[過去ログ] さやか「黄金の……狼……」 牙狼―GARO―魔法少女篇 第二夜 (1002レス)
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898: ◆ySV3bQLdI. [ saga] 2012/12/20(木)03:05 ID:P2uWvMw9o(1/6) AAS
双剣がモロクの両腕と激突、火花を散らす。
ゼロは杏子を横目で気にしながらも、もう心配はしていなかった。
彼女を助け出す確かな手立てがあった訳でも、逆転の秘策に気付いてもいない。
杏子が力及ばず死ぬ可能性は、依然として高い。
だとしても心配しないのは、それを彼女が望んでいるから。
単純でドライな理由だが、彼なりの敬意でもあった。
杏子が自分の太股に槍を突き刺しても。
血を流し、痛みに悶えても、それは変わらない。
なんら動じることなく、己の務めを果たす。
魔戒騎士の務め。ホラーを狩り、人を守る。それこそが魔戒騎士の誇り。
掟には拘泥しないが、誇りは守る。
騙そうが賺そうが、ホラーは倒す。
では、少女をホラーとの戦いに巻き込むのが騎士の在り方かと問われると――。
――ま、そこはそれってことで。
杏子を呼んだのは、彼女が庇護の対象ではなく、荒削りだが一人前の戦士だと認めたから。
昨日から考えてはいたのだ。果たして護り、遠ざけるだけが彼女らの為だろうかと。
どうせ無関係ではいられないのに。
杏子にしろマミにしろ、守られるだけのお姫様を望みはしないだろう。
今宵、零はホラーの作戦を見抜けず、危うく追い詰められかけた。
しかし見誤っていたのは、ホラーの知恵だけではなかった。
魔法少女を。もっと言えば佐倉杏子という少女を、心のどこかで軽んじていた。
899: ◆ySV3bQLdI. [ saga] 2012/12/20(木)03:08 ID:P2uWvMw9o(2/6) AAS
今、槍を振り被って放たんとする姿は、さながら戦乙女。
雄々しくも美しい。
小娘だと侮っていると、こちらに槍が飛んでくる。
防御を固めて、ゼロの救出ないしホラーの撃破を待つのが賢い判断。
しかし、彼女は逃げを選ばなかった。
あくまで独りで勝つことを選んだ。ある意味では愚かな選択とも言えるだろう。
意地か、それとも誰かに頼ることを考えもしないのか。
どちらにせよ、これが独りだったなら防御は無意味だ。
杏子がするように、起死回生の一撃に賭けるしかない。
そもそも二人は未だパートナーでもない。利用し合うだけの関係。
信用できないからと頼らないのは、それはそれで当然の選択と言える。
にしたって無茶が過ぎるというものだが、
そんな彼女の向こう見ずというか、なんというか――ひねくれた部分も含め、面白いと思っていた。
――なら、俺も任せっぱなしじゃ格好がつかねぇな……!
「はぁああああああ!!」
杏子が豪快な雄叫びを上げるのに合わせ、静かに、素早く銀狼剣が閃く。
目的は杏子の決死の投擲を通し、一気に勝負を決めること。
対等の立場と認めるからこそ無様な姿は見せられないし、その覚悟をふいにさせられない。
もとよりホラーの浄化は魔戒騎士の使命。
900: ◆ySV3bQLdI. [ saga] 2012/12/20(木)03:12 ID:P2uWvMw9o(3/6) AAS
手のひらを魔戒剣が貫いたように、柔らかい部分は刃も通る。
モロクは弱点を避け、器用に双剣をさばいていたのだが。
打ち合っているうちにゼロは既に癖を見抜き、後は機を見て対応するだけだった。
そして今が、そのチャンス。
切先が触れるか触れないかの刹那。
軌道を変えた双剣は、同時に左右の指の股を切り裂き――。
四つに割れた腕が床に落ちた。
杏子の動きを遅れて察したモロクは、前後に気を配る必要に迫られた。
逃げるべきか、守るべきか、それとも反撃か。
だが、どこに? どちらを?
