[過去ログ] 橘「……」 (66レス)
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11: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2012/03/26(月)01:19 ID:oklvnB2W0(11/50) AAS
梨穂子「え? ……あっ、確か森島先輩と一緒にいる……塚原先輩、ですよね?」
ひびき「ええ。……私も、少し橘君に用事があるんだけれど……彼に何かあったの?」
梨穂子「へ? もしかして……森島先輩も、あのことを知らないん、ですか?」
ひびき「……あのこと?」
12: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2012/03/26(月)01:25 ID:oklvnB2W0(12/50) AAS
二年前、クリスマスの日に、純一はあこがれの人に告白しようと、決意したんです。
色んな人とかに、デートスポットとか、プレゼントとか、よく調べて、下準備に張り切ってました。
そしてクリスマス、夕方の公園で待ち合わせて、そしてその憧れの人と合流したんです。
けど……振られました。
そこまではいい、そう、そこまでは……。
13: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2012/03/26(月)01:31 ID:oklvnB2W0(13/50) AAS
でも、年明けの新学期、純一には悪夢が待っていた。
ある女子の集団が、純一の振られた時の様子を、見ていたんです。
そしてその情報は、学校中にばら撒かれて……。
純一は……体のいい、笑い物にされました。
これが……純一のトラウマの一つ。
14: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2012/03/26(月)01:35 ID:oklvnB2W0(14/50) AAS
そして、もう一つは、塚原先輩はよく知っていますよね?
去年の創設祭、クリスマスの日。
純一は、新しい環境になってからは、新しい生活を送ろうって、前向きになってました。
そして、新しい恋もしました。
森島先輩に、です。
ちょっと変なところもあるけど、純一は、まっすぐで、そして優しくて、なによりひたむきで……素敵な人ですから、私でも分かりました。
森島先輩も、多分、純一のこと、好きなんだなーって。
15: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(関東・甲信越) 2012/03/26(月)01:37 ID:8XikNZIAO携(1) AAS
一昨日リアルでフラれた俺が支援
16: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2012/03/26(月)01:49 ID:oklvnB2W0(15/50) AAS
>>15
大丈夫、俺は出会いすらないから。支援ありがとうございます。
ちょいと外せない電話が
20分ほど待って下さい。
17: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(京都府) 2012/03/26(月)01:53 ID:GI5F3LXyo(1) AAS
アマガミスレも久々やな
楽しみにしとるで!
18: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2012/03/26(月)02:01 ID:oklvnB2W0(16/50) AAS
よかった、10分ほどで片付いた。
それでは、再開
19: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2012/03/26(月)02:02 ID:oklvnB2W0(17/50) AAS
森島先輩に必死にアプローチして、そしてまた、創設祭……クリスマスの日に、待ち合わせをしました。
でも、待ち合わせ場所に、森島先輩はずっと来なかった。
その代わりに、森島先輩の取り巻きを名乗る集団が来ました。
そして、その集団に言われたんです。
「森島先輩は、純一と会うことを拒んでいる。元より付き合う気もない。ただ、暇つぶしに付き合っただけ」
「こうして待ち合わせをすっぽかしたのも、笑い物にするためだ」って。
これが……純一の、もう一つのトラウマ。
20: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2012/03/26(月)02:08 ID:oklvnB2W0(18/50) AAS
ひびき「……一つ目はここで初めて聞いた。でも、二つ目は知ってる。はるかに待ち合わせ場所変更のデマを流して、二人をすれ違いにさせて、二人が付き合うのを妨害したっていう話」
ひびき「はるかも、橘君のこと、お互いが好きだったから、なおさらよく思わない男子達がいた。……あの後、そのことを知った時のはるかは、私が気押しされるぐらい怒ってた」
梨穂子「……じゃあ、その後のことは、知らないんですね?」
ひびき「……その、後?」
梨穂子「……その男子達から、いじめを受けていたんです」
ひびき「え……!?」
