[過去ログ] 【艦これ】赤城「……さて、と」提督「昔話を、しようか」 (1002レス)
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847: ◆hsyiOEw8Kw [saga] 2015/06/15(月)23:20 ID:WQWBkUhi0(18/29) AAS
榛名「え……?」

雷「そんな心外そうな顔をしなくても……」

榛名「いやぁ……大分手加減したつもりだったのですが……」

陽炎「……あれで、ですか?」

榛名「あら、陽炎さん」

榛名が振り返ると、そこには険しい顔をした陽炎が。

陽炎「もう少し、摩耶への配慮とか、ないんですかっ……」

榛名の目が細められる。

榛名「配慮しましたよ?」

陽炎「摩耶はあんなに血を流してっ!」

金剛「陽炎」

陽炎「だって、やり過ぎじゃないの!私の艤装だってーー」

金剛「陽炎。Cut it out.」

陽炎「でもっ!いくら提督さんの所だからって、勝手が過ぎーー」

ピクリと、榛名の眉が動く。

榛名「あなたを誘う為に……わざと派手に出血するようにと、顔面と胃を狙いましたから。
手心は加えてますってば」

848: ◆hsyiOEw8Kw [saga] 2015/06/15(月)23:20 ID:WQWBkUhi0(19/29) AAS
陽炎「誘うって……!
納得がいきません……!
私達は、仲間じゃ、無いんですかっ」

榛名「……はぁ……仲間、ですか」

溜息。

雷「ちょっと榛名……」

榛名「とにかく、艦娘はあの程度では死にません。
修復槽に突っ込めば傷も残らないでしょう」

陽炎「そういう問題じゃーー」

駄々を捏ねるように繰り返す陽炎に、榛名は苛立ったのか。
予備動作無しで陽炎の喉元に手を伸ばした。

決して素早い動作ではない。
だが、誰も反応出来ずに。
榛名の人差し指は、いつの間にか陽炎の喉仏あたりをツンツンと突いていた。

849: ◆hsyiOEw8Kw [saga] 2015/06/15(月)23:21 ID:WQWBkUhi0(20/29) AAS
陽炎「ひっ……」

金剛「榛名!」

鳳翔「榛名さん!」

無視して続ける。

榛名「良いですかぁ……?
艦娘なんてのは、喉仏を陥没させただけで戦闘不能になります。
それは締め落とすよりも、遥かに楽なんですよ……?」

陽炎「く、訓練なんだからっ……
そんな、殺すようなっ……」

今度はグリグリと喉仏を押して。

榛名「うふふ。喉仏潰したくらいじゃ死にませんよ?」

陽炎「わかんない、じゃない……」

榛名「わかりますよ。私自身、何度も潰された事がありますから」

陽炎「……っ」

不気味に嗤いながら言う榛名の言葉には、重みがあった。
榛名の人差し指に力が篭る。

榛名「寧ろ、後遺症が残らぬようにと、丁寧に対処した事を感謝してーー」

隼鷹「榛名。
そろそーろ……おイタが過ぎるぜ」

そこで隼鷹が、榛名の人差し指をそっと、しかしがっちりと握った。

榛名「……」

榛名は不満気だが。

鳳翔「ーー提督に、ご迷惑がかかりますよ」

側から見ていた鳳翔のその一言で、矛を収めた。

榛名「……ごめんなさい。
私、もう上がりますね」

850: ◆hsyiOEw8Kw [saga] 2015/06/15(月)23:22 ID:WQWBkUhi0(21/29) AAS
鳳翔「……」

去り際に。

榛名「ああ、陽炎さん。重要な事を言い忘れてました」

陽炎「……?」

榛名「強い味方に守って貰う事が、『仲間である』事ですか?」

陽炎「……」

榛名「それは、甘えですよ」

陽炎「……!」

陽炎は、何も言えなかった。

榛名「では」

陽炎「……」

雷「もー……
ウチのポンコツが色々ごめんなさいね……」

雷も謝るが、内容を否定する事はなかった。

851: ◆hsyiOEw8Kw [saga] 2015/06/15(月)23:23 ID:WQWBkUhi0(22/29) AAS
金剛(こりゃまた、榛名の思考は足柄とえらい違うわね……)

陽炎「……」

金剛「陽炎」

陽炎「……?」

金剛「悔しければ、強くなるネ」

陽炎「……」

金剛「失敗した事は、あなたがよくわかっているヨネ。
でも、その悔しさは怒りじゃなくて、自分への努力に向けるべきダヨ」

陽炎「……ごめん……なさいっ」ダキッ

金剛「よしよし。
嫌な事は、涙で流しちゃうに限るヨ!」

陽炎「うわぁぁぁ!」

鳳翔「……我々は退散、しましょうか」

隼鷹「んだね。
またね、翔鶴さん」

翔鶴「……はい」

鳳翔(しかし……榛名さん。
提督という単語にとても敏感になっている……
一体何があったのですか?)