思考はパンク状態に追い込まれただろう。一瞬の選択が生死を分ける。
ふたつの腕を使い分ければ、不可能ではなかったかもしれない。
そこへ襲い来る衝撃。繋がっていない腕から伝わる激痛。
両腕を失い、とうとうモロクは選択できず、動くこともできなかった。
直後。
モロクの胸部から槍が突き出す。
確実に致命傷。
誰が見ても同じ感想を抱くだろう。
しかし、モロクは立っていた。
胸を貫いた槍を抜きもせず、ゆっくりと振り向く。
息も絶え絶え、発条の切れた人形のように。
崩れ落ちる杏子に、憎悪に染まった視線を向けるモロクは、
もうひとりの敵を存在ごと忘れ去っているかのようだった。
901(1): ◆ySV3bQLdI. [ saga] 2012/12/20(木)03:16 ID:P2uWvMw9o(4/6) AAS
ゼロは冷静に両者を眺めている。
ただ一人、彼だけはこうなることを予測していた。
昨日、杏子と話した実験。魔法少女の力がホラーに通用するかどうか。
結果としては、まずまずだった。
充分なダメージは与えられるが、やはり封印には至らないか。
まだ判断するには早計だが、経過を観察する余裕などあるはずがなかった。
ゼロは直ちに、その場で跳躍。
ムーンサルトでモロクの頭を跳び越しつつ、頭上で双剣の柄尻を組み合わせる。
銀狼剣は繋がり、ひとつの剣に――銀牙銀狼剣になった。
剣は銀の光を帯び、ゼロ自身も月光を浴びて鎧を白銀に煌めかせる。
ゼロは着地を待つことなく、頭上から破邪の刃を振り下ろす。
「っりゃぁああああああ!!」
一刀両断。
モロクの額から股に掛けて線が走り、切れ目から光が溢れる。
刺さった槍ごと、モロクの肉体が崩壊していく。
残滓のような淡い燐光も解けてゆき、じきに完全に消滅した。
浄化を確認したゼロは精神を集中。
すると身体を覆っていた鎧は、零から抜けるように何処かへ消えた。
鎧を魔界へ送還した零は、大きく長い息を吐く。
『今回、ちょっと危なかったわね』
「まぁね。たまにはこういうこともあるさ」
902(1): ◆ySV3bQLdI. [ saga] 2012/12/20(木)03:18 ID:P2uWvMw9o(5/6) AAS
「さてと……終わったぜ、あんこちゃん」
静寂を取り戻した廃ビル内に残ったのは、零を除いて一人。
協力者にして今回の功労者、もしかすると二戦目の対戦者になる少女。
今夜は流石に疲れたし、杏子も負傷しているのだから再戦は避けたいところだが、どうなるやら。
とりあえず感謝を伝え、休戦を申し込むべく振り返り、
「……あんこちゃん?」
異変に気付く。
杏子は先ほどと変わらず膝をつき、顔を伏せたままだった。
ホラーから解放されてなお、彼女が静かな時点でおかしかったのだ。
「おい! どうした!?」
両肩を掴んで揺さ振っても返事はない。
持ち前の生意気さも、猛々しさも、完全に沈黙している。
顔を上げさせても、曇った瞳に涙を滲ませ、虚空を見つめるばかり。
零はハッと息を呑む。
そこにいたのは自分の力だけを頼りに生きるしたたかな野良犬ではなく、
まるで冷たい雨に濡れて途方に暮れている捨て犬のようだった。
903: ◆ySV3bQLdI. [ saga] 2012/12/20(木)03:19 ID:P2uWvMw9o(6/6) AAS
ここまで
次はたぶん日曜日
長くなりましたが、もうすぐ一区切り
モロク戦はいろいろと迷ったり、反省の多いパートでした
904: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2012/12/20(木)04:17 ID:7iM0/wdAO携(1) AAS
オーオオオー♪オーオーオー♪オーオオオー♪オーオーオーオー♪あんこぉ〜♪ANKO★
905: ◆ySV3bQLdI. [ saga] 2012/12/22(土)00:00 ID:5fSCQJE0o(1) AAS
コピペミスがありました
>>901と>>902の間に
*
久しぶり――と言っても、数分と経っていないのだが――に声を発したシルヴァに、
零は事もなげに答えた。
手練の騎士が思わぬ不覚で格下のホラーに敗れるのが事実なれば、
歴戦の騎士がそう簡単には倒されないのも、また事実。
心滅獣身のガロ、ガルム、キバ、レギュレイス。
数々の幸運と鋼牙に助けられた分も大きいが、零とて伊達に生き残ってきていない。
銀牙騎士の称号を継いではいない。
この程度の逆境、幾度となく潜り抜けてきた。
*
といった文が入ります
なくても通じますが一応
906(1): VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2012/12/22(土)00:53 ID:jHqQxNDf0(1) AAS
あれ?銀牙騎士絶狼って零が初代じゃないの?
