻めあぐねているようだ。

しかし。

ーーこれで、良いのか?

金剛の理性は。
艦攻の脅威を捉えるが。

金剛の本能は。
疑問を呈していた。

艦攻だけ?
艦攻だけの攻撃があり得るのか?
提督がそんな中途半端な事をさせるのか?

自分が見ている光景は、作られたものじゃないのか?

……榛名が居るんじゃ無いのか?
この状況で榛名が居るとしたら何処だ?

ーー後ろだ。

対空攻撃の最中、冷静に思考し。
バッと勢いよく、振り返る。
背後、輪形陣の後部に陣取る摩耶と目が合う。

いきなり、主砲に切り替えつつ振り返る金剛に、怪訝な顔を向ける摩耶。
その摩耶の、更に向こう側。

奴は居た。
否。
このタイミングで、居ない訳が無かった。

金剛「摩ぁ耶ーー!」

叫ぶ。
反射的にその場でしゃがむ摩耶。

太郎の攻撃許可を待っている暇はない。

榛名との距離が余りにも近い。
もし弾をばら撒かれたら、艦隊は瓦解する。
終わりだ。

しかし。
だからこそ。
金剛は冷静に。
回頭中にも関わらず、榛名に狙いをつける。

唸る35.6cm砲。
揚弾。装填。閉鎖。着火。

金剛「ーーFire.」

ーー滑らかに、素早く。
火力投射。

587: ◆hsyiOEw8Kw [saga] 2015/05/30(土)01:20 ID:9/vbkoCzO携(8/8) AAS
ここまで


決戦への導入部という事で……
端折りつつの地味ーな説明回です


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