何故だか、モヤモヤする。
何だろう、この気持ちは。

852: ◆hsyiOEw8Kw [saga] 2015/06/15(月)23:24 ID:WQWBkUhi0(23/29) AAS
………
……



陽炎「えぐっ……えぐっ……」

金剛「……」

翔鶴「……」

摩耶「ん……あ?」

金剛「'morning.」

摩耶「あ……ふ、ろ?
そうか……アタシは……
!え、演習はどうなった?!」

金剛「負けたヨ」

摩耶「……そう、か……
……多分、アタシのせいだよ、な……」

金剛「まぁ、それも一因ネ」

摩耶「ほんと、ごめん……
舐めてたよ」

翔鶴「……だからあれ程言ったのよ。
あの人は……危ないの」

摩耶「……ごめん」

金剛「まぁ、これで学んだデショウ。
あなたの弱さを。ダメなトコロを」

摩耶「……ああ」
853: ◆hsyiOEw8Kw [saga] 2015/06/15(月)23:24 ID:WQWBkUhi0(24/29) AAS
金剛「Good. 陽炎もそろそろ泣き止むデース」

陽炎「……グスッ……ハイ……」

金剛「この後ディブリーフがあるから、細かい指摘はしマセン。
ただ、ワタシ達は今回、全員がミスをシマシタ。
そして、全員が死にマシタ。
たとえ擬似的なモノでも」

翔鶴「……」

金剛「敵の実力。こちらのミス。
全てを客観的に受け止め……
この死を……meaningfulなモノにしまショウ」

陽炎「……」

金剛「Now. Let's change before we have to!」

変革しよう。
真に変革が必要になる前に。

翔鶴「……ええ!」

金剛「We gotta carry this fucking defeat on!But……」

ニヤリと。

金剛「Let us have the last laugh, ladies!」

最後に笑うのは、私達だ。
854: ◆hsyiOEw8Kw [saga] 2015/06/15(月)23:25 ID:WQWBkUhi0(25/29) AAS
………
……



暫く後……
夕刻前、南方基地、港


太郎「提督さん!」

提督「……おお、太郎くん。忙しいところ、見送りさせてすまないな」

船へと向かっていたサセン隊が振り返ると、そこには18戦隊の面々。

太郎「いえいえ……それよりも、腰は大丈夫ですか?」

提督「大丈夫だ。すまんな……万が一クレーンに異常が見つかったらサセン島宛で請求してくれ」

太郎「いえいえ、それには及びません。修理も可能ですし」

提督「そうか……おい、お前たち。
最後に挨拶しておいたらどうだ」

足柄「そうね」


金剛「足柄ー!これ以降は……二度とやられまセーン!
覚悟しておくネ!」

足柄「上等よ。何度来ても返り討ちにしてあげるわ!」


北上「じゃーねー隼鷹っち。
実況スキル上げといてね。
次はアタシと大井っちが演習に出るから、サ」

隼鷹「おおん?!アタシも出るぜ?!」

北上「うはは!そいつぁ楽しみだ!」

大井「そうね、ほんとに」


翔鶴「鳳翔さん。あなたの操縦、見事でした。
でも、次は……負けませんよ」

鳳翔「あら、うふふ。
では、次も……負けませんよ」


そうして、艦娘同士が別れを惜しむ中、提督と太郎は何やら深刻そうな顔をして二、三言葉を交わしていた。

ワイワイとしていたのも、束の間。
船の方から、出港準備完了の合図が出た。
855: ◆hsyiOEw8Kw [saga] 2015/06/15(月)23:25 ID:WQWBkUhi0(26/29) AAS
提督「そろそろ行かねば……」

太郎「提督さん……」

提督「……昨日も言ったが……
まぁ、一応、頼む」

太郎「…………はい」

提督「うむ。達者でなーー
おい、お前たち!そろそろ時間だ!」

何やら煮え切らない様子の太郎を残し、提督は船へと進んでいく。

そして、全員が船に乗り込む直前。
それまでずっと黙っていた陽炎が叫んだ。

陽炎「……榛名さん!」

榛名「……」

言葉は返さずに、冷たい視線で陽炎を一瞥する。
が、陽炎はそれに構わず、続ける。

陽炎「……私は、私は強くなるわ!
あなたを打ち倒して見せるんだから!」

北上「ヒュー!大きく出たねぇ」

大井「もう……」

陽炎のその叫びに対し、榛名はニコリともせずに。

榛名「また、会いましょう」

と、一言だけ。

そうして、サセン隊は南方基地を去った。
856: ◆hsyiOEw8Kw [saga] 2015/06/15(月)23:26 ID:WQWBkUhi0(27/29) AAS
………
……