907: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2012/12/22(土)05:58 ID:Akw7GqkAO携(1) AAS
>>906
あれ?零のお師匠さんも若い頃は二刀流でぶいぶいいわしてたんだと思ってた。
あの鶴みたいなお爺ちゃんが絶狼の鎧を召喚とか胸熱。
908: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2012/12/22(土)08:42 ID:zh79TZjp0(1) AAS
バラゴ様の「そこの無名の魔戒騎士・・・」という台詞から勘違いしているひとは多いが、零は銀牙騎士絶狼の後継者であって初代ではないです。
小説版では現にシルヴァに命を与えて仮死状態の道寺(零の養父で先代の銀牙騎士絶狼)が登場している。
おそらく、バラゴに道寺と静香を殺されたときに自分の本名「銀牙」とともに騎士の系譜からも名前を消したものと思われます
909: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2012/12/23(日)01:04 ID:Gg0cqMnR0(1) AAS
騎士の系譜に名前がないってあったから先代居ないと思ってた……
道寺さんも銀牙騎士絶狼なら途絶えたはずの系譜とか言うかなぁと思ったが
実際は
銀牙騎士絶狼(道寺)―風雲騎士波怒
└銀牙騎士絶狼(零)
なのか
910(1): VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2012/12/23(日)13:22 ID:DSuT39aQ0(1) AAS
白夜騎士は血統による継承ではない(翼の両親は両方とも魔戒法師)から系譜によって違うみたい。
完全にイレギュラーなのは妖赤の罠の灼熱騎士ヤイバ。もともと五道アキラはサーカス団に拾われた孤児であり魔戒騎士の家でもなければ、修練所にいたわけでもない。
911: ◆ySV3bQLdI. [sage saga] 2012/12/24(月)02:07 ID:IJBv/Tavo(1) AAS
ちょっと体調を崩してしまい、もう少し……
生放送は最終回のCパートを削られたのが何気に残念でした
912: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2012/12/24(月)10:26 ID:GMCTKt9AO携(1) AAS
お大事に。
でも刮目して投下を待ち続ける!目ん玉乾いた……
913: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2012/12/24(月)14:51 ID:8eXhU/xYo(1) AAS
>>910
小説読んでないけど
孤児だが実は魔戒騎士の家の生まれでしたとか言う
どこぞのジャンプ漫画みたいなオチではないん?
914: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2012/12/24(月)15:43 ID:SXOhDN+v0(1) AAS
>913
それなんてリン(北斗の拳)?
915: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2012/12/29(土)00:58 ID:eR33kitAO携(1) AAS
>>1は体調どうかな?
一区切りつかないと年が明かないよ〜☆
ゼロあんはよいものだ。
916: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2012/12/29(土)18:29 ID:F6asRM0E0(1) AAS
鋼牙「ゴンザ、リバートラの刻を。」
ゴンザ「かしこまりました。≫1様、ささ、これをお飲みください。」
917: ◆ySV3bQLdI. [sage saga] 2012/12/30(日)02:34 ID:OTr2Izzro(1) AAS
間が開いてすみません
年末はいろいろ大変で、おまけに大事なところで思うように書けないでいます
ですが年内中に一度は必ず投下したいと思います
918: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2012/12/31(月)11:18 ID:lucgo8kyo(1) AAS
てことは今夜くらいかしら
でもあんまし無理はしないでね
919: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2012/12/31(月)12:26 ID:aXo0dUpjo(1) AAS
(グレゴリオ暦で年内とは言ってない)
920: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2012/12/31(月)17:59 ID:MhUklWxK0(1) AAS
『旧魔界暦の可能性もあるぜ』
921: ◆ySV3bQLdI. [ saga] 2012/12/31(月)23:48 ID:kS6KKwzDo(1/5) AAS
*
一人の女がいた。
女には恋心を寄せる男がいて、男も女の想いに応えた。
仲が危うくなることも多々あったが、二人はそれすら糧にして愛を育んだ。
ひとつ荒波を乗り越えるたび、互いの絆は強固になったと信じられた。
彼はヴァイオリニストで、将来を嘱望されていた。
道半ばで限界を感じて挫折した女は、彼の才能を信じ、夢を託した。
せめて自分は支えになろうと、献身的に尽くす女。
期待を背負い、才能を開花させていく男。
二人は幸せだった。
しかし、幸せ過ぎた時間は唐突に対価を求める。
幸せは長く続かない。月並みな台詞だが、優しく緩やかな時間は何の前触れもなく終わりを告げる。
それも考え得る最悪の形で。
ある時、男が事故に遭った。
命に別状はなかったが、ヴァイオリニストの命である手――左手の感覚が失われた。