21: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2012/03/26(月)02:18 ID:oklvnB2W0(19/50) AAS
梨穂子「人付き合いはよかったんですけど……その所為で、女子からは少しもててたんですよ。その上で、森島先輩とも恋仲に近くなっていたから、妬みが加速したんです」
梨穂子「何より、一番ひどかったのは……妹の美也ちゃんにも手が出されたことですね。そのことを知った時の純一は、もう、見てられなくて……」
梨穂子「でも学年が変わってからはそれも収まりました。けれど……キズは深すぎたんです」
梨穂子「一つ目のトラウマがあって、純一の心は、もう壊れる寸前まで追い詰められていたんです。だから、高校生になって、立ち直ろうと必死だった」
梨穂子「そのキズは、新しい友達や、好きな人……森島先輩の存在があって、癒えていった。けれど……二つ目のトラウマ、去年のクリスマス関連の騒動で、キズがさらに抉られる結果になってしまった」
梨穂子「……過度なストレスと、そのストレスを抑え込んでいた反動で、純一は……心の病を抱えました」
ひびき「……」
22: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2012/03/26(月)02:26 ID:oklvnB2W0(20/50) AAS
梨穂子「……しゃべれなくなって、対人恐怖症にもなってしまったんです。特に、女子相手にはひどくて……」
梨穂子「それはもう、妹にすら口をきかなくなって……私も、何回殴られたり、怯えられたり……」
梨穂子「最近はそうでもなくなったんですけど……学校の女子には、まだ……」
梨穂子「まともにコミュニケーションがとれるのは、多分、梅原君ぐらいかと思います」
梨穂子「今でも、森島先輩に拒絶された、と純一は勘違いをしたままです」
梨穂子「これが、今の純一の状態。真実」
梨穂子「先輩がこれを聞いて、どうするか……それは、私の知るところではないです」
梨穂子「けれど……私はこう思っています」
梨穂子「森島先輩の存在が、中学生時代のキズを癒したのは事実です」
梨穂子「私じゃ、純一のキズは癒せない。多分、純一を救えるのは……」
ひびき「はるか……か」
23: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2012/03/26(月)02:32 ID:oklvnB2W0(21/50) AAS
森島「……はぁ」
森島「……怒ってるん、だよね」
森島「分かってる。私がどうこうした、じゃなくて、私があなたを求めたから、あなたは傷ついた」
森島「もう好きじゃ、ないよね?」
森島「……でも、せめて……あなたの言葉が、聞きたいのに」
ひびき「……はるか」
森島「あっ……」
ひびき「また、不安そうな顔してた」
24: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2012/03/26(月)02:44 ID:oklvnB2W0(22/50) AAS
森島「……あはは、ちょっと、考え事をね?」
ひびき「……橘君」
森島「!」
ひびき「……諦めきれないんでしょう? だから、彼を見つけるたびに、あなたは必死に追いかける」
森島「けれど……逃げられる」
ひびき「……ねぇ、はるか」
森島「ひびき、ちゃん?」
ひびき「……これから、彼のことについて、大事な話をする。これを聞いて、どうするかは……あなた次第」
ひびき「でも……あなたの保護者として、これだけは言わせてもらいます」
ひびき「絶対に……後悔しないように」
25: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2012/03/26(月)02:47 ID:oklvnB2W0(23/50) AAS
俺は、後悔しないように生きてきたはずだ。
でも、行動の先に待っていたのは、計りようのない、もっと大きな絶望。
どうしてこうなったのか、俺にもわからない。
十分に傷ついた。
その傷を隠そうと、必死にしがみついてきた。
でも、また傷ついた。
もう、壊れそうでしょうがなかった。
そして、もっと傷ついた。
耐えられず、ガラスのコップようにパキッ、と割れた。
切り口はあまりにも綺麗で、周りすら傷つけてしまうものだった。
もう使えないコップは、捨てるしかない。
そう、もう、捨てるしか……。
もう、誰にも必要とされていないなら……。
26: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2012/03/26(月)02:51 ID:oklvnB2W0(24/50) AAS
七咲「(美也さん、今日も元気がなかった)」
七咲「(正確には、随分と前から……)」
七咲「(理由は知っている。けれど、私にはどうにもできないものだった)」
七咲「(あの眩しい笑顔が、本当にもろくて、今にも壊れそうで……)」
七咲「(けれど、転校生である中多さんに気を使うほど優しい)」
七咲「(何かすればいい、という問題かもしれないが……)」
七咲「(私の取り柄と言えば、水泳ぐらいしかない)」
七咲「(……暗い話題はやめよう。今日は気分転換に、夕方のランニングを決行することにした)」
七咲「(今日は部活が休みなので、暇つぶしにではあるが……寒空でランニング、というのもなかなかいい。さて、次のコースは……)」