帰路、船の航行中、甲板


隼鷹「うっす。夕日がきれいだねぇ」

提督「……ああ、お前か。
……そうだな。綺麗だな」

隼鷹「ん。腰大丈夫?」

提督「大丈夫だ。……それより、他はどうした?」

隼鷹「皆、寝てるよ。疲れてるみたい。榛名は起きてたけど、1人は残っとかないとね……」

提督「そうか……」

隼鷹「ね、最後、太郎さんと怖い顔してたけど、何話してたのさ」

提督「……ああ、アレは……まぁ、戦術の話さ」

隼鷹「ふーん……あ、戦術と言えば!」

提督「ん?」

隼鷹「何で、演習で、最初に北上したの?
やっぱり不利になったじゃん。
最初から南に居れば、もう少し楽だったんじゃ無いの?」

提督「ああ、それか」

隼鷹「アタシの頭じゃ、理由がわかんなかったよー」

857: ◆hsyiOEw8Kw [saga] 2015/06/15(月)23:33 ID:WQWBkUhi0(28/29) AAS
提督「皆、『船』の概念にとらわれ過ぎだ。
お前たちは艦娘だぞ。
お前の二本の足は何の為にある?」

隼鷹「何って……そりゃ、歩く為だけど……
……え?まさか……敵が島の北を徒歩で渡る、と?」

提督「それは大変な不意打ちになる。
だから、それを警戒しての事だ。
島には木々が茂っているからな。
空からでは小柄な敵が見えなくなるのさ」

隼鷹「待ち構えるって事?」

提督「正確には、空母の艦載機を何往復もさせる事で、なんとか木々を吹き飛ばして敵を炙り出すのが目的だ。
それをするには、島の近くに空母が居ないと効率が悪い。
ただでさえ発見が難しいからな」

隼鷹「な、成る程?」

提督「北から上陸し、西へ抜けるのが向こうからすると、最も安定したルートだった。
北に出れると攻撃側は非常に有利だったからな。
それで艦隊を北へ向かわせた訳だ」

隼鷹「へぇ……
……でもまぁ、普通考えないよね、上陸なんて……」

その応答に提督は、フッと笑って。

提督「どうかな。
俺が攻めなら、そうしたさ」
858: ◆hsyiOEw8Kw [saga] 2015/06/15(月)23:34 ID:WQWBkUhi0(29/29) AAS
ここまで
859: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage] 2015/06/15(月)23:39 ID:5AD9usAkO携(1) AAS
乙です
860: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage] 2015/06/15(月)23:41 ID:EgD98isz0(2/2) AAS


海軍というより海兵隊の発想だよな
861: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage] 2015/06/15(月)23:56 ID:5uavS4QAO携(1) AAS
乙!
862: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage] 2015/06/16(火)00:04 ID:QwALmsaIo(1) AAS


史実で天津風が前方に島があるからどうしたら良いか?に対して飛び越えろって
冗句が帰ってきたってあるけど確かに艦娘ならそれが可能なんだよな

863: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage] 2015/06/16(火)04:01 ID:Sp/m4+oZ0(1) AAS
乙です
864: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage] 2015/06/16(火)04:52 ID:4O7jQmoZo(1) AAS
すごい楽しいなこのSS
榛名が恐ろしすぎるが鳳翔足柄がいい女で困る

>>717
717(2): ◆hsyiOEw8Kw [saga] 2015/06/07(日)01:43 ID:xNy+1qNb0(6/28) AAS



足柄「ーーとか考えてるんでしょうねぇ……」

足柄は、島群の中などに居ない。
金剛の北東、距離6000、島も何も無い海のど真ん中。
そこで、仰向けの伏射姿勢。

増援が間に合わないと察した足柄は南下を止め、待ち伏せを敢行した。

何も無い場所でどう待ち伏せするか。
単純に伏射だ。

そうやって、伏射で体高を海面から50センチ未満に抑える事で得られる、金剛の視界に入らないギリギリの距離。
それが距離6000。
仰向けは変な気がするが
865: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage] 2015/06/16(火)05:31 ID:95xbuDf3O携(1) AAS
榛名は恐ろしいというより戦当面で実直過ぎるだけなんだよな
硬くて真っ直ぐなやつに子供の相手は向かない、相性が最悪すぎるんだよねえ
金剛や鳳翔や隼鷹はいい意味で人間らしく柔らかくぐにゃぐにゃ曲がってるから陽炎みたいな子供にも対処出来る
足柄なんかも折り合いはつけるだろうけど子供と相性悪いタイプに見えるな
866: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [] 2015/06/16(火)05:59 ID:Lsw/x+R80(1) AAS
この作戦も伏線なんかな
赤城さんたちがつかうんやろか?