互いに依存し合う関係は、一方が崩れると共に大きく揺らぐ。
それでも女は男を懸命に彼を励ましたが、必死のリハビリの甲斐なく、
左手は永遠に戻らないのだと医師に告げられ、男は絶望した。
そして遂に、その日が訪れる。
夕方、街外れに佇む廃ビル。その屋上、フェンスの外側に男は立っていた。
冬の寒風に晒されながらも微動だにせず、諦めきった寂しげな瞳で遠くの空を見つめる。
落ちかける夕陽が妙に眩しくて、男の頬を一筋の涙が伝う。
922: ◆ySV3bQLdI. [ saga] 2012/12/31(月)23:50 ID:kS6KKwzDo(2/5) AAS
何分くらい、そうしていただろう。
靴を脱ぎ揃え、いよいよ死への一歩を踏み出そうとした、その時。
屋上のドアが勢いよく開かれた。
現れたのは女。
フェンスを挟んで、涙ながらに説得を始める。
だが、男は拒んだ。それどころか女を激しくなじった。
お前が好きだったのは俺の才能だろう、と。
自分が諦めた夢を押し付けるな、と。
俺はお前の代理でも夢の道具でもない、と。
そんなふうに思われていたことは内心ショックだったが、女は怯まなかった。
彼は正常な精神状態ではない。
だから、すべてが本心だとは思えない。いや、思いたくなかった。
押し問答が続いて数分。
このままでは埒が明かないと、女もフェンスを乗り越えた。
一歩進めば墜落死は間違いなしの狭い足場。強風も相まって、足の震えが止まらない。
そんな場所でも、女は呼びかけ続けた。
もう一度、抱き合えば心がわかると思った。
想いは伝わると思った。
これまで、ずっとそうだったから。きっと、今度もそうに違いないと。
男は女を突き放した。
だが、それは彼女の為というより、静かに迎える最期の時を邪魔されたくない感情が強い。
すれ違う気持ちに打ちのめされ、女も平静さを失っていく。
923: ◆ySV3bQLdI. [ saga] 2012/12/31(月)23:51 ID:kS6KKwzDo(3/5) AAS
感情を爆発させた女は抵抗にも構わず、必死に、半狂乱の勢いで男に迫る。
縋る女と、拒む男。
二人は不安定なビルの外縁で揉み合い――。
不意に、女の両手が男を押した。
踏ん張りが利かず、男はぐらりと揺れ、そして。
後退ったそこには、何もない。
男の身体が空中に投げだされた瞬間、時間が止まった。
いや、止まっていたのは時間ではなく、女のすべて。
ただただ、景色だけがスローモーションで流れていく。
視線が交差する。
その目は驚愕に歪んでいた。
何が起こったのか理解できていないのは、彼も同じ。
しかし、ほんの一瞬、理解が追い付いた彼の瞳に浮かんだ感情。
烈しい怒り。
絶望と諦めを凌駕する怒気は、男の最後の尊厳すら奪ってしまったからなのか。
言い訳も謝罪も許さず、男は女の前から消え去った。
永遠に――。
924: ◆ySV3bQLdI. [ saga] 2012/12/31(月)23:53 ID:kS6KKwzDo(4/5) AAS
男は女の希望そのもの。
その希望が今、自身の手で、音を立てて壊れた。
想像よりもずっと小さく呆気ない落下音。それだけに現実味を伴って耳に響く。
下を覗く勇気もなく、金網を握り締めて放心していた女だったが、
やがて曖昧な足取りで左右に揺れながら一階に下りる。
自分の目で確かめるまで信じない。
もしかしたら、もしかしたら、まだ息があるかもしれない。
いや、男が事故に遭った日からすべてが悪い夢だったのかも。
甘い期待は、玄関を抜けた瞬間に砕け散った。
そこに転がっていたのは、物言わぬ姿になり果てた男。
血溜まりに横たわる恋人に、女は掛ける言葉を持たなかった。
抱き起そうと後頭部に触れると、ぬるりとした感触。
手にはめた白い手袋が、見る見るうちに赤く染まっていく。
ようやく実感した。
愛する者は死んだ。
自分が殺したのだと。
女は跪き、声にならない嗚咽を漏らした。
噛み殺した慟哭は低く、獣染みた唸り声にも感じられる。
女は悲しむ以上に、恐れていた。
男がいなくなったことを。
その手に掛けてしまった事実を。
そして、自身のこれからを。
925: ◆ySV3bQLdI. [ saga] 2012/12/31(月)23:55 ID:kS6KKwzDo(5/5) AAS
男が死んで、夢も希望も消えてなくなった。
けれど、自分には後を追う資格すらない。
もしも死後の世界なんてものがあるとして、そこで彼に会ってしまったら――などと考えたりもした。
こんな世界に意味はない。世界は終わったも同然だった。
でも現実は違う。誰が死のうと世界は回る。
また明日は来る。愛した男のいない、暗く、重く、辛いだけの明日が。
そこで、彼を殺した自分に課せられる役割は何か。
単に社会的な裁きだけでなく、自分を取り巻く世界はどう変わるのか。
想像した女は、辛うじて嘔吐を堪えた。
声を張り上げて泣き叫ばなかったのも、その恐れに起因していた。
数分後、幽鬼のような表情を浮かべた女は行動を始めた。
無我夢中で、それでも手だけは別の生き物のように丁寧に。
自分が、その場にいた痕跡を消していた。
頭の中で冷静さを保ったままでいる意識の一部が急き立てる。
日没までに済まさなければ。
内なる声に従って、女は動く。証拠の隠滅が困難でない間に手早く。
926: ◆ySV3bQLdI. [ saga] 2013/01/01(火)01:35 ID:z0lL6wd5o(1/2) AAS
*
幸い周囲に人の姿はなく、目撃される心配はなかった。
しかし、女と死体となった男以外に、ずっと一部始終を眺めていた者がいる。
そこにいるのに、そこにいない観測者。
舞台と客席のように、隔たれた関係。
問えるものなら問いたかったが、感覚だけが切り離された状態では干渉できない。
故に、考えるしかなかった。
女は、どの時点で壊れたのだろうか、と。
最も大きいと考えられるのは、男を突き落とした瞬間だろう。
もっと前、男が事故に遭った時からかもしれない。
それとも、説得を拒絶された時?
