[過去ログ] さやか「黄金の……狼……」 牙狼―GARO―魔法少女篇 第二夜 (1002レス)
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531: ◆ySV3bQLdI. [ saga] 2012/08/18(土)23:08 ID:R7+xiHMjo(1/4) AAS
 突然現れた二人組に、さやかは目を丸くしていた。混乱していたのだ。
 謎や疑問が多過ぎて、何もかもがわからなかった。
 まず、目の前の彼女は何ゆえ豹変したのか。
 その正体とは。
 そして、この二人の目的も。
 
 男の名は涼邑零。
 少女の名は佐倉杏子。
 もっとも、さやかがそれを知るのはまだ先のことだったが。

 この二人が敵か味方かも不明なのに頼っていいのか、とも考えた。
危機に晒されている今、頼る相手を間違えるのは死を意味するからだ。
 だとしても、命よりは安全だと思えた。少なくとも、ただのナンパ男ではないだろうと。

 さやかは直感的に判断した。
 まず、普通は女連れでナンパはしない。隣の赤毛の少女が険しい目つきで、
明らかにこちらを睨んでいるのが気にはなったが。
 また、何故と訊かれると答えに窮するが、彼には鋼牙と似たものを感じていた。
 
 だから、今は信じてみよう。
 
「あの……」

 と、声を出しかけるさやかだったが――。
 
「おっと、あんたに用があるのはあたしだよ」

 佐倉杏子が手を掴んで引いた為に中断する。
少女とは思えない力で、有無を言わさず立たされるさやか。
532: ◆ySV3bQLdI. [ saga] 2012/08/18(土)23:11 ID:R7+xiHMjo(2/4) AAS
「ちょっ――!」

 咄嗟のことに抗議の言葉も間に合わない。杏子は強引に、さやかの手首を握って歩き出す。
ただでさえ混乱の最中、引きずられないように足を動かすしかなかった。
 
「いいから黙って付いてきなって」

 と言われて黙っていられるはずもなく、軽い抵抗は幾度となく試みるが、杏子が耳を貸すことはない。
 大人の男に無理やり手を引かれているなら助けもあるだろうが、それが同年代の少女である為か、
周囲は奇異の視線こそ送っても救いの手はなかった。
 
 それでも、さやかが大声で求めれば、その限りではなかっただろう。
しかし、さやかはそんなことにも思い至らないほど状況に翻弄されていた。
 中でも、最もさやかを混乱の渦に叩き落としたのは、杏子の乱暴な行動を零が咎めもせずに見送ったこと。
あまつさえ、笑顔で手を振ってさえいたことだった。

 訳もわからず手首と足の痛みだけを感じていたさやかは、あっという間に物陰に連れ込まれた。
 掴まれていた杏子の腕が、ぐるんと弧を描いたと思いきや、さやかの身体までもが180度回る。

「――っっ!」

 背中を壁に叩きつけられ、苦痛の呻きを漏らすさやか。
 左右と背後の三方は壁に囲まれ、光の世界と繋がる一本道は、杏子が塞いでいる。
想像とは違ったが、またしても闇に落とされたさやかは、為す術なく恐怖に怯えて――はいなかった。

「ちょっと、何なのよコレ! 何のつもり!?」

 震えは完全に抑えきれないが、勇気を奮い立たせ、気丈にも食ってかかる。
 抗えない腕力で以って、こんなところに連れてこられたのだ。勿論、恐怖がない訳ではない。
 が、命のような得体の知れない恐怖が、杏子からは一切感じられなかった。
故に今さら、その程度で怯みはしなかった。
533: ◆ySV3bQLdI. [ saga] 2012/08/18(土)23:12 ID:R7+xiHMjo(3/4) AAS
「んなもん、訊かなくたってわかってるでしょ?」

「……?」

 さやかは無言で首を傾げた。
 いくら記憶を探っても心当たりが浮かばない。彼女の顔に見覚えもなければ、恨みを買った覚えもない。
 その反応をとぼけていると取ったのか、じれったそうに杏子は頭を掻き、そして答えを口にした。

「だからさぁ……あんたなんだろ、ホラーって化け物は」
534: ◆ySV3bQLdI. [ saga] 2012/08/18(土)23:15 ID:R7+xiHMjo(4/4) AAS
短いですが、ここまで。続きは明日か明後日
一挙放送の前に一度はしておきたかったので
徹夜は辛いですが、どこまで見られるか
トークショー&上映会に行ってる方もいるんでしょうか
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