867: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage] 2015/06/16(火)07:51 ID:iur0lZGAO携(1) AAS
赤城が提督の一番の秘蔵っこだったのなら、有り得そうだね
それにしてもさ、やっぱこの提督ヤバいよ
完全に深海棲艦製造機じゃん
868: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage] 2015/06/16(火)10:59 ID:5NHk9b5JO携(1) AAS
榛名だけは沈められんな
869: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage] 2015/06/16(火)11:00 ID:BAXB3NsXO携(1) AAS
乙です
18戦隊で赤城さん達と戦えそうなのは金剛さんとハイパーズかな
870: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage] 2015/06/16(火)12:45 ID:HI565g/u0(1) AAS
残りレスで赤城さん登場するんだろうか
871: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage] 2015/06/16(火)16:50 ID:nSCcJ49XO携(1) AAS
赤城は異次元の練度だからね…
総力あげないと相手にならない
872: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage] 2015/06/16(火)20:21 ID:4G+zz1Wio(1) AAS
赤城はなぁ……。
90以上の操縦系ってことは、2〜3機の小隊編成で艦載機を操れるわけで、正直ニュータイプレベルだからなぁ……。
873: ◆hsyiOEw8Kw [sage] 2015/06/16(火)21:15 ID:CSH+s6Ni0(1) AAS
>>717の『仰向けの伏射』について

これは現実の話ですが、小銃の射撃姿勢に、スパインと言う仰向けの伏射姿勢が有ります
極めて低い障害物に隠れたりする時に取る姿勢だそうです
これをイメージしていました

銃を持たない艦娘だと、なんとも『仰向けの伏射』以外にどう形容したら良いのか……
要するに著者の描写力不足ですね!

興味のある方は是非、『スパイン 射撃』のキーワードで画像検索してみてください
874: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage] 2015/06/16(火)21:37 ID:amT5tpwgo(1/2) AAS
競技会なんかだととんでもない格好で撃ってる人いるよね
キンちゃん走りみたいなポーズのまま仰向けになって、足にライフル乗せて撃ってる写真とか見たことあるわ
875: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage] 2015/06/16(火)21:42 ID:dtiZzcmko(1) AAS
TPSとかやってればよく見る体勢だな
876
(1): 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage] 2015/06/16(火)21:48 ID:pdkp3yGqo(1) AAS
不思議なことに「ある行動をすると射撃が上手くいく」ってのはけっこう皆抱えてる
自分だけの射撃方法というか所謂ジンクスってやつなんだけどサバゲープレイヤーとか射撃競技者に聞くとなかなか面白い

スパインはまた別でなんつーか某ゾンビゲーとかでダウンさせられた時に拳銃で反撃するときみたいな体勢
仰向けから首を若干起こして足の方に向かって構える、後ろに倒れたときなんかの射撃姿勢
877: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage] 2015/06/16(火)22:13 ID:amT5tpwgo(2/2) AAS
波紋使いならその体制で破片を防ぐこともできるな
878: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage] 2015/06/17(水)01:11 ID:w0FEDn2P0(1) AAS
スパインは小銃と言うより狙撃銃で使うんじゃない?長距離射撃競技とかだと使ってる人がいるらしいけど
>>876
俺はサバゲーじゃそういうジンクスないなあ、つい弾道見て弾道修正しちゃうww
リアカンとかヒストリカルを中心にやってる人にはそういう人いそうだけど
長文すまん
879: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage] 2015/06/17(水)04:27 ID:wzvaVooZo(1) AAS
気になったんだけど、軍隊って言語統一しておかないの?
それとも今の軍隊って皆英語あたりは喋れたり?
無知ですまん
880: ◆hsyiOEw8Kw [sage] 2015/06/17(水)07:00 ID:kJCJV0Tq0(1) AAS
言語の違いは、著者の完全な趣味、演出です
台本形式で視点をくるくる回したので、会話をわかりやすく区別する為にいれました
金剛が居たからという事で、ここは一つ、お願いします