或いは――罪と恐怖から逃れようとする浅ましい自分自身に失望したからか。
男の死に際の眼差しが脳裏に焼きついて離れない。
その場にいない観劇者は、これまで光景を俯瞰的に観ていたが、この時は別だった。
映画のカメラのように視点が動き、女と重なった。
女が味わった恐怖を、絶望を、より強烈に、効果的に、彼女に刻み込むかのように。
*
927: ◆ySV3bQLdI. [ saga] 2013/01/01(火)01:36 ID:z0lL6wd5o(2/2) AAS
短いですが、ここまで
正月中にもう少し進めたいと思います
本当はクリスマスに投下する予定でしたが、遅くなりました
しかし年を跨いで、何故こんな鬱な話を書いてるのか
928: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2013/01/01(火)01:48 ID:KgyReanCo(1) AAS
途中までさやかと恭介だと思いこんで読んでた件
929: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2013/01/01(火)02:19 ID:PyaucsvAO携(1) AAS
乙。
比較的チョロい敵と思っていたモロクの呪詛が、恐ろしい勢いで杏子とさやかに襲い掛かる。
うわあああああ、魔戒騎士いいいいい〜〜〜〜〜!!!
今年も見ているよ!
930: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2013/01/01(火)21:55 ID:xXY7ZQTSO携(1) AAS
年明けも間近な時間になんて話を書いてるんだ
新年そうそう暗い気分になった……が、ホラーが憑依する過程を大事に書くのはいいことだ
原作のモロクと似ていながら、より残酷な過去
こりゃ、杏子が絶望に傾くのもわかるかも
931: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2013/01/05(土)21:43 ID:8DmBgBMU0(1) AAS
乙です。
年末年始にこんな話を出すうp主・・・イイネ!
さて今夜のニコ生MAKAISENKIは5〜8と中々強烈なラインナップだ。
932: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2013/01/06(日)10:38 ID:D9QCadt20(1) AAS
邪乙剣撃!
鋼牙や零に難なく陰我消滅されているホラーたち一体一体にもこういう憑依にいたるまでのその人間のドラマがあるのだと思うと感慨深いですね。
ダンタリアンとかゲノシカに憑依された遊び人にもドラマがあると思うと・・・。
モロクは恋慕の陰我を好むようにホラーにも魔女のように性質があるということ。
つくづく相性の良い作品だ。
【閃光】でしか出番のなかった邪悪呀狼。CR魔戒閃騎でも敵としてもちろん出てきていろいろ技を使うが・・・
【邪気抜刀】 牙狼剣を鞘に収め、抜刀の構えを取った後、剣を抜き、鞘に溜まった邪気をビームにして放つ。弱攻撃。
【巨刃影斬】 影を巨大化させ、一刀両断に剣を振り下ろす。呀の大魔獣陣を彷彿とさせるが中攻撃。
【邪悪魂撃】 剣を落とし、心滅獣身し、口からビームを発射。【シグマ】をボスに選んだ場合の強攻撃。
【三伐一殲】 邪悪絶狼、邪悪打無を召還し、三位一体攻撃を仕掛ける。【赤い仮面の男】をボスに選んだ場合の強攻撃。
心滅するわ何も無いとこから三騎召還するわいくらなんでもやりすぎの感が拭えないシグマ兄さん。
933: ◆ySV3bQLdI. [sage saga] 2013/01/07(月)03:11 ID:G6tUv/Y2o(1) AAS
明日にはたぶん……
今週の生放送は濃厚な回ばかりで、特に零の回はどちらも良作
零の人物像が改めてわかった気がしました
934: ◆ySV3bQLdI. [sage saga] 2013/01/08(火)02:24 ID:QJLGkI0yo(1) AAS
やっぱり、もう少し……ちょっと詰まってます
ご迷惑おかけします
今週中、でも土日にはならないと思います
935(2): VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2013/01/09(水)20:37 ID:AzEwWv7S0(1) AAS
いつでも待ってます♪
△閑話休題△
一期・暗黒魔戒騎士編の謎をいろいろと補完した小説が出ているのは周知の通りですが
二期・魔戒閃騎の小説が出るとしたら皆さんどんな話が読みたいですか?