・海沿いを走ろう
・山の近くを走ろう
寝てないことを祈って安価
選択肢は2つ
↓>>30
27: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(長屋) 2012/03/26(月)02:55 ID:UIVV5bc9o(1/5) AAS
ksk
28: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(長屋) 2012/03/26(月)02:55 ID:UIVV5bc9o(2/5) AAS
ksk
29: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(長屋) 2012/03/26(月)02:56 ID:UIVV5bc9o(3/5) AAS
ksk
30(1): VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(不明なsoftbank) 2012/03/26(月)02:56 ID:o/LyVQS/0(1/3) AAS
・山の近くを走ろう
31: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(長屋) 2012/03/26(月)02:56 ID:UIVV5bc9o(4/5) AAS
海沿い
32: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(長屋) 2012/03/26(月)02:57 ID:UIVV5bc9o(5/5) AAS
一人で加速してすまなかった
どうぞ続けてくれ
33: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2012/03/26(月)02:59 ID:oklvnB2W0(25/50) AAS
さぁ、BADとHAPPY、どちらなのでしょうか……。
34: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2012/03/26(月)03:00 ID:oklvnB2W0(26/50) AAS
・山の近くを走ろう
七咲「夕方の陽に照らされる山もいいかもしれない。海の方はあまり地理も詳しくないし……」
七咲「河原のコースをずれて、山のそばを走ってみよう」
35: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2012/03/26(月)03:02 ID:oklvnB2W0(27/50) AAS
七咲「日が暮れて、分かりやすく寒くなってきた」
七咲「けれど、汗が絶妙に冷えて、なんだか心地いい」
ガサッ!
七咲「キャッ!」
にゃー
七咲「猫? それも、随分と大きい……」
七咲「山猫、なわけないか。……ほら、こっち来て」
にゃー
タッタッタ……
七咲「逃げられちゃったか」
カァー
カァー
カァー
バサバサバサ!
七咲「……妙にカラスが多くて不気味……時間だし、帰ろう」
36: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2012/03/26(月)03:07 ID:oklvnB2W0(28/50) AAS
【翌日】
梅原「あいつが……行方不明!?」
梨穂子「うん、美也ちゃんが言うには、昨日の朝、学校に行ってから、ずっと帰ってきてないって……私、不安で、不安で……」
薫「でも、あいつが行きそうな場所なんてあまり……ま、まさか、じさ――」
梅原「縁起でもねぇこと言うな!! あいつが、そんな……あいつが、そんなちんけな死に方、選ぶわけねぇだろ!!」
37: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2012/03/26(月)03:12 ID:oklvnB2W0(29/50) AAS
ひびき「……」
森島「う、嘘、だよね?」
ひびき「……」
森島「だって、そんな……!?」
ひびき「……」
森島「……私の、せいだ」
ひびき「はるか!? それはちが――」
森島「私が……好きに、なっちゃったから……」
森島「いやあああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああ!!!」
38: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2012/03/26(月)03:13 ID:oklvnB2W0(30/50) AAS
――次のニュースをお伝えします。
――昨日午後16時、○○海岸で、男子高校生の水死体が発見されました。
――身元の詳細については判明しており、自宅で直筆の遺書が発見されていることから、
――警察の方では、自殺と見て、調査しております。
――――BAD END――――
39: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2012/03/26(月)03:14 ID:oklvnB2W0(31/50) AAS
あれれ〜? BAD ENDだよぉ〜?
と、言うわけで、そっちの選択肢は地雷だった、の巻き。
……一応聞きますが、HAPPYもみたいですか?
