[過去ログ] マミ「私は……守りし者にはなれない……」 牙狼―GARO―魔法少女篇 第三章 (805レス)
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(7): ◆ySV3bQLdI. [ saga] 2013/06/17(月)00:09 ID:batJAy8lo(2/11) AAS
 そして、もうひとつ。
 僅かでも明るい場所を選んでいたからだった。
 月は陰っているとはいえ、まだ仄かな光は差しているし、ところどころ電灯も設置されている。
電灯の下を潜った時、疑惑は確信に変わった。

――あの使い魔……やっぱり光が嫌いなんだ。
光の近くでは動きが遅くなってる。
私なんかに追い付けないのも、月光や学校の光で鈍くなってるのかも――

 これからは暗くなる一方だ。
 すなわち、この月がまどかの生命線。
 月が完全に雲に隠れてしまわないよう、神に祈りたい気分だった。

 それから数分、校舎を三周はしただろうか。
 まどかの体力は限界に近づいていた。
最初のうちは足を溜め、呼吸を整える余裕もあったが、月は祈りを裏切るかのように、雲間に隠れてしまった。

 使い魔の動きが、にわかに機敏になる。
もはやなりふり構っていられず、全力疾走でやっと距離を保てる程度。

「はぁ……はぁ……」

 足が、胸が、脇腹が痛い。息が苦しい。マラソンでも、ここまで苦しくなかった。
 それでも走りを止められない。ペースを落とすことさえ、死に繋がる。
 霞みがかった視界。それが突然に揺れて地面が迫り、

「あぅっ!」

 まどかは転倒した。
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