[過去ログ] さやか「黄金の……狼……」 牙狼―GARO―魔法少女篇 第二夜 (1002レス)
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37: ◆ySV3bQLdI. [ saga] 2012/04/02(月)00:13:44.85 ID:qak/jpDJo(1/5) AAS
「あれは……!」

 どんなに離れてもわかる金色の輝き。轟天とガロが変わらず、そこに立っていた。
 悠然と、雄々しく。
 共に黄金の鎧に一点の傷もへこみもない。少なくとも、ここから見る限りでは。

 上から触手が叩きつけられた瞬間、衝撃に備えていたガロは轟天を走らせた。
 唯一の武器を投げたガロは、マミを逃がし、自分は黄金の鎧の防御力と轟天を信じたのだ。
 激しい一撃は轟天を一瞬で地上に叩きつけたが、その蹄は確と地を踏み締め、蹴り出し、
その身とガロが圧砕される前に滑り抜けた。

 まさしく刹那の攻防。
 マミを斬馬剣まで投げ飛ばさなければ、もっと安全に切り抜けられただろうが、
魔女との戦いは振り出しに戻っていた。それも重傷のマミを抱え、剣を手放した状態でだ。

 だからこそ魔女を倒す最大の好機を逸したくなかった。
 そして、それもマミが戦う意志を示したからこそ。
 マミは瀕死の状態にありながら、魔女を倒す千載一遇のチャンスに賭けた。

 言葉を通じなくても、互いの意思を汲み取ることができた。
噛み合わなかった歯車が、この瞬間だけは確かに合わさっていた。
 互いが為すべきことを為す。故にガロはマミに、マミはガロに託したのだ。

 しかし極限の状況が過ぎてしまえば、再び心はすれ違いを始める。
 マミは口元を小さく綻ばせた後、目を細めた。嬉しいとも、悲しいともつかぬ表情。

――あんなに反発していた私を救っただけでなく、信じ、命まで託した。
やはり彼が、私が逢いたくて、逢えなくて、逢いたくなかった本当の戦士なのかしら……。
でも、だとしたら私は……私の価値は――
125: ◆ySV3bQLdI. [ saga] 2012/04/23(月)01:31:09.85 ID:wsWWwCFYo(5/7) AAS
 落ち着きを取り戻した彼女は明るく朗らかで、よく笑う人だった。その上、気さくで会話上手。
人の心の機微を知り、それはマミよりも豊富な人生経験を想像させる。
 数十分前に出会ったばかりなのが嘘のように、四人は急速に打ち解けていく。
 さっきまでとは比べ物にならないほど穏やかに流れる時間。久しく感じていなかった喜び。
いつしかマミはすっかり命に心を開いていた。

 今は何も考えず、この時を楽しもう。
 魔法少女とキュゥべえへの疑惑。
 鋼牙に対する劣等感。
 それらから一時でも逃避できるなら。

 事情聴取という当初の目的も、僅かな違和感も既にどうでもよくなっていた。
 彼女が自殺なんてする訳がない。あれは魔女の呪いによる気の迷いに違いないと。 
 
 時間を忘れて話すこと十数分、辺りは人工の明かりで溢れていたが故に気付くのが遅れたが、
空は完全に闇に覆われていた。
 さやかはふと自分の携帯電話を見るなり、

「あ、ヤバっ……! 面会時間終わっちゃう!」

 慌てて席を立った。何事かとマミと命は見上げ、まどかは察したような視線を送る。

「ひょっとして、上条君の病院?」

「え? あ、うん、まぁね……。昨日は行きそびれちゃったから、今日くらい顔出しとこうかな〜って」
152: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(三重県) 2012/04/24(火)01:57:13.85 ID:UV6X8Zd/0(3/4) AAS
あそうなの?
最初はお子様向けの特撮の予定だったって監督が言ってたのは知ってるけど・・・
じゃあまどかと牙狼はもとをただせば同じジャンルなのか
245: ◆ySV3bQLdI. [ saga] 2012/05/21(月)02:41:15.85 ID:OuKAohIbo(6/8) AAS
「何を考えている。言ったはずだ、夜は危険だと。今の街はなおさらだ」

 にこやかに笑うまどかだったが、返ってきたのは厳しい言葉だった。
 険しい視線と表情で、静かだが重い声で叱責された。
 魔の存在への恐怖からは解放されたが、その分、別に恐れていた大人からの説教が増えてしまった。
無論、命の危機とは比べ物にならないが。

