[過去ログ] さやか「黄金の……狼……」 牙狼―GARO―魔法少女篇 第二夜 (1002レス)
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167: ◆ySV3bQLdI. [ saga] 2012/04/30(月)01:53:35.71 ID:riuFgEhho(2/6) AAS
「……ごめんなさい、からかったりして。ひょっとして重い怪我なの……?」

「幸い、そんなに重くはないそうですけど、手が……。
将来を期待されてたヴァイオリンも、また弾けるようになるかわからないって……」

「そう……」

 とだけマミが言うと、それきり沈黙が訪れる。全員が続く言葉を失っていた。
 話を逸らすつもりが、思いがけず重い話を聞いてしまったと、マミは後悔した。
 まず、さやかへの申し訳なさ。本人が不在なのに深い事情を知ってしまった。
そして辛いだろうに、それを語らせてしまったまどかにも。

 次第に騒がしくなりつつある周囲のざわめきから、隔絶されたかのような静寂。
 マミは命が上手く空気を変えてくれることを期待したが、
彼女はテーブルに肘をつき、組み合わせた手で目を隠しており、その表情は窺えない。

 命でさえ気の利いた慰めが思いつかないのだ。
きっと、今は何を言っても空虚にしか聞こえない。
 言葉は口から出た瞬間に力を持つ。相手を、時には自身を傷つけもする。
 故に、役に立たない言葉は封印して黙るしかなかった。

「ごめんなさい、湿っぽくしちゃって……私、そろそろ帰らなきゃいけないんで失礼します」

 まどかが立ち上がってお辞儀をする。気を遣わせてしまったのは明白だが、止めはしなかった。
この場には居辛いだろうし、帰らなければならないというのも嘘ではないだろう。

「うぅん……こちらこそ、ごめんなさい。今日は色々迷惑かけちゃったし、ここは払わせてちょうだい、ね?」

「ありがとうございます……それじゃあ、お言葉に甘えさせてもらいますね」
168: ◆ySV3bQLdI. [ saga] 2012/04/30(月)01:59:29.71 ID:riuFgEhho(3/6) AAS
 命の提案にまどかは迷う素振りを見せたが、やがて躊躇いがちに頷く。
 そして鞄を持って帰ろうとするところを、マミが呼び止めた。

「ねぇ、鹿目さん。最後にひとつだけ聞いていいかしら?」

「はい?」

 マミは振り向いた彼女の顔、その眼をじっと見つめる。
くりっと大きく、まだ純粋で穢れを知らない円らな瞳を。
 見ていると、形容し難い複雑な感情――敢えて言葉にするなら保護欲と嫉妬が混ざったような――を覚えたが、
それらは胸の奥に沈めて質問はひとつ。

「あなた、願い事はある? もしも魔法少女になるとして、キュゥべえに頼みたい願いが」

 真摯なマミの眼に射竦められたまどかは硬直し、目線だけを忙しなく彷徨わせる。
 それから三十秒ほどして、ようやく想いを口にした。

「え……っと……。正直、まだ……わかりません……」

 自信なさ気に絞り出した声は、三十秒も待たせた答えがこれで申し訳ないと、
秘めた謝罪の念を感じさせた。
 が、マミは責めない。元より予想できていた。
 むしろ、突然質問されてすぐに答えられる方がおかしい。そっちの方が真剣さを疑う。
迷うのは、事の重大性を正しく受け止めている証拠だ。

「そう……よく考えてみてね。
魔法少女になれば、今日の私みたいになるかもしれないことも念頭に置いて」

 迷える後輩に的確なアドバイスを送る為に。
 彼女たちが頼れる先輩だと、誇れる自分で在る為にも。
241: ◆ySV3bQLdI. [ saga] 2012/05/21(月)02:28:27.71 ID:OuKAohIbo(2/8) AAS
 そこから続いているのは、細い小道。
十分は確実に縮まる絶好のショートカットコースだが、街灯もひとつかふたつしかない。
何となく気味が悪くて、昼間でも避けて通りがちだった。