一応、準備はしているんですけど……。
40: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(長屋) 2012/03/26(月)03:20 ID:a+AXBRCRo(1) AAS
準備してるならつべこべいわずに書け
41: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2012/03/26(月)03:22 ID:oklvnB2W0(32/50) AAS
・海沿いを走ろう
七咲「あまり知らない方向だけど……やっぱり、夕方の綺麗な海も見てみたい」
七咲「日の入りまでに、急いで海に向かうとしよう」
42: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2012/03/26(月)03:25 ID:oklvnB2W0(33/50) AAS
七咲「夕日が写る海……やっぱり、綺麗だな」
七咲「つい、走る足を止めてしまう」
七咲「たまには、こうして散歩するのも……えっ?」
七咲「こんな季節に海に入っている? それも服を着たまま……!!? まさか……入水自殺!?」
七咲「だめだ! はやく止めないと!」
ダッダッダ!!
七咲「そこの人!! 今すぐ止まって!! お願い!!」
七咲「あっ!! 完全に体が入った! 今すぐ泳いで……」
バシャーン!!
七咲「はぁ、はぁ……よし、もうすぐで……」
ガシッ!
七咲「掴んだ! 」
七咲「はぁ、はぁ……後、もう少しで岸に……」
43: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2012/03/26(月)03:26 ID:oklvnB2W0(34/50) AAS
七咲「はぁ、はぁ、はぁ……」
橘「はぁ、はぁ……かはっ……はぁ」
七咲「よかった、息はあった。……輝日東の制服? それに、その顔どこかで……あ、まさか……美也さんの、お兄さん?」
橘「うぷっ……はぁ、はぁ……」
七咲「……して……」
パシーン!!
七咲「どうして!! 美也さんを悲しませることをするんですか!!」
橘「……」ひりひり
七咲「いつも、あなたのことを一番に心配して、心配して、泣く時もあったんですよ!! なのに、なんで、なんであなたは……美也さんを悲しませるんですか!!」
橘「……」
七咲「私がここを通ってなければ、あなたはここで死んでました!! 自分が死んで、誰かが悲しむことぐらい、分かっているでしょう!!?」
橘「……」
七咲「……そこまで追い詰められていることは、私もなんとなく聞いてます。けれど……選択を間違ってます!」
橘「……」
七咲「……すぐそこのベンチまで歩いてください。警察にも連絡はしませんから」
44: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(不明なsoftbank) 2012/03/26(月)03:29 ID:o/LyVQS/0(2/3) AAS
七咲に漢気を感じる
45: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2012/03/26(月)03:35 ID:oklvnB2W0(35/50) AAS
七咲「本当は家に連れて行きたかったのですが……美也さんに要らぬ心配はかけたくありません。……はい」
つコーンポタージュ
七咲「体、冷えますよ? 飲んでください」
橘「……」フリフリ
七咲「はぁ。……落ち着きましたか?」
橘「……」
七咲「……一体、何があなたをあそこまで行動させたんです? 美也さんや、友達に相談できたはずです。……しゃべれなくなったことは私も知っています。ですが、筆談やら、手段はいくらでもあったはずです」
橘「……」
七咲「先程も言いましたが、あなたはもうすぐで、取り返しのつかないことになるところでした」
橘「……」
七咲「……でも、相談しにくいことだってことは、察しています。そこまで追い詰められるような、重要なことだって……」
橘「……」
七咲「ですが、これだけは言えます。あのまま死んでいたら、きっとあなたは、あの世で後悔することになる。それもすっごく」
橘「……」
46: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2012/03/26(月)03:41 ID:oklvnB2W0(36/50) AAS
七咲「…………だったら……」
橘「?」
七咲「……だったら、後悔しないように、生きればいいじゃないですか。美也さんからは詳細を聞いてます。よく、相談とかされましたから……」
橘「……」
七咲「あなたは、いっぱい後悔を抱いてきた。気持ちは分かります。私も、同じようなことがあったら、折れてしまうかもしれない」
橘「……」
七咲「でも! それでも! 生きていれば、サプライズだっていっぱいあるはずなんです! それなのに、あなたは……先輩は、そのチャンスを捨てるんですか?」
橘「……」
七咲「死なないでください。そして、立ち直ってください。先輩のためでもあり、美也さんや、周りの人達のためでもあるんです。……述べたいことは以上です」
橘「……」
七咲「……家まで同行します。途中で変な気を起こされたら、助けた意味がありませんから……」
47: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2012/03/26(月)03:50 ID:oklvnB2W0(37/50) AAS
その後、先輩を家に送った。
制服は濡れてるし、帰りも遅かったので、先輩の家族は随分と心配していた。
入水自殺未遂についてははぐらかした。
美也さんには心配をかけたくなかった。
また自[ピーーー]る気では……と、少し心配はしたが、美也さんもいるし、私も出来るだけ説得したので、信じてみよう。
まさかあんなことになるとは予想外だった……けれども、まずは命が救われた事と、美也さんが悲しまない結果になったことには神様に感謝だ。
先輩……立ち直れるといいんですけど……。
48: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2012/03/26(月)03:51 ID:oklvnB2W0(38/50) AAS
捨てきれぬ気持ち。
俺は……罪深い。
拒否されていることは分かっているのに……何故、思い続けるのか。
俺は、何をすればいいのか……
けれど……。
「後悔しないように生きればいい」
「生きていれば、サプライズが待っているはず」
俺がとっくに捨てた希望。
その希望を、あの女の子は、思い出させてくれた。
冬の海は寒かっただろうに、俺のために、飛び込んだ。
そして、助けてくれた。
そして、叱ってくれた。
そして、希望を持たせてくれた。
俺はまだ……世界から、見放されていなかったのか……?
