[過去ログ] さやか「黄金の……狼……」 牙狼―GARO―魔法少女篇 第二夜 (1002レス)
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61: ◆ySV3bQLdI. [ saga] 2012/04/07(土)02:33 ID:7tfJJhllo(7/11) AAS
――でも今は、今だけは……。

 彼女の悩みを聞いてやることも、彼女を救うのに必要なのではないか。つまり、これも魔法少女として当然の責務。
 常ならあり得ない思考が生まれた。

 自覚はあった。
 そんなもの、自分を誤魔化し、納得させんとする詭弁に過ぎないと。
 だが、止められなかった。

 自分を魔法少女として、敬意を持って見てくれる人物を求めていた。
 唯一の存在意義を認めてくれるなら誰でも良かった。
 まして黄金騎士なんて知りもしない人間なら尚更いい。

 もうひとつ。
 彼女は年上で、包容力もありそうな大人の女性だった。
 これだけは、まどかやさやかには望めない条件。
 
 彼女はマミの左手も取って、両手で包み込む。
重なる手から、しっとりと柔らかい感触と温度が伝わってくる。
 この瞬間、はっきりと理解した。
 自分がしてきたことは、そのまま自分がして欲しかったこと。
与えるだけでなく、与えられることを欲していた。渇望していた。

「はい……少しなら」

 数秒後、マミは微笑んで頷く。
 表面上は迷う振りをしながらも、内心は怒涛のような歓喜に支配されていた。
 マミの了解を得て、彼女は喜びも露わに、遅い自己紹介をする。

「ありがとう! 私の名前は命……夕木命(ゆうき みこと)。あなたは?」
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