 まして昨日の今日である。街灯の下を歩くのでさえ一人では怖いのに、裏道なんて考えただけで足が竦む。
さやかほどでなくても、暗闇を身体が拒否しているよう。
闇に潜む魔女や魔獣が、口を開けて手招いている気すらした。

 だが、まどかは立ち止り、向きを変える。そして闇をじっと睨み、ゴクリ、と唾を呑み下した。
 夜も裏道も怖いが、叱られるのはもっと怖いし、心配を掛けるのは申し訳ないという思いが勝った。

「……よしっ」 

 拳を握り、ありったけの勇気を振り絞る。
 大丈夫、何も出る訳がない。夜に通ったことも何度かある。怖いと思うから怖いんだ。
 そう自分に言い聞かせて。

 まどかは一歩を踏み出し――続けて二歩、三歩と交互に足を前に出す。
 ピッチは徐々に速まり、数秒と経たず全力疾走に変わった。
 息を切らせて、それでも足は止めず、前もろくに見ず、頭の中を空っぽにして駆け抜ける。
そうでもしないと、恐怖に呑まれて一歩も動けなくなりそうだった。

 だが、走り出して数分後、周囲に神経を巡らすあまり鋭敏になった聴覚は、無意識に風以外の物音を拾った。

「ひっ!?」

 まどかは短い悲鳴を上げて立ち止った。それは道端から。軽い金属音だったように思えたが、はっきりとはわからなかった。
342: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(新潟・東北) 2012/06/24(日)10:07:54.71 ID:wzlVB/gAO携(1) AAS
「掟で禁じられている」って聞くと、死者の蘇生術があったとしても、倫理面よりもむしろ術の方法やコストとかに問題がありそうに思えるな
いずれにせよ失った命は二度と還らないから、人の命が無為に奪われないように戦うのが「守りし者」なんだろう
576: ◆ySV3bQLdI. [ saga] 2012/09/03(月)01:57:17.71 ID:cjJ5eeRJo(1/5) AAS


 遡ること約三十分。
 涼邑零は屋外に並べられたイスに腰掛け、ひと時の休息を楽しんでいた。
 流行りの店だけあって人は多いが、男の一人客は彼だけである。
だが、まったく気にする様子はなく、テーブルにはケーキやパフェが所狭しと並んでいた。

『相変わらず、甘い物ばかりよく食べるわね。それも二日続けて。
そんなに燃費の悪い身体でもないでしょうに』

 零の左手首のアクセサリが、小声で囁く。
 母親のような口調で零をたしなめるのは、魔導具シルヴァ。
 シルヴァの言う通り、零がこの店を訪れるのは、二日連続。
そして、その時もテーブルには色とりどりのデザートが散りばめられていた。

 甘い物嫌いでなくとも胸焼けを起こしそうな、普通の人間には明らかな糖分と脂肪の過剰摂取。
 しかし零は、常人の数倍の運動量を日々こなし、肉体の造りからして異なる魔戒騎士。
必ずしも過剰ではない。

 他に必要な栄養も摂っており、その証拠に彼の身体は体調を崩すことも、
贅肉を蓄えることもあり得ない鋼の肉体。
 その点は、何年も行動を共にしているシルヴァは心得ている。
それでも、たまにこうして難色を示すことはあったが。

 また、甘党である零だが、そう毎日毎日、甘味を必要としている訳でもない。
 では何故、零は今日もこの場にいるのか。
 夜を迎える前のささやかな休憩と補給。それもあるが、本来の目的は他にある。
 シルヴァの小言に、またひとつ皿を空けた零が苦笑しながら答えた。