49: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2012/03/26(月)03:54 ID:oklvnB2W0(39/50) AAS
【翌日(放課後)】
ピンポーン
美也「はーい……あっ、森島、先輩……」
森島「……橘君、いるかな?」
美也「にぃには、誰とも会わない……」
森島「今日だけは、退くわけにはいかない」
美也「(すっごくまじめな顔だ……だったら)」
美也「……部屋の中にこもってる。鍵は基本開いてるから、入れるよ。今だったら、ばれてない」
森島「え……?」
美也「……にぃにのこと、よろしくお願いします」
森島「美也ちゃん……うん」
50: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2012/03/26(月)03:57 ID:oklvnB2W0(40/50) AAS
橘「……」
ガチャ……
橘「(美也? でもノックもしないで……)」
森島「……橘君」
橘「!!」ビクッ
森島「……」
橘「あ……あ……」ブルブル
森島「逃げないで! 私の話を聞いて! ダメ! ちゃんと、こっちを見て!!」
橘「!! ……」
51: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2012/03/26(月)04:05 ID:oklvnB2W0(41/50) AAS
森島「まずは、去年のあの日、会えなかったことを謝りたいの……ごめんなさい。いくら嘘を聞かされたからって、ひどいよね」
橘「……」
森島「そして、そのあとに起きたことも、橘君になにがあったのかも……全部、やっと、わかることができた」
橘「……」
森島「橘君は、もう、壊れるぐらい悩んだんだよね? つらかったでしょう?」
橘「……」
森島「橘君は、私があなたを拒絶しているって思っているんでしょう? でもそれは違う! 誤解なの!」
橘「!」
森島「……けれど、信じられないよね? いきなり言っても……けれど、これはほんとのほんとのほんと!! あなたに信じてもらえるなら、どんなことでもする!!」
橘「……」
森島「……あの日、私が言えなかった言葉。あの日、私が伝えたかった言葉……ムードも、場所も、少し違うけど……今、やっと言える」
52: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2012/03/26(月)04:05 ID:oklvnB2W0(42/50) AAS
森島「……私、森島はるかは、橘純一が」
森島「もう、話せない日が来れば、泣いちゃうぐらい、愛おしい」
森島「犬みたいなところも、今のみたいに泣き虫なところも、優しいところも、ひたむきなところも、ぜんぶ、ぜーんぶ!」
森島「大好き!!」
橘「……」
森島「……」
53: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2012/03/26(月)04:10 ID:oklvnB2W0(43/50) AAS
橘「……かった」バタッ
森島「!? 大丈夫!?」
橘「……よかった。ほんとうに、うれしい」
森島「橘君!」
橘「……拒絶された、と聞いた時、俺は地の底まで絶望しました。……でも、それでも……俺は、あなたが好きだった」
森島「え……?」
橘「拒絶されても、俺と会うことが嫌がられても、あなたがずっと好きだった。だから辛かった。先輩への愛が捨てきれない自分に、嫌気がさしていた。実るはずがない恋心に……」
森島「橘君……」
54: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2012/03/26(月)04:13 ID:oklvnB2W0(44/50) AAS
橘「でも、俺がこの感情を抱く限り、あなたはそれを拒絶する。そして、巡り巡って美也に何かが起こる。それが、俺は嫌だった。……いつの間にか、自殺未遂になるほど、俺は追い詰められていたんです」
森島「自殺……!?」
橘「……でも、助けられました。高校の後輩に。そして、言ってくれたんです。生きていれば、サプライズが起こる。後悔しないように生きていればいい。って」
森島「……」
橘「……最後の最後に、サプライズが起こった」