936: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2013/01/10(木)00:35 ID:ICrDo3EJ0(1) AAS
>>935
山刀兄妹奮闘記に一票。
テレビじゃ翼の主役回無かったし、役者さんの都合か鈴ちゃんに至っては出番自体無かったし。
この二人好きなんでもっと活躍が見たかった。
937: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2013/01/10(木)02:37 ID:lMUQjVGC0(1) AAS
>>935
田中要次さんのやった騎士の話
一般騎士の生活とか見て(読んでみたい)
938: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2013/01/10(木)11:07 ID:bK+VEqBAO携(1) AAS
ワタル主役篇かな。
息子がいるって話がチラッと出ていたから、彼のお父ちゃんぶりも見たい。奥さんどんな人なんだろう。
939: ◆ySV3bQLdI. [ saga] 2013/01/12(土)03:55 ID:4pqoiOsuo(1/9) AAS
*
もともと自殺しようとしていたのだから、細工は簡単で済んだ。
男は自殺として処理され、女は悲しみに暮れるただの恋人でしかなかった。
実際に心から悲しみに暮れてはいたのだから、誰に怪しまれることもなかった。
女に向けられたのは、非難ではなく同情。
真実は闇に葬られた。
一時は安堵したものの、すぐに過ちだったと気付く。
夜毎の悪夢にうなされ、猜疑心が精神を埋め尽くす。自責の念は、絶えず重く圧し掛かる。
存在を認められない罪は許されもしない。かと言って、今さら真実を告白し、罰を乞う勇気もなく。
犯した罪に苛まれ、女は緩やかに壊れていった。
否、あの日に壊れていたのだとすれば、深みへ堕ちていったと言うべきか。
ある夜、街を歩く女は、ふと懐かしい音色を聞いた気がして振り向く。
すれ違ったのは、ヴァイオリンケースを持った少年だった。
少年は新聞に載った経験もあるが、知名度があるかと言えば然程でもない。
周囲の人間を除けば、ヴァイオリンに興味のある人間しか目に留めないだろう。
少年にとって不幸だったのは、彼女がヴァイオリンに未練を残していたこと。
実際にコンクールなどで少年の姿を眼にし、印象に残っていたこと。
そして何よりも、彼女が正気を失い、狂気に支配されていたこと。
彼の技術と資質は、直接その目と耳で感じた。
まだ十代前半にして才気に溢れ、既に想い人と並ぶ――将来的には超えるだろうと予感した。
天才というのは確かにいるのだと、震えが走ったのをよく覚えている。
940: ◆ySV3bQLdI. [ saga] 2013/01/12(土)03:59 ID:4pqoiOsuo(2/9) AAS
その少年が今、目の前にいる。ヴァイオリンを大切そうに抱えて。
練習の疲労を漂わせながらも溌剌としているのは、今が充実しているから。
今日の反省点はどこで、明日は何の曲に挑もうか、そんなことばかり考えている。
頭の中は旋律に満ちているに違いない。
きっとこれから先、まだ見ぬ音楽と出会い、技術を磨いて、更なる高みへ昇っていく。
自分にも、死んだ男にも、絶対たどり着けない場所へ。
込み上げる怒涛の如き嫉妬と怒り。少年が眩しければ眩しいほど、心の陰は濃さを増す。
思い知らせてやる。綺麗な光には、自分のような害虫も寄ってくるのだと。
話したこともない少年に理不尽な憎しみを抱き、すべてを奪いたくなる。
普通ならあり得ない、常軌を逸した妄想。けれど、今の彼女は普通ではなかった。
女はくるりと踵を返し、気取られぬよう離れて彼の後を追う。
天候は折悪しく雨。多少の音は掻き消してくれる。
少年は、小さな折り畳み傘を片手に、ヴァイオリンが濡れないように歩くので精一杯。
前もろくに見えていない上に、イヤホンで音楽を聴いていた。
これでは、とても背後にまで注意を払えないだろう。
少年は近道をしたかったのか、
歩道のない――白線の内に辛うじて一人の幅があるが――車道を行く。
夜に通るのは危険な道だが、車通りが少ないからと警戒心を緩めているのだろう。
女は360度をさっと、それでいてくまなく見渡す。周囲に人の気配はなかった。
街灯は頼りなく瞬き、横を通り過ぎる車もまばら。