「少なくとも、誰かさんみたいに安い菓子で口寂しさを紛らわす必要はないけどな」
635: ◆ySV3bQLdI. [ saga] 2012/10/01(月)03:00:00.71 ID:RipvUQ6So(5/13) AAS
 中学生と大人の二人組。一見した限りでは、あまり接点のなさそうな組み合わせだ。姉妹にも見えない。
 どちらも楽しそうに談笑していた。
耳を澄まして集中すると会話の内容まで聞き取れたが、どれも他愛のない雑談だ。

 学校や友人の話、或いは恋の話。どれも杏子には願っても手に入らない過去のもの。
 ふと、チクリと微かに胸の奥を刺すような疼くような痛みを覚えたが、杏子は無視して零に問う。

「で、どっちがホラーなんだ?」

「ああ、それは……あっち」

 と言って零が指し示したのは――中学生の少女の方だった。
 

「あいつが……!?」

 杏子は半立ちになって、まじまじと少女の方へと目を凝らす。
 どこからどう見ても、ただの人間。
笑ったり唇を尖らせたり、ころころ表情を変える、どこにでもいる一般的な中学生。
 
 とても化け物が取り憑いているようには見えない。
ましてや、そのすべてが偽り、演技であるなど信じ難い。まだ向かいの女の方があり得る。
 零がしようとしていることは、そして決闘に応じる条件として杏子に提示したことは。
 

「そ、あんこちゃんには、彼女を殺してもらいたいんだよね」

 あの見るからに無垢な少女を殺すこと。
 零は軽々しく残酷な要求を言ってのけた。
 
697
(1): VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(関東・甲信越) 2012/10/22(月)03:06:33.71 ID:ObBi3f5AO携(1/2) AAS
>1
超がんばれ!

現実の二刀流は剣道でもフェンシングでも長剣+短剣のコンビネーションが多い。機能の異なる剣を使い分ける。

ところが零は同じ長さの剣二本。しかも逆手に構えると切っ先が肘から出る程度の小太刀。足技も多い。

零の武術は始めから徒手格闘に近い。
長剣一刀流なのに足技を出す鋼牙よりもリアリティあったりする。
721: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(三重県) 2012/10/26(金)22:02:33.71 ID:m/2P1Oi10(1) AAS
>720

アグネスラムで微妙にパチネタっぽいなww(海物語)
というかグレス様の人昔グラドルだったんだな。このまえ本屋で復刻版写真集的なものがあって「どっかでみた名前だな」と思った>ひし美ゆり子

ワタル「ふぃー。しかし・・・鹿目は本当に騎士に向かん性格だった。奴・・(ギリッ・・。)。の事件からというもの、一月はろくにメシも喉を通らず、あいつら(アカネやヤマブキ)の墓前に毎日のように通っていた。しかし、ちゃんとわかってくれたな。「これから一人でも多く立派な騎士を送り出すことがあいつらの供養だ」ということがな。」

ふと疑問に。
鋼牙は烈花やシグトより年上のはずなのになぜ同じ時期に修練所にいたんだろう。
740: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(三重県) 2012/10/30(火)16:32:04.71 ID:eW7Pr4Cp0(2/2) AAS
何を言っているんだ、俺は・・・。

×憑依されている
○憑依している

カゲミツでもあるまいし・・・。ごめん。マミられてくるわ。
857
(1): VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2012/12/02(日)22:53:25.71 ID:5vQuuYz90(2/2) AAS
昨日の生を見ていない人向けに≫855の言わんとしていることを説明しておく

屈指の神回【大河】のエンドロール中にむこうの手違いでエンドロールがぶった斬られ突然CR牙狼のPVが流れて場内騒然となった。

そのせいで本来あろうはずも無いアンケートの四を選択する客が15%にも昇ってしまう事態になった。
884: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2012/12/11(火)05:04:04.71 ID:Lgbv5JXAO携(1) AAS
乙乙乙!

うぬぬ、やはりモロクには容易に近づけぬか。気をつけい杏子!彼奴はおぬしを囮にする気じゃ!(魔導輪風に)
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