森島「うん……うん!」
55: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2012/03/26(月)04:18 ID:oklvnB2W0(45/50) AAS
橘「森島先輩……いや、はるかさん」
橘「俺、橘純一は、はるかさんを」
橘「死ぬほど、愛しています」
橘「天然なところも、時々子供みたいなところも、騒動屋なところも、動物好きなところも」
橘「その顔も、体も、いつものはるかさんも、ラブリーなはるかさんも、ちょっと悩んでるはるかさんも」
橘「もう、言葉でいいきれないくらい……大好きです」
森島「橘君!!」
橘「……創設祭の日、一緒にいませんか?」
橘「その時に……そう、その時に……」
森島「うん、うん!! だーいすきっ!!!」ギュッ
56: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2012/03/26(月)04:21 ID:oklvnB2W0(46/50) AAS
【創設祭当日】
梅原「おぉ〜!! ついに、ついに……大将にも春がぁ!! 俺はうれしいぞぉ!!」
薫「かといって、号泣するほどかね? まぁ、一件落着ってところだね」
梨穂子「やっと、やっと……純一の、笑顔が見れた」
美也「梨穂ちゃんも泣いてどうするの」
香苗「おそらく失恋の涙もプラスされてるね」
梨穂子「ちょっと、かなちゃん!」
七咲「……サプライズ、起きましたね。……ふふっ」
ひびき「あーあ……これは、間に入る勇気はないな。……ふふっ、おめでとう。二人とも」
57: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2012/03/26(月)04:21 ID:oklvnB2W0(47/50) AAS
橘「……はるかさん、周りの視線が痛いです」
森島「気にしない気にしない! そこは、二人のなんとかオーラではねのける!」
橘「オーラって……まぁ、うれしいから、いいかな」
森島「ふふっ」
橘「(……今、かな)」
橘「……はるかさん」
森島「ん?」
橘「……俺、橘純一は、もう後悔はしたくありません」
森島「……」
橘「だから……今ここで、俺の気持ちを正直に言います」
橘「……全宇宙一大好きです! ……幸せにします」
橘「付き合っていただけますか?」
森島「……うん、うん、うんうんうん!」
森島「今の言葉、人生で一番ズッガーーーンってきた!」
森島「……はい、喜んで!」
省4
58: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2012/03/26(月)04:25 ID:oklvnB2W0(48/50) AAS
と、言うわけで、当SSをお読みいただきありがとうございました。
とってつけたようなHAPPY ENDだなー、といわれてもしょうがないですが……俺は森島先輩を幸せにしたかっただけでし。
一番きつかったのは、BAD END時の先輩書いてる時だった……最後のひびきと先輩のやりとりは、最後の最後で追加したものです。
悲しんでる先輩を書くのはつらかったで……。
しかし、困った。
後、書き溜め途中なのが二つあるんだが……。
アマガミのクロスと、ダブルキャストのクロス、どっちが先に見たい?
とはいっても、晒すのは後日ですが……。
59(1): VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2012/03/26(月)04:27 ID:87nWzU5DO携(1/2) AAS
ふーむ…微妙…簡単にトラウマ治らんぞ…七咲助けてもらってもトラウマがあるかぎり逃げたり、話すのは不可能と思うだか…まぁ乙
60(1): VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2012/03/26(月)04:30 ID:oklvnB2W0(49/50) AAS
>>59
このSSの8割は、ご都合展開なのね。
本当にすいません。
短くまとめようと思ったら、すごく、ご都合主義です、ってなってしまったのは私のせいです。
だが私は謝ります。
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