聞こえるのは雨音と、水を跳ねて走るタイヤの音だけ。
街が、世界が呼吸を止めているかのよう。
941: ◆ySV3bQLdI. [ saga] 2013/01/12(土)04:01 ID:4pqoiOsuo(3/9) AAS
最後に、女は自分の姿を一瞥する。
その着衣は喪服のような黒一色。
まだ夜は冷え込む季節。
傘も差さずに濡れ鼠になっているにも関わらず、ちっとも寒さは感じなかった。
それどころか火照って熱いくらいだった。
遠くから近付いてくるヘッドライト。
少年が、靴に入った水を気にして片足立ちになる。
今しかない。
重なり合った、あらゆる偶然が背中を押した。
間違いない。天が味方していると確信できた。
倫理も道徳も知らない。
常識も損得も関係ない。
良心なんてブレーキは、とっくに壊れていた。
女を縛るものは何もなかった。
女は足を踏み出す。
最後の一線を、踏み越える。
静かに少年に駆け寄り――。
背中を突き飛ばした。
それほど強くはなかったが、少年はつんのめりながら車道の中央に進む。
けたたましいクラクションと急ブレーキ。ふたつの音が混ざり合って、夜の闇を切り裂く。
その数瞬の後。
942: ◆ySV3bQLdI. [ saga] 2013/01/12(土)04:04 ID:4pqoiOsuo(4/9) AAS
ドォン、という轟音と共に、少年に車が衝突。細い身体は、いとも軽々と宙を舞う。
少年は数メートルほど飛ばされて道路を滑り、止まってからもピクリとも動かない。
割れて片目になったライトが照らし出す。
傘は無残にへし折れ、流れる血でアスファルトを染めながら、
それでも少年はヴァイオリンを放さなかった。
その有様を、女は傍の物陰から見ていた。
突き飛ばしてすぐに隠れたので、運転手には目撃されていないはずだが、のんびりしていられない。
混乱する運転手の叫びを尻目に、女はその場を走り去った。
途中、何度も足をもつれさせながら、どうにかマンションの自室に帰り着く。
息が荒いのは走っていたからか。それとも、別の理由か。
いつまで待っても、呼吸が治まらない。これ以上ないくらいに昂揚していた。
数十分前を思い返すと身震いする。
とんでもないことを、しでかしてしまった。
激突の瞬間、少年はヴァイオリンを庇った。
地面に叩きつけられる時でさえ、己が身を挺して衝撃から守った。
彼にとって何よりも大切な物を、まるで我が子のように抱き締めていた。
その結果、車と接触したのも、ヴァイオリンと路面に挟まれて潰れたのも、彼の左手。
あれでは生きていたとしても、再起は難しいはず。
そんな判断が咄嗟にできるくらいなら、むしろ楽器なんて捨てるか盾にすべきだったのだ。
本当に馬鹿な子。
943: ◆ySV3bQLdI. [ saga] 2013/01/12(土)04:06 ID:4pqoiOsuo(5/9) AAS
くつくつと、自然に笑みが零れる。
不安、恐怖、後悔。
もちろん、それらもある。
ただ、上回る歓喜があった。爽快で、痛快だった。すべてを押し流す圧倒的な愉悦。
やりたいと思い、やれそうだった。
だから行動に移したら、できてしまった。
ただ、それだけ。こんなにも簡単なことだったのだ。
あんなに恐れていた罪とは、禁忌とは、いったい何だったのか。
忍び笑いは、いつしか声を上げた哄笑に変わっていた。
数日後、少年が市内の病院に搬送され、一命を取り留めたと知る。
少し残念に思ったが、続けて経過を調べていくと面白いことがわかった。
身体の怪我はそれほど重くはないが、左手はかなりの重傷で、回復の見込みは薄いらしい。
少なくとも完全に元通り動くまで回復することはない、と。
手段を選ばずに探った甲斐があった。
何日も、何時間も費やした苦労が一気に報われた気がした。
快哉を叫びたい気分。
壊れずとも後遺症が残るなら、それで良し。天才は戻らない。それだけでも喜ばしい。
焦る必要はない。もしも復活するようなら、また潰せばいいのだ。
ある意味では死よりも辛い生き方だろう。残骸になった夢に囚われてなお生き続けるのは。
その惨めさと虚無感は、誰より女がよく知っていた。
944: ◆ySV3bQLdI. [ saga] 2013/01/12(土)04:11 ID:4pqoiOsuo(6/9) AAS
タガが外れたように、その後も次々と凶行を重ねていく女。
被害者は老若男女を問わず、およそ常人には無差別としか思えないだろう。
互いに、まったく関わりのない被害者たち。