実際は、言語が違うと指揮系統に乱れが生じる為あり得ません
正しい疑問だと思います

だいぶ横道に逸れてしまいました
スレ残りも少なくなってきたので、今夜からまた投下していきます

881: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage] 2015/06/17(水)08:39 ID:OEQupvIYO携(1) AAS
金剛の英語大好き
だからきんモザでもSS書いてくだち(暴論)
882: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage] 2015/06/17(水)09:56 ID:QE8q0Vkz0(1) AAS
英語ベラベラ喋ってるときの金剛に反応してるのが翔鶴姉だけなのも好き
883: ◆hsyiOEw8Kw [saga] 2015/06/18(木)21:20 ID:TF1bkh/10(1/18) AAS
サセン島


提督「やっと帰ってきたな……
長い2日間だった」

足柄「ふわぁ……ねむーい」

榛名「提督、お手を……
危ないですから」

提督「あ、ああ……すまん。
迷惑をかける」

榛名「ふふ。榛名は大丈夫です」

鳳翔「……」

雷「もう!しっかりしてよね、提督!」

提督「す、すまん……」

隼鷹「で、今夜は酒盛りなんだろ?
勝ったし!」

提督「……まぁ、そのつもりだが」

隼鷹「うっひょう!」

提督「お前それ、北上から移ったな……」

884: ◆hsyiOEw8Kw [saga] 2015/06/18(木)21:21 ID:TF1bkh/10(2/18) AAS
そうやってワイワイと騒ぐ集団を。

不知火「ーー皆さん、お帰りなさい」

不知火が出迎えた。

提督「ーーただいま。万事変わりないか」

不知火「はい。大丈夫です……
其方は如何でしたか」

提督「無論、勝利だ」

不知火「本当ですか!
あの18戦隊を下すとは……流石です。
所で……何故、杖を?」

提督「ああ……少しゴリラに襲われてな……」

不知火「南方基地にはゴリラが棲むのですか……!恐ろしい……」

隼鷹「……」

提督(……サセン島のゴリラなんだがな……)

提督「まぁ、とりあえず入ろうか」

885: ◆hsyiOEw8Kw [saga] 2015/06/18(木)21:22 ID:TF1bkh/10(3/18) AAS
………
……



数時間後、食堂


提督「それでは、勝利を祝ってーー」

「「「乾杯!」」」

隼鷹「イェー!」グビー

足柄「フゥー!」グビー

榛名「やりましたぁ!」

鳳翔「間に合わせの料理ですがーー」

雷「ーーざっくりと簡単にね!」

提督「ありがとう、二人とも。
いただこう」

祝宴が始まる。

隼鷹「いやぁー!
たいしたこと無いな18戦隊!
アタシ戦ってないけど!」グビグビ

不知火「何ですかそれ……」

隼鷹「聞いてくれよ!
足柄が一人でゴッさんを倒したんだぜ?!」

不知火「ゴッさん……件のゴリラでしょうか?!」ガタッ

隼鷹「ちげぇーよ!金剛さんだよ!」

不知火「ああ……一人で倒したのですか?足柄さん」

足柄「ンな訳!
榛名が痛めつけて、鳳翔さんが突撃して、アタシが美味しい所をチューチューしただけよ」グビー

不知火「全然状況が読めませんね……
でも、手負いとは言え、戦艦を仕留めたのは見事、ですね。
金剛さんはかなりの手練れですし」

886: ◆hsyiOEw8Kw [saga] 2015/06/18(木)21:23 ID:TF1bkh/10(4/18) AAS
隼鷹「あとあと、鳳翔さんが翔鶴さんを完全撃破したんだぜ!」

不知火「え?それは……凄いですね。
翔鶴さんは、南方でも中々の実力者であった記憶が……」

鳳翔「そ、そんな完全撃破だなんて……
提督の指示通りに動いただけですから」

隼鷹「あと榛名が、ペーペーとは言え、駆逐艦と重巡をぶちのめしたぜ!」

不知火「そうですか」

榛名「……なんか私だけ素っ気なくないですか?!」

足柄「まぁつまり、全部提督の手柄よ!」

不知火「流石ですね、提督」

提督「そいつらは酔ってる。言っている事を間に受けるな。
俺は今回、特に何もしていない」

鳳翔「そんな事、ありませんよ」

榛名「わ、私が敵に接近出来たのも提督の作戦ですよ!」

不知火「……だ、そうですが?」

提督「んなこたぁない」

887: ◆hsyiOEw8Kw [saga] 2015/06/18(木)21:23 ID:TF1bkh/10(5/18) AAS
足柄「……てかさぁ、何で提督飲んでないの?
飲みなさぁい!」