「はい、ごめんなさい……」

 しょんぼりと項垂れるまどか。
 一言も言い返せるはずがない。数時間前にホラーや魔女は夜、人気のない場所に注意しろと言われたばかり。
それを無視したのだから自業自得だった。
しかも鋼牙の纏う厳格な雰囲気は、学校の怖い教師を思い起こさせて、萎縮してしまうのだ。

『そうでなくても、子供が夜に一人で歩くには不用心な道だな』

「その……早く帰らなきゃと思ってつい近道を……」
278: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(三重県) 2012/05/29(火)01:45:40.85 ID:8nAa+09f0(1) AAS
二期以前でマギカたちにわかりやすいように諭せるのは零くらいだよね。

わざわざ人んちの食卓に御呼ばれしたり
見知らぬ剣豪と手合わせに付き合ったり
交通事故から助けた女の子と仲良くなってその家のケーキが好きになって常連になったり。

よくも悪くも付き合いがいい。だから零主役の回は悲壮なのだけど。

二期も視野に入れるならワタル先生やそういう葛藤を経験したレオくんも適任だろうけど。

≫277

カオル「鋼牙ったら女心のなんたるかがわかってないんだから。でもね、まどかちゃんにはまどかちゃんにしか出来ないことがあると思うし、あせらずにゆっくり考えたらいいと思うな。それが鋼牙や、マミちゃんの力になるかもしれないし。」
403: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(北海道) 2012/07/01(日)16:11:42.85 ID:eXFAMmaAO携(1) AAS
実に中学生らしい思考だと思うがね
潔癖、ネガティブだからこそ
追いつめられた時に自己中心的心理状態に陥るのは仕方ないよ
子供の頃とかに例え自分が悪くても、他人に責められてると感じたら
俺は悪くねぇ!って言っちゃうのと一緒じゃね?
475: ◆ySV3bQLdI. [ saga] 2012/08/04(土)03:18:47.85 ID:/EHE1KDLo(2/8) AAS
「そうですか……ならどうぞ、ご勝手に」

 仁美は俯いて言うと、プイッと身を翻して教室を出て行ってしまった。
 怒らせてしまったと、さやかは溜息をひとつ。

 まぁ、落ち着けばわだかまりも解けるだろうし、また一緒に帰れるようになる。
でも仁美も、もう少し信用してくれればいいのに。自分たちの関係が簡単に崩れるはずないのだから。
 そんなふうに軽く考えて、敢えて追いかけはしなかった。 
 
「さやかちゃん……仁美ちゃんとケンカしたの?」

 声に向くと、鞄を持ったまどかが立っていた。不安げに眉を寄せている。
 
「別に。ちょっと怒らせちゃっただけ。それより……」

 はぐらかすなり、さやかは近寄って彼女の顔を凝視する。
 そういえば、こっちの問題もあった。悩みはどうなったか知らないが、今は落ち込んでいる様子はない。 
 だが――。

「まどか、やっぱりちょっと顔が赤いよ? 大丈夫?」

「だ、大丈夫だよ……って、さやかちゃん!?」

 さやかはまどかのおでこを露出させ、自分のものとピタリくっつけた。
 まどかの顔が更に赤みを増す。何より、じんわり伝わる彼女の体温は、
自分のそれより僅かだが高く感じられた。
535: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(宮崎県) 2012/08/18(土)23:39:33.85 ID:DqW76qyQ0(1) AAS
いま、ニコニコで二期を生放送中だな
544: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(神奈川県) 2012/08/22(水)02:38:38.85 ID:AItmZ4DQo(1) AAS
そいや妖刀何もなかったな
あの刀を使うシーンあっても良かったと思うわ
677: ◆ySV3bQLdI. [ saga] 2012/10/15(月)02:24:30.85 ID:QhBuy+iGo(4/5) AAS
「なら、ここはもういいな。他を当たるか」

 一階を一通り見て回った後、零は階段を上る。
 ビル内の空気は淀んでいるが、割れた窓から吹き込む風が、微かに空気の流れを生んでいた。
 どうやら二階に上がってすぐ、開けた空間になっているようだ。

 コツンと靴を鳴らし、最後の段を上り終えた時、

『ゼロ……!』

 呼ばれた零は答えなかった。たったそれだけで、シルヴァの意図を理解した。
 警告しているのだ。ホラーが近いと。
 零も闇の中に輪郭が浮かぶように、その先に何者かの気配を感じていた。

 両手をポケットから抜き、やや腰を落とす。
まだ剣は抜かなかった。両手は自由の方が、不測の事態に対応しやすい。
 忍び足をするでもなく、変わらぬ歩調で進む。
一歩ずつ床を踏み締めるごとに、皮膚の表面に伝わる刺激が強まっていく。