彼らは、何となく幸せそう、という理由だけで選ばれていた。
手口は主に突き落とし。
駅のホームで。
急な階段で。
海や河で。
そうやって事故や自殺を偽装することもあれば、
刺殺や絞殺など、明らかに殺人とわかる方法で殺したりもした。
また、犯行に至るまでの下準備と調査は、気紛れな選定と正反対に、驚くほど綿密だった。
だが、それを差し引いても、犯行が露見しなかったのは運命の悪戯としか言いようがない。
神――もとい、悪魔の加護を受けているかのように。
夢も希望も失った女は、他人の夢と希望を奪うことに快感を覚えた。
まるで麻薬のような恍惚。
中毒者が禁断症状から逃れる為に一時の快楽を求めるように、彼女もまた溺れていった。
先に待つものが更なる地獄、そして破滅と知りながら。
女には、とことん己を貶めることが、罪を犯すことこそが罪の意識から逃れる方法だった。
矛盾しているが、男を殺した罪に他の罪を重ねて、
いつか自分の中で個々が薄れるのではないかと期待したのだ。
愛した男を殺したことが、次第に幾多の罪のひとつになり果てていったように。
945: ◆ySV3bQLdI. [ saga] 2013/01/12(土)04:13 ID:4pqoiOsuo(7/9) AAS
その夜も女は、いつものように人を殺し、いつものように後始末をして帰宅した。
底冷えする部屋で明かりも暖房もつけず、まっすぐテーブルに向かう。
卓上にぽつんと置かれているのは、大きめなクリスタルの灰皿。
中には灰が山と積もっている。
タバコは、薬に頼るほどではないが気分を落ち着けたい時に重宝していた。
もっとも、本来の用途はついでに過ぎない。主な目的は他の物を燃やすことにあった。
女が懐から取り出したのは漆黒の手袋。
さっきまで身に付けていたそれには、所有者以外の血が付着していた。
女は手袋にライターで火をつけると、灰皿に投げ込んだ。
殺しも含め、ここまでが習慣として染みついている。
赤と青。
氷のように冷え切ったクリスタルの上で炎が躍る。染み込んだ血と女の罪を呑み込んで。
犯行に使用した手袋は、その都度この灰皿で燃やしていた。
血が目立たないよう、色は常に黒。あの日から白い手袋は一度も身に付けていない。
暗い室内で唯一の光を、女は微動だにせず、無感情に見つめていた。
胸に様々な感情が駆け巡る。正も負も、喜びも悲しみも入り乱れる。
この時間だけは、女は人間に戻っていた。
やがて手袋は完全に燃え尽き、部屋が闇に包まれる。
そういえば、始まりのあの日から捨てていなかったと、女が灰を掻き分けた瞬間。
946: ◆ySV3bQLdI. [ saga] 2013/01/12(土)04:17 ID:4pqoiOsuo(8/9) AAS
何かが、灰皿から立ち昇った。
暗中でもはっきり視認できるのは、それが闇よりも黒いせい。
墨?
違う、これは――――灰だ。
灰の中から見たこともない文字が連なり、恐ろしい形相の怪物を象ったかと思うと、
端から解けて女に襲いかかる。
目、耳、鼻、口。
逃げる間もなく、すべての穴から女の内に流れ込み、蝕んでいく。
薄れゆく意識で思う。
逃げられなかった、と。
たとえ灰になろうとも、燃え尽きるはずがなかった。
積もり積もって形を成すほどに。
あり得ない状況に恐怖すると同時に、
追いかけてきた罪に絡め取られたと悟った女は、安らいでもいた。
何故なら、罪は癒しであり、慰めでもあったから。
ゆえに、罪に塗れた死は断罪であり、救済。
女は静かに、黒い文字の奔流を受け入れた。
蓄積された陰我は、灰皿を魔界とのゲートに変えていた。
すべてが終わった時、女の魂は現れた魔獣、ホラーに喰われた。
しかし歪んだ意思の一部、陰我は身体を乗っ取ったホラーと同化し、生き続ける。
女が本物の悪魔となった瞬間だった。
947: ◆ySV3bQLdI. [ saga] 2013/01/12(土)04:19 ID:4pqoiOsuo(9/9) AAS
ここまで。土日月で遅れを取り戻したいと思います
妙に力が入ってしまって長くなりましたが、
今回と次回は流しても問題ないと言えばないかもしれません
原作のモロクは指でしたので、今回は手を強調
ゲートは何にしようか最後まで決め兼ねてましたが、氷+火+手ということで、こんな形に
原作や前のホラーと離れたイメージが浮かばなかったのが惜しいですが
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