提督「おまっ……やめっ……
アルコールが腰に響くんだよ……!」

足柄「大丈夫!痛いだけよ……!」

提督「何が大丈夫なんだ……!」

足柄「隼鷹!抑えなさい!」

提督「隼鷹!動いたらお前は半年間酒抜きだぞ!」

隼鷹「くっ……すまねぇ足柄……
……アタシにゃ、無理だ……」

足柄「ちぃぃぃ!雷ちゃんは?」

雷「はにゃ?」

足柄「ダメね酔ってる!」

提督「馬鹿め……
あいたたた……腰が……」

足柄「え?だ、大丈夫?」

提督「大丈夫だ。暑いと、少しな。
厠に行ってから夜風に吹かれてくるよ」

足柄「うん……」

提督「シュンとするな。お前のせいじゃない。催しただけだ」

足柄「しょ、食事中に汚いわよ!」

提督「ははは、すまんすまん」

ワシャワシャと頭を撫でる。

榛名「ご一緒します!」

不知火「……あなたは殿方の手洗いについて行くつもりですか……」

榛名「……え?いえあのーー」

提督「幽霊が出たら、その時は頼むよ」

そう笑って提督は立ち上がり、去っていった。

888: ◆hsyiOEw8Kw [saga] 2015/06/18(木)21:24 ID:TF1bkh/10(6/18) AAS
榛名「……何故か、私が提督のお手洗いに着いて行きたかった変態のように!」

不知火「皆知ってますよ」

榛名「何をですか?!
なんか私の扱いがエグくないですか?!
もう良いです、榛名、飲みます!」グビー

隼鷹「いよっ!いい飲みっぷり!」

足柄「……いやぁ、失敗したぁ」

隼鷹「どうしたぁ」

足柄「提督が飲んでなかったからぁ。
強要するつもりは無かったんだけどなぁ……」

隼鷹「カンケー無いっしょ。またすぐ戻って来るって。
そんな器の小さい人じゃないよ」

足柄「うー……」

雷「所で鳳翔さん?
飲み過ぎじゃない?」

鳳翔「……?これはお水ですよ?」グビー

雷「黒霧島って水の銘柄じゃないと思うの……」

隼鷹「すげぇ飲んでんな……」

足柄「あらあら、鳳翔さん。
機嫌が良いのね」

鳳翔「今回の勝利は、本当に嬉しかったですから……
……美味しいですね、この大根」もきゅもきゅ
889: ◆hsyiOEw8Kw [saga] 2015/06/18(木)21:25 ID:TF1bkh/10(7/18) AAS
足柄「そうね……
やっぱり鳳翔さんの翔鶴さん撃破はデカかったわね……大根ちょーだい」

鳳翔「どうぞ。
空母として勝ったのなんて、一体いつぶりでしょうか。
柄ではありませんが……血湧き肉躍りましたよ、ふふ。
これも、あの方のお陰ですね」

足柄「そうかも、ね」

隼鷹「……そういや、提督が来てから結構経つよなぁ」

足柄「そうねぇ……早いものね……」

隼鷹「始めはまぁ、印象悪かったなぁ……
酒瓶有ったら殴るとか言ってたぜアタシ。うはは」

足柄「あたしなんて、初めての夜間哨戒で10分毎に連絡して一晩中起こし続けたわよ」

隼鷹「うわっ……そんな事してたのかよ……」

足柄「今思えば、よく毎回毎回通信に出たわね……提督」

隼鷹「あの人らしいや」

鳳翔「私達を光らせる、なんて事も仰ってましたね。
ふふ、懐かしい……」

足柄「あー……あったわねー……」

鳳翔「なんだか、もう、達成されたかのような気分ですよ……ひっく」

隼鷹「待った待った!アタシがまだだぜ!」

足柄「そういえばアンタ、観戦してただけだったわね……」

隼鷹「次はアタシがエースだよ!」

鳳翔「相違ありませんね、ふふふ。
杯が空ですよ。お二人ともどうぞ」コポコポ

足柄「あら、ありがと」

隼鷹「お!ありがとう!」

鳳翔「あなた、最近はお酒お酒と言わなくなりましたものね……
良いことです」

隼鷹「いつでも飲みたいけどな!うはは」グビー

890: ◆hsyiOEw8Kw [saga] 2015/06/18(木)21:26 ID:TF1bkh/10(8/18) AAS
足柄「提督が赴任して来てから、外面の変化よりは……
内面の変化が多い気がするわ。
今回の演習も、どちらかといえば地力で戦ったし」