 広間に足を踏み入れた零は、心の中でカウントを取る。
 そしてカウントがゼロになった瞬間。

 確かな殺気が膨れ上がり、扉の陰から何かが飛び出した。

 音もなく現れたそれは、獲物を狩る肉食獣さながらの俊敏な動作で肉迫。
 僅かな距離をゼロにする。
 辛うじて零の目に映ったのは、白いブラウス。そして視界を覆う白い足。
 
 直後、ゴッ――と、命のハイキックが零の顔面を捉えた。   
730: ◆ySV3bQLdI. [ saga] 2012/10/27(土)03:12:23.85 ID:U5eNztmHo(6/7) AAS
 しかし、着地からステップで体勢を整えた零は、狙いを定め――。
 軽い助走から大きく前に跳び、足を突き出す。  

「っぉりゃぁあああああ!!」

 勢いのついた飛び蹴りが、無防備な命の胸に叩き込まれた。
一切の慈悲もなく、雄叫びを上げて突撃する様は、いっそ冷酷ですらあった。
 直撃を受けた命は、ザザザッ――と床を擦りながら滑り、遂には横たわって動かなくなった。
 
 零は動かない。追撃も、警戒を解きもしない。
 この程度で終わるはずがないと知っているから。
 むしろ、ここまでは前哨戦に過ぎない。ここからが本番。

 しかし、ここで優位に立っておくことは無意味ではなかった。
 然してダメージは残せないだろうが、ここからの戦いに有利にはなる。

 両手を腰に回し、双剣を抜き放つ。
 右手も完全とは言えないが、剣を握れる程度には回復していた。
逆手に持った双剣を胸の前で構えると、命もピクリと動いた。

 足を引きずりながら立ち上がった女は、幽鬼の如き表情。
 肘から先は黒く刺々しく、岩のように固い異形のそれに変異していた。
他が美しい女なだけに、非常にアンバランスな光景だった。
 
 だが、命が両腕を顔の前で交差させることで、それも終わる。
 交差した腕を振り広げると同時に、魔獣は夕木命の殻を脱ぎ捨て、
完全にホラー・モロクの正体を現した。
733: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(三重県) 2012/10/27(土)23:12:30.85 ID:qanVW2tP0(1) AAS
大乙獣陣!

杏子「バ・・バカ!何が魅力的だよ!///」

ううむ、モロクなどもはや牙狼絶狼クラスからすれば雑魚なのに結構食い下がれてますな。
カゲミツのケースしかり生身時が魅せ場だから命さんもけっこう強いww
魔界に一回送還されたホラーは対策を練れるというのもあるでしょうが。
でも余裕で沈めちゃえる零くんやはり最強クラスの魔戒騎士。

原作では烈火炎装で氷のほうを溶かしての勝利だったけど、さて今回は・・・。

なんと、横山監督。ということはアクション無双か!
799: ◆ySV3bQLdI. [ saga] 2012/11/26(月)02:31:33.85 ID:DfgLvHbDo(3/8) AAS
「あんたと慣れ合う気はないね」

 これだけ言っておかずにいられなかった。
 下らなくても、絶対に譲れない意地。

「なら30秒でいい。こいつの相手よろしく」

「はぁ? あんたは?」

「俺は盗られたもんを取り返さなきゃな」

 剣を握った左手を軽く上げ、零は言った。
 その視線を追うとホラーの後方、剣を手の甲から突き出した左腕に行き着く。
本体が二人の敵と対峙しているのに、不自然に遠ざかっている。

――ああ、なるほどね……。

 一瞬で看破した。
 敵は、双剣が零の手に戻るのを恐れているのだと。
 そこに彼の秘密があるのだろうが、それが何かまでは知る由もない。

 重要なのは、ひとつ。奴が片手で零と杏子を相手取ることよりも、双剣を警戒していること。
 今だってホラーが眼前に立っているのに、
のん気に会話していられるのは、零が睨みを利かせているから。

 十全でない零はまだしも、杏子の存在を軽く見ている。つまり舐められているのだ、自分は。
 そう思うと、闘志が沸々と湧いてきた。
 今すぐにでも目に物見せてやりたくなる。
804: ◆ySV3bQLdI. [ saga] 2012/11/26(月)02:51:25.85 ID:DfgLvHbDo(8/8) AAS
一旦ここまで
あと1レス投下したかったですが、半端にもしたくないとこなので明日
いろいろ不調で長く間が開いてすみませんでした
918: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2012/12/31(月)11:18:28.85 ID:lucgo8kyo(1) AAS
てことは今夜くらいかしら

でもあんまし無理はしないでね
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