鳳翔「確かに、そうかもしれません。
なんと言うか……何かを考える事が多くなったような……
今までは考え無かったような事を……」

隼鷹「そうなのか?」

足柄「……アンタはずっと艦載機訓練してたじゃない」くいっ

隼鷹「確かに!
しかもまだ発揮出来てねー!」

鳳翔「もうすぐですよ、もうすぐ……うふふ……」ぐいっ

雷(皆グイグイいくし……これってほんとに水なのかしら?)ペロッ

雷「辛っ……やっぱ焼酎じゃない……」

鳳翔「あら、雷さん?
欲しいのでしたらお注ぎしますよ」ドボドボ

雷「ちょっ……あっ……ああああ……」

隼鷹「ひっ……
ビールジョッキに焼酎……」

足柄「完全に酔っ払ってるわね……」

隼鷹「んで……あっちはあっちでーー」チラ

891: ◆hsyiOEw8Kw [saga] 2015/06/18(木)21:27 ID:TF1bkh/10(9/18) AAS
榛名「うぇぇぇぇえん!榛名は、榛名は提督に拾っていただけて幸せですぅ……
はづじょうりです……」ビエーン

隼鷹「榛名が号泣してる、と」

不知火「何泣いてんですか。
蹴りますよ」ゲシゲシ

榛名「痛いです痛いですっ!
て、提督に言いつけますよ!」

不知火「どうぞ」

榛名「ぃやぁ!ううー!」

不知火「威嚇しないで下さい。
可愛くないですよ」

榛名「酷い……提督ぅ!」

不知火「うるさいっ」ゲシッ

榛名「わぁぁぁぁぁん!」ビエーン

隼鷹「うわぁ……不知火も酔ってるし……カオスかよ……」

雷「ちょっろ!じゅんよー何やすんれんのよ!飲みなしゃい!」

隼鷹「げぇっ!ゾンビかよ!
……や、やめて!それは飲めない!
イッキは死ぬ!死ぬゴボグバッ」

足柄「ひぃっ……
あー……あたしちょっと用事を思い出したわ……」ソロー……

「「「……どこへ、行くんですか?」」」

イヤッ……ギャァァァァァーーー……

892: ◆hsyiOEw8Kw [saga] 2015/06/18(木)21:28 ID:TF1bkh/10(10/18) AAS
………
……



執務室


提督「悲鳴がここまで聞こえてくるぞ……
随分と楽しそうだ」

提督は夜風には当たらずに一人部屋に戻り、不在の間に溜まった仕事をこなしていた。

提督「……」

演習があって。
太郎くんと会って。
祝勝会があって。
艦娘達が楽しげで。

どうしても昔の事を、思い出してしまう。
かつて在りし日々。

今更考えても仕方の無い事だ。
だけれど。

提督「……心が、痛いなァ」

提督は耐え切れず、逃げ出したのだ。
記憶から。現実から。

仕事が溜まっているからと自分に言い訳して。
たいしたことの無い腰痛を艦娘に言い訳して。

提督「いやいや……
やらねば為らぬ事は山積しているさ」

戦いは近いのだ。
そう自分に言い聞かせて、辛い思考を振り払う。

だが。
カッチコッチと鳴る時計の音が、紙の上をペンが滑る音が、やけに大きく耳に響いた。
893: ◆hsyiOEw8Kw [saga] 2015/06/18(木)21:28 ID:TF1bkh/10(11/18) AAS

……
………


どれ位仕事に没頭していただろうか。
提督の集中は、部屋への来訪者によって途切れた。

足柄「お疲れ様」

そう言って、足柄は冷たい水を提督に差し出す。

提督「……お前か。ありがとう」

足柄「随分と淀んだ夜風がお好みなのね」

提督「寒いのも腰には良くないからな。
今、何時だ」

足柄「とっくに夜中を過ぎているわ」

提督「そうか……そんなに経っていたか。
通りで仕事が進む筈だ。
他はどうした?」

足柄「皆潰れて寝てるわ。……榛名だけ居なかったけれど
あたしも潰されて、さっき目が覚めたから」

提督「お前らは毎回毎回潰し合いをしているな……
榛名は……部屋か?
まぁ大丈夫だろう」

苦笑してため息。

足柄「あなた、いつも大量の書類抱えてるわよね。
それでいっつも夜遅くまで……
言ってくれたら手伝うのに」

提督「何、それには及ばない。
実は……俺は太陽が苦手なんだよ。
夜のが落ち着くのさ。
だから大丈夫だ」

足柄「何よそれ……吸血鬼か何かなの?」

提督「はっはっは。まぁ、そんな所だな」

足柄「あら嫌だ。血を吸われるのかしら」

提督「艦娘に噛み付いたら歯が折れそうだな」

苦笑する提督に溜息。
894: ◆hsyiOEw8Kw [saga] 2015/06/18(木)21:29 ID:TF1bkh/10(12/18) AAS
足柄「……ねぇ。教えて欲しい事があるの」

提督「ん?なんだ」

足柄「私達は……艦娘は……何のために、戦うの?」

提督「……」

足柄「昔、聞いたこと覚えてるかしら」

提督「……何故、人間が艦娘を恐れるか、と言う疑問だったか」

足柄「そうよ。よく覚えてるのね。
……私は、人間に疎まれるのが嫌だった。
人間の為に戦っていたのに」

提督「……」

足柄「それが嫌になって、人間に反抗していた。
北ではね。
ここにあなたが来た当初も、結構嫌がらせしたのを思い出したわ」

提督「……」

足柄「でも……でも、あなたは……
私達は兵器じゃないって言う。
私達は艦娘だって。
心があるって」

提督「……」

足柄「あなたが言うように……艦娘が人間の兵器じゃないなら……
私達は、何の為に……戦ってるの……?
何の為に、命を削るの?
わからなく、なるわ……」

提督「……」

足柄「ねぇ……教えてよ、提督……」

提督「……」

提督は無言を貫く。
いくばかの時間が経過し。
不安を煽られた足柄が言葉を発する。

足柄「……提督?」

895: ◆hsyiOEw8Kw [saga] 2015/06/18(木)21:30 ID:TF1bkh/10(13/18) AAS
その瞬間、提督は無言で、勢いよく机から立ち上がった。
足柄と目を決して合わせないようにしながら。
ガチャン!と大きな音がして、足柄がビクつく。

足柄「な、何……?」

まさか怒らせちゃった?という思いから、疑問が思わず口をついて出た。
しかし、それを提督は無視し、肩を怒らせたまま、異様な程静かに、しかし確かに、足柄に近づいて来る。

足柄「何?……何なの?怒ったの……?」

提督はそれも無視。
顎を引いて、歩きながらも視線は決して合わせない。

足柄「い、嫌よ……あなた、怖いわ……」

いよいよ不気味に思い、足柄は弱々しい声を発してしまう。
今、この人が何を考えているのか全くわからない。
理解できない故に、恐ろしい。

無意識に足が後ずさりし、いつしか足柄は壁際まで追い込まれていた。
気がつくと、至近距離に無言の提督。
肉薄し、もはや逃れられない。

突然。

提督「ーーこれがァ!!」

提督が怒鳴り、足を思い切り踏み鳴らし、足柄がもたれていた壁を殴る。
あまりの音量と恐怖に身がすくみ、足柄は動けない。

まさに壁ドン。

提督の顔は、足柄が少し顎を前に出せば唇同士が触れ合うような距離にあった。
しかし、ロマンチックさは微塵も無い。
その相貌は先程とは打って変わり、足柄の目を上から見下ろすようにして、しかし真っ直ぐに見つめている。
その視線は恐ろしく冷たくて。

足柄「いやっ……」

怖い。純粋に怖い。
その恐怖心から、足柄はギュッと目を瞑り、声を上げた。
何か酷いことをされる予感がする。
事態に備えて筋肉が収縮し、身が縮こまった。

が。

提督が足柄にした事は、優しく頬を撫でる事だけだった。
896: ◆hsyiOEw8Kw [saga] 2015/06/18(木)21:31 ID:TF1bkh/10(14/18) AAS
そして、言う。

提督「……これが、脅迫の手法だ」

足柄「……?」

そっと目を開けた足柄の頬をさする。
その瞳には涙が溜まっているように見えた。

提督「人間が考えた脅迫のメソッドだよ。
視線を合わさず、言葉は無視して、不気味な程静かに近寄り。
肉薄してから、大きな音、暴力と共に強い圧迫感を相手に与える」

足柄「……」

提督「足柄。
お前たち艦娘は、純粋で、無垢で、善良だ。
……それに対して、人間はこんな事ばかり考えている。
残念ながらな」

先程の冷たい瞳はもう無く、いつも通りの温かい視線を足柄は感じる。
しかし提督の言葉は依然厳しく。

提督「他を蹴落とす、陥れる、操作する事ばかり。
人間がどれだけ薄汚く、愚かで、先見性が無く、醜い存在か」

足柄「……」

提督「……なぁ、足柄。
何かがわからない事は、恥ずべき事しゃあない。
それは思考の切っ掛けに過ぎん。
思考する事は即ち罪では無い」

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